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年収の壁2026早見表|178万円・136万円・130万円の一覧と手取りの分岐点

年収の壁2026早見表|178万円・136万円・130万円の一覧と手取りの分岐点

2026年(令和8年分)の年収の壁は、税制改正と年金制度改正の両方で動きました。所得税がかかり始めるのは178万円、親や配偶者の扶養に入れるのは136万円、社会保険の扶養から外れるのは130万円です。「106万円の壁」は2026年10月に撤廃され、週20時間以上働くかどうかで社会保険の加入が決まるようになりました。壁ごとに基準となる金額も、負担する人も違います。国税庁・厚生労働省・協会けんぽの一次資料をもとに、令和8年分の数字と年収別の手取りを整理します。

まとめ

  • 所得税がかかり始めるのは年収178万円(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)。令和7年分の160万円から18万円上がりました。勤務先の社会保険に加入する場合、本記事の本人負担14.69%の概算では、所得税が発生する目安は年収約209万円です。
  • 住民税は年収119万円超からかかります(単身・級地1の場合)。所得税より59万円低く、扶養内で働く人が最初に当たる壁です。
  • 親や配偶者の扶養に入れるのは年収136万円まで(令和7年分は123万円)。19〜22歳の子は197万円まで、親の控除が段階的に残ります。
  • 106万円の壁は2026年10月に撤廃されました。従業員51人以上の企業では、週20時間以上働けば年収に関係なく社会保険に加入します。昼間の学生は原則としてこの加入対象から外れます(休学中・夜間・通信制の学生や、正社員の4分の3以上の時間と日数で働く学生は加入)。
  • 130万円の壁は残っています。19〜22歳は150万円未満、60歳以上は180万円未満です。扶養内で働く人にとっては、ここが最も手取りに響くラインです。
  • 130万円を超えて社会保険に入ると手取りは一度下がり、元の水準に戻るのは年収約151万円です(本記事の前提による試算)。同じ条件なら103万円に抑える税制上の必要はありません。ただし、勤務先の家族手当に103万円の収入基準が残る場合は、世帯手取りで比較する必要があります。

以下の税の年収ラインは、収入が給与だけの場合の目安です。

令和8年分の年収の壁早見表|税・扶養・社会保険の3系統

年収の壁は、本人の税金、扶養する側の控除、社会保険の3系統に分かれます。根拠となる法令が違うため、改正のタイミングも別々です。

年収 何が起きるか 系統 誰の負担
119万円超 住民税がかかり始める 税 本人
130万円以上 社会保険の扶養から外れる 社会保険 本人
136万円超 扶養控除・配偶者控除の対象外 税 親・配偶者
150万円以上 19〜22歳が社会保険の扶養から外れる 社会保険 本人
169万円超 配偶者特別控除が満額38万円から減り始める 税 配偶者
178万円超 所得税がかかり始める 税 本人
180万円以上 60歳以上が社会保険の扶養から外れる 社会保険 本人
197万円超 特定親族特別控除がなくなる 税 親
207万円超 配偶者特別控除がなくなる 税 配偶者

かつての106万円は表から外しました。2026年10月以降は金額ではなく週20時間という労働時間で社会保険の加入が決まるため、年収の目安としては機能しません。週20時間未満で働く場合、最初に来るのは119万円の住民税、次が130万円の社会保険です。所得税の178万円は最後に来るので、「178万円まで税金がかからない」という理解は正確ではありません。

立場別に見る上限額|配偶者・学生・親・60歳以上

同じ早見表でも、立場によって見る行が違います。自分の立場の行だけを拾うと次のようになります。

立場 社会保険の扶養 扶養する側の税 本人の所得税
パートの配偶者 130万円未満 136万円まで配偶者控除 178万円まで0円
19〜22歳の学生 150万円未満 159万円まで63万円 178万円まで0円
16〜18歳・23歳以上の子 130万円未満 136万円まで38万円 178万円まで0円
60歳以上の親 180万円未満 136万円まで38万〜58万円 178万円まで0円

健康保険の扶養については、原則75歳から後期高齢者医療制度に移るため、180万円未満でも被扶養者にはなれません。60歳以上の親で収入が年金だけの場合は、公的年金等控除を使うため所得税の目安が別になります(65歳以上なら年金214万円まで所得税0円)。申告が必要になる条件は年金受給者が確定申告しないとどうなる?令和8年分は12月の精算後も申告が要る人がいるで扱っています。表の「扶養する側の税」の欄は扶養している人が受ける控除額です。60歳以上の親を扶養する場合、69歳までは一般の38万円、70歳以上は48万円(同居していれば58万円)です。

本人の税金の壁|所得税178万円・住民税119万円

令和8・9年分は、給与収入が74万1,000円未満なら給与所得は0円、74万1,000円以上219万1,000円未満なら「収入−74万円」で計算されます。合計所得489万円以下なら基礎控除は104万円です。合計178万円が所得税の課税最低限になります(国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」)。

ただし178万円は社会保険料を払っていない場合の数字です。社会保険に入っていると保険料全額が社会保険料控除になるため、本記事の前提(本人負担14.69%)では年収約209万円まで所得税は0円です。扶養を外れて社会保険に入った人が「178万円を超えたら所得税がかかる」と考えて働く時間を抑えると、30万円分の誤差が出ます。

住民税の基礎控除は43万円のまま据え置かれています。扶養親族等がいない人は、所得割の非課税限度額が合計所得45万円で、給与所得控除74万円を足した年収119万円が目安です。ただし、未成年者・障害者・寡婦・ひとり親には別の非課税基準があり、合計所得135万円以下なら非課税となります。名古屋市の案内でも令和9年度分から119万円以下(改正前110万円以下)と明示されています。住民税は前年の所得に翌年度課税されるため、令和8年分の収入は2027年6月からの住民税に反映されます。均等割の非課税限度額は市町村の級地区分で異なり、級地3の市町村では年収112万円超から均等割がかかります。計算手順は住民税はいくら?年収別早見表と均等割・所得割の内訳、市民税所得割額の確認方法【令和8年度】で確認できます。

扶養する側の壁|136万円・197万円・207万円

扶養親族・同一生計配偶者の所得要件は、合計所得58万円以下から62万円以下へ引き上げられました。給与収入なら136万円以下です。ここを1円でも超えると、扶養控除や配偶者控除の対象から外れます。失われる控除額は、扶養親族の年齢・同居の有無や、控除を受ける配偶者の所得などによって異なります。

ただし19〜22歳の子と配偶者は、136万円を超えても控除がすぐには消えません。子は159万円まで所得税の控除額63万円が維持され、197万円まで特定親族特別控除が段階的に残ります。配偶者も控除を受ける側の所得要件を満たせば169万円まで38万円が維持され、207万円まで配偶者特別控除が残ります。

扶養控除の金額|一般38万円・特定63万円・老人48万円

136万円以下の家族を扶養している場合に親が受けられる控除額は、家族の年齢と同居の有無で決まります。令和8年度改正で変わったのは所得要件だけで、控除額そのものは据え置きです(国税庁タックスアンサーNo.1180。同ページの注記には令和8年分からの所得要件62万円以下も記載されています)。

区分(12月31日時点の年齢) 所得税 住民税
一般(16〜18歳、23〜69歳) 38万円 33万円
特定扶養親族(19〜22歳) 63万円 45万円
老人扶養親族(70歳以上・同居老親等以外) 48万円 38万円
同居老親等(70歳以上の父母等と同居) 58万円 45万円

15歳以下の子は扶養控除の対象外です。所得税率10%の親なら、一般の扶養親族1人で所得税3万8,000円と住民税3万3,000円、合計約7万円の差になります。扶養控除と配偶者控除の使い分けは扶養控除と配偶者控除の違い|令和8年分は年収136万円が共通ラインで整理しています。

社会保険の壁|130万円・150万円・180万円

社会保険は税と違って控除の段階がなく、扶養から外れた瞬間に保険料負担が発生します。130万円は健康保険の被扶養者認定の基準で、60歳以上の人と障害厚生年金を受けられる程度の障害者は180万円未満、19歳以上23歳未満で被保険者の配偶者以外の人は150万円未満です(協会けんぽ「年収の壁への対応」)。150万円は令和7年10月1日以降の扶養認定分から適用され、年齢は認定日が属する年の12月31日時点で判定します。130万円という数字だけを覚えていると、学生の子については20万円分を働き控えることになります。

103万円の壁の行方|2回の改正で178万円へ

給与所得者本人の所得税の課税最低限としての103万円は、令和7・8年度の税制改正で178万円へ、2年で75万円上がりました。企業独自の家族手当の収入基準は別です。

178万円の内訳と年分ごとの控除額

令和8年度税制改正では、基礎控除の本則が58万円から62万円へ、給与所得控除の最低保障額が65万円から69万円へ引き上げられました。これに令和8年・9年分限定の特例加算(基礎控除に42万円、給与所得控除に5万円)が乗って、104万円と74万円になります。

項目 令和6年分 令和7年分 令和8・9年分 令和10年分以後
基礎控除 48万円 95万円 104万円 99万円
給与所得控除 55万円 65万円 74万円 69万円
課税最低限 103万円 160万円 178万円 168万円

令和8・9年分の基礎控除104万円は合計所得489万円以下が前提です。令和10年分以後の99万円は合計所得132万円以下、給与所得控除69万円は給与収入約203万円以下が前提で、いずれも課税最低限168万円の年収帯なら満たされます。2つの控除が年収帯ごとにどう減るかは基礎控除と給与所得控除の違い|令和8年分は104万円と74万円で年収178万円まで所得税ゼロにまとめています。

特例加算2年限定と令和10年分からの物価スライド

178万円を支えている特例加算は、令和8年分と令和9年分の2年間だけの措置です。令和10年分以後は、基礎控除額と給与所得控除の最低保障額を2年ごとに全国消費者物価指数の変化率で見直す仕組みへ移ります。今回の62万円への引き上げは、令和5年10月から令和7年10月までの物価上昇率6.0%を反映したものです。

したがって令和10年分は「178万円が168万円に下がる」と確定しているわけではなく、そのときの物価上昇率で決まります。数年先の年収設計は固定せず、2年ごとに見直す前提で考えるのが実態に合っています。

19〜22歳の学生アルバイトの扶養上限|136万円超の特定親族特別控除

学生のアルバイトで問題になるのは、本人の所得税ではなく親の税金と社会保険です。給与収入だけなら本人の所得税は178万円までかからず、親の扶養控除の収入要件は136万円以下です。親の健康保険の収入要件は、19〜22歳なら150万円未満、それ以外の学生は原則130万円未満です。税の136万円と社会保険の150万円は別々の制度なので、どちらか一方だけを基準にすると判断を誤ります。

136万円以下で満額となる特定扶養親族控除63万円

19歳以上23歳未満の子は特定扶養親族として、親の所得から63万円を控除できます。住民税でも45万円が控除されるため、所得税率10%の親なら所得税6万3,000円と住民税4万5,000円で年10万8,000円前後の減税効果です。子の給与収入が136万円以下であれば満額で受けられます。

136万円超197万円以下の特定親族特別控除の段階表

136万円を超えた場合、令和7年分に新設された特定親族特別控除に切り替わります。令和8年分の所得税の控除額は次のとおりです。特定親族特別控除には、控除を受ける親自身の所得上限はありません。

子の給与収入 特定親族特別控除額
136万円超 159万円以下 63万円
159万円超 164万円以下 61万円
164万円超 169万円以下 51万円
169万円超 174万円以下 41万円
174万円超 179万円以下 31万円
179万円超 184万円以下 21万円
184万円超 189万円以下 11万円
189万円超 194万円以下 6万円
194万円超 197万円以下 3万円

159万円までは63万円が丸ごと維持されます。136万円を1円超えた瞬間に親の控除が消える、という旧来の103万円の壁のような崖はもうありません。19〜22歳の子が136万円超150万円未満で働く場合、親の所得税の控除額63万円と健康保険の扶養を維持できる可能性があります。ただし、本人の住民税や家族手当も含めた世帯手取りの損益分岐点を、この収入帯だけで断定することはできません。恒常的に年間収入150万円以上が見込まれると親の健康保険の被扶養者から外れます。勤務先の健康保険の加入要件を満たす場合はそちらに加入し、満たさない場合は国民健康保険に加入して保険料を負担します。国民年金は健康保険の扶養とは別で、親の扶養に入っている学生も、厚生年金加入者等を除き20歳から加入・納付が必要です。令和8年度の保険料は月額17,920円で、学生納付特例は本人の前年所得等の要件を満たして申請した場合に利用できます。

学生の社会保険加入|短時間労働者の適用除外と4分の3基準

2026年10月の改正で、パートは従業員51人以上の企業で週20時間以上働けば社会保険に加入するようになりました。ただし加入要件には「学生でないこと」が含まれており、昼間の学生はこの短時間労働者の加入対象から外れます(厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト Q&A)。休学中や夜間・通信制の学生は対象になるので、該当する人は勤務先に確認してください。

昼間の学生でも、通常の労働者の週の所定労働時間と月の所定労働日数の両方が4分の3以上なら勤務先の社会保険に加入します。それに該当せず親の健康保険の扶養を続ける場合、19〜22歳の収入要件は150万円未満です。一方で、同じ年齢でも学生でないフリーターは週20時間以上で勤務先の社会保険に入るため、150万円の基準より先に加入が決まることがあります。

勤労学生控除が令和8年分では所得税額を動かさない理由

学生向けの記事でほぼ必ず紹介される勤労学生控除(所得税27万円)は、令和8年分では所得税の非課税ラインを押し上げません。適用要件が合計所得89万円以下、給与収入なら163万円以下だからです。課税最低限の178万円のほうが要件の上限より15万円高く、勤労学生控除を使える年収帯ではそもそも所得税が発生していません。

効果が残るのは住民税です。住民税の勤労学生控除26万円は、年収119万円から163万円の帯で所得割を減らします。「所得税では出番がなく、住民税では効く控除」と覚えておくと説明を誤りません。勤労学生控除を使っても親の扶養控除は戻らないため、136万円の壁の対策にはなりません。

106万円の壁は2026年10月に撤廃|残るのは週20時間の壁

2025年6月13日に成立した年金制度改正法により、短時間労働者の社会保険加入要件が段階的に変わっています。企業規模要件は2027年10月から段階的に縮小され、2035年10月に撤廃されます。

106万円の賃金要件撤廃と週20時間の加入基準

撤廃されたのは「所定内賃金が月額8万8,000円以上」という賃金要件です。厚生労働省の特設サイトQ&Aは「2026年10月に撤廃されました。そのため、年収約106万円を気にする必要はありません」と案内しています。残る要件は、週の所定労働時間20時間以上、2か月を超える雇用の見込み、学生でないことの3つです。

106万円という金額の壁は、週20時間という労働時間の壁に置き換わりました。時給が上がるほど同じ20時間でも年収が増えるため、時給1,200円で週20時間なら年収約125万円で社会保険に加入します。金額を基準にした働き方の調整は、もう成立しません。

2035年10月までの企業規模要件の段階的撤廃

もう一つの要件である従業員数(厚生年金保険の被保険者数)も、10年かけて撤廃されます。

企業等の規模 適用拡大の時期
51人以上 すでに対象
36〜50人 2027年10月
21〜35人 2029年10月
11〜20人 2032年10月
1〜10人 2035年10月

規模は法人全体で判断し、フルタイムとその4分の3以上の時間で働く従業員の数が、1年のうち6か月以上基準を超えることが見込まれるかで数えます。企業規模要件の見直しなどで新たに適用対象となった事業所で、新たに加入する標準報酬月額12.6万円以下の短時間労働者には、事業主が保険料調整制度を利用することで負担を軽減できる仕組みがあります。利用期間は事業所単位で3年間で、対象者全員が自動的に3年分の軽減を受けるわけではありません。

改正対象外で残る130万円の壁と2つの緩和策

130万円の壁は年金制度改正法の対象外です。130万円は健康保険の被扶養者認定の基準であり、社会保険の適用拡大とは別の制度です。週20時間未満の勤務などで勤務先の社会保険に加入せず、健康保険の被扶養者として働く場合、2026年10月以降も収入基準は原則として130万円(19〜22歳は150万円、60歳以上は180万円)が上限です。「106万円の壁が撤廃されたから年収を気にしなくてよい」という理解は、この働き方では誤りです。

130万円の運用には2つの緩和策があります。1つは事業主の証明による被扶養者認定で、人手不足による残業など一時的な収入増であれば、事業主の証明を添付して原則連続2回まで扶養を続けられます。もう1つは令和8年4月1日以降の取り扱いで、労働条件通知書等に書かれた賃金から見込まれる年間収入が130万円未満で、他の収入が見込まれず、主として被保険者の収入によって生計を維持していると認められる場合は、原則として被扶養者に該当するものとして扱われます(厚生労働省「年収の壁への対応」)。ただし契約期間が1年未満、シフト制で労働時間が不明確、通勤手当の金額が不明確といったケースでは使えません。

年収別の手取り表|協会けんぽ東京・令和8年度料率で試算

壁を超えると手取りがいくら減り、どこまで働けば取り戻せるのかを実額で確認します。前提は東京都・20歳以上40歳未満・給与収入のみ・賞与なし・本人に扶養親族なしです。「社保加入」の行は、勤務時間を増やすなどして勤務先の健康保険・厚生年金の加入要件を満たし、協会けんぽに加入した場合を示します。週20時間未満のまま130万円以上になり、国民健康保険・国民年金に加入する場合には、この試算は使えません。扶養内のケースは配偶者の健康保険の被扶養者かつ国民年金第3号被保険者で、週20時間未満の勤務を想定しています。社会保険料は健康保険9.85%、子ども・子育て支援金0.23%、厚生年金18.3%の労使折半に、一般の事業の雇用保険の労働者負担0.5%を加えた本人負担14.69%で概算しました。これらの料率を12か月分に換算した比較用の試算で、料率の変更月を反映した2026年中の実際の天引き額ではありません。住民税は令和9年度分の基準で、所得割10%、均等割4,000円と森林環境税1,000円、調整控除は人的控除の差5万円と合計課税所得金額の少ないほうの5%です。実際の保険料は標準報酬月額の等級で決まるため、数千円の差が出ます。

103万円・130万円未満・136万円の手取り比較

年収 社会保険料 住民税 所得税 手取り
103万円(扶養内) 0円 0円 0円 103万円
119万円(扶養内) 0円 0円 0円 119万円
127万円(扶養内) 0円 1万2,500円 0円 125万7,500円
129万円(扶養内) 0円 1万4,500円 0円 127万5,500円
130万円(社保加入) 19万1,000円 5,000円 0円 110万4,000円
136万円(社保加入) 19万9,800円 5,000円 0円 115万5,200円
140万円(社保加入) 20万5,700円 6,200円 0円 118万8,100円
151万5,000円(社保加入) 22万2,600円 1万4,700円 0円 127万7,700円
160万円(社保加入) 23万5,000円 2万1,900円 0円 134万3,100円
178万円(社保加入) 26万1,500円 3万7,300円 0円 148万1,200円
200万円(社保加入) 29万3,800円 5万6,100円 0円 165万100円

家族手当の打ち切りなどがない本記事の試算条件では、2026年の給与収入を103万円に抑える必要はありません。103万円から129万円まで増やせば手取りは24万5,500円増え、税で失うのは住民税1万4,500円だけです。103万円と130万円で迷うなら、比べるべきは「130万円未満にとどめるか、151万円以上まで増やすか」です。

136万円は配偶者控除の上限でもありますが、配偶者側は136万円を超えても169万円まで配偶者特別控除38万円が満額で続きます。136万円で手取りを大きく下げているのは配偶者の税ではなく、130万円を超えたことによる本人の社会保険料です。

130万円超で生じる約8万7,400円の手取り減

年収129万円で扶養内にとどまると手取りは約127万5,500円、年収140万円で社会保険に加入すると約118万8,100円です。年収を11万円増やした結果、手取りは約8万7,400円減ります。

減額の主因は住民税でも所得税でもなく社会保険料です。140万円では所得税は0円のままで、住民税も社会保険料控除が効いてほぼ均等割だけになります。壁を語るときに税率の話から入ると本質を外します。

手取りが戻る年収151万円と家族手当喪失時の175万円

同じ前提で、129万円のときの手取りに並ぶのは年収約151万円です。年収151万5,000円で手取りは約127万7,700円となり、扶養内の水準をわずかに上回ります。

ここに配偶者の勤務先の家族手当が絡むと話が変わります。月1万5,000円の家族手当が年収136万円超で打ち切られる企業の場合、手当の額面では年18万円の減収になります。ただし家族手当は給与として課税されるため、世帯手取りの減少額は18万円とは限りません。約175万円という回復目安は、手当喪失による配偶者側の税・社会保険料の変化や配偶者特別控除の減少を計算せず、手取りから年18万円を差し引く簡略モデルの値です。家族手当の支給基準は法令ではなく各社の就業規則で決まるため、自社の基準額を確認しないと分岐点は計算できません。

「170万円の壁」は法令用語ではなく前提次第で動く目安

検索でよく見る「170万円の壁」は、税法にも社会保険の法令にも存在しない呼び名です。130万円の壁を超えた後に手取りが戻る地点として紹介される目安ですが、上の試算のとおり、家族手当がなければ約151万円、手取りから家族手当相当額の年18万円を差し引く簡略モデルなら約175万円と、計算上の回復目安は約24万円動きます。保険料率も都道府県で差があり、協会けんぽの被保険者が40〜64歳なら、令和8年度は介護保険料率1.62%の半分が上乗せされます。65歳以上は市区町村が定める介護保険料を別に負担します。

自分の分岐点を出すなら、勤務先の家族手当の有無、加入先健保の料率、40〜64歳かどうかの3点を当てはめて計算し直してください。扶養を外れて国民健康保険に入る場合の保険料は個人事業主の国民健康保険はいくら?令和8年度の早見表と安くする方法、加入の段取りは国民健康保険の加入・切り替え手続き|14日を過ぎたら・転職で数日空くときの保険料で確認できます。

配偶者側の壁|満額169万円・207万円で消滅

配偶者の場合、年収136万円までは配偶者控除38万円、136万円超169万円までは配偶者特別控除38万円が満額で受けられます。令和7年分の満額ラインは160万円だったので、給与所得控除が9万円増えた分そのまま上がりました。169万円を超えると控除額が段階的に縮小し、207万円(令和7年分は201万5,999円)を超えると消滅します。

控除を受ける側の合計所得が900万円を超えると控除額は3段階で減り、1,000万円超では適用できません。配偶者控除で戻る税額と申告書の書き方は配偶者控除は令和8年分から配偶者の年収136万円まで|戻る税額と申告書の書き方、満額から減っていく段階表は配偶者特別控除の早見表【2026年・令和8年分】満額38万円は年収169万円までにまとめています。

企業の実務|令和8年12月の年末調整と助成金コースの切り替え

人事・給与担当者にとって、令和8年度税制改正は「11月までは何も変わらず、12月にまとめて来る」改正です。

11月まで変更なしの源泉徴収事務と12月の年末調整での精算

改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。令和8年11月までの毎月の源泉徴収事務に変更はなく、改正前の源泉徴収税額表をそのまま使います。令和8年12月の年末調整で、引き上げ後の基礎控除額と改正後の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を使って年税額を計算し、それまでに源泉徴収した税額と精算します。還付額は従業員ごとの所得・控除・源泉徴収済額によって変わるため、改正後の控除額で還付見込額を試算し、資金繰りと問い合わせ対応を準備してください。

新規該当親族に必要な扶養控除等申告書の再提出

扶養親族等の所得要件の改正は、令和8年12月1日以後に支払う給与から適用されます。この改正で新たに扶養親族等の要件を満たす親族について扶養控除を適用するには、従業員から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」等の提出を受ける必要があります(国税庁「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A」)。給与収入が123万円超136万円以下の家族がいる従業員が対象になるため、年末調整の案内でこの年収帯を名指しで周知するのが実務上の要点です。社内の給与システムが控除額の表を自動更新しない場合は、12月の計算前に改正後の表が反映されているかを確かめてください。給与計算や年末調整の仕組みを自社向けに作り直す場合は、人事・労務管理システム開発の支援内容も参考になります。

社会保険適用時処遇改善コースの新規取組期限と後継コース

年収の壁・支援強化パッケージの中核だったキャリアアップ助成金の社会保険適用時処遇改善コースは、令和8年3月末までに取組を行った事業主が対象で、新規の取組には使えません。令和8年4月1日以降に従業員を新たに社会保険へ加入させ、あわせて収入増加の取組を行う場合は、令和7年7月1日に新設された短時間労働者労働時間延長支援コースが受け皿になります。旧コースの助成額を前提に適用拡大へ備えていた場合は、計画の組み直しが必要です。

よくある質問

2026年に年収103万円の壁はどうなりましたか?

給与所得者本人の所得税の課税最低限は、103万円から令和7年分で160万円、令和8年分で178万円に上がりました。企業独自の家族手当では103万円の基準が残る場合があります。ただし親や配偶者の扶養に入れる基準は136万円、住民税は119万円と別の金額なので、178万円だけを覚えると判断を誤ります。

年収の壁が178万円になるのはいつからですか?

令和8年(2026年)1月から12月までの収入に適用されます。160万円は令和7年分(2025年の収入)の数字です。毎月の源泉徴収は令和8年11月まで改正前の税額表のままで、令和8年12月の年末調整でまとめて精算されます。

パートで一番損をする年収はいくらですか?

本記事の試算では、130万円ちょうどで勤務先の社会保険に加入したときが最も手取りが少なく、約110万4,000円です。扶養内の129万円(約127万5,500円)より約17万円低くなります。そこから年収が増えるほど手取りは戻り、129万円の水準に並ぶのは年収約151万円です。この比較は当面の手取りだけを対象とし、将来の厚生年金や傷病手当金などの給付は含みません。

パートで130万円をうっかり超えたらどうなりますか?

人手不足による残業など一時的な収入増であれば、勤務先に事業主の証明を書いてもらい扶養認定の際に添付することで、原則連続2回まで扶養を続けられます。恒常的に130万円以上の収入が見込まれる場合は扶養から外れ、勤務先の社会保険か国民健康保険・国民年金に加入します。

学生のアルバイトは何万円まで親の扶養に入れますか?

税と社会保険で基準が違います。税の扶養控除は令和8年分で給与収入136万円以下です。19歳以上23歳未満なら136万円を超えても特定親族特別控除に切り替わり、159万円までは控除額63万円が維持され、197万円を超えると完全になくなります。社会保険(親の健康保険の被扶養者)は19歳以上23歳未満なら150万円未満です。

106万円の壁はなくなったのですか?

なくなりました。月額8万8,000円以上という賃金要件は2026年10月に撤廃され、従業員51人以上の企業では週20時間以上働くかどうかで社会保険の加入が決まります。週20時間未満で働く場合や、4分の3基準に届かない学生の場合は、従来どおり130万円(19〜22歳は150万円)が扶養の上限です。

本記事は2026年10月時点の法令および公表資料に基づく一般的な情報提供です。個別の判断は所轄税務署・年金事務所・加入先の健康保険にご確認ください。

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