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労働基準法改正の現況2026|連続勤務日数の上限と勤怠システム改修要件

予約管理システム開発の重要性

労働基準法の抜本見直しは、2025年1月8日に公表された厚生労働省の研究会報告書を起点に議論が続いています。ただし2026年9月時点で改正法案は国会に提出されておらず、施行日も決まっていません。この記事では、報告書が示した連続勤務日数の上限13日、法定休日の事前特定、勤務間インターバル11時間、副業の割増賃金通算、部分的フレックスの5論点を、勤怠管理システムのどの設定項目・どのデータに当たるのかという単位へ置き換え、先に着手すべき改修と待つべき改修を線引きします。すでに全面施行された育児介護休業法の改正については育児介護休業法の改正内容と施行日別の変更点・人事システム改修の要否で扱っています。

まとめ:2026年9月時点の改正状況と先に着手すべき勤怠改修3点

結論から示します。労働基準法の改正法案は、2026年9月時点で国会に提出されていません。第221回国会(令和8年特別会)に厚生労働省が提出した法律案は5件で、労働基準法の改正案はそこに含まれていない。「2026年施行」を前提にした逆算スケジュールは、現時点では根拠を持ちません。

一方で論点そのものは動いていません。労働基準関係法制研究会報告書は13日という日数や11時間という休息時間まで数字を出しています。2026年6月2日には日本成長戦略会議の労働市場改革分科会がとりまとめを決定し、労働時間法制の政策対応は「夏以降の労働政策審議会において議論を行う必要がある」と書かれました。議論の場は労政審に戻ります。

この状況で勤怠システム側が先に着手すべきものは3つです。連勤日数の自動カウント、法定休日と所定休日の区分保持、終業打刻と翌日始業予定の差分判定。いずれも現行法のもとでも運用上の利益があり、法案の結論が振れても捨てになりません。逆に在宅勤務向けの新しいみなし労働時間制は、報告書自身が「継続的な検討が必要」と留保しており、今は実装しない判断が妥当です。

労働基準法改正で論点になっている7項目と勤怠実務への影響範囲

「40年ぶり」の出どころを整理します。1947年制定の労働基準法は、1987年(昭和62年)改正で法定労働時間が週40時間になりました。今回はその水準の構造変更にあたり、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)附則第12条に基づく見直しとして検討されています。座長は荒木尚志・東京大学大学院法学政治学研究科教授、報告書の公表は2025年1月8日です。

労働基準関係法制研究会報告書が挙げた7つの論点と勤怠実務への影響

報告書は総論と労働時間法制の具体的課題に分かれ、勤怠管理システムに影響するのは後者です。実務に跳ね返る論点を影響の大きい順に並べます。

論点 報告書が示した方向 勤怠システムの改修箇所
連続勤務 13日超の禁止を法に規定 連勤日数の自動カウント
法定休日 事前特定を法律上に規定 休日区分と振替履歴
勤務間インターバル 11時間を原則に義務化 終業と翌始業の差分判定
副業の割増賃金 割増は通算を要しない 通算対象フラグの分離
フレックス 部分的な適用を可能に 日単位の勤務区分
週44時間特例 撤廃に向けた検討 特例事業場の設定削除
つながらない権利 ガイドライン策定を検討 時間外の連絡ログ

週44時間特例は、報告書が対象事業場の87.2%で使われていない現状を挙げ、概ね役割を終えていると評価しました。撤廃されても設定を消すだけです。つながらない権利はガイドライン止まりの見込みで、改修対象になりません。実際に工数が出るのは上の表の上から4行です。

2026年9月時点で法案が未提出という現況と施行時期の見通し

ここが既存の解説記事と食い違う部分なので、公開資料で確認できる事実だけを並べます。

第221回国会に労働基準法改正案が提出されていない事実と提出法案の内訳

厚生労働省の国会提出法案ページで確認できる第221回国会の提出法律案は、健康保険法等の一部を改正する法律案(令和8年3月13日提出)、社会福祉法等(4月3日)、労働者災害補償保険法等(4月7日)、ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制(4月10日)、予防接種法(6月9日)の5件です。労働基準法の改正案はここに存在しません。

労災保険法の改正案が入っているため「労働関係の法改正が動いた」と読み違えやすい並びです。連勤上限や勤務間インターバルは労働基準法と労働時間等設定改善法の話で、労災保険法の改正では動きません。

日本成長戦略会議のとりまとめが示した夏以降の労政審での議論再開

2026年に入ってからの動きは、労働政策審議会労働条件分科会の外側で進みました。日本成長戦略会議の労働市場改革分科会が2026年3月11日から5月27日まで4回開催され、6月2日にとりまとめが決定しています。勤務間インターバルの義務化を検討すべきという意見と、日単位の規制は業務の柔軟性を欠くという反対意見が、両方記録されました。

結論部分の書き方が実務上の目印になります。労働時間法制等に係る政策対応は「夏以降の労働政策審議会において、議論を行う必要がある」とされました。労働条件分科会の開催一覧では、2026年の開催は第207回(3月13日)から第210回(7月14日)までで、議題は資金移動業者の口座への賃金支払制度と各種報告事項にとどまり、建議も法律案要綱の諮問も出ていません。第207回の議事録には、労働側が上限規制の緩和は不適切と述べ、使用者側が裁量労働制の拡充を求める対立が記録されています。

つまり2026年秋以降に労政審で本格審議、建議、法律案要綱の諮問という順を踏み、法案提出はその後です。

連続勤務日数の上限13日と法定休日の特定がもたらす勤怠設定の変更点

5論点のうち、システム改修の量が最も読みやすいのがこの2つです。判定ロジックが日数と区分だけで書けます。

変形休日制の4週4休で最大48連勤が成立する現行法の抜け道と背景

現行の労働基準法第35条第1項は毎週少なくとも1回の休日を原則としますが、同条第2項が4週間を通じ4日以上の休日を与える変形休日制(4週4休制)を認めています。この4日を4週の初めと終わりに寄せれば、間に長期の連続勤務が生まれる。報告書は脚注で、理論上最大48連勤が可能だと明記しました。

さらに36協定に休日労働の条項を設ければ、割増賃金を払うことで法定休日にも労働させられます。現行法にはこの回数制限がなく、協定の範囲内で理論上無制限に連続勤務させられる状態です。休日労働条項と時間外の上限の別建てについては、特別条項付き36協定の扱いと合わせて確認しておくと把握しやすい。

労災保険の精神障害の認定基準では、2週間以上にわたって休日のない連続勤務が心理的負荷の具体的出来事の1つとされています。13日という線は、この2週間以上を防ぐ発想から出ています。

13日を超える連続勤務の禁止に必要な連勤カウントと事前アラート

報告書は「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を労働基準法上に設けるべきとしました。あわせて、災害復旧等の真にやむを得ない事情がある場合の例外措置や、労使の合意による代替措置も検討すべきだとしています。ここでの「勤務」は使用者の指揮命令下で働くことを意味し、1日の労働時間の長さで扱いを区別しないとされました。

この定義がシステム設計を決めます。労働時間の長短を見ないため、30分だけ出勤した日も1連勤です。短時間の呼び出し対応を「勤務日ではない」と扱う設計は作り直しになります。必要な実装を、詰まりやすい順に挙げます。

  • 勤務日フラグを労働時間の長短と切り離す。1分でも指揮命令下なら勤務日と判定する
  • 締め日をまたいで連勤日数を継続する。月次で0に戻す設計は月末月初の連勤を見落とす
  • 実績ではなくシフト確定時点で警告する。実績アラートでは違反確定後の通知になる
  • 例外措置の適用理由と労使合意の記録を、連勤カウント解除と同じ画面に残す
  • 複数事業場・複数所属をまたぐ勤務を1人単位で束ねる

4点目を軽く見ると監督署対応で困ります。例外の使用自体は違法ではないが、理由を後から示せない状態は避けたい。

法定休日の事前特定と振替手続をシフト表側に持たせるデータ設計と権限

現行の労働基準法第35条には、どの日を法定休日とするかを特定する定めがありません。通達で一定の日を休日と定める方法を規定するよう指導する旨が示されているだけです。週休2日制が広がった結果、1週の中に法定休日と所定休日が混在し、どちらが法定休日か不明確な企業が多く残りました。就業規則で指定しても法律上の規律ではないため、司法判断と食い違う余地があります。

報告書は、あらかじめ法定休日を特定すべきことを法律上に規定すべきだと述べました。保護法益が「週1回の休日が確保されること」から「あらかじめ特定した法定休日が確保されること」へ変わるため、罰則の当たり方も変わります。

システム側では、休日を1つの区分値で持つ設計をやめる必要があります。法定休日か所定休日かを日ごとに保持し、振替時は振替前後の対応関係と手続日時を履歴に残す形です。シフト制労働者について、いつまでに休日を特定するか、特定後に変更できるかという論点は報告書でも残っており、シフト確定の締めタイミングを画面上の制約にする設計が現実的でしょう。就業規則の記載とシステム設定の突き合わせ手順は就業規則との整合と変形労働の設定を横断管理する視点にまとめています。

勤務間インターバル11時間の義務化に向けた打刻データの持ち方

連勤上限が日単位の規制なら、勤務間インターバルは時刻単位の規制です。データの粒度が一段細かくなり、既存システムで最も詰まりやすい論点です。

導入企業割合6.0%という現状と努力義務の根拠となる条文の位置

勤務間インターバル制度は現在、労働時間等設定改善法第2条で「健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定」として努力義務が課されています。労働時間等設定改善指針(平成20年厚生労働省告示第108号)にも記述がありますが、時間数や対象者は法令上示されていません。

導入は進んでいません。報告書は2023年(令和5年)1月時点の導入企業割合が6.0%にとどまると記しました。導入予定がなく検討もしていない81.5%の企業のうち、51.9%は「超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため」と回答しており、義務化されても実運用で問題が出る企業は限られる、という読み方につながります。

11時間の休息を判定するための終業打刻と翌日始業の突き合わせ

報告書は、11時間を確保することを原則としつつ、適用除外とする職種等の設定や、確保できなかった場合の代替措置を法令や各企業の労使で決める考え方を挙げました。11時間より短い時間としつつ柔軟な対応をより絞る考え方、経過措置を設ける考え方も併記され、時間数は確定していません。

数字が変わっても壊れない実装にしておきたい。判定ロジックはインターバル時間を定数ではなく設定値として持ち、雇用区分・職種ごとに上書きできる形にします。突き合わせるのは当日の終業打刻と翌日の始業打刻ですが、翌日の実績が出てからでは遅いため、シフトの始業予定時刻と比べて事前に警告する仕組みが要ります。

見落としやすいのは日をまたぐ勤務です。深夜0時を越える勤務を暦日で2レコードに分割している設計では、終業時刻が正しく取れません。1回の出勤を始業から終業まで1つの勤務単位として持ち、そこから暦日への配分を導出する構造でないと、11時間の判定が成立しません。

代替措置を代償休暇で回す場合の付与ルールと上限回数の設定項目

11時間を確保できなかった場合の措置について、報告書は方向を明示しました。健康観察や面接指導といった事後措置のモニタリングではなく、代償休暇など労働からの解放を確保するものが望ましいという考え方です。代替措置の回数を各事業場の労使協議で決める考え方も併記されています。

設定項目は4つで足ります。代償休暇の付与単位(時間単位か半日単位か)、付与期限、月あたりの代替措置回数の上限、上限に達した場合の挙動です。回数上限は労使協議で決める前提なので、事業場単位で値を変えられる構造にしておけば、制度確定後は設定変更で済みます。

義務化の度合いも1本に決まっていません。労働基準法による強行的な義務、労働時間等設定改善法での義務付け、就業規則の記載事項への位置付け、現行の努力義務規定の具体化という4つが並列で示されました。罰則付きになるか否かで社内の優先度は変わりますが、判定と記録の仕組みはどの結論でも必要です。

副業・兼業の割増賃金通算の見直しと部分的フレックスへの対応範囲

この2論点は、規制の強化ではなく柔軟化の方向です。改修の性格も異なり、既存ロジックの分解が主になります。

労働基準法第38条の通算を割増と健康確保で分ける制度改正の方向

現在は労働基準法第38条を受けた通達に基づき、事業主を異にする場合も労働時間を通算して割増賃金を支払うこととされています。実務で使えるのは2つ。労働契約の締結の先後の順に所定労働時間を通算し、次に所定外労働の発生順に所定外労働時間を通算する方法か、各事業場に割り当てた労働時間の範囲内で働かせる管理モデルです。労働時間を1日単位で管理する必要があり、自己申告の負担も生じます。

報告書は、健康確保のための通算は維持しつつ、割増賃金の支払いについては通算を要しないよう制度改正に取り組むことが考えられるとしました。あわせて、第38条の解釈変更では足りず法制度の整備が必要になると明記しています。通達の改正で先行することはない、という意味です。

システム側では、通算という1つの処理を2系統に割ります。割増計算用の通算対象範囲と、健康確保用の通算対象範囲を別フラグで持つ形です。同一事業者の異なる事業場や出向元と出向先の兼務では割増でも引き続き通算が妥当だと報告書が述べているため、事業場コードだけで判定せず、同一使用者か、使用者の命令に基づくかを属性として持つ必要があります。複数事業場をまたぐ単価と締め日の扱いは複数派遣先の単価・締め日と社会保険判定を回す設計と同じ論点です。現行ルールでどちらの会社が割増賃金を払うかの通算手順と、管理モデル・自己申告の受け方は副業の割増賃金を払う会社の決め方と労働時間通算の手順で解説しています。

部分的フレックスで出勤日とテレワーク日を混在させる勤務区分の持ち方

現行制度では、フレックスタイム制を部分的に適用できません。報告書は、特定の日については労働者が自ら始業・終業時刻を選択するのではなく、あらかじめ就業規則等で定められた始業・終業時刻どおり出退勤することを可能とし、部分的にフレックスタイム制を使える制度の導入を進めることが考えられると述べました。

報告書は5論点の中でこの項目だけ「まずはこのフレックスタイム制の改善に取り組むべき」と優先順位を明示しています。制度改正の順番として先に来る可能性が高い項目です。

必要なのは、清算期間の中で日ごとに「フレックス適用日」と「固定時刻適用日」を切り替えられる勤務区分です。多くの勤怠システムは労働時間制度を従業員マスタに1つだけ持つ設計で、ここが日単位に降りていないと部分フレックスを表現できません。総労働時間の清算は期間全体で行い、固定時刻適用日の遅刻・早退だけを別ルールにする二層構造です。

法案未確定の段階で先に改修すべき項目と後回しでよい項目の線引き

ここからは判断を書きます。基準は、法案の結論が振れても無駄にならないかどうかです。

連勤カウントと法定休日特定を先に着手する根拠と改修の小ささの実際

連勤日数のカウントと法定休日区分の保持は、今すぐ着手してよい。13日が仮に12日や14日に変わっても、日数は設定値なので影響を受けません。法定休日の特定は現行でも通達で指導されており、義務化前に整えても過剰投資になりません。どちらも労災リスクと未払い残業リスクの低減に直結します。

改修規模も大きくありません。連勤カウントは勤務日フラグの集計とシフト確定時の警告、法定休日特定は区分カラムの追加と振替履歴のテーブル追加で足ります。日をまたぐ勤務を1勤務単位で持つ構造への直しだけは重く、勤務間インターバル対応も同じ土台を要するため、まとめて手を入れるほうが安く済みます。

新たなみなし労働時間制の実装を今は見送ると判断する条件と代替策

在宅勤務に限定した新しいみなし労働時間制への対応は、今は実装しない。報告書自身が留保を重ねているためです。裁量労働制の対象業務を厳密に定めてきた趣旨の潜脱、健康管理時間の客観的把握の必要、本人同意の撤回権が事実上行使できなくなる懸念、上限規制が事実上外れる懸念が並び、結論は「継続的な検討が必要」でした。

骨格が定まらない段階でみなし時間の計算ロジックを作れば、要件が変わった時点で作り直しです。代替策として、在宅勤務日の中抜け時間を実績として記録できるようにしておくほうが費用対効果が高い。中抜けの記録は現行のフレックスタイム制でも、部分フレックスでも、将来のみなし制でも同じデータが効きます。

つながらない権利への対応も見送りでよい。報告書はガイドラインの策定等の検討が必要と述べるにとどまり、法規制としての義務化には踏み込んでいません。

パッケージ勤怠と受託開発のどちらで改正対応するかの判断基準と費用感

最後に発注の判断です。待つか自社側で作るかは、勤務形態の複雑さで決まります。

連勤上限や法定休日特定をパッケージ標準機能で待つ場合の可否と時期

単一の勤務形態で、日をまたぐ勤務がない事業所は、パッケージの標準機能の対応を待って構いません。連勤カウントと法定休日区分は仕様が単純で、法案成立後に主要ベンダーが標準実装する見込みが高い。先行して個別開発する必要はありません。

ただし待ち方には条件が付きます。ベンダーの対応時期は法案成立後に公表されるため、成立から施行までが短いと、パッケージ側の対応と社内の設定変更・テスト、就業規則の改定が同時期に重なります。現行機能で連勤日数を可視化できるかだけは先に確認しておきたい。勤怠管理システム開発では、既存パッケージを残したまま連勤・インターバルの判定と警告だけを外付けする相談も受けています。

シフト制や交代制で受託開発に切り替える判断ラインと概算費用の幅

受託開発に切り替える判断ラインは、次の3つのいずれかに当たるかどうかです。1つ目は交代制で日をまたぐ勤務が常態化していること。2つ目は複数事業場をまたぐ勤務があり、1人の連勤日数を横断で数える必要があること。3つ目は既存の勤怠システムが変形休日制の設定を持たず、休日区分を1値しか保持していないこと。

この3つに当たる場合、パッケージの標準対応では設定で吸収できません。日をまたぐ勤務を暦日分割で持つ構造は根が深く、標準機能の追加では届きません。

概算の幅を示します。既存システムに判定と警告を外付けする範囲であれば数百万円台、勤務データの持ち方から作り直す場合は1,000万円を超えます。分かれ目は、勤務単位のデータ構造を触るかどうかの1点です。触らずに済むなら外付けで足りますし、触るなら中途半端な追加開発より作り直しが安い。制度確定を待つ前に、自社の勤怠データが日をまたぐ勤務を1レコードで持てているかを確認しておきたい。

よくある質問

システム改修の判断に関わる質問へ答えます。制度の確定状況は2026年9月時点の公開資料に基づきます。

労働基準法改正はいつから施行されますか?

2026年9月時点では未定です。改正法案が国会に提出されていないため、施行日を示す根拠がありません。日本成長戦略会議の労働市場改革分科会のとりまとめ(2026年6月2日決定)が労働時間法制の議論を夏以降の労働政策審議会に委ねたため、労政審での審議、建議、法律案要綱の諮問を経てから法案提出という順になります。

連続勤務日数の上限は何日になる見込みですか?

労働基準関係法制研究会報告書は「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を労働基準法上に設けるべきとしました。労災保険の精神障害認定基準で2週間以上の連続勤務が心理的負荷の具体的出来事とされていることが根拠です。ただし報告書の段階の方向であり、確定した日数ではありません。

現行法でも14日以上の連続勤務は違法ではないのですか?

違法とはなりません。労働基準法第35条第2項が4週間を通じ4日以上の休日を与える変形休日制を認めているため、法定休日を4週の初めと終わりに寄せれば、間に長期の連続勤務が生じます。報告書は脚注で、休日労働の扱いをせずに理論上最大48連勤が可能だと記しました。

勤務間インターバルは11時間で確定しているのですか?

確定していません。報告書は11時間を原則とする考え方を挙げつつ、11時間より短い時間としながら柔軟な対応をより絞る考え方、経過措置を設ける考え方も併記しました。11時間という数字は、EU労働時間指令の議論で12時間案が2交代制の引継時間で批判を受け、11時間に戻った経緯です。

副業の割増賃金は通算しなくてよくなるのですか?

報告書は、健康確保のための通算は維持しつつ、割増賃金の支払いについては通算を要しないよう制度改正に取り組むことが考えられるとしました。ただし労働基準法第38条の解釈変更では足りず、法制度の整備が必要だと明記されています。同一事業者の異なる事業場で働く場合や出向元と出向先で兼務する場合は引き続き通算が妥当とされ、副業のすべてが対象外になるわけではありません。

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