シングルレート(single rate)とは、等級やポジションごとに基本給を1つの金額で設定する賃金制度です。本記事では、評価で基本給を変動させない「固定型」を中心に扱います。同じ等級なら基本給は同額で、個人評価による等級内の昇給はありません。基本給が上がるのは、昇格したときと、給与テーブルそのものが引き上げられたときです。経団連の2025年調査では、ジョブ型雇用を導入済み・予定・検討中で賃金制度の設問に回答した85社のうち、単一給は17.6%にとどまりました。
この記事では、レンジレート・評価替(洗い替え)・スライド方式・ピースレート(出来高給)との違い、内閣官房などが2024年8月28日に公表した「ジョブ型人事指針」に載る企業の採用例、制度を切り替えるときの調整給の計算と確認すべき条文を順に説明します。
まとめ:シングルレートの要点
- シングルレートは「1等級=1金額」の基本給です。同一等級内での定期昇給はなく、昇格や給与テーブル自体の引上げで基本給が上がります。
- 基本給の決め方は、シングルレート・レンジレート(等級号俸)・評価替・スライド方式の4つに分けて説明されることが多く、違いは「等級内に幅があるか」「評価で下がるか」「過去の評価が積み上がるか」の3点です。
- 経団連の2025年調査では、ジョブ型雇用を導入済み・予定・検討中の企業(回答85社)のうち、単一給は17.6%、範囲給は82.4%でした。
- ジョブ型人事指針では、富士通・オムロン・ENEOS・ライオンの4社が主に管理職にシングルレートを使っています。ENEOSは非管理職の役割給や定年後再雇用社員にも採用しています。
- 弱点は、外部から採用する人材に個別の報酬を提示しにくいことです。富士通とENEOSがいずれも課題として挙げています。
- 基本給が下がる社員が出る場合は、労働条件変更への合意が原則です。合意なく就業規則を変更する場合は、労働契約法10条の周知・合理性などの要件を確認します。不利益を緩和する経過措置として、差額を調整給で一定期間補う方法もあります。
シングルレートの定義と給与テーブルの形
シングルレートでは、等級表の各等級に基本給の金額が1つだけ書かれます。人事評価の結果は基本給ではなく賞与や昇格判定に使われ、同じ等級にいる社員の基本給は勤続年数や前年の評価にかかわらず同額です。
下の表は、管理職3等級でシングルレートとレンジレートを並べた設例です(金額は説明用の仮の数字です)。
| 等級 | シングルレートの基本給 | レンジレートの基本給(下限〜上限) |
|---|---|---|
| M1(課長相当) | 450,000円 | 420,000〜500,000円 |
| M2(部長相当) | 540,000円 | 500,000〜600,000円 |
| M3(本部長相当) | 650,000円 | 600,000〜720,000円 |
シングルレートの列では、M1にいる社員は全員450,000円で、M2に昇格すると540,000円に切り替わります。M1に10人、M2に4人、M3に1人いる組織なら、基本給の月額総額は450,000円×10+540,000円×4+650,000円×1=7,310,000円と、等級ごとの人数だけで決まります。レンジレートの列では、M1のまま評価を積み上げて500,000円まで上がる人もいれば、420,000円付近にとどまる人もいるため、総額は個人ごとの金額を足さないと出ません。
シングルレートは職務や役割の重さを基準に等級を決める制度(職務給・役割給)と組み合わせて使われます。厚生労働省の資料は職務給を「労働者の担当する職務(仕事)」を基準にして定められる賃金と説明しています。等級ごとの職務の中身を文書で定義していないと、金額を1つに決める根拠が作れません。職務の書き方はジョブディスクリプションの記載例で、年功型・職能型を含む基本給の決め方の全体像は賃金制度の基本給5類型の記事で扱っています。
レンジレート・評価替・スライド方式・ピースレートとの違い
基本給の決め方は、シングルレート・レンジレート(等級号俸)・評価替・スライド方式の4つに分けて説明されることが多く、ここに出来高で賃金を決めるピースレートを加えて比較します。見分けるポイントは「等級内に金額の幅があるか」「評価で基本給が下がるか」「過去の評価が積み上がるか」です。表の「レンジレート(等級号俸)」は昇給を積み上げる運用を指し、評価替やスライド方式も等級内の範囲給を使う設計です。「評価で下がるか」は同じ等級・同じ給与テーブルの中での比較で、降格やテーブル改定による減額は含みません。
| 方式 | 等級内の金額 | 評価で下がるか | 過去の評価の積み上げ | 基本給が上がる契機 |
|---|---|---|---|---|
| シングルレート | 1つ | 下がらない | なし | 昇格・テーブル改定 |
| レンジレート(等級号俸) | 下限〜上限の幅 | 通常は下がらない | あり | 評価による昇給・昇格 |
| 評価替(洗い替え) | 評価ランク別に複数 | 下がる | なし | その年の評価 |
| スライド方式 | ゾーン別の幅 | 下がる | あり | 評価による増減額 |
| ピースレート(出来高給) | 等級に依らない | 出来高で変動 | なし | 成果量の増加 |
レンジレート(等級号俸)の階差型・接続型・重複型
レンジレートは、等級ごとに基本給の下限と上限を決め、その幅の中で金額を決める方式です。幅の中の決め方には、評価に応じて昇給を積み上げる等級号俸のほか、後述の評価替やスライド方式もあり、設計によっては降給もあります。ここでは昇給を積み上げる等級号俸を説明します。幅を「号俸」という刻みに分け、評価ごとに何号上がるかを決める運用(号俸表)がよく使われます。号俸制の代表例が国家公務員の俸給表で、一般職の職員の給与に関する法律8条6項は、昇給を前年の勤務成績に応じて行うと定め、同条7項は、その1年間を良好な成績で勤務した職員の昇給の号俸数を4号俸(一部の俸給表・職務の級では3号俸または1号俸)とすることを標準として、人事院規則で定める基準に従い決定するとしています。
三菱UFJ信託銀行の「三菱UFJトータルリワードレポート」2025年11月号は、上下の等級の幅の関係でレンジレートを3つに分けています。
- 階差型:上下のレンジの間に一定の間隔を設けます。昇格すると基本給がはっきり上がり、同じ等級にとどまると早く頭打ちになります。
- 接続型:下の等級の上限と上の等級の下限が一致します。昇格しても基本給は大きく変わりません。
- 重複型:上下のレンジが重なります。昇格しても基本給が上がるとは限らず、評価や勤続年数によっては下の等級の社員のほうが高くなることもあります。
重複型の号俸表で昇格した社員の格付けをどう決めるか(直近上位の号俸に移す方式と昇格昇給を加算する方式の差)は、昇給と昇格の違いの記事で計算例を載せています。
評価替(洗い替え)方式との違い
評価替方式は洗い替え方式とも呼ばれ、評価のたびに基本給を決め直す方式です。等級の中をA・B・Cなどの評価ランクに区切り、その年の評価がBならB欄の金額になります。前年までの昇給は積み上がらないため、評価が下がれば基本給も下がります。
労働政策研究・研修機構(JILPT)の労働政策研究報告書No.212「企業の賃金決定に関する研究」(2022年)は、電機メーカーD社が号俸を積み上げる賃金表から「範囲給洗い替え方式」へ改定した例を紹介しています。積み上げ型では、2年連続で標準評価だった人が3年目に優れた評価を取っても、3年続けて優れた評価だった人の賃金には追いつきません。洗い替え方式では、3年目に同じ評価なら同じ賃金になります(同報告書p.102〜103)。
三菱UFJ信託銀行の2025年11月号レポートは、等級別の基準額から評価に応じて給与が上下する仕組みを「洗い替え型(シングルレート)」と呼び、評価を給与に反映しない「固定型」と並べてシングルレートの一種に分類しています。同じ「シングルレート」でも、固定型と洗い替え型では基本給の変動がまったく違うので、社内で制度を検討するときはどちらを指しているかを先に揃えておくと議論がかみ合います。
スライド方式との違い
スライド方式は、毎年の評価に応じて基本給を増額または減額し、その結果を翌年に持ち越していく方式です。等級内を複数のゾーンに分け、「どのゾーンにいるか×評価ランク」の組み合わせごとに増減額を決めた昇給表を使う運用が一般的です。
JILPTの同報告書は、この形の賃金表を「ゾーン別昇給表」と呼び、事例として取り上げた15社のうち5社(自動車・電機・百貨店・保険など)が取り入れていたとしています。電気機器製造F社の例では、各等級の範囲給を下位・中位・上位の3ゾーンに分け、同じ評価でも下位ゾーンほど昇給額が大きく、上位ゾーンほど降給額が大きくなるように設定しています(同報告書p.93)。同じ等級の中で上のゾーンにいる人ほど昇給が鈍り、下のゾーンにいる人ほど早く追いつく仕組みです。
評価替との違いは、過去の評価が基本給に積み上がる点です。評価替は毎年リセットされるので1年の評価で基本給が大きく動きますが、スライド方式は現在の基本給を起点に増減するので、1年あたりの変動は昇給表の増減額の範囲に収まります。固定型のシングルレートとは、評価で基本給が動くかどうかが正反対です。ゾーン別昇給表を含む賃金表の型と等級制度の関係は等級制度の3類型の記事で整理しています。
ピースレート(出来高給)との違い
ピースレートは、作った個数や処理件数などの出来高に単価を掛けて賃金を決める方式です。法務省の日本法令外国語訳データベースは、労働基準法27条の「出来高払制」を“piece rate”と訳しています。
シングルレートとの違いは、賃金が等級ではなく成果の量に連動する点です。ピースレートで働く人には、労働基準法27条が「労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」と定めており、出来高がゼロでも、労働した時間がある場合には、その時間に応じた一定額の賃金を保障する必要があります。
シングルレートのメリット・デメリット
シングルレートのメリット:年功的運用の抑制と昇格時の昇給
ジョブ型人事指針によると、富士通は以前、コンピテンシーに基づく等級ごとに基本給のレンジを設定していましたが、経験年数や過去の実績が考慮された「年功的な運用となりがち」でした。そこで等級レベル12以上の管理職は「レンジを設けず、等級と基本給が完全に1対1で対応する制度(シングルレート)」とし、年功的な運用ができない仕組みにしています。
ENEOSは「職務に応じたメリハリのある処遇を実現するため、あえて等級ごとの報酬レンジは設けなかった」と説明しています。基本給の差が等級の差とそのまま一致するので、社員に「上の等級に上がれば基本給がいくらになるか」を一つの数字で示せます。基本給の月額総額は、前の章の設例のように等級ごとの人数と金額で見積もれます。人件費全体を求める場合は、賞与・諸手当・会社負担の社会保険料なども別途計算します。
シングルレートのデメリット:外部採用時の報酬調整の制約
富士通は、管理職の報酬にレンジが無いため、外部から管理職を採用するときに「マーケット水準や前職の報酬水準に則した報酬の提示が難しいケースもある」とし、当面はサイン・オン・ボーナスやリテンション・ボーナスで補っています。ENEOSも「シングルレートの報酬水準では、外部人材の獲得にあたって柔軟に処遇を決定することが難しい」点を課題に挙げています。
もう一つの弱点は、昇格の枠が限られる組織では基本給が長期間変わらないことです。ライオンは管理職を「等級が変わらない限り昇給はなく、個人評価は賞与のみに反映される」制度にしています。賞与で評価差をつける仕組みと、昇格の機会(ポストの数や社内公募)を用意しないと、同じ等級に長くとどまる社員の不満が溜まります。
国内の採用状況と4社の実例
経団連の「2025年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」(2026年1月20日公表)では、ジョブ型雇用を「導入している(導入予定・検討中含む)」と答えた89社のうち、賃金制度の設問に答えた85社で、単一給が17.6%、範囲給が82.4%でした。ジョブ型に踏み込んだ企業でも、8割強は幅のある範囲給を選んでいます。
厚生労働省の令和4年就労条件総合調査では、基本給の決定要素に「職務・職種など仕事の内容」を挙げた企業は管理職で79.3%、管理職以外で76.4%でした。一方で「学歴、年齢・勤続年数など」も管理職で57.4%、管理職以外で65.8%あり、基本給の決定に属人的な要素を含める企業も過半数あります。ただし、この調査からシングルレートの採用割合は分かりません。
個別企業の聞き取りでは、JILPTの労働政策研究報告書No.212「企業の賃金決定に関する研究」が15社の賃金表を調べ、シングルレートを基本給の主な決定要素にしていたのは機械製造・情報通信・スーパーの3社でした。スーパーI社は2000年代前半に号俸の積み上げ型からシングルレートへ切り替えています。一方で、基本給をシングルレートだけで構成する企業は15社中ゼロで、各社とも査定で一定水準まで昇給する部分を併用していました(同報告書p.92、103、105)。同報告書は、範囲給がシングルレートに置き換わる方向には向かっていないとも結論づけています。
ジョブ型人事指針は導入企業20社の制度を載せています。指針でシングルレートの採用が確認できる次の4社について、主な適用範囲を比較します。各社の記述は2024年8月の指針公表時点のものです。
| 企業 | シングルレートの対象 | 例外・別扱いの層 |
|---|---|---|
| 富士通 | 等級レベル12以上の管理職 | 高度専門職は基本給に加算 |
| オムロン | 管理職・スペシャリスト | 主査はレンジ給/最上位専門職は上限なし |
| ENEOS | 管理職・定年後再雇用・非管理職の役割給 | エキスパート最上位等級 |
| ライオン | 管理職 | 非管理職はレンジ給 |
4社とも全社員の基本給を一律にシングルレートにはしていません。適用対象は役割や職層、賃金項目によって異なります。オムロンは主査を「職務給100%、等級ごとのレンジ給」で処遇し、その時々の評価でレンジ内の昇降給を決めています。ライオンは非管理職を、成長を通じて組織に貢献する役割と位置づけ、同一等級でも評価で昇降給が生じるレンジ給にしています。
例外の置き方にも共通点があります。オムロンはスペシャリストの最上位に報酬の上限を定めず、ENEOSはエキスパートの最上位等級に報酬レンジを設けています。市場価値が個人ごとに大きく違う高度な専門職ほど、1つの金額に収めるのが難しいということです。役割ごとに等級を切る考え方はミッショングレード制の記事も参考になります。
シングルレートが向く組織・向かない組織
4社の設計と各方式の性質から、判断の基準は次のとおりです。
向いているのは、管理職など役割の重さで等級を切れる層です。等級ごとの職務・役割が文書で定義され、評価差を賞与で十分に反映できる仕組みがあり、昇格の機会が社内公募などで開かれていることが条件です。富士通は管理職登用を所属長の推薦からポスティング(社内公募)に変えており、昇格の入口を開くこととシングルレートをセットで設計しています。
避けるべきなのは、経験の蓄積で仕事の価値が上がっていく育成段階の層に使う場合です。入社数年の非管理職は同じ等級の中でも習熟度の差が大きく、1つの金額にすると成長が基本給に表れません。ライオンが非管理職にレンジ給を選んだのも、非管理職を「自身の成長を通じて組織に貢献する役割」と位置づけたためです。全社一斉に切り替えず、4社のように管理職層から始めるのが現実的です。
次の条件に当てはまる職種も、シングルレートにしないほうが無難です。
- 中途採用の比率が高く、前職の年収に合わせた個別の提示が日常的に必要な職種
- 等級の数が少なく、昇格までに何年もかかる組織(基本給が長期間まったく動かない)
- 評価制度の運用が定着しておらず、賞与で評価差をつけると納得を得にくい組織
等級を上がっていく道筋を社員に見せる仕組みはキャリアラダーの記事で、年齢と賃金の関係は賃金カーブの記事で解説しています。
導入・移行時に確認する法令と調整給
レンジレートからの移行と労働契約法10条
レンジレートからシングルレートに切り替えると、同じ等級でも現在の基本給が新しい金額より高い社員と低い社員が出ます。基本給が下がる社員については不利益な労働条件変更となり、就業規則の変更によって実施する場合には、労働契約法9条・10条が問題になります。
労働契約法9条は、労働者と合意することなく就業規則の変更で労働条件を不利益に変更することを原則として禁じています。例外となる10条の条件は、変更後の就業規則を周知したうえで、「労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情」に照らして合理的であることです。
調整給で差額を段階的に縮める計算例
合意を得にくい場合の手当てとして、新しい金額との差額を「調整給」として一定期間払い、段階的に縮める経過措置を設ける方法があります。前の章の設例で、レンジレートのM1で現在480,000円の社員が、シングルレートのM1(450,000円)に移るケースを考えます。
| 時点 | 基本給 | 調整給 | 月額の合計 |
|---|---|---|---|
| 移行前 | 480,000円 | - | 480,000円 |
| 移行1年目 | 450,000円 | 30,000円 | 480,000円 |
| 移行2年目 | 450,000円 | 20,000円 | 470,000円 |
| 移行3年目 | 450,000円 | 10,000円 | 460,000円 |
| 移行4年目以降 | 450,000円 | 0円 | 450,000円 |
この設例では1年目は月額が変わらず、2年目以降に毎年10,000円ずつ下がります。途中でM2に昇格すれば基本給は540,000円になり、調整給は不要になります。調整給は不利益の程度を小さくする設計ですが、これだけで10条の要件を満たすわけではありません。何年かけて縮めるか、労働組合や従業員代表とどう協議したかを記録に残しておきます。
最低賃金とパートタイム・有期雇用労働法
どの等級でも、基本給と最低賃金に算入できる諸手当の合計を時間額に換算し、適用される最低賃金以上であることを確認します(最低賃金法4条)。月給で決めている場合は、最低賃金法施行規則2条により、月の所定労働時間数(月によって異なる場合は1年間の1月平均所定労働時間数)で割った時間額で比べます。地域別最低賃金の改定時には、各等級の算入対象賃金を再確認し、新しい最低賃金を下回る場合は、発効日までに賃金額を引き上げる必要があります。
正社員をシングルレートにし、パートタイムや有期の社員を時給で処遇する場合も、パートタイム・有期雇用労働法8条により、基本給の違いは職務の内容や配置の変更の範囲などに照らして不合理であってはなりません。等級ごとの職務定義が、待遇差を説明するときの根拠になります。派遣社員が同じ職場にいる場合の考え方は同一労働同一賃金と派遣の記事を参照してください。
移行期は、新旧の等級対応、調整給の残額と縮小スケジュール、昇格時の調整給の扱いを社員ごとに管理します。表計算で複数のファイルを併用する場合は、更新担当者と正本の保存先を決め、変更履歴を残します。等級・給与テーブル・調整給の履歴を一元管理する仕組みを作るなら、人事・労務管理システム開発の進め方も参考にしてください。
よくある質問
シングルレートとレンジレートの違いは何ですか?
固定型のシングルレートは等級ごとに基本給が1つの金額で、個人評価による等級内昇給はありません。ただし、給与テーブル自体が引き上げられれば、昇格しなくても基本給は上がります。レンジレートは等級ごとに下限と上限があり、同じ等級のまま評価に応じて昇給します。どちらを選ぶかは、同一等級内の評価差を基本給に反映するか、賞与に反映するかで決まります。
シングルレートのメリットは何ですか?
年功的な昇給を止め、基本給の差を等級の差と一致させられる点です。富士通は管理職をシングルレートにして「年功的な運用ができない仕組み」にしました。等級別の人数と金額で基本給総額を見積もれる点も利点です。
基本給テーブルとは何ですか?
等級(と号俸)ごとに基本給の金額を並べた表で、賃金テーブルや給与テーブルとも呼ばれます。シングルレートなら等級ごとに1つの金額、レンジレートなら等級ごとに下限から上限までの金額、号俸表なら等級と号俸の組み合わせごとの金額が並びます。国家公務員の俸給表は、職務の級と号俸の組み合わせで俸給月額を定めた号俸表です。
シングルレートでも給料は上がりますか?
基本給が上がるのは昇格したときと、会社が等級ごとの金額そのものを改定したときです。JILPTの報告書が紹介する情報通信G社では、ベースアップの妥結額がそのままシングルレートの書き換え額になり、例えば1等級の13万円に1,000円の賃上げが決まれば13万1,000円に改定されます(同報告書p.117)。ライオンの管理職では、同じ等級にいる間の個人評価を賞与のみに反映しています。
ピースレートとは何ですか?
作業の出来高に単価を掛けて賃金を決める出来高払制のことです。労働基準法27条により、使用者は出来高払制で働く人に労働時間に応じた一定額の賃金を保障しなければなりません。