猫カフェの事業計画書は、日本政策金融公庫の創業計画書の記入欄に沿えば骨格はそろいます。一般のカフェと違うのは、猫を客に見せる時点で動物愛護管理法の「展示」に当たり、営業時間・猫の頭数・設備・健康管理に数値の基準がかかることです。売上も、席数より入場料と滞在時間で決まります。
この記事では、環境省の基準省令の数値を計画書のどの欄にどう反映するかを整理し、時間制料金から返済まで賄える客数を逆算する設例で収支計画の組み方を示します。
まとめ:猫カフェの事業計画書で押さえる要点
- 猫と触れ合える営業は第一種動物取扱業の「展示」に当たり、登録と常勤かつ専属の動物取扱責任者が必要です。飲食を調理して出すなら、別に飲食店営業許可と食品衛生責任者も要ります。
- 猫の展示は原則8時〜20時です。生後1年以上で、休息できる場所へ自由に移動できる猫に限り22時まで展示できますが、1日の展示時間は12時間以内です。計画書の営業時間はこの枠の中で書きます。
- 職員1人あたりの猫の上限は30頭、ケージには体長・体高に対する寸法基準があり、1年以上飼う猫には年1回以上の獣医師の健康診断が義務です。人件費と猫関連費はここから積み上げます。
- 売上は「客単価×客数」で積み上げます。本記事の設例(12席・平均客単価1,600円)では、返済と生活費まで賄うのに月約760人の来店が必要でした。
- 保護猫の譲渡を組み込む場合も、第一種(登録)と第二種(届出)は営利性で区分され、第二種には施設や飼養頭数の条件もあります。譲渡費用の扱いは管轄の自治体に確認してから計画書に書きます。
以下、許認可と運営条件から順に、計画書に書く中身を説明します。
猫カフェの許認可と計画書に書く運営条件
| 営業の中身 | 必要な手続き | 根拠 |
|---|---|---|
| 猫を見せる・触れ合わせる(有料) | 第一種動物取扱業(展示)の登録 | 動物愛護管理法10条 |
| 事業所ごとの責任者 | 動物取扱責任者の選任 | 動物愛護管理法22条 |
| 飲食物を調理して提供 | 飲食店営業許可・食品衛生責任者 | 食品衛生法55条 |
| 非営利の譲渡・展示(猫10頭以上) | 第二種動物取扱業の届出 | 動物愛護管理法24条の2の2 |
| 飲食店等を含む建物全体の収容人員30人以上など | 各管理権原者による防火管理者の選任 | 消防法8条 |
第一種動物取扱業(展示)と動物取扱責任者の選任
環境省は、動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示などを営利目的で業として行う場合に登録が必要だと案内しています。猫カフェは客に店の猫を見せ、触れ合いを提供して入場料を得るので「展示」です。登録は事業所ごとに都道府県知事(指定都市は市長)へ申請し、5年ごとに更新します(法13条)。無登録営業は100万円以下の罰金の対象です(法46条1号)。
事業所ごとに常勤かつ専属の動物取扱責任者を置きます。以下の実務経験・教育・資格は営む「展示」に対応するものが必要で、実務経験は常勤職員としての経験に限られます。要件は、獣医師か愛玩動物看護師の免許を持つこと、または「半年以上の実務経験(もしくはそれと同等と認められる1年以上の飼養経験)」と「1年以上教育する学校の卒業か、公平性と専門性のある団体の資格試験の合格」の両方を満たすことです(施行規則9条)。計画書の経営者の略歴欄では、この要件を誰が満たすのかを明記します。店主が満たせないなら、要件を満たす人を雇う人件費が計画に入ります。東京都で1種別のみ申請する場合の登録申請手数料は15,000円です。
環境省の集計では、2025年4月1日現在の第一種動物取扱業の登録のうち展示は全国4,541件で、2014年4月1日現在の2,527件から増えています。この数字には動物園や移動動物園なども含まれ、猫カフェだけの店舗数を示す公的統計は見当たりません。商圏の競合は、自治体が公開している動物取扱業者の登録簿で、登録業種と所在地から確認できます。
猫の展示時間:原則20時・特定成猫22時の上限条件
基準省令(令和3年環境省令第7号)2条5号イ(1)は、犬猫の展示を8時から20時までとしています。例外は「特定成猫」で、施行規則3条2項10号が、生後1年以上であることと、20時から22時までの間は休息できる設備に自由に移動できる状態で展示されることの両方を満たす猫と定めています。特定成猫だけなら22時まで展示できますが、1日の展示時間は最も早い展示開始から最も遅い展示終了までで12時間を超えてはいけません。
計画書への反映は次の3点です。
- 営業時間:10時開店・22時閉店は12時間ちょうどで収まりますが、9時開店で22時まで営業すると上限を超えます。登録申請書にも営業時間と特定成猫の展示時間を書くので(施行規則2条4項7号)、計画書と同じ時間にそろえます。
- 子猫の扱い:生後1年未満の猫は20時以降に展示できません。夜営業を売上計画に入れるなら、その時間帯に出せる猫の頭数で客数の上限を見積もります。
- 休息の確保:猫が休息場所へ自由に移動できない展示を続ける場合は、6時間を超えるごとに展示しない時間を設けます(2条5号イ(2))。店内に猫だけが入れる休憩室を設ける計画なら、この規定への対応として図面に示せます。
飲食提供の有無で変わる保健所の手続き
ドリンクや軽食を調理して出すなら、保健所の飲食店営業許可と食品衛生責任者が必要です。食品衛生法施行規則別表第17は「食品又は添加物を取り扱い、又は保存する区域において動物を飼育しないこと」と定め、厚生労働省の施行通知(令和元年11月7日 生食発1107第1号)は、この区域に「原則として客席は含まれない」としています。猫のいる客席で飲食させること自体は禁じられていませんが、厨房やドリンクを作る場所に猫が入らない区画と扉を図面で示す必要があります。中小企業基盤整備機構のJ-Net21「業種別開業ガイド 猫カフェ」は、食べ物を出さず飲み物を自動販売機やペットボトルに限る形態も紹介しています。どこまでが許可の要らない提供かは保健所の判断なので、図面とメニューを持って事前相談してください。衛生管理の記録はHACCPの義務化範囲と記録保存の実務で整理しています。
基準省令の数値から決める猫の頭数・設備・人員
猫カフェの事業計画書で根拠を示しにくいのが、猫を何頭置き、スタッフを何人にし、猫にいくらかかるかです。基準省令の数値は、この3つを決める出発点になります。
| 基準 | 数値 | 基準省令 |
|---|---|---|
| 職員1人あたりの猫の上限 | 30頭(繁殖用は25頭) | 2条2号 |
| ケージ(運動スペース分離型) | 縦は体長の2倍・横1.5倍・高さは体高の3倍以上、2段以上 | 2条1号ロ(3) |
| ケージ(運動スペース一体型) | 1頭あたり床面積は分離型の2倍以上・高さは体高の4倍以上、3段以上 | 同上 |
| 健康診断 | 1年以上飼う猫は毎年1回以上、診断書を5年保存 | 2条4号ハ |
| 清掃・消毒・点検の記録 | 台帳を5年保存 | 2条1号イ(3) |
猫の頭数と職員数:1人30頭の上限と実際の配置
職員1人あたり30頭という上限は、猫カフェでは制約になりにくい数字です。職員数は常勤換算で数え、パートの勤務時間を合計して常勤の所定労働時間で割り、端数は切り捨てます。例えば常勤の所定労働時間が週40時間なら、週20時間のパート1人は端数切捨てにより常勤換算0人となるため、店主を含めた勤務時間の合計で上限を満たせるかを確認します。
実際のスタッフ数を決めるのは、接客と猫の世話を同時に回せるかです。受付・会計・ドリンク作りの間も、猫同士のけんかや客の抱き上げを見ている人が要ります。頭数の上限を法令の30頭ではなく、営業中に目が届く数と休憩室の広さから決め、その理由を計画書に書くと説明が通ります。
飼養施設:ケージ寸法と休憩スペースの図面
猫を長期間飼うケージは、走るなどの運動ができるよう、運動スペースと一体にするか、ケージとは別の運動スペースを設けるかのどちらかにします。営業時間外に猫をケージに入れる店は、ケージの台数と寸法を飼養施設の平面図に書きます。登録申請にはケージ・給排水・洗浄・消毒・空調などの配置を示した平面図が必要で(施行規則2条2項4号)、同じ図面を計画書の添付資料に流用できます。内装の見積もりは、この基準を満たすことを前提に取ります。
猫関連費:健康診断・ワクチン・フードの積算
1年以上継続して飼う猫には毎年1回以上、獣医師の健康診断を受けさせ、診断書を5年保存します。ワクチン接種も「必要に応じて」行うよう定められ、生後11年以上の高齢猫を展示する場合は定期的な健康診断など健康への配慮が求められます。計画書では、提携する動物病院と、健康診断・ワクチンの年間予定を書いておきます。
家庭飼育の調査が目安になります。アニコム損保が保険契約者を対象に調べた2025年の年間支出額は、猫1頭あたり195,427円、うち治療費47,130円でした(2026年3月公表)。ペットフード協会の2025年全国犬猫飼育実態調査では、猫1頭飼育者の主食用キャットフード支出は月平均3,346円です。店では餌や猫砂をまとめて買える一方、健康管理費は猫の年齢や健康状態で大きく変わります。後述の月1万円は設例上の仮定であり、実際の予算はフード・猫砂・健診・予防医療の見積もりに治療予備費を加えて決めます。
公庫の創業計画書の記入欄ごとの書き方(猫カフェ版)
個人の創業で第一候補になる融資は、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。融資限度額は7,200万円、返済期間は設備資金20年以内・運転資金10年以内(いずれも据置期間5年以内)です。公庫の各種書式ダウンロードページで配布している創業計画書は、1 創業の動機から10 自由記述欄までの10欄で構成されています。猫カフェで差が出る5つの記入欄を、以下の4項目に分けて説明します。
創業の動機と経営者の略歴:猫の飼養経験と接客経験
略歴欄は、ペットショップ・動物病院・猫カフェなど猫を扱った勤務経験と、飲食や接客の経験を別々の行で書きます。動物取扱責任者の要件を店主が満たすかどうかは、この欄の経歴で判断されます。ただし略歴欄の記載だけで要件の証明が済むわけではなく、自治体が求める実務経験の証明書や資格の合格証を別に用意します。家で猫を飼ってきたことは創業の動機として書けますが、東京都は責任者の要件となる経験にペットの飼育経験を認めていません。
取扱商品・サービス:入場料・ドリンク・物販の売上構成
猫カフェの売上の中心は入場料です。30分・1時間・フリータイムなどの料金と、ドリンク・猫用おやつ・グッズの単価と売上シェアを分けて書きます。中小企業基盤整備機構の「猫カフェ(2024年版)」によると、一般的な料金体系は時間制で最初の30分が500円〜1,000円、1時間で1,000円〜1,500円、長時間のパック料金で2,000円以上です。同じ調査で利用者に1回の利用費用を聞くと、1,000円〜1,500円未満が28.7%で最も多く、1,500円〜2,000円未満が21.3%でした。自分の料金表で客単価を出し、この分布と大きくずれていないかを確認します。
必要な資金と調達方法:内装・空調と猫の受け入れ費用
設備資金は、物件取得費、内装工事、換気・空調・脱臭設備、厨房設備、猫用設備(キャットウォーク・ケージ・休憩室)に分け、見積書の明細と合わせます。基準省令は、臭気や毛の飛散で周辺環境を損なうおそれがある場合に空気清浄機や脱臭装置などを備えるよう求めており、換気と空調は猫カフェで削れない費目です。猫を購入するのか、保護猫を迎えるのかで受け入れ費用も変わります。
比較の物差しとして、公庫の「2025年度新規開業実態調査」では、開業費用は調査対象業種全体で平均975万円、中央値600万円でした。開業時の資金調達額は平均1,219万円で、金融機関等からの借り入れが827万円(67.9%)、自己資金が279万円(22.9%)です。猫カフェ専用の相場ではないので、計画書でもそう断ったうえで引用します。
事業の見通し:月平均の売上・経費・利益
創業当初と軌道に乗った後の2時点で、売上高、売上原価、経費(人件費・家賃・支払利息・その他)、利益を書きます。公庫の「売上高等の計算方法について」によると、個人営業の場合、人件費には事業主分を含めません。猫カフェでは「その他」に猫関連費・水道光熱費・清掃消毒用品が入り、一般のカフェより比重が大きくなります。猫関連費は内訳を自由記述欄か添付資料で示します。
時間制料金から逆算する猫カフェの売上計画
公庫は飲食店などサービス業の売上予測式として「客単価×設備単位数(席数)×回転数」を示しています。猫カフェでは入場料が滞在時間で決まるため、席の回転より「1日に何人入れるか」と「1人あたりいくら払うか」で考える方が実態に合います。
客層の想定:利用率9.4%と男性利用者の多さ
J-Net21が2024年6月〜7月に20代以上の1,000人に行った調査では、猫カフェの利用率は9.4%で、2010年の同種調査の3%から上がっています。性別では、いずれの年代でも女性より男性の利用率が高く、男性は60代以上を除く全年代で10%以上でした。一方、今後「ぜひ利用したい」「どちらかと言えば利用したい」と答えた割合は20代・30代女性で45%を超えています。
この全国調査だけで自店のターゲットは決められません。「20代〜40代女性」を狙うなら、商圏の人口構成や競合店の利用状況で裏付けます。実際の利用者層(男性を含む幅広い年代)と、利用意向は高いのにまだ来ていない層(若い女性)を分け、後者を呼び込む施策を販促計画に書くと説得力が出ます。非利用者を含む全体では、店選びで重視する点に「そのほか(衛生面など)」が35.0%で最も多く挙がりました。衛生管理の取り組みをウェブサイトや店頭で示すことは、新規客の不安を下げる販促にもなります。地図検索からの来店導線は飲食店のMEO対策が参考になります。
設例:12席・平均客単価1,600円で返済と生活費まで賄える客数
次の条件で試算します。数字はすべて本記事の設例で、相場を示すものではありません。所得税・住民税や事業主の社会保険料は別途見積もる簡易試算です。減価償却費は計上していないため、表の利益は会計上の最終的な利益とは異なります。
- 12席、猫12頭、営業11時〜20時、平日17日・土日祝8日の月25日営業
- 平均客単価1,600円(1時間1,300円の入場料に、ドリンク・猫用おやつを1人あたりに按分)、平均滞在75分
- 客数は平日20人、土日祝50人
- 原価率8%(ドリンク・おやつ分)、家賃22万円、パート人件費30万円、猫関連費12万円(1頭月1万円)、水道光熱費6万円、清掃・消毒用品2万円、保険・広告・通信・決済手数料6万円
- 借入1,000万円を年2.5%・据置なしの7年で元金均等返済(毎月の元金返済は約11.9万円、初月の利息は月割り概算で約2.1万円)、事業主の生活費20万円。以下は返済初月を想定した試算です
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 売上(平日340人+土日祝400人=740人) | 118.4万円 |
| 売上原価(8%) | 9.5万円 |
| 経費(支払利息を含む) | 80.1万円 |
| 利益 | 28.8万円 |
| 元金返済+生活費 | 31.9万円 |
| 不足額 | 3.1万円 |
損益分岐点の売上は80.1万円÷(1−0.08)=約87.0万円で、この計画は黒字です。それでも個人営業では元金返済と生活費を利益から払うため、この試算月は手元資金が約3.1万円不足します。必要な売上は(80.1万円+11.9万円+20万円)÷0.92=約121.7万円で、客数に直すと月約761人、平日1日あたり約1.2人の上積みに当たります。
この設例で見落としやすいのは収容力です。12席・営業9時間・平均滞在75分なら1日の理論上の上限は約86人で、土日祝の50人は稼働率6割弱に当たります。客数を増やす余地はありますが、猫の数に対して客が多すぎると猫が休めず、休息場所への自由な移動の確保にも支障が出ます。自由な移動を確保できない場合は、展示が6時間を超えるごとに、その途中で非展示時間を設ける必要があります。入場人数の上限を決めたうえで、ドリンクセットや延長料金で客単価を上げる案と比べて選びます。売上と返済の入出金を月ごとに並べる方法は資金繰り表の作り方を参照してください。
開業直後の客数の下振れと運転資金
開業から数か月は、口コミや地図検索の評価がたまるまで客数が伸びにくい時期です。設例で平日・土日祝の客数をともに20%下げると、月の客数は592人、売上は約94.7万円になり、損益分岐点の約87.0万円に近づきます。この場合、利益は約7.0万円にとどまり、元金返済と生活費に月約24.8万円足りません。下振れが続く月数を見込んで、その分の運転資金を借入額か自己資金に含めておきます。
保護猫カフェで計画書に追加する項目
保護猫を迎えて里親につなぐ保護猫カフェは、同じ「展示」でも営利性の有無で手続きが変わります。環境省は、動物愛護団体のシェルターや非営利の展示などで、人の居住部分と区分できる施設に猫を10頭以上飼う場合を第二種動物取扱業の届出対象としています。営利目的で猫を展示する場合は第一種の登録が必要です。営利性は入場料の有無だけで断定せず、料金体系や運営実態を示して自治体に確認します。
判断が分かれるのは譲渡時に受け取るお金です。第二種制度の施行前に開かれた2012年10月23日の中央環境審議会動物愛護部会(第33回)で、環境省の事務局は、ワクチン接種料などの実費程度なら営利とまでは言えない一方、餌代や飼育費、人件費まで広げると実質的に営利に近いという考え方を示し、明確な線引きは今後用意したいと述べています。全国一律の金額基準は見当たらないため、譲渡費用の金額と内訳は管轄の自治体に確認し、その結果を計画書に書きます。第二種動物取扱業者が犬猫を譲渡する場合は、品種・入手先・譲渡し先などを帳簿に記載して5年間保存する義務もあります。
保護猫カフェの計画書では、売上の欄に入場料と譲渡費用を分けて書き、寄付や助成金は返済原資に入れないのが安全です。J-Net21の2024年調査でも「保護猫カフェなら行ってみたい」という声が寄せられた一方、福祉の色が強く非営利団体の運営も多いため、ランニングコストを抑えることが事業継続の鍵になると指摘されています。受け入れる猫の健康診断・不妊去勢手術・ワクチンの費用は、譲渡までの平均在籍期間と合わせて積算します。
融資面談の前に点検する猫カフェの計画書の欠陥
- 営業時間が20時を過ぎるのに、特定成猫の条件(生後1年以上・休息場所への自由な移動・1日12時間以内)を満たす運営になっていない
- 動物取扱責任者の要件を誰が満たすのかが略歴欄から読み取れず、責任者を雇う場合の人件費が経費にない
- 猫関連費が「その他」に埋もれ、健康診断・ワクチン・治療の予備費の内訳がない
- 厨房と猫のいる区画の分け方を図面で示していない
- 損益分岐点しか示さず、元金返済と生活費を賄える客数を計算していない
- ターゲットを「女性中心」とだけ書き、商圏の人口構成や競合店の利用状況で裏付けていない
- 廃業や休業のときに猫をどこへ引き取ってもらうかが書かれていない
最後の項目は見落とされがちですが、猫は在庫のように処分できません。飼えなくなった猫の引き取り先(譲渡先の候補、連携する保護団体)を自由記述欄に書いておくと、事業を最後まで責任を持って続ける計画だと伝わります。
よくある質問
猫カフェの開業資金はいくら必要ですか?
物件と内装で大きく変わり、猫カフェ専用の公的な相場はありません。公庫の融資先を対象とした2025年度新規開業実態調査では、回答企業の開業費用は平均975万円、中央値600万円です。猫カフェでは換気・空調・脱臭設備と、キャットウォーク・ケージ・休憩室などの猫用設備が上乗せになります。見積書を積み上げたうえで、開業直後の客数の下振れに備える運転資金を加えてください。
猫カフェの開業資金は融資で賄えますか?自己資金はいくら必要ですか?
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金が第一候補です。制度ページに自己資金の割合を条件とする記載はありませんが、公庫は適正な事業計画を策定し遂行する能力が十分あると認められる人に限るとしており、創業計画書で計画の中身を確認します。2025年度新規開業実態調査では、自己資金は平均279万円で資金調達額の22.9%でした。展示時間や頭数の基準を踏まえた運営計画と、返済まで賄える客数の根拠をそろえて相談してください。
猫カフェは何時まで営業できますか?
猫の展示は原則8時から20時までです。生後1年以上で、20時から22時の間は休息できる設備に自由に移動できる状態で展示する猫(特定成猫)に限り、22時まで展示できます。その場合も1日の展示時間は12時間以内です。猫を展示しない飲食だけの営業時間をどう扱うかは、管轄の自治体に確認してください。
猫カフェの開業に必要な資格は何ですか?
事業所ごとに常勤かつ専属の動物取扱責任者を置き、第一種動物取扱業(展示)の登録を受けます。動物取扱責任者は、獣医師・愛玩動物看護師の免許か、半年以上の実務経験等と、教育機関の卒業または認められた資格試験の合格の組み合わせが要件です。飲食物を調理して出すなら食品衛生責任者も必要です。防火管理者は建物全体の用途・収容人員で要否を確認し、対象建物では小規模なテナントも選任します。
ドッグカフェや保護猫カフェでも同じ書き方でいいですか?
創業計画書の記入欄と売上の積み上げ方は共通です。ドッグカフェは客が連れてきた犬と過ごすだけなら動物取扱業に当たらない場合があるなど、許認可の分岐が猫カフェと異なります(ドッグカフェの事業計画書で整理しています)。保護猫カフェは、運営の営利性と施設・飼養頭数の条件によって登録・届出の要否が変わるため、その確認結果を計画書に書きます。