36協定は、1日8時間・週40時間という法定労働時間を超えて社員に働いてもらうために、労使で結んで労働基準監督署へ届け出る協定です。ただし協定を出せば残業が自由になるわけではなく、その先に月45時間・年360時間という限度時間と、特別条項でも越えられない年720時間・単月100時間未満・複数月平均80時間という天井が控えています。この記事では、36協定の対象範囲と締結・届出の手順を厚生労働省の資料で確認したうえで、その数値を勤怠管理システムのどの判定に落とすのかまで書きました。2026年9月1日から労働基準監督署の指導の重点が変わった点も反映しています。
まとめ:36協定で決まる上限と超過を止める勤怠システム側の判定要件
36協定は「残業させてよい」という許可であり、上限を撤廃する仕組みではありません。原則は月45時間・年360時間。臨時的な事情があるときだけ特別条項で越えられますが、そこでも年720時間以内、時間外と休日労働の合計で単月100時間未満、2か月から6か月の平均で80時間以内、月45時間超は年6回以内という4つの数値が同時にかかります。届出は事業場ごとに行い、限度時間内なら様式第9号、特別条項を設けるなら様式第9号の2を使います。
運用でつまずくのは、協定の内容ではなく集計の作り方です。年360時間や年720時間は協定に書いた起算日からの1年で数えるのに、勤怠の集計は給与の締め日で動いていることが多い。複数月平均80時間は当月だけ見ても判定できず、過去5か月分を持ち回って計算する必要があります。月45時間超の回数も、超えた後に数えるのでは遅く、残枠として先に見せなければ止められません。勤怠管理システムに求めるのは残業時間の合計表示ではなく、この6種類の判定を協定単位のマスタに紐づけて先出しでアラートすることです。
36協定が許可する残業の範囲と、協定なしで働かせた場合の法違反
まず押さえるのは、36協定が何を外すための手続きなのかという点です。順序を取り違えると、協定を出していれば安心という誤解につながります。
1日8時間・週40時間の枠と、36協定で外せる時間の法定範囲
労働基準法32条は労働時間を1日8時間、1週40時間までと定め、35条は毎週少なくとも1回(または4週で4日)の休日を義務づけています。この枠を超えて働かせると、それだけで法違反です。36協定は、労使の合意と届出を条件にこの枠を外すための例外規定で、条文が36条にあることから36協定と呼ばれています。
協定に書くのは、時間外労働をさせる具体的な事由、対象となる業務の種類と労働者数、1日・1か月・1年それぞれの延長できる時間数、休日労働をさせる日数と始業終業の時刻、そして有効期間です。1日単位の上限を書き忘れる、対象業務を「全業務」と丸めるといった書き方は、監督署で指摘を受けやすい箇所です。
対象になるのは、パート・アルバイト・契約社員を含むすべての労働者です。管理監督者は労働時間の規制の枠外ですが、役職名だけで管理監督者と扱うと後から否認されます。18歳未満の年少者は時間外労働・休日労働そのものが原則できません。派遣社員の場合、残業を指示するのは派遣先でも、36協定を結んで届け出るのは雇用主である派遣元です。派遣先が負う義務との切り分けは労働者派遣法における派遣元・派遣先の義務の整理が参考になります。
協定なしの残業で問われる罰則と、労基署が最初に確認する勤怠記録
36協定を届け出ずに時間外労働をさせた場合、または協定で定めた時間を超えて働かせた場合、労働基準法119条により6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります。2025年6月1日に施行された改正刑法で懲役と禁錮は拘禁刑に一元化されたため、条文上の表記は拘禁刑です。厚生労働省の解説ページには懲役表記のまま残っているものもあり、社内規程を更新する際は条文側を確認してください(2026年9月時点)。
実務で先に来るのは刑事罰ではなく是正勧告です。臨検監督で確認されるのは、有効期間内の36協定届の写し、対象期間の労働時間の記録、そして協定で定めた時間との突き合わせです。タイムカードの打刻とパソコンのログイン記録が大きく食い違う、自己申告の残業時間が毎月ぴったり45時間で止まっているといった状態は、記録そのものへの疑義につながります。記録が客観的なものとして通用する条件は打刻とは?客観的な記録の条件と方式6種の使い分けで整理しています。
時間外労働の上限規制の数値と、原則と特別条項が適用される順序
2019年4月(中小企業は2020年4月)から、36協定で定められる時間数そのものに法律上の上限がかかりました。ここが「36協定を結んでも無制限にはならない」という部分です。
原則の限度時間は月45時間と年360時間、1年単位変形では月42時間
協定で定められる時間外労働は、原則として1か月45時間、1年360時間までです。1年単位の変形労働時間制(対象期間3か月超)を採る事業場では枠が狭くなり、1か月42時間、1年320時間になります。変形労働時間制を入れている製造現場で、通常の45時間で協定を作ってしまう誤りが起きやすい箇所です。
この時間数は法定労働時間を超えた分の集計です。所定労働時間が7時間30分の会社なら、8時間に達するまでの30分は割増賃金の対象になっても45時間のカウントには入りません。給与計算上の残業時間と上限規制上の時間外労働は一致しないため、システム側では別項目として保持します。
特別条項で認められる4つの上限と、休日労働を含める実務上の数え方
予算・決算業務の集中や大規模なクレーム対応など、臨時的で特別な事情があるときは、特別条項を設けて限度時間を超える協定ができます。その場合も次の4つが同時にかかります。
| 判定軸 | 上限 | 休日労働 | 数える期間 |
|---|---|---|---|
| 1年の時間外労働 | 720時間以内 | 含まない | 協定の起算日から1年 |
| 単月の合計 | 100時間未満 | 含む | 協定で定めた1か月 |
| 複数月の平均 | 80時間以内 | 含む | 2・3・4・5・6か月の各平均 |
| 月45時間超の回数 | 年6回以内 | 含まない | 協定の起算日から1年 |
混乱の元は、休日労働を含める軸と含めない軸が混在している点です。年720時間と45時間超の回数は時間外労働だけで数え、単月100時間未満と複数月平均80時間は法定休日の労働時間も足して数える扱いです。日曜出勤を多く挟む部署では、年720時間に余裕があるのに単月100時間の壁に先に当たることが起こります。特別条項の書き方、健康福祉確保措置の選び方、割増賃金率の記載といった詳細は特別条項付き36協定の枠組みを解説した記事で扱っています。
月45時間超は年6回までという制限と、残枠の月次カウント方法
特別条項を設けても、1か月45時間を超えられるのは1年のうち6か月以内です。45時間0分は超過ではなく、45時間1分から1回とカウントします。この回数は事業場単位ではなく労働者ごとに数えるため、部門合計の平均残業時間を見ているだけでは検知できません。
回数管理の失敗は決まった形で起きます。上期に繁忙が集中して4月から9月で6回を使い切り、決算期の1月から3月に45時間を超えられなくなるパターンです。起算日を4月にしている会社で毎年繰り返されます。残り回数を月次で締めた後に集計していては手遅れになるため、当月の見込み残業時間から「この月を超過扱いにすると残枠が何回になるか」を月中に出す運用にします。
36協定の締結と届出の手順、様式選びと届出先で間違えやすい点
36協定は本社でまとめて1本作れば足りるものではありません。締結の相手方と届出の単位を取り違えると、協定そのものが無効になります。
過半数労働組合と過半数代表者の選び方を誤ると無効になる法定条件
締結の相手方は、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があればその組合、なければ労働者の過半数を代表する者です。過半数の母数には、パート・アルバイト・休職者を含む全労働者が入ります。正社員だけで数えて過半数を判断すると要件を満たしません。
過半数代表者には2つの要件があります。管理監督者でないこと、そして投票や挙手など民主的な手続で選ばれたことです。会社が指名した、親睦会の代表が自動的に就いている、社内回覧で異議がなければ承認としたといった選び方は、要件を満たさないと判断される可能性が高い箇所です。選出の記録(投票結果や回覧の同意状況)は協定書とセットで残してください。
様式第9号と第9号の2の使い分けと、届出部数・届出先の実務手順
使う様式は、限度時間を超えるかどうかと業種で分かれます。限度時間の範囲内なら様式第9号、特別条項を設けるなら様式第9号の2です。新技術・新商品等の研究開発業務は様式第9号の3、建設事業と自動車運転の業務は様式第9号の3の2から3の5、医業に従事する医師は様式第9号の4と第9号の5、労使委員会や労働時間等設定改善委員会の決議届は様式第9号の6と第9号の7を使います。建設事業・自動車運転業務・医師は2024年4月から上限規制の対象となり、業種ごとに異なる基準が適用されています。医師の上限は年960時間と年1,860時間の水準で分かれ、面接指導と休息確保の期限が医療法で別に定められています。病院の勤怠システムが判定すべき内容は医師の働き方改革とは?A・B・C水準の上限と勤怠システムの判定要件で扱っています。
届出先は事業場を管轄する労働基準監督署で、届出部数は1部(控えが必要なら2部)です。押印・署名は2021年4月以降の様式では不要になりましたが、これは届出書の取り扱いで、労使が合意した協定書は別に作成して署名または記名押印を残すのが実務です。届出は有効期間の開始日より前に到達している必要があり、4月1日起算の協定を4月10日に出せば、9日間は協定のない状態で残業させたことになります。
電子申請と本社一括届出で削れる作業と、残る事業場単位の判断基準
e-Govを使った電子申請では、事業場が複数あっても本社が一括で届け出られます。一括届出ができるのは、事業の種類・時間数・起算日など協定の内容が同一で、事業場ごとに異なるのが名称・所在地・労働者数だけである場合です。内容が同一なら、CSV形式の一覧を添えて1回の送信でまとめられます。
ここで判断が要るのは、一括届出のために内容を無理に揃えないことです。繁忙期が異なる支店の限度時間を本社に合わせて広く取ると、実態より長い協定を届け出ることになります。届出の手間より、事業場ごとの実態に合った時間数を優先してください。過半数代表者の選出は事業場単位のままで、電子申請でも一括にはできません。
上限規制を勤怠管理システムの判定ロジックへ落とすときの設計要件
ここからが実装の話です。上限規制の数値は、勤怠管理システムに6種類の判定として実装できます。既製品を入れるにしても、要件として言語化しておかないと「残業時間は見えているのに超過を止められない」状態になります。
協定の起算日を基準に年間集計を切る設計と、給与締め日とのずれ
年360時間・年720時間・年6回は、協定に書いた起算日からの1年で数えます。一方で勤怠の集計期間は給与の締め日に合わせて「前月21日から当月20日」のように動いている会社が多い。起算日を4月1日、締め日を20日にしている場合、年間集計の境界と月次集計の境界が10日ずれます。
この場合の設計は、日単位の労働時間実績を明細として持ち、月次集計と年次集計を別の集計期間で組み立てる形にします。月次の締め結果を積み上げて年間値を作る作りにすると、境界の10日分が二重計上または欠落します。協定の1か月の起算日も協定で定めるものなので、給与締め日と一致しない前提でマスタに持たせてください。
複数月平均80時間をローリングで判定する計算と残枠の月次表示方法
複数月平均80時間は、2か月・3か月・4か月・5か月・6か月それぞれの平均がすべて80時間以内である必要があります。当月を含む直近2か月から6か月の5通りを毎月計算するため、過去5か月分の月次確定値(時間外+休日労働)を保持しておく必要があります。
実装で効くのは、判定結果を可否だけで返さず、当月に使える残時間として返すことです。直近5か月が各85時間だった労働者なら、6か月平均を80時間以内に収めるには当月55時間までしか使えません。この数字を月初に本人と上長へ出せば、月末の駆け込み残業を止められます。異動があると前所属の実績が抜けやすいので、集計は所属ではなく個人単位で通します。
事業場ごとに上限値と協定期間を持たせるマスタ設計の具体的判断軸
協定は事業場単位です。したがって上限値も事業場単位で持ちます。1つの会社に、特別条項ありの本社、限度時間内の支店、1年単位変形労働時間制で月42時間の工場が同時に存在する状態は普通に起こります。
| 持たせる項目 | 粒度 | 判定への使い方 |
|---|---|---|
| 起算日・有効期間 | 事業場×協定 | 年間集計の境界、期限切れ警告 |
| 1日・1か月・1年の延長時間 | 事業場×業務種類 | 協定値と法定上限の低い側で判定 |
| 特別条項の有無と回数枠 | 事業場 | 45時間超の可否と残枠計算 |
| 変形労働時間制の区分 | 事業場 | 限度時間を45時間か42時間で切替 |
| 健康福祉確保措置の種類 | 事業場 | 実施記録の対象と督促の起点 |
判定はいつも「協定に書いた時間数」と「法定の上限」の低い側で行います。協定で月40時間と定めた事業場は、法定の45時間ではなく40時間で超過になり、協定違反として是正勧告の対象になります。有効期間の管理も忘れやすく、1年で切れる協定の期限を過ぎたまま残業させている状態は珍しくないので、期限の60日前に人事へ通知する仕組みまで入れてください。製品ごとの機能差や費用感は勤怠管理システムの機能・種類・費用と選び方で整理しています。
2026年9月に変わった監督指導の重点と、健康確保措置の記録要件
36協定をめぐる行政の運用は、2026年9月1日に変わりました。時間数だけを見ていた指導から、健康を守る措置が実際に動いているかを見る指導へと軸が移っています。
一律の45時間指導の見直しと、重点確認へ移った健康確保措置の内容
厚生労働省は2026年9月1日から、時間外・休日労働の時間数のみに着目して1か月45時間以内への削減を求める一律の指導を見直しました。代わりに重点確認するのが、36協定で定めた健康及び福祉を確保するための措置の実施状況です。過重労働による健康障害のリスクが高い場合には引き続き指導が行われます。あわせて全国の働き方改革推進支援センターに36協定や特別条項、柔軟な労働時間制度の相談窓口が設けられ、労働基準監督署の労働時間相談・支援班による訪問支援も始まりました。
これは上限規制が緩んだという話ではありません。法定の上限は変わっていません。移ったのは指摘の入口で、45時間超が引き金だった状態から、協定に書いた措置を実施していないことが問われる状態になりました。特別条項を設けている事業場は、選んだ措置の実施記録を出せるかを先に点検してください。
面接指導や勤務間インターバルの実施記録をシステムに残す実装方法
健康福祉確保措置は、指針が例示する項目から選んで協定に記載します。医師による面接指導、終業から始業までの休息時間(勤務間インターバル)の確保、深夜業の回数制限、代償休日や特別な休暇の付与、健康診断、連続休暇の取得、相談窓口の設置、配置転換、産業医等による助言指導や保健指導などです。協定に書いたものが実施義務の対象になります。
記録方法は措置ごとに異なるものです。勤務間インターバルは打刻データから終業と翌始業の間隔を計算して下回った日を抽出できます。深夜業の回数は22時以降の労働時間から自動集計が可能です。一方、面接指導や相談窓口の利用は勤怠データに現れないため、対象者の抽出(例えば月80時間超の該当者リスト)と実施日の記録欄をシステム側に用意して、抽出から実施までを紐づけます。抽出だけできて実施記録が別のExcelにある状態が、監督署への提示で最も詰まる箇所です。在宅勤務の中抜けや深夜の再ログインが混ざる職場では、打刻の取り方から見直す必要があるためテレワークの勤怠管理における打刻と中抜けの扱いも確認してください。
勤怠システムの標準機能で足りる条件と、追加開発に踏み込む判断
ここは判断を言い切ります。36協定への対応を理由に勤怠システムを作り込む必要がある会社は、実際には多くありません。
標準機能のSaaSで足りる条件と、そこで作り込まない線引き基準
次の条件がすべて当てはまるなら、既製のクラウド勤怠で足ります。事業場が単一か、複数でも協定の内容が同一である。変形労働時間制を採っていない、または1か月単位のみ。給与の締め日が月末で協定の起算日と月の境界が揃っている。特別条項の対象者が数十名規模で、残枠の確認を人が見て回せる。この範囲で個別開発に踏み込むのは費用の無駄で、上限アラートの閾値設定と承認フローの見直しで済みます。
ただし1点だけ製品選定時に確認してください。「協定の起算日を給与の締め日と別に設定できるか」です。ここが固定の製品を選ぶと、年間集計の境界がずれたまま運用することになります。
追加開発に踏み込む条件と、勤怠と給与で残業の定義が食い違う失敗
追加開発や連携開発を選ぶ判断は、次のどれかに当てはまるときです。事業場ごとに起算日・限度時間・変形労働時間制の区分が混在し、標準のマスタで表現できない。工数管理システムやプロジェクト管理ツール側の実績時間を突き合わせて、申告漏れを検知する必要がある。シフト作成の段階で複数月平均80時間の残枠を判定して、組めないシフトを作らせない制御を入れたい。3つ目は既製品の機能範囲の外に出ることが多く、シフト系の外部サービスと勤怠を連携させる開発になります。
失敗パターンとして最も多いのは、勤怠システムと給与システムで残業時間の定義が食い違っているケースです。給与側は所定労働時間を超えた分(法定内残業を含む)を残業として持ち、勤怠側は法定労働時間を超えた分を上限規制の対象として持つ。この2つの数字を同じ「残業時間」として突き合わせると、毎月数時間の差異が出て原因調査に時間を取られます。連携を作るときは、法定内残業・法定外残業・法定休日労働・深夜労働の4区分で受け渡す設計にしてください。自社の事業場構成と協定の状態を前提に要件を固めたい場合は、勤怠管理システム開発で上限判定の設計から相談を受けています。
よくある質問
36協定の実務で判断に迷いやすい論点を5つ取り上げます。いずれも締結・届出の場面で問い合わせの多い内容です。
36協定を届け出ずに残業させた場合、どのような罰則がありますか
労働基準法119条により、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になります。協定を結んでいても届け出ていない場合、協定で定めた時間を超えた場合も同じです。実務上は臨検監督での是正勧告が先に来ることが多く、その場で有効期間内の協定届と労働時間の記録の突き合わせを確認されます。未届のまま残業させていた期間は遡って是正の対象になるため、有効期間の切れ目を放置しないことが先決です。
36協定を結べば残業時間は月45時間を年6回まで超えてよいのですか
原則は超えられません。1か月45時間・1年360時間が法律上の限度時間で、これを超えるには特別条項を定めた協定(様式第9号の2)が必要です。特別条項があっても、超えられるのは年6回以内で、時間外と休日労働の合計は単月100時間未満、2か月から6か月の各平均で80時間以内に収める必要があります。1年単位の変形労働時間制を採る事業場では、限度時間が1か月42時間・1年320時間に下がります。
36協定の届出は毎年必要ですか。有効期間の起算日はどう決めますか
有効期間は1年間とするのが一般的で、その都度締結して届け出ます。協定に有効期間を定めることは必須事項です。1年を超える期間も定められますが、上限規制の年間枠が1年単位で動くため、起算日を揃えた1年としておくと集計が単純になります。届出は有効期間の開始日より前に到達している必要があるので、期限の1、2か月前に過半数代表者の選出から着手してください。
パート・アルバイトや管理監督者も36協定の対象範囲に入りますか
パート・アルバイト・契約社員は対象です。労働時間が短くても法定労働時間を超えて働かせるなら協定が必要で、過半数代表者を選ぶときの母数にも含まれます。管理監督者は時間数の上限の対象になりませんが、その判断は役職名や手当の有無ではなく、経営者と一体的な立場か、労働時間の裁量があるか、待遇が地位にふさわしいかで行われます。
派遣社員の36協定は雇用主の派遣元と派遣先のどちらが締結しますか
締結して届け出るのは、雇用主である派遣元です。派遣先は自社の36協定の範囲内で残業を指示できるわけではなく、派遣元が結んだ協定の時間数の範囲でしか指示できません。派遣先は労働時間を把握して派遣元へ通知する義務があり、上限を超える指示を出すと派遣元の協定違反を招きます。実務では、派遣元の協定の上限時間を契約時に確認し、勤怠データを月次で共有する形にしておくと事故を防げます。
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