確定申告

税務調査の結果はいつ出る?通知が遅い理由と、連絡がないときの確認先

税務調査の結果はいつ出る?通知が遅い理由と、連絡がないときの確認先

税務調査が終わったのに結果の連絡が来ないと、問題が見つかったのではないかと不安になります。最初に押さえておきたいのは、結果を通知するまでの期限は法律で決まっていないことです。「1週間から3か月」という数字は税理士事務所や会計ソフト会社の解説が示す目安で、国税庁が公表している法令解釈や手続の資料にはありません。

一方で、結果をどう伝えるかは国税通則法74条の11と国税庁の事務運営指針で決まっています。問題がなかった場合は書面で通知され、問題があった場合は金額と理由が説明されます。何の連絡もないまま調査が終わることは、手続き上は想定されていません。この記事では、結果の伝わり方、時間がかかる工程、連絡がないときの確認先、待っている間の延滞税を順に確認します。

まとめ:税務調査の結果が出るまでの期間と確認の順番

  • 結果通知までの期間を定めた法令や、公表されている調査手続の通達・事務運営指針はありません。国税庁FAQ問19も、調査に要する日数は「調査開始後の状況により異なってきます」としています。
  • 実地の調査で問題がなければ「更正決定等をすべきと認められない旨」の書面が届きます(74条の11第1項)。電話や来署依頼による調査で問題がなければ、書面ではなく口頭で終了が伝えられます。
  • 問題があれば、更正決定等をすべきと認めた額と理由が原則として口頭で説明されます(74条の11第2項)。
  • 臨場後には、事実認定と証拠の整理、取引先への反面調査、預けた帳簿書類の検討、調査対象の追加といった工程が残っていることがあり、これが待ち時間の主な理由になります。
  • 連絡がないときは、事前通知で伝えられた調査担当者に進み具合を尋ねます。税理士に結果説明の同意をしているなら、先に税理士へ確認します。
  • 期限内に申告していて不正がなければ、法定申告期限から1年を過ぎた日から修正申告・更正の日までの期間は延滞税の計算に入りません(61条1項)。結果を待つ期間が延びても、延滞税は原則として増えません。

結果通知までの期間:法律上の期限なし

国税通則法・事務運営指針・国税庁FAQにおける期間の定め

国税通則法は、調査を始める前の事前通知(74条の9)と、調査を終えるときの手続き(74条の11)を定めています。しかし、調査を何日で終えるか、結果を何日以内に伝えるかは定めていません。調査官の手順を定めた事務運営指針「調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について」も、事前通知から終了までの手続きを定めていますが、結果を伝えるまでの期間には触れていません。

国税庁の「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」問19は、事前通知の段階で調査の日数を教えてもらえるかという質問に、「調査に要する時間や日数は調査開始後の状況により異なってきますので、事前通知の時点であらかじめお知らせすることは困難」と答えています。臨場が複数回になる場合は、調査開始後に次回以降の日程を調整するとしています。

「1週間〜3か月」「3か月ルール」の出どころ

検索上位の税理士事務所や会計ソフト会社の解説には、「結果は1週間から3か月で届く」「調査は原則3か月以内に終わらせる内部ルールがあり、延ばすには統括官の判断が必要」と書くものが多くあります。このうち3か月ルールは「税務署内のルール」と説明されていますが、出典は示されていません。公表されている国税通則法・調査手続通達・事務運営指針・国税庁FAQのどれにも、3か月という期限や延長の決裁手続きは書かれていません。

経験則として参考にするのはかまいませんが、3か月を過ぎたからといって手続きに不備があるとは言えません。逆に、3か月以内だから順調とも限りません。待つ期間の長さより、次の章で見る「どの形で結果が伝えられるはずか」を基準に状況を判断してください。

すぐ終わる調査:実地以外の調査で問題がなかった場合

税務署に資料を持参する、電話で質問に答えるといった実地以外の調査では、FAQ問22のとおり法令上の事前通知は求められていません。こうした調査で、対象の税目・期間すべてに問題がなかった場合、事務運営指針は書面による通知を行わず、「調査が終了した旨を口頭により当該納税義務者に連絡する」と定めています。電話1本で「終わりました」と言われて終わる調査はこの形です。実地の調査で臨場が1〜2日で終わった場合でも、それだけで問題なしとは決まらず、是認の書面か調査結果の説明が届いた時点で結果が確定します。

結果の伝え方は3通り:書面通知・調査結果の説明・口頭の終了連絡

結果の伝え方は、実地の調査だったかどうかと、問題が見つかったかどうかで決まります。基本は3通りで、実地以外の簡易な事案の書面説明と、修正申告を勧奨するときの教示文が加わります。

調査の形 結果 伝え方 根拠
実地の調査 問題なし 書面で通知 74条の11第1項
実地以外の調査 問題なし 口頭で終了を連絡 事務運営指針 第2章4(1)注
どちらも 問題あり 原則口頭で金額と理由を説明 74条の11第2項
実地以外の簡易なもの 問題あり 書面の送付で説明も可 事務運営指針 第2章4(2)注
どちらも 修正申告の勧奨 教示文を交付 74条の11第3項

問題があった場合の説明には、税目、課税期間、更正決定等をすべきと認める金額、その理由が含まれます。事務運営指針は、あわせて加算税と、納付すべき税額によっては延滞税が生じることを説明し、この説明をもって「原則として一連の調査手続が終了する旨」を伝えるよう定めています。説明は原則として口頭で、FAQ問24によれば、納税者が希望しても調査結果を記載した書面は交付されません。説明を受ける日は、指摘ごとの金額と理由を自分で書き留めてください。

この表から、待つ側が判断できることがあります。実地の調査を受けたのであれば、問題がなければ書面、問題があれば説明のどちらかが必ず来ます。どちらも来ていないなら、調査はまだ終わっていないか、結果が税理士に伝えられているかのどちらかです。説明の後に修正申告をするか更正を受けるかの判断は、税務調査の終了手続きと修正申告・更正の選び方で詳しく扱っています。

調査官が帰った後に時間がかかる5つの工程

臨場が終わってから結果が出るまでの間に何をしているかは、事務運営指針の調査手続から読み取れます。所要日数の公表はありませんが、どの工程が残っているかが分かれば、待ち時間の理由の見当がつきます。

事実認定と証拠の収集・保全

事務運営指針 第2章3(7)は、非違が疑われる事項について納税者と税理士の説明を十分に聴き、「必要な証拠の収集・保全を行った上で的確な事実認定を行い」、更正決定等をすべき非違かどうかを判断するよう定めています。指摘する金額と理由を説明できる形に整えるまで、結果は伝えられません。臨場中に「確認して後日連絡します」と言われた事項が多いほど、この工程は長くなります。

取引先への反面調査

売上や外注費の実在を確かめるため、取引先や金融機関に照会することがあります(事務運営指針 第2章3(6))。反面調査は原則として取引先へ事前に連絡したうえで行われるため(FAQ問23)、自社の調査が終わっていても結果待ちが続くことがあります。反面調査の根拠条文と取引先側の対応は税務署の反面調査の解説を参照してください。

留め置いた帳簿書類の検討と返還

調査官が帳簿書類を税務署に持ち帰る「留置き」は、調査先にスペースやコピー機がない場合や、相当分量の書類を税務署で検査するほうが合理的な場合などに、納税者の承諾を得て行われます。預かるときは書類の名称などを記載した「預り証」が交付されます(事務運営指針 第2章3(5))。預けた書類の検討が終わるまで結果は出ません。留め置く必要がなくなれば遅滞なく返還され、返還を求めた場合も特段の支障がない限り速やかに返還されます。引き続き預かる必要があるときは、その理由が説明されます。業務で原本が必要なら、写しで足りないかを預ける前に相談してください。

調査対象の税目・年分の追加

事前通知で伝えられた税目や年分以外にも非違が疑われると、調査対象が追加されます。国税通則法74条の9第4項は、調査の中で通知した目的・税目・期間・帳簿書類以外の事項に非違が疑われることとなった場合に、その事項について質問検査等を行うことを妨げないと定めており、事務運営指針(第2章3(2))は追加する税目・期間等を説明して理解と協力を得るよう定めています。対象が広がれば、事実認定と説明の準備もそのぶん増えます。何年分までさかのぼるかは税務調査が何年さかのぼるかの解説で整理しています。

説明後の新しい証拠による調査の再開

調査結果の説明を受けた後でも、修正申告をするか更正を受けるまでの間に納税者が新しい証拠を出し、説明の前提となった事実が違っていたことが明らかになれば、必要に応じて調査を再開し、説明をやり直します(事務運営指針 第2章4(4)・手続通達6-4)。反論の資料を出したために結果が延びている場合は、この工程に入っています。主張に根拠があるなら、時間がかかっても資料を出す価値はあります。

連絡がないときの確認先と問い合わせの仕方

事前通知で伝えられる調査担当者の氏名と所属官署

実地の調査の事前通知では、調査担当者の氏名と所属官署も通知されます(国税通則法施行令30条の4)。進み具合を尋ねる相手はこの担当者です。通知された所属官署(税務署または国税局)に電話し、氏名を告げて取り次いでもらいます。電話や来署依頼による調査でも、最初の連絡をしてきた職員の氏名と部署を控えておけば同じように確認できます。

税理士への通知に同意している場合の確認先

実地の調査では、納税者が同意していれば、是認の書面通知、調査結果の説明、教示文の交付を本人に代えて税理士に行えます(74条の11第4項)。同意は、税務代理権限証書の「調査の終了の際の手続に関する同意」欄などで確認されます(事務運営指針 第2章4(5)・FAQ問27)。この欄に同意していると、結果は本人ではなく税理士に伝えられます。税務署へ問い合わせる前に税理士に確認してください。調査に税理士を関与させるかどうかの判断は税理士の立ち会いに関する解説で扱っています。

問い合わせる前に手元で整理しておくこと

  • 最後に調査官とやり取りした日と、そのとき「後日連絡」とされた事項
  • 追加で提出を約束した資料があるか、提出済みか
  • 留置きの預り証があるか(書類が返還されているか)
  • 取引先から税務署の照会があったと聞いていないか

こちらの提出待ちで止まっているなら、問い合わせより先に資料を出すほうが結果は早く出ます。

待っている間の延滞税:法定申告期限から1年超の期間の除外

除算期間の仕組み(国税通則法61条1項)

延滞税は原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて課されます。そのため、結果を待つ間にも延滞税が増え続けると考えがちです。しかし、期限内に申告していた場合、法定申告期限から1年を経過する日の翌日から、修正申告書を提出した日(更正の場合は更正通知書が発せられた日)までの期間は、延滞税の計算から除かれます(61条1項1号)。

調査対象のうち、法定申告期限から1年以上たった年分がこれに当たります。例えば令和5年分の所得税(法定申告期限は令和6年3月15日)を令和8年に調査された場合、延滞税の計算に入るのは令和6年3月16日から令和7年3月15日までの1年分で、令和8年に結果を待っている期間は数えません。この年分については、結果が3か月遅れても延滞税は増えません。ただし同じ調査で令和7年分(法定申告期限は令和8年3月16日)も対象なら、その年分は待っている期間も計算に入ります。

除算されない2つの場合:不正行為と法定申告期限から1年以内

次の場合は、待っている期間も延滞税の計算に入ります。

  • 偽りその他不正の行為で税を免れていた場合:61条1項は、不正行為で免れた国税について、調査で更正を予知して出した修正申告と更正を除外しています。法定納期限の翌日から修正申告の日まで全期間が計算対象で、令和8年中の期間は年2.8%です(国税庁タックスアンサーNo.9205)。本税100万円なら、結果が90日遅れるごとに約6,900円増えます。
  • 法定申告期限から1年以内の年分:1年を経過する日までは除算期間が始まらないので、その日までの待ち時間は計算に入ります。

修正申告をすると、提出した日が納期限になります(35条2項1号)。提出日に納めれば、その後の延滞税はかかりません。加算税の割合と延滞税の具体的な計算例は追徴課税の税率と計算例の解説にまとめています。

結果が出た後の期限:是認・修正申告・更正

結果を受け取った後は、結論ごとに期限が変わります。

結果 納付の期限 争う手段と期限
是認(書面通知) なし なし
修正申告に応じる 提出した日(35条2項1号) 更正の請求:法定申告期限から5年(23条1項)
勧奨に応じず更正 通知書発送の翌日から1か月(35条2項2号) 再調査の請求か審査請求:通知を受けた翌日から3か月(77条1項)

修正申告の勧奨に応じるかどうかは「あくまでも納税者の方の任意の判断」で、応じなかったからといって不利な取扱いを受けることは「基本的にはありません」(FAQ問25)。応じなければ調査結果に基づいて更正されます。更正ができるのは原則として法定申告期限から5年、偽りその他不正の行為がある場合は7年までです(70条1項・5項)。修正申告書の書き方と提出方法は修正申告の仕組みの解説を参照してください。

是認の書面を受け取った後でも再調査がある条件

是認の書面を受け取ると、同じ税目・期間の調査は原則として終わります。ただし、新たに得られた情報に照らして非違があると認めるときは、再び質問検査等ができます(74条の11第5項)。FAQ問28は、調査終了後に行われた取引先の調査で、当初把握していなかった非違が見つかった場合を例に挙げています。再調査の場合も原則として事前通知は行われますが、再調査を行う理由は説明されません(FAQ問29)。

よくある質問

税務調査の結果は何日後に連絡がきますか?

法令に日数の定めはなく、国税庁のFAQも、調査に要する日数は調査開始後の状況により異なるとしています。税理士事務所などの解説では1週間から3か月が目安とされていますが、公表資料に根拠はありません。

税務調査の後、連絡がない場合はどうなりますか?

何の連絡もないまま調査が終わる手続きはありません。実地の調査なら、問題がなければ書面が届き、問題があれば説明があります。どちらも来ていなければ、調査担当者か、通知の同意をしている税理士に確認してください。

調査結果の説明を書面でもらうことはできますか?

希望しても調査結果を記載した書面は交付されません(FAQ問24)。電話等による調査で内容が簡易な場合に限り、税務署の判断で書面を送付して説明することがあります。修正申告を勧奨される場合は、不服申立てと更正の請求について書いた教示文が交付されます。

税務調査で持ち帰られた書類はいつ返ってきますか?

具体的な日数の定めはありませんが、留め置く必要がなくなれば遅滞なく返還され(国税通則法施行令30条の3第2項)、返還を求めれば特段の支障がない限り速やかに返還されます(事務運営指針 第2章3(5)注1)。引き続き預かる必要があり返還できない場合は、その理由と不服申立ての方法が説明されます。

結果が遅いのは、重い指摘を受ける前触れですか?

遅さだけで判断する根拠はありません。反面調査や留置き書類の検討は、問題がない場合でも行われます。ただし不正行為があった場合は、待つ期間も延滞税が加算されるので、事実を確認できているなら早めに修正申告を検討してください。

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