人事労務

モラールサーベイとは?モラールの意味と質問項目の例、NRK方式95項目・費用・実施手順

モラールサーベイとは?モラールの意味と質問項目の例、NRK方式95項目・費用・実施手順

モラールサーベイは、職場の成員がどの程度の士気(morale)を持って働いているかを、質問紙や面接で測る従業員態度調査です。個人のやる気だけでなく職場集団の士気まで捉える点に特徴があり、日本では1955年に日本労務研究会(NRK)が標準化した「NRK方式モラールサーベイ」がその原型です。

この記事では、モラールの意味とモラル・モチベーションとの違い、調査が生まれた経緯、NRK方式の5分野17種目95項目と実際の設問、標準値を使った結果の読み方、公表されている費用、実施手順、そしてモラールサーベイの限界を、辞書・論文・実施団体の公開資料にもとづいて説明します。

まとめ:モラールサーベイの意味と中身

  • モラール(morale)は「士気」「勤労意欲」。道徳を意味するモラル(moral)とは別の語で、「モラルサーベイ」は表記の誤り
  • モラールは個人だけでなく集団の団結性・凝集度も指す概念で、個人の動機を測るモチベーション調査とはここが違う
  • 起源は米国の従業員態度研究と第二次世界大戦中の軍人の士気調査。日本では1955年のNRK方式が、質問紙による汎用的な調査法の最初
  • NRK方式は95問を17種目・5分野(労働条件・人間関係・管理・行動・自我)に分け、総合値をTML(士気の総合水準)として出す。回答は「思う/思わない/どちらともいえない」の3択
  • 強みは、蓄積データから作った標準値(パーセンタイル)で自社を世間水準と比べられること。費用はNRK方式のWeb調査で400人48万円(税別)が公表例
  • 士気の高さが業績を押し上げるという仮説について、百科事典の解説は実証が不十分としている。結果を施策に返す体制がない会社では実施を急がない

モラールサーベイの意味:職場集団の士気を測る従業員態度調査

モラールは英語のmoraleで、デジタル大辞泉は「目標を達成しようとする意欲や態度。勤労意欲。やる気」と説明しています。日本大百科全書(ニッポニカ)はさらに踏み込み、職場や労働組合、軍隊などの成員が役割に関して持つ心情的態度であり、個人レベルだけでなく、集団の団結性・凝集度にあたる集団レベルのモラールもあるとしています。

モラールサーベイはこのモラールを測る態度調査です。同じニッポニカは主な指標として、仕事と待遇への満足度、上司への信頼度、所属集団と組織への帰属意識、本人の生活構造と性格特性を挙げています。社会学者の尾高邦雄は、モラールの中身を「仕事への満足度」「仕事の意義の自覚」「所属集団への帰属意識」「集団の団結力」の4つに整理しました。満足度だけでなく、帰属意識と集団のまとまりまで聞くのがモラールサーベイの範囲です。

モラール(morale)とモラル(moral)の違い

2つは綴りも意味も違う語です。精選版日本国語大辞典は「モラール」の語源を英語のmorale(フランス語ではmoral)とし、意味を「士気。志気。風紀」としています。一方のモラル(moral)は道徳や倫理を指します。ニッポニカも、モラールは仕事をする人々の内面的な態度を事実として捉える科学的概念であり、人間のあるべき態度を意味する道徳的概念のモラルとは異なる、と区別しています。

したがって「モラルサーベイ」は、従業員の倫理観を調べる調査ではなく、モラールサーベイの表記ゆれとして使われています。解説記事の中にも「モラール(Moral)」と綴りを誤っている例があるため、英語で資料を探すときは「morale survey」で検索します。松本(2001)によれば、米国の人事労務管理の辞典や代表的な教科書では「morale survey」の語は見当たらず、「attitude surveys(態度調査)」の項目として扱われています。

モラールとモチベーションの違い:集団の士気と個人の動機

モチベーションは一人ひとりが行動を起こし、続ける理由と強さを指します。モラールは、ヴァイトルス(Viteles)の説明を引く日本労務研究会の解説によれば、特定の集団や組織に満足し、その成員であり続けようとして、集団の目標に向けて進んで努力しようとする態度です。研究者の間でも、モラールは集団に関わる概念であり態度の一種である、という点で見解が一致しているとされます。

調査の設計に落とすと、違いは設問の対象と結果の読み方に表れます。モチベーション調査は個人の動機の種類(報酬のためか、仕事の意義のためか)を分けて測り、モラールサーベイは集団への帰属意識や職場のまとまりを聞いて、個人の回答を職場や会社単位の反応率に集約し、集団の状態として読みます。動機の質を測る尺度と質問例はモチベーションサーベイの特徴と質問例で解説しています。

モラールサーベイの起源:ホーソン研究から1955年のNRK方式まで

日本労働研究機構の松本真作による論文「組織・職場・仕事等の測定尺度に関する研究の現状」(日本労働研究雑誌No.494・2001年9月)は、モラールサーベイの経緯を次のように整理しています。従業員の態度への関心は1920年代のホーソン研究の頃から米国で高まり、第二次世界大戦が始まると従業員態度の研究は軍人の士気調査、文字通りのモラールサーベイに応用されました。戦後、この調査が米国の産業界に広がります。ニッポニカも、産業におけるモラールの概念を初めて体系的に示したのは1930〜40年代に米国で発展した人間関係論だと説明しています。

日本では1955年、社団法人日本労務研究会(NRK)がシカゴ大学産業関係研究所が開発したScience Research Associates(SRA)の調査法を参考に標準化し、NRK方式として公表しました。同論文は、これが質問紙による汎用性のある調査法として日本で最初のものだとしています。2年後の1957年には、労働省(現・厚生労働省)の協力で中小企業向けの「中小企業従業員態度測定」が開発されました。現在の「社員意識調査(NRCS)」です。

同論文によれば、NRK方式と労働省方式(社内コミュニケーション診断)を合わせた実施実績は、2001年7月時点で延べ約2万5,000社・176万人でした。また、米国のSRAとNRK方式はどちらも開発当初の設問を維持してきたため(基準値は定期的に見直し)、日米の従業員意識を長期の時系列で比べられるデータになっているとされます。

同じ論文は、「士気」という言葉にやや違和感が出てきたため、同種の調査が「コミュニケーション診断」「組織活力診断」などの名前で行われるようになったとも指摘しています。現在の組織サーベイやエンゲージメントサーベイは、この流れの延長にあります。

代表的なモラールサーベイの外部調査と設問構成

公式サイトで設問の構成を公開している外部調査には、次のようなものがあります。日本労務研究会の3種は設問が決まった標準化調査で、日本生産性本部は企業ごとに設問を作る方式です。

方式 実施団体 主な対象 設問構成 回答形式
NRK方式モラールサーベイ 日本労務研究会 主に300人以上 5分野17種目95問 3択+自由意見
社員意識調査NRCSⅠ 日本労務研究会 中小企業 5分野10領域39問 3択+自由意見
社員意識調査NRCSⅡ 日本労務研究会 サービス業 5分野10領域40問 3択+自由意見
社員満足度調査 日本生産性本部 個別設計 5指標で設問を作成 調査票/オンライン

NRK方式:5分野17種目95項目とTML(士気の総合水準)

日本労務研究会の診断内容の案内によれば、NRK方式は95問の標準質問(項目)を4〜8問ずつ17の種目にまとめ、種目を5つの分野に束ねます。5分野を総合した値が「士気の総合水準(Total Morale Level:TML)」で、会社のモラールを1つの数字で表します。

分野 種目
労働条件 仕事の負担/職場の設備/給与/福利厚生
人間関係 同僚との関係/上司との関係/幹部との関係
管理 上司の行う管理/幹部の行う管理/意思の疎通
行動 上司の行動/個人の行動/育成と心身への配慮
自我 地位の安定/地位についての満足/昇進向上の機会/会社との一体感

公式サイトは延べ6,100社・500万人超の実施実績を示し、主な対象を従業員300人以上の企業としています。標準質問とは別に、人事考課の公平感のような個別のテーマを有料の追加質問(1問5,000円)で足せます。

NRCS(厚生労働省方式):中小企業向け39問とサービス業向け40問

NRCSⅠ(第2次・第3次産業版)は39問で、経営方針・組織命令系統・コミュニケーション・労働条件・仕事のやりがいの5分野と、経営への信頼、指示命令、下意上通、職務満足、教育訓練など10領域を測ります。1998年度に始まったNRCSⅡ(サービス業版)は40問で、分野に「顧客満足」が入り、領域に顧客尊重と職場秩序が加わります。延べ2万5,000社超の診断データから作った標準値と比較する点はNRK方式と同じです。なお松本(2001)は労働省方式をNRK方式の30項目短縮版と紹介していますが、現行の公式案内ではNRCSⅠは39問です。同会は改良を加えながら診断を続けてきたと説明しています。

日本生産性本部:5指標によるオーダーメイド型

日本生産性本部の社員満足度調査(モラールサーベイ)は、「仕事の手ごたえ」「会社への評価」「経営姿勢への信頼感」「働きやすい職場環境」「公正な人事処遇」の5指標で満足度を測ります。設問は企業ごとに作るオーダーメイド型で、調査票方式とオンライン方式があり、調査期間は一般に10日〜2週間程度とされています。

モラールサーベイの質問項目の例

NRK方式の95問の全文は公式サイトに掲載されていませんが、松本(2001)は長期推移の図とともに設問をいくつか引用しています。2001年時点の資料に載った設問例で、現行の設問番号や文面と同じとは限りません。

番号 見出し 論文での分類
Q25 会社に対する参加感 組織コミットメント
Q38 会社の将来についての関心 組織コミットメント
Q50 永年勤続の尊重 組織コミットメント
Q15 職場設備の欠陥(逆転項目) 比較・対照
Q66 職場設備の整備 比較・対照
Q67 給与と生活 比較・対照

設問の文面は、たとえばQ25が「あなたは,心からこの会社の一員だという感じを持っていますか」、Q38が「会社の将来の発展を,自分自身のことのように,本気になって考えてみる気持になれますか」、Q67が「あなたは,会社の給与だけでくらせますか」です。Q15は「職場設備がよくないために,自分の仕事が,十分にできないということはありませんか」と否定形で聞く逆転項目です。逆転項目は一般に、同じ向きの質問が続いて回答が肯定側に偏るのを見つける目的で混ぜます。ただし、逆転させた文面は読み違いを招き、偏りを防げなかったという研究(PLoS One、2013年)もあるため、自社で使うなら数を絞り、否定を重ねない平易な文にします。

読み取れる設計上の特徴は2つあります。1つは「満足していますか」と抽象的に聞かず、「給与だけで暮らせるか」「設備のせいで仕事ができないことはないか」と具体的な場面で聞いていることです。NRKは理論解説で、経営全般のような漠然とした対象への態度は引き出しにくく、上司や残業、賞与など具体的な対象への態度は答えやすいというオールポート(1935年)の区別を設計根拠に挙げています。もう1つは、帰属意識(Q25・Q38)と条件面(Q15・Q66・Q67)を分けて聞くことで、待遇に不満でも会社への一体感は高い、といった職場の型を見分けられることです。

自社で設問を作る場合も、この2点を押さえると結果が施策につながります。NRK方式の追加質問の例には「自分の業績は人事考課によって公平に評価されていると思いますか」(思う/思わない/どちらともいえない)、「会社に対して望むことは何ですか。選択肢から2つ選んで下さい」(教育訓練の充実・賃金の増加・福利厚生の充実など)があり、テーマを1つに絞った問い方の参考になります。NRK方式が3択なのに対し、5段階や7段階で聞く場合の選び方はリッカート尺度の5段階と7段階の選び方で解説しています。

結果の読み方:反応率と標準値による世間水準との比較

NRK方式の採点は、リッカートの集積評定法をもとにしています。手順は次のとおりです。

  1. 職場や会社などの集団ごとに、各設問の満足反応と不満反応の出現率(反応率)を出し、それを項目の得点にする
  2. 領域・分野・TMLの得点を「当該反応の総数 ÷(下位項目数 × 集団の人数)× 100」で計算する(下位項目の得点の平均と等しい)
  3. 過去の実施企業の得点から累積度数分布を作り、パーセンタイル値を「標準値」とする
  4. 自社の得点を標準値に当てはめ、パーセンタイル順位を読む

たとえば自社の「給与」の満足反応率が40%でも、それが高いのか低いのかは単独では判断できません。標準値に当てはめて、他社の何パーセンタイルに位置するかを読むことで、初めて「給与は世間並みだが、上司との関係は下位2割」のように問題の場所を特定できます。NRKはこの標準値を3〜5年を目安に改訂しているとしています。

自社でフォームを作って実施する場合、この標準値がないことが最大の違いです。比較の軸は自社の経年変化と部署間の差になるため、同じ設問を同じ時期に繰り返すことが前提になります。部署別に分けた集計をどう可視化するかはピープルアナリティクスの手法と進め方が参考になります。

ES調査・エンゲージメントサーベイとの違い

現在よく使われる従業員調査と比べると、モラールサーベイの位置づけは次のようになります。

調査 主に測るもの 結果の読み方
モラールサーベイ 集団の士気・帰属意識・団結 職場単位の反応率を標準値と比較
従業員満足度調査(ES調査) 給与・制度・環境への満足 項目ごとの満足率と不満要因
エンゲージメントサーベイ 仕事への熱意と組織への貢献意欲 個人の状態スコアの部署平均
モチベーションサーベイ 意欲の強さと源泉 動機の種類ごとのスコア

ES調査とは設問が大きく重なり、日本生産性本部のように「社員満足度調査(モラールサーベイ)」と併記する例もあります。違いが出るのは、モラールサーベイが満足度に加えて帰属意識や集団のまとまりを聞き、集団単位の士気として読む点です。

厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析」は、ワーク・エンゲイジメントをユトレヒト大学のSchaufeli教授らが提唱した概念として、「活力」「熱意」「没頭」の3つがそろった状態と説明しています。同白書は職務満足感との違いも整理しており、ワーク・エンゲイジメントが仕事を「している時」の感情や認知を指すのに対し、職務満足感は仕事「そのものに対する」感情や認知で、仕事に没頭しているわけではないため活動水準は低い、としています。モラールが「この職場の一員として努力しようとする集団の態度」を見るのに対し、エンゲージメントは「その人と仕事・組織との関係」を見ます。エンゲージメントサーベイの設問と匿名性の扱いはエンゲージメントサーベイの設問・匿名性・結果の読み方、ワーク・エンゲージメントとの違いはエンプロイーエンゲージメントの意味とワーク・エンゲージメントとの違い、種類ごとの頻度と設問数の目安は組織サーベイの種類の違いと選び方で比較しています。

モラールサーベイの費用:外部委託の公表価格

日本労務研究会は公式サイトに税抜価格を掲載しています(2026年10月時点の掲載内容)。NRK方式の価格は集計区分を標準の計20区分とした場合で、Web方式ではID・パスワードの個別送信や回答用サイトの修正などで別途費用がかかる場合があります。

方式・規模 合計費用(税抜) 内訳・条件
NRK方式 Web 400人 480,000円 基本15万+分析25万+報告8万
NRK方式 Web 1,000人 750,000円 基本24万+分析40万+報告11万
NRCS Web 50人 185,000円 回答サイト製作費込み
NRCS Web 100人 235,000円 回答サイト製作費込み
NRCS Web 300人 435,000円 回答サイト製作費込み

マークシート方式では、NRK方式はWeb方式の費用にデータ入力代(400人までで40,000円)と調査票・マークシート代(1人120円)が加算されます。NRCSはマークシート方式の合計例が別に示されており、50人で171,000円、300人で476,000円です(Web方式の例には回答用サイトの基本製作費25,000円が含まれる)。詳細報告書(NRK方式12万円、NRCS8万円)と報告会(同5万円、4万円)はオプションです。標準値との比較と専門の診断員による自由意見の分析が、自社フォームとの価格差の中身になります。

費用をかけずに始めるなら、アンケートフォームと表計算でも実施できます。その場合は世間水準との比較を諦め、自社の経年比較に絞ることになります。フォームから専用システムへ切り替える目安はアンケートシステムの機能・料金相場と選び方で解説しています。

モラールサーベイの実施手順

NRK方式の公開スケジュールでは、申込みから調査実施までが概ね1か月、回答締切から報告会までが通常1か月程度です(対象者数や区分の数によってはさらにかかる)。自社実施でも流れは同じです。

  1. 目的と対象の決定:何を判断するための調査かを決め、対象者・時期・集計の区分(性別、年齢、社員区分、職位、職種、所属など)を決める
  2. 語句の統一と設問の確定:「上司」が直属の上司だけか課長以上全体かなど、設問の語句の範囲をそろえる。NRKは準備段階の作業としてこれを明記している
  3. 社内への周知:目的、匿名の保ち方、結果の返し方を回答前に説明する
  4. 回答の回収:紙なら回答直後に封入して回収する。Webで個別のIDやリンクを配る場合は、回答データと氏名・メールアドレスを切り離して集計する設定を確認する。IDを配るだけでは匿名にならない
  5. 集計と分析:全体と区分ごとに集計し、自由意見と合わせて問題の場所を特定する。NRK方式では3〜4週間程度
  6. 報告と改善:結果を経営層と従業員に返し、すぐ対応できること、段階的に進めること、長期で検討することに分けて説明しながら進める

手順6の分け方は、NRKがQ&Aで「改善しないと従業員の不信感を高めないか」という問いに示している進め方です。ニッポニカも、主観的な態度をありのままに測るには実施を第三者機関に委託するのがよいとしています。社内で実施する場合は、回答データを見られる人を人事の担当者に限るなど、回答者が本音を書ける条件を先に整えます。

モラールサーベイの限界と実施を見送るべき場面

「モラールを上げれば生産性が上がる」という前提には注意が必要です。ブリタニカ国際大百科事典は、モラールが生産性や業績に大きく影響するという仮説は多くの実証研究でいまだ実証されていないとし、業績との相関が認められているのは作業集団の連帯意識や、モラールを高めるリーダーシップの要因だとしています。ニッポニカも、その後の調査研究ではモラールの高さと生産性の高さに必ずしも正の相関があるとは限らないと書いています。

この知見から言えるのは、TMLの数字を上げること自体を目標にしないほうがよい、ということです。見るべきは標準値より明らかに低い種目と、その原因が上司の管理なのか、給与なのか、設備なのかという問題の場所です。業績との関係は、離職率や欠勤率など別の指標と並べて確かめます。離職率の正しい出し方は離職率の計算方法で解説しています。

次の条件に当てはまるなら、実施を急がないほうが得策です。

  • 結果を受けて施策を決める人と予算が決まっていない。聞くだけで何も変わらなければ、次回の回答率と信頼が下がる
  • 集計区分の人数が数人単位になり、回答者が推測できてしまう。区分を統合するか、全社集計だけにする
  • 人事制度の変更直後で、制度への賛否が士気の測定を上書きしてしまう。変更の前後で測るなら、変更前の時点で一度測っておく

最後の点について、松本(2001)は制度変更や対策の前後に測ることを、モラールサーベイの代表的な使い方の1つに挙げています。売上や離職率に効果が表れるまでには時間がかかり、他の要因も混ざるため、従業員の意識の変化で効果を早めに確かめられるという理由です。

短い間隔で変化を追いたい場合は、少数の設問を繰り返すパルスサーベイを組み合わせます。

よくある質問

モラールサーベイとは簡単に言うと何ですか?

職場の従業員がどの程度の士気を持って働いているかを、質問紙で測る調査です。給与や設備などの条件への満足に加えて、上司への信頼、会社への帰属意識、職場のまとまりを聞き、職場や会社単位の傾向として読みます。

モラールとモラルの違いは何ですか?

モラール(morale)は「士気・勤労意欲」、モラル(moral)は「道徳・倫理」です。モラールサーベイは士気の調査なので、「モラルサーベイ」は表記の誤りです。

モラールサーベイの質問項目は何問くらいですか?

NRK方式の標準質問は95問(5分野17種目)、中小企業向けのNRCSⅠは39問、サービス業向けのNRCSⅡは40問です。自社で作る場合は、知りたいテーマに絞って設問数を決めます。

モラールサーベイは無料でできますか?

アンケートフォームと表計算を使えば、ツール費用なしで実施できます。ただし、NRK方式のような他社データにもとづく標準値がないため、世間水準との比較はできず、自社の経年変化と部署間の比較が中心になります。

モラールサーベイはどのくらいの頻度で行いますか?

目的によって変わります。日本生産性本部のFAQは、中長期の経営施策に反映させる意識調査なら3〜5年に一度程度が適切とし、毎年行うと調査疲れで回収率が下がったり回答が雑になったりするケースが多いと説明しています。周期を決めたら同じ設問で繰り返し、間の変化はテーマを絞った小規模な調査やパルスサーベイで補います。

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