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雑貨屋の事業計画書の書き方|公庫の創業計画書の記入例と売上・資金計画の作り方【2026年版】

雑貨屋の事業計画書の書き方|公庫の創業計画書の記入例と売上・資金計画の作り方【2026年版】

雑貨屋の事業計画書は、日本政策金融公庫の創業計画書の記入欄に沿って書けば、融資の審査で聞かれる項目はそろいます。雑貨屋ならではの論点は3つです。中古品やアンティークを扱うかどうかで古物商許可の要否が決まること、輸入した食器や電気製品には販売前の手続きがあること、そして原価率と来店客の買上率を根拠のある数字で置けるかどうかです。

この記事では、公庫の小売業の記入例と公的統計を根拠に、記入欄ごとの書き方、業態別の許認可、12坪の店舗を例にした売上・必要資金の計算を順に示します。

まとめ:雑貨屋の事業計画書で押さえる要点

  • 公庫に出すなら、公庫の創業計画書の様式(記入欄1〜10)に沿うのが近道です。自分で作った計画書でも提出でき、その場合も同じ項目を漏らさないようにします。
  • 新品の雑貨だけを仕入れて売るなら、開業届のほかに特別な許可は要りません。中古品・アンティークや、一度消費者の手に渡った未使用品を国内で買い取って売るなら、古物営業法の許可(古物商許可)が原則として必要です。自分で海外で買い付けた物を売るだけなら不要とされています。
  • 海外から自分で輸入した食器を売るには食品衛生法の輸入届出が、電気用品安全法の対象となる電気製品を売るにはPSEマークの表示が必要です。
  • 売上は「来店客数×買上率×客単価×営業日数」で積み上げます。原価率は商品群ごとの仕入条件から求め、公庫の経営指標(洋品雑貨・小間物小売業の売上高総利益率 中央値45.4%など)と比べて説明します。
  • 利益が出るかだけでなく、借入の元金返済と生活費まで賄える売上を逆算して示します。本記事の設例では、損益分岐点の月商114万円に対し、返済と生活費まで賄うには月商194万円が必要でした。

公庫の創業計画書の記入欄と雑貨屋で書く中身

公庫の創業計画書の様式には「この書類に代えて、お客さまご自身が作成された計画書をご提出いただいても結構です」と書かれています。事業計画書を自作する場合も、次の10欄を章立ての基準にすると、公庫の様式が求める項目の記入漏れを防げます。

記入欄 雑貨屋で書く中身
1 創業の動機 なぜこの商品群・この地域で店を出すのか
2 経営者の略歴等 販売職での担当業務・仕入れ経験、取得資格、許認可
3 取扱商品・サービス 商品群別の価格帯と売上シェア、客単価、競合と市場
4 従業員 3か月以上雇用する予定の人数とパートの内訳
5 取引先・取引関係等 仕入先と支払条件、現金とキャッシュレスの比率
6 関連企業 申込人・法人代表者・配偶者が経営する企業
7 お借入の状況 住宅・車・カードなどの借入残高と年間返済額
8 必要な資金と調達方法 内装・什器・保証金・初期在庫と見積先
9 事業の見通し(月平均) 創業当初と軌道に乗った後の売上・原価・経費
10 自由記述欄 アピールポイントと事業上の悩み

公庫が公開している記入例のうち、雑貨屋に最も近いのは婦人服・子供服小売業の記入例です。取扱商品欄に「婦人服 約50点揃える。価格3,000円~20,000円(売上シェア60%)」のように点数・価格帯・シェアを並べ、「競合・市場など自社を取り巻く状況」の欄には「近隣に同業者は5店舗あるが、親子向けお揃いの服を取り揃えている店は少なく、差別化できる」と競合の数と違いを書いています。雑貨屋でも、この粒度で書けば審査担当者が売上の妥当性を検証できます。

個人事業主と法人で変わる記入箇所

様式は個人事業主と法人で共通ですが、3か所の扱いが違います。法人は従業員欄に常勤役員の人数を書き、お借入の状況欄には代表者個人の借入を書きます。個人事業主は、事業の見通し欄の人件費に事業主本人の分を含めません(公庫の売上高等の計算方法について)。そのため個人事業主の「利益」からは、借入の元金返済と生活費、所得税などを支払うことになり、後で示す必要売上の計算に直結します。

業態で変わる許認可:新品雑貨・アンティーク・輸入雑貨

創業計画書の「2 経営者の略歴等」には「許認可(許可・届出等)」の欄があり、取得済みか申請中かを書きます。雑貨屋は業態や仕入れ経路によって必要な手続きが大きく変わるので、計画書を書く前に次の表で自店が当てはまる行を確認してください。

扱う商品 必要な手続き 根拠
新品の雑貨・手芸用品(国内仕入れ) 開業届など一般の手続きのみ -
国内で仕入れる中古品・アンティーク等 古物商許可(公安委員会) 古物営業法3条
自ら輸入した食器・調理器具 検疫所への食品等輸入届出 食品衛生法27条
電気用品安全法の対象品(照明器具など) PSEマーク付きのみ販売可 電気用品安全法27条
指定品目(衣料・プラスチック製品など) 日本語の品質表示 家庭用品品質表示法

新品雑貨を仕入れて売る店(セレクト・オリジナル・手芸店)

問屋やメーカー、作家から新品を仕入れて売るセレクトショップ型、自社企画の商品を売るオリジナル型、手芸用品店は、雑貨の販売自体に許可は要りません。ただし、焼き菓子やお茶などの食品を一緒に売るなら、商品によっては営業許可や届出が必要になるので、保健所に確認してから取扱商品欄に書きます。中小企業基盤整備機構のJ-Net21にも雑貨店の開業ガイドがありますが、「雑貨ショップオーナー」のページは最終内容確認日が2014年2月で、許可の説明もアンティークショップの記述が混在しています。必要資金や収支のモデルも含め、そのまま計画書に写さないでください。

アンティーク・中古雑貨の古物商許可と取得計画

古物営業法2条の「古物」には、一度使用された物品だけでなく「使用されない物品で使用のために取引されたもの」も含まれます。一般の人や国内の業者から古物を買い取って売る営業は、同法3条により都道府県公安委員会の許可を受けなければなりません。山梨県警察の解説は、古物を買い取って販売する場合は許可が必要、自分が海外で買ってきた物を売る場合は不要(他の業者が輸入した物を国内で買い取って売る場合を除く)と整理しています。海外での直接買付けと国内での仕入れを併用する店は、国内仕入れの分で許可が必要になります。

  • 申請先と手数料:主たる営業所を管轄する警察署に申請します。警視庁の案内では手数料は19,000円です。
  • 管理者:営業所ごとに、業務を適正に実施する責任者として管理者を1人選任します。個人で1店舗なら本人が兼ねる形が一般的です。
  • 取引の記録:売買のために古物を受け取ったり引き渡したりしたときは、取引年月日・品目と数量・特徴・相手方の情報などを帳簿か電磁的方法で記録します(16条。少額の取引など国家公安委員会規則で除外されるものもあります)。帳簿は最終の記載をした日から、電磁的記録は記録をした日から3年間保存します(18条)。

計画書の許認可欄には、取得済み・申請中・申請予定のどれかを実際の状況どおりに書き、許可が下りる見込みの時期を開業スケジュールに組み込みます。許可前は国内での買取ができないので、開業時の在庫をどこから仕入れるかも書いておきます。中古品の買取と販売が中心になるなら、リサイクルショップの事業計画書の論点(買取価格の決め方や在庫の評価)も参考になります。

輸入雑貨:食器の輸入届出・PSE・品質表示

海外の問屋や作家から自分で輸入して売る場合、店は「輸入者」として次の義務を負います。国内の輸入商社から仕入れるなら、これらは原則として輸入者である商社側の手続きです。

  • 食器・調理器具:皿やカップ、カトラリーは食品衛生法の「器具」に当たります。販売用に輸入するなら、検疫所に食品等輸入届出をしなければならず、厚生労働省の案内は「輸入届出を行わない食品等については、販売又は営業上使用することはできません」としています。検査が必要と判断されれば、検査費用と通関までの日数が原価と仕入計画に乗ります。
  • 電気製品:電気製品のすべてが対象ではありませんが、照明器具など電気用品安全法の対象品は、同法27条によりPSEマークなどの表示が付いていなければ販売も陳列もできません。自ら輸入する場合は輸入事業者として、事業開始から30日以内の経済産業大臣への届出(3条)、技術基準への適合と検査記録の作成・保存(8条)が必要で、特定電気用品に当たる品目は販売までに登録検査機関の適合性検査も受けます(9条)。検査の手配と費用は仕入原価と入荷時期に直接響きます。
  • 品質表示:家庭用品品質表示法の表示規制は、施行令で指定された品目だけが対象です。対象品を国内の消費者向けに輸入販売するなら、消費者庁の解説にあるとおり法定の表示事項を日本語で表示します。

輸入雑貨を売りにする計画で、これらの手続きと費用が見当たらないと、審査では実現性を疑われます。取扱商品欄で輸入品の割合を示し、自由記述欄か別紙で手続きの段取りを説明してください。

取扱商品とセールスポイントの書き方

取扱商品欄は、商品群ごとに点数・価格帯・売上シェアを書き、その下のセールスポイント欄と販売ターゲット欄で「誰に・なぜ選ばれるか」を説明します。生活雑貨のセレクトショップなら、次のように書けます。

  • ① 器・キッチン雑貨 約200点。価格1,000円~8,000円(売上シェア45%)
  • ② 作家物の布小物・アクセサリー 約150点。価格800円~6,000円(売上シェア35%)
  • ③ ギフト用品・季節雑貨 約250点。価格500円~3,000円(売上シェア20%)

セールスポイント欄で「おしゃれ」「こだわりの品揃え」と書いても、審査担当者は判断できません。「半径1km内の雑貨店4店はいずれも量販型で、県内作家の器を常設で扱う店はない」「作家12名と委託販売の合意済み」のように、競合の数・扱っていない商品・取引の確約で書きます。前職の店で担当した商品群の売上や、作家・問屋との取引関係は経営者の略歴欄に書き、取扱商品欄の根拠として結びつけます。

SNSでの新入荷告知や作家の在店イベントなどの販売戦略は、手段を並べるより、開業前に集めたフォロワーや見込み客の数で示す方が根拠になります。

売上予測と収支計画の作り方

事業の見通し欄は月平均の数字で書き、欄の右側に「売上高、売上原価(仕入高)、経費を計算された根拠」を記入します。数字そのものより、この根拠欄の書き方で計画の評価が分かれます。

売上の算式:来店客数×買上率×客単価×営業日数

公庫の「売上高等の計算方法について」は、店舗売りの比重が大きい販売業の算式として「1㎡(または1坪)当たりの売上高×売場面積」を挙げています。婦人服・子供服小売業の記入例は「7,500円(平均単価)×10人/日×26日=195万円」と、客単価×1日の客数×営業日数で計算しています。

雑貨屋は、入店しても何も買わずに出る客が多い業種です。1日の客数を置くときは「来店客数×買上率」に分け、来店客数は出店予定地の前の通行量と入店者数を、曜日と時間帯を変えて数えます。買上率は「購入客数÷入店者数」なので、前職の店のPOSデータ(購入客数・客単価)に入店カウンターなどで数えた入店者数を組み合わせて求めます。実測した値と推定した値は、根拠欄で区別して書きます。売場面積を使う算式でも検算し、2つの方法の結果が大きく食い違うなら前提を見直します。

原価率の算定根拠と公庫の経営指標との比較

原価率は商品群ごとの仕入条件(掛け率や委託の手数料率)から求め、「勤務時の経験から」に加えて公的な統計と照らして書くと説得力が増します。公庫の2025年度「小企業の経営指標調査」(公庫の融資先のうち従業者50人未満の法人が対象)では、雑貨に近い業種の売上高総利益率(粗利率)は次のとおりです。

業種 調査対象数 粗利率 中央値 原価率に換算
洋品雑貨・小間物小売業 20 45.4% 約55%
中古品小売業(骨とう品を除く) 77 40.3% 約60%
その他の小売業 630 38.0% 約62%

洋品雑貨・小間物小売業は帽子・ネクタイ・ハンカチなど身の回り品の店で、生活雑貨の店そのものではありません。調査対象も20社と少なく、表の数字は各業種の中央値であって雑貨店の原価率の分布範囲ではありません。自店の仕入条件から求めた原価率が中央値から大きく離れるなら、その理由(自社企画品の比率、委託販売の比率など)を根拠欄に書く、という比較の目安として使います。同じ洋品雑貨・小間物小売業で損益分岐点比率の中央値は106.6%で、半数以上の企業が損益分岐点の売上に届いていません。作家物の委託販売のように粗利率が商品群で違うなら、商品群別のシェアで加重平均して出します。

設例:12坪の雑貨店の月次収支

売場12坪、店主とパート1人、月26日営業の生活雑貨店を例に、事業の見通し欄の数字を組みます。前提はすべて設例のための仮定で、実際の計画では自店の調査値に置き換えてください。簡易な試算のため、内装や什器の減価償却費は省き、決済手数料などの売上に連動する経費も固定額として扱っています。実際の計画では減価償却費を経費に入れ、変動費は売上に比例させて計算してください。

  • 売上高:来店80人/日×買上率30%=24人、客単価2,800円×24人×26日=約175万円
  • 売上原価:原価率60%(設例上の仮定)=105万円
  • 人件費:パート1人 時給1,300円×5時間×26日=約17万円(地域別最低賃金を下回らない時給で置く)
  • 家賃15万円、支払利息は借入600万円×年3.0%(仮置き)÷12か月=1.5万円、その他(光熱費・通信費・決済手数料・POS利用料・広告費など)12万円
  • 1年後:売上は創業当初の1.15倍(客数の増加を根拠に記載)、その他経費は1万円増
項目(月平均) 創業当初 1年後
売上高 175万円 201万円
売上原価(60%) 105万円 121万円
人件費(事業主分を除く) 17万円 17万円
家賃 15万円 15万円
支払利息 1.5万円 1.5万円
その他経費 12万円 13万円
利益 24.5万円 33.5万円

経費の合計45.5万円を粗利率40%で割ると、損益分岐点の月商は約114万円です。ただし個人事業主の場合、借入の元金返済(600万円を84回で返すなら月約7.1万円)と、税・社会保険料を含む生活費(ここでは25万円)も利益から払います。必要な利益は月32.1万円なので、必要な月商は(45.5万円+32.1万円)÷40%=194万円で、1日の買上客に直すと約27人です。

この設例では、創業当初の175万円は損益分岐点を上回っていても、返済と生活費までは賄えません。1日の買上客をあと3人増やすか、買上客数はそのままで客単価を約12%上げる根拠を示すか、生活費を当面の自己資金や家族の収入で補う計画を書く必要があります。損益分岐点だけを示して「黒字見込み」とする計画書は、返済の原資を問われた時点で説明が詰まります。

季節変動を反映した月次の資金繰り表

事業の見通し欄は月平均ですが、雑貨はギフト需要の集まる12月と、それ以外の月で売上の差が大きくなりがちです。月平均で黒字でも、売上の少ない月に家賃と返済で手元資金が尽きることがあります。12か月分の売上と入出金を資金繰り表にまとめて参考資料として添えると、季節変動を織り込んでいることを示せます。収支表を自分で組むならエクセルで作る事業計画書の手順も参考にしてください。

必要な資金と調達方法の書き方

必要な資金欄は、店舗の内装や什器などの設備資金と、商品仕入や家賃などの運転資金に分け、項目ごとに見積先と金額を書きます。合計額と調達方法の合計は一致させます。上の設例の店なら、次のようになります。

区分 項目 金額
設備資金 内装工事費 300万円
設備資金 陳列什器・棚 80万円
設備資金 レジ・POS・備品 30万円
設備資金 看板 20万円
設備資金 保証金(家賃6か月分) 90万円
運転資金 初期の商品仕入 180万円
運転資金 開業前の広告・ショップカード 20万円
運転資金 家賃・人件費等の予備 70万円
合計 - 790万円
調達 自己資金/公庫からの借入 190万円/600万円

公庫の2025年度新規開業実態調査では、全業種の開業費用は平均975万円、中央値600万円でした。資金調達額は平均1,219万円で、金融機関等からの借入が827万円(67.9%)、自己資金が279万円(22.9%)です。婦人服・子供服小売業の記入例は必要資金895万円を自己資金295万円と公庫の借入600万円で賄っています。ただし実態調査は公庫の融資先を対象にした全業種の集計で、記入例も1業種の例にすぎません。設例の790万円・自己資金比率24%が妥当かどうかは、これらの数字との近さではなく、各項目の見積書と開業後の資金繰りで示します。

品目数・仕入単価・陳列数による初期在庫額の算定

初期の商品仕入は、雑貨屋の必要資金で見積もりの根拠が最も弱くなりやすい項目です。「売場を埋める分」ではなく、陳列する品目数×平均仕入単価×品目あたりの陳列数で積み上げます。設例では600品目×1,000円×3点=180万円で、月の売上原価105万円の約1.7か月分に当たります。開業後の追加仕入は売上の入金から払う前提なので、開業時に何か月分を持つかは、仕入先への支払条件と合わせて決めます。

新規開業・スタートアップ支援資金の条件

公庫で創業資金を借りる場合の中心は新規開業・スタートアップ支援資金です。新たに事業を始める人か事業開始後おおむね7年以内の人が対象で、融資限度額は7,200万円、返済期間は設備資金20年以内・運転資金10年以内(いずれも据置期間5年以内)です。女性や35歳未満・55歳以上の人などは特別利率の対象になります。制度ページは対象を「適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」に限るとし、創業計画書の提出などで事業計画の内容を確認すると明記しています。

仕入先と支払条件の書き方:買取仕入と委託販売の選び方

取引先欄には、販売先と仕入先それぞれのシェア、掛取引の割合、回収・支払の条件を書きます。婦人服・子供服小売業の記入例では、販売先を「一般個人(現金)70%」「一般個人(クレジット・電子マネー)30%・末日〆翌月末回収」、仕入先を「掛取引100%・末日〆翌月末支払」と書いています。キャッシュレス決済の売上は入金が遅れるので、この比率が運転資金の額に響きます。

雑貨屋の仕入れ方は、店が商品を買い取る買取仕入と、作家などから預かって売れた分だけ代金を払う委託販売に分かれます。

  • 買取仕入:粗利率を自分で決められる一方、売れ残りは店の在庫として残り、値下げ処分の損失も店が負います。初期在庫の資金が大きくなります。
  • 委託販売:売れるまで代金を払わないので、初期在庫の資金と売れ残りのリスクを抑えられます。その代わり店の取り分は契約で決まる販売手数料に限られ、品揃えも作家の出品次第になります。

開業資金を抑えたいなら作家物を委託で始め、売れ筋が見えた商品から買取に切り替える計画は筋が通ります。注意したいのは、委託契約で決めた手数料率と、事業の見通し欄で置いた原価率が食い違っている計画です。委託販売の比率と手数料率は、取引先欄と事業の見通し欄の根拠の両方に同じ数字で書いてください。

店舗とネットショップで同じ在庫を売る計画では、一点物の作家作品を両方に出す場合や、ネットの注文が1日に何件も入る場合は、在庫を手作業で更新するまでの時間差で二重販売が起きます。POSとネットショップの在庫連携をどう整えるかを計画に入れておくと、拡大時の投資の説明がしやすくなります。店舗数やネット販売が増えて既製品で連携しきれなくなったら、流通システム開発で販売・在庫データをまとめて扱う方法もあります。

審査前に見直す雑貨屋の計画書の弱点

  • 客単価と1日の客数に根拠がなく、来店客数と買上率を分けていない
  • 原価率が仕入先の見積りや商品群別の売上構成から計算されておらず、経営指標の中央値と大きく違う理由も説明していない
  • 国内で古物を買い取る営業なのに、古物商許可を取得済みでも申請中でもなく、申請時期も開業スケジュールにない
  • 輸入の食器や電気製品を売りにしているのに、輸入届出やPSEの手続きと費用が見当たらない
  • 初期在庫の金額が「一式」で、品目数や仕入単価から積み上げていない
  • 損益分岐点しか示さず、元金返済と生活費まで賄える売上を計算していない
  • 委託販売の手数料率が、取引先欄と事業の見通し欄の原価率で一致していない

よくある質問

雑貨屋の事業計画書のテンプレートは無料で手に入りますか?

公庫の創業計画書の様式と業種別の記入例は、公庫のサイトから無料でダウンロードできます。雑貨屋に近いのは婦人服・子供服小売業の記入例です。様式の欄に収まらない月次の収支や資金繰りは、Excelなどで別紙を作って参考資料として添えられます。

個人事業主でも事業計画書は必要ですか?

開業届を出すだけなら事業計画書の提出は求められません。公庫や金融機関から開業資金を借りる場合は、個人事業主でも創業計画書かそれに代わる計画書を出します。個人事業主は事業主本人の人件費を経費に入れないため、利益から返済と生活費を賄えるかを計算しておく必要があります。

アンティークショップやセレクトショップでも書き方は同じですか?

記入欄と売上の算式は同じです。アンティークや古着・中古雑貨を国内で買い取って売る店は、原則として古物商許可が必要なので、許認可欄に取得状況を書き、買付けの経路と取引記録の管理方法を説明します。自分で海外で買い付けた物だけを売る場合は許可不要とされていますが、仕入れ経路を計画書に明記しておきます。新品を仕入れるセレクトショップは許可が不要な代わりに、仕入先との取引実績と品揃えの独自性を具体的に書きます。

雑貨屋の開業資金はいくらくらい必要ですか?

物件と内装の規模で大きく変わります。本記事の12坪の設例では790万円、公庫の婦人服・子供服小売業の記入例では895万円でした。全業種の開業費用は、公庫の2025年度新規開業実態調査で平均975万円、中央値600万円です。居抜き物件を使うか、初期在庫をどれだけ持つかで見積もりを取り、積み上げてください。

ネットショップと実店舗を併用する場合はどう書きますか?

事業内容に店舗とネット販売の両方を書き、売上をチャネル別に分けて根拠を示します。ネット側は「月間のサイト訪問数×購入率×客単価」で積み上げます。たとえば月5,000訪問×購入率1%×客単価3,000円なら月15万円です(数字は仮定)。そのうえでモール出店料や決済手数料、送料・梱包資材をその他経費に入れます。

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