12 人が閲覧(直近 30 日) 人事労務

法定雇用率とは?2026年7月2.7%引上げの算定・除外率・報告をシステム目線で解説

法定雇用率とは?2026年7月2.7%引上げの算定・除外率・報告をシステム目線で解説

民間企業の法定雇用率は2026年(令和8年)7月1日に2.5%から2.7%へ引き上げられ、障害者を雇用する義務が生じる企業の規模も常用労働者40.0人以上から37.5人以上へ広がりました。厚生労働省が2025年12月19日に公表した集計では、法定雇用率を達成している企業は46.0%にとどまります。この記事では、引上げスケジュールと対象範囲を確認したうえで、実雇用率の分母と分子をどう数えるか、除外率の10ポイント引下げで何が変わったか、未達成のときにいくら支払うのかを整理します。そのうえで、算定に必要なデータを人事システムのどこに持たせるか、Excel台帳のままで足りるのはどの規模までかを、受託開発の立場で切り分けました。

まとめ:2.7%引上げで変わる算定基準と人事システム側の改修3点

制度側の変更は3つです。民間企業の法定雇用率が2026年7月1日から2.7%になったこと、雇用義務の対象が常用労働者37.5人以上へ広がったこと、そして2025年4月1日に除外率が各業種一律10ポイント引き下げられたこと。国や地方公共団体は3.0%、都道府県等の教育委員会は2.9%です。

実務で先に効くのは率そのものより算定の粒度です。分母は常用労働者数に短時間労働者を0.5人で足した数、分子は障害者ごとに1人・2人・0.5人と重みが変わる数で、どちらも週所定労働時間で決まります。勤怠側の労働時間区分と人事側の手帳情報が別々に管理されていると、6月1日時点の数字を再現できません。

人事システムの改修は3点に絞られます。手帳の種別・等級・確認日・次回確認期限をマスタ項目として持つこと、毎月1日時点の在籍と労働時間区分をスナップショットとして残すこと、そして障害者雇用データの参照権限を人事部門全員から切り離すこと。従業員100人以下で対象者が数人なら、専用システムは過剰です。作るべきかどうかの線引きは最後の章で条件を示します。

2026年7月に2.7%へ引き上がった法定雇用率と対象37.5人以上への拡大

法定雇用率は、障害者雇用促進法にもとづいて事業主に課される雇用義務の割合です。厚生労働省は障害者雇用対策のページで、企業に対して雇用する労働者の2.7%に相当する障害者を雇用することを義務付けていると明記しています。母集団の実績は伸びていて、令和7年の障害者雇用状況の集計結果によれば2025年6月1日現在の雇用障害者数は70万4,610.0人で、22年連続の過去最高です。ただし実雇用率は2.41%、達成企業の割合は46.0%で、半数以上の企業が未達成のまま率だけが上がった状態です。

2.3%から2.7%まで3段階で動いた引上げスケジュールと施行日

直近の引上げは2段階に分けて予告されていました。厚生労働省のリーフレット「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」(文書番号LL080401障01)は、民間企業の法定雇用率を令和5年度2.3%、令和6年4月2.5%、令和8年7月2.7%と示しています。西暦なら2023年度、2024年4月、2026年7月です。

時期 民間企業の法定雇用率 対象事業主の範囲
令和5年度(2023年度) 2.3% 常用労働者43.5人以上
令和6年4月(2024年4月) 2.5% 常用労働者40.0人以上
令和8年7月(2026年7月) 2.7% 常用労働者37.5人以上

2.7%という率は、労働者1人を雇う義務が生じる分岐点も動かします。1人÷2.7%=37.03…となり、端数処理のうえで37.5人が境界になりました。

対象事業主43.5人以上から37.5人以上への範囲拡大と公的機関の率

対象範囲の拡大は、これまで義務の外にいた企業を巻き込みます。常用労働者が38人から39人の企業は、2026年6月まで雇用義務がなく、7月から1人以上の雇用義務を負う立場に変わりました。37.5人という半端な数字は、短時間労働者を0.5人として数えるためです。正社員35人とパート6人(週20時間以上30時間未満)なら35+3.0で38.0人となり、対象に入ります。

公的機関の率は民間より高く設定されています。同じリーフレットのQ&Aによると、国や地方公共団体等は2026年7月1日から3.0%、都道府県等の教育委員会は2.9%です。除外率制度の10ポイント引下げも民間と同時期に適用されました。

実雇用率の算定式と障害者1人を何カウントで数えるかの判定基準

実雇用率は「雇用している障害者の数÷常用労働者数」で求めます。厄介なのは、分母と分子の両方が実人数ではないことです。どちらも週所定労働時間によって重みが変わり、しかも分子には障害の種別と程度による係数が入ります。計算式を1本覚えるより、データ側で何を持てば両方を機械的に出せるかを考えるほうが早く終わります。

常用労働者と短時間労働者0.5人換算で決まる分母側の集計方法と端数処理

分母の常用労働者数は、週所定労働時間30時間以上の労働者を1人、20時間以上30時間未満の短時間労働者を0.5人として合計します。週20時間未満の労働者は分母に入りません。雇用期間の定めがない者、または1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる者が対象で、日雇いや短期の契約社員は除きます。

法定雇用障害者数は、この常用労働者数に2.7%を掛けて小数点以下を切り捨てた数です。常用労働者が120.0人なら3.24となり、雇用義務は3人。切り上げではないため、124人までは3人で足ります。125.0人になると3.375で、義務が4人に増えます。

重度のダブルカウントと精神・特定短時間労働者の算定特例の一覧

分子は種別と程度と労働時間の3軸で決まります。身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかで確認できる労働者が対象で、重度身体障害者と重度知的障害者は1人を2人として数えます。精神障害者には重度の区分がなく、ダブルカウントはありません。

週所定労働時間 身体・知的(重度以外) 重度身体・重度知的 精神
30時間以上 1 2 1
20時間以上30時間未満 0.5 1 1(特例)
10時間以上20時間未満 算定外 0.5 0.5

下2段には施行時期があります。精神障害者の短時間労働者を0.5ではなく1で数える特例は令和5年(2023年)4月以降、雇入れからの期間に関係なく当分の間適用されます。週10時間以上20時間未満の精神障害者・重度身体障害者・重度知的障害者を0.5で算定できるようになったのは令和6年(2024年)4月以降です。週15時間の重度知的障害者は、2024年3月まで0だった数字が翌月から0.5に変わりました。

週所定労働時間の変動を月次で追えない勤怠データで生じる算定ずれ

表の3軸のうち2軸は人事マスタで固定できますが、週所定労働時間だけは動きます。育児短時間勤務で30時間から24時間へ、体調に合わせて24時間から18時間へ。所定労働時間が変わった月から、その労働者のカウントは1から0.5へ、あるいは0.5から算定外へ移ります。

ここで問題になるのは、勤怠システムが実労働時間だけを持ち、所定労働時間の履歴を持たない構成です。契約変更の日付が雇用契約書のPDFにしか残っていない企業は珍しくありません。6月1日時点の所定労働時間を根拠つきで再現できないと、報告書の数字は担当者の記憶に依存します。

基準日が6月1日の報告は、高年齢者雇用安定法にもとづく高年齢者雇用状況等報告でも同じ月に発生します。所定労働時間の履歴を持たせておけば、2つの報告を同じデータから作れます。

対策は、所定労働時間の変更を「いつから・何時間」の履歴レコードとして持つことに尽きます。勤怠管理システムの開発で契約区分マスタと発効日を設計しておけば、任意の基準日で分母と分子を同時に再計算できます。実労働時間の集計と所定労働時間の履歴は別物として設計する、という点だけ外さないでください。

除外率10ポイント引下げ後に残る業種別控除と控除計算の実務順序

除外率は、障害者の就業が一般的に困難と認められる業種について、分母となる労働者数を減らす仕組みです。厚生労働省の資料「除外率制度について」によれば、この制度は平成14年の法改正で平成16年4月に廃止され、経過措置として当分の間だけ業種ごとの率を残す扱いになっています。廃止に向けて段階的に縮小する方針が法律附則に書かれており、実際に平成16年4月、平成22年7月、令和7年4月の3回、一律10ポイントずつ引き下げられました。

令和7年4月以降の除外率設定業種と5%から70%までの適用率の一覧

2025年4月1日の引下げで、それまで除外率が10%以下だった業種は制度の対象から外れました。残っている業種と率は次のとおりです。

除外率 業種
5% 非鉄金属第一次製錬・精製業/貨物運送取扱業
10% 建設業/鉄鋼業/道路貨物運送業/郵便業
15% 港湾運送業/警備業
20% 鉄道業/医療業/高等教育機関
20% 介護老人保健施設/介護医療院
25% 林業(狩猟業を除く)
30% 金属鉱業/児童福祉事業
35% 特別支援学校
40% 石炭・亜炭鉱業
45% 道路旅客運送業/小学校
50% 幼稚園/幼保連携型認定こども園
70% 船員等による船舶運航等の事業

但し書きは原文どおりで、貨物運送取扱業は集配利用運送業を除き、郵便業は信書便事業を含み、特別支援学校は専ら視覚障害者に対する教育を行う学校を除きます。建設業と医療業は該当企業が多く、影響も大きい2業種です。医療業は引下げ前30%だった率が20%になり、常用労働者500人の病院なら控除後の分母が350人から400人へ、義務人数は9人から10人へ増えました。次の引下げ時期は公表されていませんが、経過措置である以上いずれ0%に向かう前提で計画を組むほうが安全です。

複数業種を営む企業の除外率適用単位と控除後の法定雇用障害者数

除外率は企業単位ではなく、業種ごとに適用します。建設業と不動産賃貸業を営む企業なら、建設部門の労働者数にだけ10%を掛けて控除し、賃貸部門はそのまま数えます。事業所単位ではない点に注意してください。同じ事業所内に複数業種の従業員が混在していれば、従事する業務で分けます。

計算の順序は、業種ごとに労働者数から除外率相当数を控除し、控除後の数を合計してから2.7%を掛けて切り捨てる、という流れです。控除を後回しにすると端数処理の位置がずれ、義務人数が1人変わることがあります。

未達成で生じる納付金・行政指導・企業名公表という3つのコスト

未達成のコストは金銭だけではありません。納付金、ハローワークによる雇入れ計画の作成命令、それでも改善しない場合の企業名公表という順に段階が上がります。雇用義務のほかに企業が負う差別禁止・合理的配慮・相談員の選任・解雇届までを含めた義務の全体は、障害者雇用とは?企業に課される7つの義務と根拠条文で一覧にしています。

常用労働者100人超に生じる月5万円の納付金と申告期間の期日

納付金の対象は、JEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)の納付金制度によれば常用労働者の総数が100人を超える事業主です。法定雇用率に不足する障害者数に応じて、1人当たり月額50,000円を納付します。不足2人なら月10万円、年間120万円です。

申告と納付は年度単位です。令和8年度分の申告期間は令和9年(2027年)4月1日から同年5月17日までで、対象は前年度の各月1日時点の状況です。年度が終わってから半年前の数字を集め直す作業になるため、月次で確定させておかないと申告直前の負荷が跳ね上がります。

調整金29,000円と報奨金21,000円の支給調整が入る人月ライン

超過して雇用している場合は逆に支給を受けられます。常用労働者100人超の事業主には1人当たり月額29,000円の調整金、100人以下の事業主には1人当たり月額21,000円の報奨金です。ただし2024年度以降、支給人数が多い事業主には調整が入ります。調整金は支給対象人数が年120人月を超えた分が23,000円へ、報奨金は年420人月を超えた分が16,000円へ下がります。

年120人月は、月あたり10人の超過雇用に相当します。特例子会社を持つ企業や、障害者雇用を事業として組み立てている企業がこの線を超えます。単価が下がった分は雇用の質を高める助成金へ振り向ける、というのが制度改正の趣旨です。あわせて、在宅就業障害者への発注に対する特例給付金は令和7年3月31日で終了しました。

調整金・報奨金は申請しなければ支給されません。算定期間の管理を年1回の手作業に頼っていると、超過して雇用していながら申請漏れで受け取れない状態が起こります。算定基礎日の取り方や常用雇用労働者の計上漏れ、延納と追徴金を含む申告の実務は障害者雇用納付金の計算方法と申告期限の解説にまとめました。雇い入れの時点で使える特定求職者雇用開発助成金やトライアル雇用助成金の支給額と申請期限は、障害者雇用の助成金一覧(月いくら・支給要件と申請書類を勤怠データで揃える方法)で整理しています。

年度途中で率が切り替わる2026年度の報告と納付金算定の分割

2026年度は、7月1日という施行日のため同じ年度の中で2.5%と2.7%が併存します。取り違えると報告書の不足数と納付金の金額が両方ずれます。

令和8年6月1日報告は2.5%基準・納付金は月単位で2.7%へ切替

厚生労働省のリーフレットは、この点を名指しで説明しています。令和8年6月1日時点の障害者雇用状況報告では、法定雇用率2.5%での不足の有無を確認します。報告の基準日が施行日より前だからです。

一方、令和8年度分の障害者雇用納付金は、令和8年6月以前を2.5%、令和8年7月以降を2.7%で算定します。1つの年度の中で、4月から6月までの3か月と7月から翌年3月までの9か月に分けて計算するということです。申告期間は令和9年4月1日から5月17日までなので、実際に手を動かすのは2027年春になります。

施行日別に処理を分ける必要がある点は、育児介護休業法の段階施行と同じ構造です。施行日ごとに人事システムの改修要否を切り分けた整理と同じ要領で、いつの時点の数字にどの率を当てるかを表にしてから作業に入ると事故が減ります。

月次スナップショットを持たない人事データで生じる算定の再現不能

納付金の算定は各月1日時点の状態を12回積み上げる形です。ところが多くの人事システムは、従業員マスタを最新状態で上書きします。退職者を論理削除し、所定労働時間を上書きし、手帳の等級を更新する。この設計では、2026年8月1日時点で誰が何カウントだったかを2027年4月に再現できません。

必要なのは月次スナップショットです。毎月1日に、在籍者・所定労働時間区分・手帳種別・等級・カウント数を確定させたレコードを別テーブルへ書き出しておく。行数は従業員数×12で、5,000人規模でも年6万行にすぎず、保存コストは問題になりません。

スナップショットには算定結果だけでなく根拠も残します。分母の内訳(30時間以上が何人、20時間以上30時間未満が何人)、除外率の適用業種と控除数、分子の内訳をセットで保持すれば、労働局から問い合わせが来ても当時の判断を提示できます。あとから作り直せない情報は、その時点で確定させるしかありません。

Excel台帳の限界と人事システムに持たせる障害者雇用データ項目

ここまでの算定を、多くの企業はExcel台帳で回しています。対象者が3人で異動も少ないなら、それで問題ありません。破綻するのは、手帳の有効期限が切れたとき、等級が変わったとき、担当者が交代したときです。以下は、台帳から人事システムへ移す判断をした企業に向けた設計の話です。

手帳の種別・等級・確認日と次回確認期限を持たせる人事マスタの項目

最低限必要な項目は5つです。手帳の種別(身体・療育・精神保健福祉)、等級、重度該当の有無、確認日、次回確認期限。精神障害者保健福祉手帳には2年の有効期限があり、更新されなければカウント対象から外れます。療育手帳も自治体によって再判定の時期が定められています。

ここで効くのが次回確認期限です。有効期限の3か月前にアラートを出す仕組みがあれば、更新の確認を本人にお願いするタイミングを逃しません。期限切れに6月1日の報告作業で気づくと、その年の実雇用率が下がった理由を説明できないまま報告することになります。

これらは人事管理システムの従業員マスタに持たせる項目ですが、一般の人事項目と同じテーブルに並べる設計は避けてください。理由は次の項で述べます。

機微な個人情報として障害者雇用データを分離する参照権限の設計

障害の有無と等級は、個人情報保護法上の要配慮個人情報です。取得には本人の同意が要り、目的外の利用はできません。にもかかわらず、従業員マスタの拡張項目として追加し、人事部門の全員が閲覧できる状態にしている企業があります。これは作ってはいけない設計です。

分離の方法は2段階あります。テーブルを分けて、障害者雇用管理の担当者だけにアクセス権を与えること。そして、一覧画面や検索条件に該当項目を出さないこと。CSV出力の対象からも外します。給与計算や評価の画面から見えてしまう構成では、権限設定を厳しくしても運用でこぼれます。

この考え方は、ハラスメント相談の記録を扱うときと同じです。相談記録の権限分離を機能要件へ翻訳した整理でも触れたとおり、機微な情報は「見られる人を減らす」ことでしか守れません。人事部門だから全部見てよい、という前提を最初に外してください。

専用システムが過剰になる規模条件と個別開発に踏み切る3つの判断軸

結論を先に書きます。常用労働者100人以下・単一業種・対象者が5人未満なら、専用システムの開発は過剰です。この規模では納付金の申告義務もなく、年1回の報告のためにExcel台帳と有効期限のカレンダー通知があれば足ります。個別開発の費用は回収できません。

個別開発に踏み切る条件は3つです。1つ目は、除外率の適用業種が複数あり、部門ごとに控除計算が分かれる企業。2つ目は、常用労働者が100人を超えて納付金の月次算定が必要な企業。3つ目は、グループ会社や特例子会社を含めて算定単位が複数ある企業です。いずれか2つに当てはまるなら、既存の人事システムへ算定モジュールを追加する価値があります。

逆に、パッケージのHRシステムを導入済みで対象者が10人前後という企業は、標準機能の障害者雇用管理で足ります。この層が個別開発を選ぶと、法改正のたびに改修費が発生し、パッケージのバージョンアップで吸収できたはずの変更を自社負担で追いかけることになります。率が2.7%で止まる保証がない以上、改修の主体を自社に寄せるかどうかは慎重に決めてください。

よくある質問

法定雇用率の実務でつまずきやすい点を5つ取り上げます。

法定雇用率2.7%はいつから適用されますか?

民間企業は2026年(令和8年)7月1日からです。2024年4月に2.3%から2.5%へ引き上げられ、その次の段階として2.7%になりました。国や地方公共団体等は同じ日から3.0%、都道府県等の教育委員会は2.9%です。ただし2026年6月1日時点の障害者雇用状況報告は、基準日が施行前のため2.5%で不足の有無を確認します。令和8年度分の納付金は、6月以前を2.5%、7月以降を2.7%で分けて算定します。

従業員が37.5人ちょうどの場合も雇用義務の対象ですか?

対象です。37.5人以上が対象範囲なので、ちょうど37.5人でも1人以上の雇用義務が生じます。この0.5という半端は、週20時間以上30時間未満の短時間労働者を0.5人として数えるために発生します。正社員37人+週25時間のパート1人なら37.5人です。なお週20時間未満の労働者は分母に含めません。境界付近の企業は、パート採用のたびに対象かどうかが変わるため、月次で人数を確認しておくと安全です。

障害者手帳がない従業員はカウントできますか?

できません。実雇用率に算入できるのは、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかで確認できる労働者です。身体障害者については指定医または産業医の診断書・意見書でも確認できますが、精神障害者は手帳の所持が要件になります。難病患者や発達障害の診断のみで手帳を持たない従業員は、現行制度では算定対象外です。手帳の有効期限が切れた場合も、更新されるまでカウントから外れます。

法定雇用率を満たさないと罰則はありますか?

刑事罰はありませんが、金銭負担と行政措置があります。常用労働者100人超の事業主は、不足1人当たり月額50,000円の障害者雇用納付金を納めなければなりません。納付金を払えば義務を果たしたことにはならず、実雇用率が著しく低い企業にはハローワークから雇入れ計画の作成命令が出ます。計画が適正に実施されない場合は勧告、それでも改善がなければ企業名の公表という段階が用意されています。100人以下の企業は納付金の対象外ですが、行政指導と公表の対象からは外れません。

除外率が引き下げられた業種は何をすればよいですか?

控除後の分母が増えているため、法定雇用障害者数を計算し直してください。2025年4月1日から各業種一律10ポイント引き下げられ、それまで10%以下だった業種は制度の対象外になりました。医療業は30%から20%、建設業は20%から10%です。常用労働者300人の建設業なら、控除後の分母が240人から270人へ増え、義務人数は6人から7人に変わります。除外率は経過措置なので、今後さらに引き下げられる前提で採用計画を立てるほうが手戻りが少なくなります。

関連記事

お気に入りに入れた記事の一覧

この記事は以下の記事からリンクされています

ほか 4 件の記事からもリンクされています。

資料請求

RELATED POSTS 関連記事

目次