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社労士が顧問先の勤怠システムを選ぶ判断:就業規則との整合と変形労働の設定・横断管理

予約管理システム開発の重要性

社労士事務所から「顧問先に勤怠システムを入れたい」と相談が来る場面で、詰まるのは製品の機能比較ではありません。顧問先の就業規則には一箇月単位の変形労働時間制が書かれているのに、導入した製品は集計期間の起算日を賃金計算期間に固定していて、協定で定めた期間と集計が一致しない。この食い違いは導入から二か月目の締めで表に出ます。この記事では、社労士が顧問先の勤怠システムを選定し設定を支援する立場から、社労士法上どこまで自分の手で行えるのか、条文をどの設定項目へ写すのか、変形労働時間制を製品の機能で回せるのか、複数の顧問先を横断して見る方式までを整理します。発注する企業の側から機能・種類・費用の全体像を確認したい場合は、勤怠管理システムの機能と種類・費用と選び方をまとめた記事を先に読んでください。

まとめ:社労士が顧問先の勤怠システムを就業規則との整合から選ぶ順序

結論を先に置きます。顧問先の勤怠システムは、機能表の広さではなく「顧問先の就業規則と労使協定に書かれた条文が、そのまま設定値として入るか」で選んでください。判断は四段です。

第一段は業務範囲の確認。社労士法第二条第一項第二号の帳簿書類の作成は同法第二十七条で非社労士に禁じられており、第三号の相談・指導は制限の対象外です。つまり設定支援そのものはベンダーにも行えますが、賃金台帳などの帳簿を報酬を得て作る部分は事務所側にしか残せません。第二段は条文と設定項目の対応付けで、変形労働時間制の起算日・締め日・賃金計算期間の三つを突き合わせます。第三段は限度値の検査。一年単位なら一日十時間・一週五十二時間・連続六日・対象期間三か月超で年二百八十日を、製品が入力時点で止めてくれるかを確かめます。第四段が事務所からの横断方式で、顧問先ごとの契約か事務所アカウントかCSVかを、顧問先が製品を替えてくれるかどうかで決めます。

この順序を守れば顧問先が増えても事務所側の作業は線形にしか伸びませんが、第二段を飛ばして機能比較から入ると、製品ごとに就業規則を読み直す作業が顧問先の数だけ発生します。勤怠と労務の業務範囲そのものを整理したい場合は、労務管理と勤怠管理の違いを業務範囲と目的から解説した記事が下敷きになります。

社労士が担う範囲と開発会社が担えない範囲を条文から切り分ける

顧問先の勤怠システムの導入は、社労士とベンダーが同じテーブルに座る仕事です。どちらが何を担うかは、社労士法の条文で線が引かれています。

帳簿書類の作成が第二号業務として非社労士に禁じられている根拠

社会保険労務士法第二条第一項第二号は、社労士の業務として「労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録を含み、申請書等を除く。)を作成すること」を挙げています。そして同法第二十七条は「社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない」と定めます。第二号までが制限の範囲で、賃金台帳や労働者名簿の作成もここに含まれる。

この条文が勤怠システムの導入で効いてくるのは、電磁的記録という括弧書きです。紙の帳簿を作る作業だけでなく、それに代えて電磁的記録を作る場合も第二号の対象に含まれます。顧問先の勤怠データから賃金台帳に相当する記録を報酬を得て作り上げる工程は、ベンダーが引き取れない領域だと考えるのが安全側の解釈になります。

勤怠システムの設定支援が相談指導の範囲に収まるかどうかの見分け方

いっぽう同項第三号は「事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること(これらの事項に係る法令並びに労働協約、就業規則及び労働契約の遵守の状況を監査することを含む。)」です。第二十七条の制限は第二号までなので、第三号は独占業務ではありません。就業規則の遵守状況の監査が第三号の括弧書きに明記されている点も見落としやすいところです。

見分け方は単純です。成果物が労働社会保険諸法令に基づく帳簿そのものなら第二号、判断や設計の助言なら第三号。勤怠システムの設定値をどう決めるかという助言は第三号に収まり、ベンダー側の担当者が設定画面を操作すること自体を社労士法が禁じているわけではありません。

事務所とベンダーの責任分担を導入の契約前に書き分ける四つの項目

線引きが条文で決まるなら、契約書に落とす項目も決まります。書き分けるのは四つ。就業規則と労使協定の解釈をどちらが確定させるか、設定値の入力作業をどちらが行うか、設定値が条文どおりかの検証をどちらが担うか、そして集計結果の誤りが法令違反に至った場合の一次窓口をどちらにするか。

三つ目を空欄にしたまま進むプロジェクトが多く見られます。ベンダーは「言われたとおり入れた」、事務所は「入っていると思った」で止まり、二か月目の締めで集計が協定と合わないことが判明する。検証を事務所が担うなら、設定値の一覧を画面ではなく出力可能な形で受け取れる製品を選んでください。

就業規則と労使協定の条文をシステムの設定値へ写すときに落ちる項目

顧問先の条文はすでにあり、システムには設定項目がある。落ちるのは、その対応が一対一ではない箇所です。

一箇月単位は就業規則でも定められるが労使協定なら届出が要る差

労働基準法第三十二条の二は、一箇月以内の一定の期間を平均して一週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない定めを、労使協定または就業規則その他これに準ずるものによって置けるとしています。そして同条第二項で、協定によった場合は厚生労働省令で定めるところにより行政官庁へ届け出るものとされます。就業規則で定めた場合と労使協定で定めた場合で、届出という手続きの有無が変わる構造です。

問題になるのは、顧問先が「就業規則に書いてある」と説明したのに労使協定も別途あって内容が違う、という二重定義が見つかるケースです。設定値を写す前にどちらが有効な定めかを確定させる作業が入り、この確定は第三号業務の範囲でベンダー側では判断できません。条文ごとにどの設定値へ写すかの対応は、就業規則の絶対的・相対的記載事項と勤怠・給与システムの設定項目に整合表としてまとめています。

起算日と締め日と賃金計算期間の三つがずれて集計が合わなくなる

変形労働時間制の集計期間の起算日、勤怠の締め日、賃金計算期間。この三つは概念として別物ですが、製品側では一つの設定にまとめられていることがあります。就業規則の変形期間が毎月一日起算、勤怠の締めが二十日、賃金計算期間が二十一日から翌月二十日という顧問先で、製品が変形期間の起算日を賃金計算期間の開始日に固定していると、平均労働時間の計算対象が条文と食い違います。

確認の手順は、製品の設定画面で変形期間の起算日を独立して指定できるかを見るだけです。指定できない製品でも勤怠の締めを毎月末に揃えれば整合しますが、それは顧問先の賃金計算期間を動かす話になり、就業規則の変更を伴います。導入前に判明すれば選択肢が残り、後なら運用回避しか残りません。事業会社の側から労務データの持ち方を確認する場合は、労務管理システムの機能と勤怠管理との違い・比較の観点を解説した記事を参照してください。

法定休日を特定していない顧問先では休日の割増判定が定まらない

週休二日の顧問先で、就業規則に「休日は土曜日および日曜日とする」とだけ書かれていて、どちらが法定休日かを特定していない例は珍しくありません。この状態で土曜に出勤した日の割増率をシステムが自動判定すると、製品の実装した既定ルールに依存した結果が出ます。日曜を法定休日とみなす製品と、その週で後に来る休日を法定休日とみなす製品では、割増率が変わります。

事務所が先に行うのは、就業規則に法定休日の特定を入れるか、システム側の判定ルールを条文の解釈に合わせて明示的に設定するかの選択です。なお、法定休日の特定を義務づける改正は労働基準関係法制の検討課題として挙がってはいますが、二〇二六年八月時点で改正法案は国会に提出されておらず検討段階にとどまります。改正の現況と勤怠システム側の改修要件は労働基準法改正の現況2026|連続勤務日数の上限と勤怠システム改修要件にまとめています。現行法の下では特定していない顧問先が残るという前提で、システム側の設定を決めておく必要があります。法定休日と所定休日の区別や割増率そのものの基礎は法定休日とは?所定休日との違い・割増賃金と勤怠設定を解説で整理しています。

変形労働時間制を製品の設定でそのまま回せるかどうかを確かめる三つの観点

製品の機能表にある「変形労働時間制に対応」の一行が意味する範囲は製品ごとに違い、社労士が確かめる点は三つに絞られます。

一年単位の変形労働で限度に触れる設定値と製品側で止まらない入力

労働基準法施行規則第十二条の四は、一年単位の変形労働時間制について一日の労働時間の限度を十時間、一週間の労働時間の限度を五十二時間と定めます。連続して労働させる日数の限度は六日で、協定で特定期間として定めた期間については一週間に一日の休日が確保できる日数まで。対象期間が三箇月を超える場合の労働日数の限度は一年当たり二百八十日です。

製品の検査では、この四つの数字を超える勤務パターンを試験入力してみてください。入力時点で警告が出る製品、月次の集計で初めて表示される製品、どこにも出ない製品に分かれます。どこにも出ない製品を選んだ場合、限度の監視は事務所側の作業として残り続ける。顧問先が製造業で交代勤務を組んでいる場合の現場側の要件は、製造業の勤怠管理システムで交代勤務・変形労働時間制に強い選び方をまとめた記事にまとまっています。

対象期間を区分したときに三十日前までシフトを確定させる運用要件

あまり語られない制約がここです。労働基準法第三十二条の四第二項は、協定で対象期間を一箇月以上の期間ごとに区分し、最初の期間を除く各期間について労働日数と総労働時間だけを定めた場合、各期間の初日の少なくとも三十日前に労働者代表の同意を得て、労働日と労働日ごとの労働時間を定めなければならないとしています。

これはシステムの機能要件そのものです。三十日前の締め切りがあるなら、シフト表の作成画面に確定日と期限の管理が要ります。確定済みのシフトを後から書き換えられる製品では、確定の事実を証明できません。顧問先が一年単位を区分方式で運用しているなら、シフトの確定と履歴の保持ができるかを最初に聞いてください。

変形労働に対応と書かれた製品でも足りない三つの機能の見分け方

三つ挙げます。一つ目は変形期間の起算日を賃金計算期間から独立して指定できること。二つ目は限度値の超過を入力時点で検知できること。三つ目は確定したシフトの履歴を残せること。この三つが揃っていない製品は、条文どおりに運用できていることを後から示す手段を持ちません。

逆にこの三つが揃っていれば、変形労働時間制の細かな種類への対応は設定の組み合わせで足り、一箇月単位と一年単位で別の製品を検討する必要はほとんどありません。製品比較の表は、機能名の有無ではなくこの三点の実装を確認する形に組み替えてください。

勤怠の記録を給与計算と社会保険の手続きへ引き渡すときの出力要件

勤怠システムの出口は給与計算と手続きです。事務所が受け取る側なので、出力の形が選定条件に入ります。受け取った先で使う申請経路の選び方は、社労士事務所のシステム対応と電子申請の義務範囲を扱った記事にまとめています。

客観的な方法による労働時間の状況の記録と三年間保存の対象範囲

労働安全衛生法第六十六条の八の三は、面接指導を実施するため厚生労働省令で定める方法により労働者の労働時間の状況を把握しなければならないと定めます。その方法は労働安全衛生規則第五十二条の七の三で「タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法」とされ、同条第二項で把握した記録を作成し三年間保存するための必要な措置を講じることが求められます。

確認するのは、顧問先の打刻方法がこの客観的な方法に当たるかどうかです。自己申告のみの顧問先は導入を機に打刻へ切り替える対象になります。管理監督者や裁量労働制の対象者も把握の対象で、割増賃金の計算対象でないことと把握の対象でないことは別だと整理してください。

月六十時間を超える時間外を五割以上で計算するための時間の区分

労働基準法第三十七条第一項ただし書は、一箇月について六十時間を超えて延長した時間の労働について五割以上の率で計算した割増賃金を支払うと定めます。中小企業への適用は二〇二三年四月に始まっており、これは検討中の課題ではなく現行の義務です。

勤怠システムに求める出力は、時間外労働の総時間ではなく六十時間までと六十時間超に分けた時間です。加えて、法定休日労働の時間はこの六十時間の算定に含めない扱いになるため、時間外・法定休日・法定外休日・深夜の区分が分かれて出力される必要があります。区分が分かれずに出てくる製品だと、事務所側で分解する作業が毎月残る。給与計算の側で締め日や明細の配付をどう回すかは、社労士の給与計算ソフトで顧問先の並行運用と締め日・権限分離を扱った記事で整理しています。

記録の保存年限が三年か五年かでクラウドの保持設計が変わる理由

年限は二本立てになっています。労働基準法第百九条は労働者名簿、賃金台帳、雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存すると定めますが、同法附則第百四十三条第一項により当分の間は三年間と読み替えられます。労働安全衛生規則第五十二条の七の三第二項の労働時間の状況の記録は三年間です。年次有給休暇管理簿についても労働基準法施行規則第二十四条の七で作成と保存が求められます。

クラウドの勤怠システムでデータ保持期間が選べるなら、経過措置の読み替えが外れた場合に備えて五年を選んでおくほうが安全です。三年で自動削除される契約プランを選んだ顧問先は、読み替えが外れた時点でデータの移し替えが必要になります。顧問先の契約プランのデータ保持期間を、導入時に一覧として記録しておいてください。

複数の顧問先を事務所から横断して見る三つの方式と事務所に残る工数

顧問先が十社を超えると、締めを顧問先ごとに別のログインで確認する運用は破綻します。方式は三つあり、選び方は顧問先の数ではありません。

事務所のアカウントで顧問先を切り替える方式が成立する前提条件

ベンダーが社労士向けのパートナー枠を用意している場合、事務所の一つのログインから顧問先を切り替えて見られます。締めの進捗を一覧で確認でき、設定の型を顧問先間で流用できるのが利点です。成立の前提は、顧問先が事務所の指定する製品に揃えてくれることです。

既に別の製品を入れている顧問先には適用できません。新規の顧問先から順に寄せていく形になり、数年かけて比率を上げる話になります。事務所の基幹側の製品構成と料金の階段については、社労士ソフトの種類と電子申請対応・既製品と個別開発の判断基準をまとめた記事で扱っています。

顧問先に契約させて権限だけ受け取る方式で事務所に残る二つの作業

顧問先が自社の名義で契約し、事務所は閲覧または操作の権限を受け取る方式です。顧問先の意思で製品を選べるため導入の抵抗は小さく、費用も顧問先側に載ります。事務所に残るのは、顧問先ごとに製品が違うことによる操作習得と、締めの進捗を横断で見られないことへの対処です。

この方式では進捗の一覧だけを事務所側に別途持つ形になり、顧問先が二十社を超えると表計算での管理は担当者の記憶に依存し始めます。

CSVで受け渡す方式の変換の本数から月次の工数を見積もる方法

顧問先の勤怠システムの出力項目を事務所側の様式へ変換して取り込む方式です。見積もるべきは月次の作業時間ではなく、初期に作る変換の本数になります。

方式 事務所の初期工数 月次の工数 成立条件
事務所アカウント 製品の型作りが一度 顧問先数に比例せず低い 顧問先が製品を揃える
権限受け取り 顧問先ごとの操作習得 製品の種類数に比例 顧問先が契約を持つ
CSV受け渡し 製品の種類ごとに変換一本 取込作業が固定的に発生 出力項目が安定している

変換は顧問先ごとではなく製品ごとに一本で足ります。顧問先三十社で使われている勤怠製品が八種類なら、作るのは八本です。注意点は製品側の出力項目が更新で変わることで、変換の保守が年に数回発生します。出力項目の変更を告知する製品かどうかも選定の材料になります。

既製品のままで足りる顧問先の条件と個別開発に踏み込む領域の線引き

顧問先の勤怠システムそのものを個別開発する判断は、ほとんどの場面で見送ってください。開発が効くのは事務所側の別の領域です。

既製品のままで止めておくべき顧問先の規模と勤務形態の三つの条件

次の三つが揃う顧問先は、既製品のクラウドで足ります。従業員が百名未満、勤務形態が固定時間制または一箇月単位の変形労働時間制のいずれか一つ、そして給与計算を事務所が受託している。この条件では、製品の標準機能から外れる要件がほぼ出てきません。

逆に開発の検討に入る目安は、勤務形態が三つ以上並行し、そのうち一つが一年単位の区分方式で、かつ現場のシフト作成が別のシステムで動いている場合です。この状態でも、まず検討するのは既製品とシフト側の連携で、勤怠そのものの開発ではありません。

開発が効くのは顧問先を横断する進捗管理と労使協定の設定の台帳

事務所側に作る価値があるのは二つです。一つは締めの進捗を顧問先横断で見る管理で、締め日・支給日・担当者・状態を持ち、期限から逆算して並べるもの。もう一つは労使協定と就業規則の定めをシステムの設定値と対応づけて持つ台帳で、協定の有効期間と更新期限、設定値の変更履歴を残します。

後者は監査の局面で効きます。顧問先の設定が条文どおりであることを、事務所として説明できる形で持てるかどうかの差です。この二つは既製品の勤怠システムには含まれず、事務所固有のルールが入るため開発の対象になります。事務所の運用に合わせて勤怠の周辺を作る検討に入る段階なら、勤怠管理システム開発の相談先として要件の詰め方から扱えます。

顧問先の勤怠システムそのものを自前で作る判断を見送るべき根拠

見送る根拠は法改正の追随です。割増賃金率の変更、変形労働時間制の限度値、労働時間の状況の把握の方法、記録の保存年限。これらは法令の側で動き、既製品のベンダーは全顧客へ一度で反映します。自前で作れば同じ改正を自社の費用で追い続けることになります。

二〇二六年八月時点でも、連続勤務の上限や勤務間インターバル、法定休日の特定といった論点が労働基準関係法制の検討課題として残っています。仮に成立すれば勤務パターンの判定ロジックに手が入る。この追随を自前で引き受ける合理性は、顧問先の勤怠という標準化された領域では見つかりません。

よくある質問

社労士が顧問先の勤怠システムの設定を代行しても社労士法上の問題はありませんか?

設定値をどう決めるかの助言と設定作業は、社会保険労務士法第二条第一項第三号の相談・指導の範囲に収まります。第三号は同法第二十七条の制限の対象ではないため、社労士が行うことに問題はなく、非社労士が行うことも同条では禁じられていません。制限がかかるのは第一号から第二号までで、賃金台帳などの帳簿書類の作成です。

勤怠システムが変形労働時間制に対応と書いていれば就業規則どおりに回せますか?

そうとは限りません。確認すべきは三点で、変形期間の起算日を賃金計算期間から独立して指定できるか、労働基準法施行規則第十二条の四の限度値(一日十時間・一週五十二時間・連続六日・対象期間三か月超で年二百八十日)の超過を検知できるか、確定したシフトの履歴を残せるかです。機能名の記載だけでは判断できないため、限度を超える勤務パターンを試験入力して挙動を見てください。

顧問先の勤怠データは何年ぶんを残す設計にしておくべきですか?

五年を選べる契約なら五年を選んでください。労働基準法第百九条の本則は五年間で、附則第百四十三条第一項により当分の間は三年間と読み替えられている状態です。労働安全衛生規則第五十二条の七の三第二項の労働時間の状況の記録は三年間です。読み替えが外れた時点で三年保持のプランではデータが足りなくなるため、契約プランの保持期間を導入時に記録してください。

顧問先の勤怠システムを事務所の指定する一つの製品に揃えるべきですか?

新規に導入する顧問先から寄せていくのが現実的です。既に別の製品を入れている顧問先を移行させる費用と抵抗は大きく、揃えることの利点は事務所側の工数削減に限られます。揃えられない顧問先は出力項目の受け渡しを設計し、変換を製品ごとに一本作れば工数を抑えられます。

勤怠システムの導入支援は顧問料に含めるべきか別料金にすべきですか?

作業の性質で分けてください。就業規則と労使協定の解釈を確定させる部分は継続的な相談・指導の延長線上にあり顧問料に馴染みますが、設定値の投入と検証、顧問先の従業員への説明は一時的な工数として切り出せます。導入後の設定変更をどちらに含めるかは契約時に決めておくほうが摩擦が少ない。

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