青色申告会は、青色申告をする個人事業主が記帳と申告を学ぶ納税者団体です。会費の範囲で記帳や決算の指導を受けられますが、会費は会ごとに2倍以上開き、税務代理や税務調査での交渉は制度上できません。「税務署とつながっているから調査が入りにくい」という話も、根拠をたどると中身は記帳指導の受託です。
この記事では、デメリットとメリット、5つの会の実際の会費、国税庁が公表した調査の実数、令和9年分から変わる青色申告特別控除を一次資料で確認します。改正後は記帳方法しだいで控除がゼロになる人が出るため、入会の判断材料も変わります。
まとめ:入るべき人と入会前に押さえる5点
- 入会が向くのは、簡易帳簿のままで令和7年分の事業収入が1,000万円を超えた人(令和9年分の判定に使う前々年の収入)と、初めての青色申告で複式簿記を対面で習いたい人です。会計ソフトで複式簿記とe-Taxを回せている人、税理士に依頼済みの人は見送って構いません。
- デメリットは、会費、予約制の指導に通う時間、記帳と申告書作成を自分で行う前提、そして税務調査で会員に代わって主張・陳述する税務代理ができないこと(税理士法52条)です。
- 会費は全国一律ではありません。正会員の年会費は小田原青色申告会12,000円、保土ケ谷青色申告会28,000円で、同じ神奈川県内でも2.3倍違います。
- 「税務署とのつながり」の中身は、国税局が外部委託する記帳指導の受託です。加入の有無が調査対象の選定基準だとする公表資料はありません。
- 令和9年分から青色申告特別控除は10万円・65万円・75万円の3段階になり、65万円以上にはe-Taxが必須です。簡易帳簿で前々年の事業の収入が1,000万円を超える人は控除がゼロになります。
青色申告会とは|税務署ごとに置かれた全国約1,700の納税者団体
青色申告制度は、昭和24年のシャウプ勧告を受けて昭和25年1月に施行されました。制度を広めるために各地で納税者が集まって結成したのが青色申告会で、昭和30年に全国組織の全国青色申告会総連合(全青色)が発足し、平成25年に一般社団法人となっています。
規模は、国税庁の第74回事務年報によると加入単位会が約1,700会、会員が約48万人です。同じ年報が示す青色申告者の総数は815万人なので、青色申告をしている人のうち会員は1割に届きません。青色申告は会に入らなくてもでき、承認を出すのは税務署長です。
青色申告会の地域区分|税務署の管轄単位の組織
全青色の正会員は税務署の管轄地域を単位とする青色申告会で、市町村や業種組合単位の会が準会員として加わっています。東京青色申告会連合会は「東京都内には、税務署の管轄ごとに47の青色申告会が設立されています」と説明しており、会の名前が市区町村名でなく税務署名に対応していることもあります。自分の会は全青色の窓口検索で住所から探すか、所轄税務署から辿るのが確実です。
大阪・京都・兵庫など関西2府4県は納税協会が受け皿
関西で青色申告会を探して見つからないのには理由があります。事務年報は、全青色の会員が組む連合会を「各国税局(大阪国税局を除く。)・沖縄国税事務所の管轄区域ごと」と記しており、大阪国税局の管内(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)は全青色の組織の外です。全青色の窓口一覧も41都道県で、この6府県は載っていません。
この地域で近い役割を担うのは納税協会です。国税庁レポート2025は納税協会を「法人・個人を問わず、様々な業種の方が加入されている大阪国税局の各税務署管内に設立された団体」と紹介し、税理士会と連携した税務相談やパソコン会計教室を活動に挙げています。個人事業主専門の青色申告会と違い、法人も同じ会員になる点が大きな違いです。
青色申告会のメリット|会費内の指導と別料金の会員サービス
全青色が公式に挙げる会員サービスは、記帳・決算・申告の相談、経営の相談、融資や共済の窓口、会計ソフト、機関誌と多岐にわたります。保土ケ谷青色申告会は「下記サービスが年会費のみで受けられます。基本的に会費以外の費用負担はありません」と案内しています。ただし会費内の範囲は会ごとに違い、高知青色申告会は記帳や会計ソフトの入力指導を無料としつつ「年末調整・確定申告時を除く」と断っています。会計ソフトの購入や共済の掛金は会費とは別です。
記帳・決算・申告の個別指導と専門家の紹介
中心は、複式簿記の帳簿の付け方から青色申告決算書の作成、確定申告までの個別指導です。保土ケ谷の会では、従業員や専従者の源泉徴収と年末調整の手続き指導、開業届や青色申告承認申請書の書き方指導も会費に含まれ、事務所でe-Taxによる申告もできます。全青色は毎年の税制改正を反映した「青色申告会員必携」や複式簿記の独習用テキストを会員向けに発行しています。
指導の先に専門家がいる会もあります。高知青色申告会は会員サービスとして「当会の顧問税理士に無料で税務相談ができます」と記載しています。所得税の確定申告期間には税務署の申告会場に「青色コーナー」が置かれ、青色申告会が普及に当たっていると国税庁レポートは記しています。
融資・共済・労働保険の窓口
全青色のサービス案内によれば、日本政策金融公庫などの融資制度の斡旋、労働保険事務の代行、小規模企業共済(事業主の退職金)、中小企業退職金共済(専従者・従業員の退職金)、経営セーフティ共済の加入窓口を青色申告会が担っています。会独自の全青色共済(傷害特約付)もあります。
会員限定の会計ソフト「ブルーリターンA」
全青色が開発したブルーリターンAは、記帳から青色申告決算書、所得税・消費税の申告書作成、e-Taxまでを1本で行う個人事業者向けソフトです。価格は税込33,000円(本体19,800円と3年分の保守料13,200円)。会員限定の販売で、会費とは別料金です(保土ケ谷の会も「BRAの購入は有料」と明記)。2026年1月6日に2026版の配信が始まりました。
JIIMAの電子帳簿ソフト法的要件認証を受けており、JIIMAの認証製品一覧では認証番号101600-01、対象バージョン23.A0.01.001以降、有効期限2029年11月23日、申請社は株式会社ゼンアオイロです。令和9年分以後に75万円控除を狙う人にとって、優良な電子帳簿の要件を満たすソフトを指導付きで使えるのは具体的な利点です。ただし対応OSはWindows 11のみで、Macでは動きません。
青色申告会のデメリット|入会前に確かめる5点
負担は、会費・時間・自分で行う作業・制度上できないこと・会の活動の5つに分かれます。4つ目は会の努力では変わらないので、入会前に理解しておく必要があります。
会費|正会員の年会費は12,000円から28,000円まで
会費は各会の会則で決まります。2026年10月時点の各会サイトの記載を並べると、次のとおりです。
| 会 | 所在 | 入会金 | 正会員の年会費 |
|---|---|---|---|
| 小田原青色申告会 | 神奈川県 | 1,000円 | 12,000円 |
| 柏青色申告会 | 千葉県 | 2,000円 | 18,000円 |
| 高知青色申告会 | 高知県 | 2,000円 | 18,000円 |
| 江東東青色申告会 | 東京都 | 2,000円 | 24,000円 |
| 保土ケ谷青色申告会 | 神奈川県 | 1,000円 | 28,000円 |
保土ケ谷は下期(10月から3月)に入会するとその年度の会費が14,000円になり、入会メールフォームから申し込むと入会金が免除されます。年金・給与所得だけの準会員は、小田原青色申告会で令和8年度から3,000円が6,000円に改定され、保土ケ谷も6,000円です。会費の値上げは各会の総会で決まるので、入会前に最新の金額を確認してください。
時間|予約制の指導と申告期の混雑
指導は会の事務所や指導会場に出向いて受けるのが基本です。保土ケ谷の会は「指導は完全予約制」で、受付は平日の午前9時から11時と午後1時から4時に限られます。土日祝日は休みなので、平日に店や現場を空けにくい業種では予定の調整が負担になります。高知青色申告会は10月から3月を確定申告記帳指導期間とし、この時期は入会手続きにも応じられない場合があると案内しています。決算の指導は早めに予約を入れる必要があります。
作業|記帳も申告書の作成も自分で行う前提
青色申告会は、記帳を代わりに行う場所ではなく、自分で記帳できるように教える場所です。税理士に依頼するより費用が大幅に抑えられるのは、作業を会員が自分で担う前提だからです。
申告書の作成についても線引きがあります。税理士法50条は、申告の時期に国税局長の許可を受けた公益社団法人などの役職員が、2か月以内の期間、指定された税目について、無報酬で申告書等の作成と相談に応じることを認めています。国税庁の基本通達50-1は、この税目を原則として申告所得税と個人事業者の消費税に限っています。許可を受けるのは会ではなく役職員本人です。この許可を受けた職員がいなければ、会でできるのは記帳方法の指導と一般的な説明までで、申告書の作成を任せたいなら税理士に依頼することになります。
制度の限界|税理士資格のない職員による税務代理の禁止
税理士法52条は「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない」と定め、違反は同法59条で2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です。同法2条1項1号は、税務調査に関して税務署へ主張や陳述を代理・代行することを税務代理に含めています。
したがって、青色申告会の職員が会員に代わって調査官と交渉することはできません。単に同席するだけの場合も、国税庁の税務調査手続に関するFAQ問33は、守秘義務に抵触するおそれがあれば税務代理人以外の第三者の立会いは断るとし、日頃の記帳を担当している人に限って調査担当者が必要と認めた範囲で同席できることがある、としています。調査で代理人として立ち会ってほしいなら税理士との契約が別に必要です。誰がどこまで同席できるかは税務調査の税理士立ち会いは必要?任せられる範囲・同席できる人・費用を条文で確認で整理しています。
会の活動|行事の案内と役員の打診
全青色は「各役員は会員から選ばれ、ボランティアとして青色申告会の運営に携わっています」と説明しています。会には後継者や若手経営者の青年部、配偶者専従者を中心とした女性部があり、研修旅行やレクリエーション、サークル活動も行われています。参加は会員どうしの交流の場になりますが、税務の相談だけを目的に入る人には、行事の案内や役員の打診が負担に感じられることがあります。
会費の差を生む運営形態|独立会と併設会
会費に幅があるのは、各会が会費を基本財源として独自に運営しているからです。全青色が政府税制調査会へ提出した資料は、職員を雇って事務所を構える独立会と、商工会議所・商工会・農業協同組合などに事務を委託する併設会に分けています。調査に回答した205会の内訳は独立会68会、併設会137会で、同資料は「多くの併設会では、商工会議所・商工会の経営指導員が会の事務運営や会員指導をおこなっています」と記しています。
職員を抱える独立会のほうが指導が手厚いと考えがちですが、同じ調査(令和3年5月時点)では、手書きの複式簿記で記帳する会員の割合は独立会10.1%に対し併設会13.7%とむしろ併設会が高く、会計ソフトの利用は独立会50.0%、併設会50.6%でほぼ同じでした。指導の質を直接測った数字ではありませんが、形態だけで手厚さは判断できません。個々の会の指導日や体制を見たほうが実態に合います。
「税務署とつながっている」の実態|記帳指導の受託
つながりは実在しますが、中身は調査ではなく指導の側にあります。全青色の資料は、青色申告会が「平成18年から全国で実施されている国税局が外部委託する記帳指導を各地で受託」し、集合形式や個別指導形式の講座を担当していると明記しています。税務署から記帳指導の案内が届き、会場に行くと青色申告会が講師だった、という経験の背景がこれです。国税庁も青色申告会を、法人会・間税会・納税協会などと並ぶ「関係民間団体」として協調の相手に位置づけています。
歴史的にも距離は近く、税務大学校『税大ジャーナル』2025年7月号の研究報告(国税庁の公式見解ではないと断り書きあり)によれば、昭和31年に東京青色申告会連合会が配った青色申告手帳は「会員と税務署との連絡事績簿」として作られていました。
一方で、国税庁が説明している調査対象の選定は、申告内容と資料情報をAIも使って分析するものです。加入の有無を選定に使うとした公表資料はありません。つながっているのは指導と広報の経路です。似た誤解を受けやすい団体との違いは民商(民主商工会)とは?「危険」「やばい」「脱税」と言われる理由と商工会との違い・会費・税務調査で扱っています。
青色申告会に入ると税務調査は入りにくいのか|令和6事務年度の実数
国税庁が令和7年12月に公表した令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況によれば、所得税の実地調査は46,896件で、うち特別調査・一般調査が36,404件、着眼調査が10,492件でした。臨場せず文書・電話・来署依頼で是正を求める「簡易な接触」は689,440件で、実地調査の約15倍です。参考までに令和6年分の申告納税者は516万人(申告所得税標本調査)ですが、実地調査の件数には無申告者への調査も含まれ、集計期間も違うため、割り算して個人が調査を受ける確率とみなすことはできません。言えるのは、税務署の接触の大半が臨場を伴わない簡易な接触だということです。
ただし当たったときの重さは増しています。実地調査の1件当たり追徴税額は241万円(前事務年度224万円)、特別調査・一般調査に限れば299万円で、無申告者への実地調査は524万円と過去最高でした。調査等全体の追徴税額1,431億円も過去最高で、国税庁は「選定にAIを活用するなど、効率的かつ的確に調査等を行った結果」と説明しています。
同資料は、事業所得者のうち1件当たりの申告漏れ所得が高額だった上位10業種も公表しています。調査を受けやすい順ではなく、調査した結果見つかった金額の順位です。
| 順位 | 業種目 | 1件当たり申告漏れ所得 | 1件当たり追徴税額 | 前年順位 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | キャバクラ | 4,164万円 | 1,474万円 | 圏外 |
| 2 | 眼科医 | 3,894万円 | 964万円 | 圏外 |
| 3 | ホステス、ホスト | 2,968万円 | 475万円 | 2 |
| 4 | 経営コンサルタント | 2,734万円 | 878万円 | 1 |
| 5 | 太陽光発電 | 2,142万円 | 757万円 | 7 |
| 6 | バー | 1,968万円 | 425万円 | 12 |
| 7 | コンテンツ配信 | 1,936万円 | 462万円 | 3 |
| 8 | ブリーダー | 1,876万円 | 498万円 | 5 |
| 9 | スナック | 1,873万円 | 353万円 | 9 |
| 10 | システムエンジニア | 1,631万円 | 287万円 | 17 |
暗号資産等の取引を行う個人への実地調査も、1件当たりの追徴税額が745万円と、特別調査・一般調査全体の299万円の2.5倍でした。同資料は無申告者や暗号資産取引者などへの調査を個別の項目で集計していますが、調査対象の選定基準そのものは公表しておらず、加入の有無で比べた集計もありません。選定の仕組みはKSK2は延期された?9月24日稼働後の障害と、税務調査が10年以上来ない人への影響で詳しく扱っています。
青色申告会の効果は、帳簿と申告の整合が取れて調査で説明できる材料が揃うところまでで、調査の確率を下げる仕組みではありません。
令和9年分改正|青色申告特別控除は10万円・65万円・75万円の3段階へ
令和8年度税制改正で租税特別措置法25条の2が改められ、令和9年分以後の所得税から青色申告特別控除が組み替えられます。令和8年分までは従前どおりです。国税庁のリーフレットと条文から整理すると次のようになります。
| 区分 | 令和8年分まで | 令和9年分以後 |
|---|---|---|
| 簡易帳簿など | 10万円 | 10万円(収入要件あり) |
| 複式簿記 | 55万円 | 65万円(e-Tax必須) |
| 複式簿記+電子要件 | 65万円 | 75万円 |
変わる点は3つです。
- 複式簿記の控除は65万円になり、e-Taxが必須。正規の簿記の原則で記帳し、確定申告書と貸借対照表を含む青色申告決算書を期限までにe-Taxで送信した場合に限られます。リーフレットは「令和9年分以降は、書面申告の場合の控除上限額は10万円となります」と明記しています。現行では優良な電子帳簿があれば紙の申告でも65万円を取れましたが、この経路の人は対応しないと減額になります。
- 最高額は75万円。65万円の要件に加えて、優良な電子帳簿の保存か、デジタルシームレス保存の要件を満たすと75万円になります。どちらも適用を受ける年分の確定申告期限までに所轄税務署へ届出書を出す必要があり、すでに優良な電子帳簿で65万円控除を受けている人は出し直す必要はありません。現金主義の特例を使っている人は65万円・75万円の対象外です。
- 10万円控除に収入要件が付く。簡易な簿記で記帳している人のうち、事業所得または事業的規模の不動産所得について前々年分の収入金額が1,000万円を超える人は、10万円控除も受けられません。国税庁の案内によれば、業務的規模の不動産所得はこの対象外で、改正前と同じく最大10万円を受けられます。
この改正は、記帳の移行が済んでいない人に直接効きます。全青色の調査(令和3年5月時点)では、会員の記帳方法は会計ソフト50.4%、手書きの複式簿記12.5%、手書きの簡易帳簿など37.1%でした。手書きの簡易帳簿のまま前々年の事業収入が1,000万円を超えれば、令和9年分から控除が消えます。帳簿の保存と電子帳簿の要件は個人事業主の帳簿の保存期間は7年と5年に分かれる|電子帳簿保存法と令和9年分の改正、控除額の違いが手取りにどう効くかは年収300万円 個人事業主の手取りは約232万円|令和8年分の内訳と早見表で確認できます。
入るべき人・見送ってよい人|税理士・商工会との使い分け
判断は「自分で記帳と申告をするかどうか」と「令和9年分の改正で控除が減るかどうか」の2点で切ると迷いません。
入会が向く人|簡易帳簿のままの人と初めての青色申告
手書きやExcelの簡易帳簿で記帳していて、令和9年分の判定に使う令和7年分の事業収入が1,000万円を超えた人は、複式簿記とe-Taxへの移行を対面で教わる場として入会の価値がはっきりあります。開業したばかりで、開業届や青色申告承認申請書の書き方から複式簿記まで一つずつ教わりたい人にも向きます。小規模企業共済や融資の相談まで同じ窓口で済ませたい人は、その会が扱う制度と指導を受けられる回数を確かめたうえで、年1万〜3万円程度の会費と比べてください。
見送ってよい人|複式簿記とe-Taxを回せている人
クラウド会計などで複式簿記を付け、e-Taxで申告まで済ませている人は、会費に見合う指導を受ける機会があまりありません。すでに税理士と顧問契約をしている人も、共済や融資の窓口を使わないなら相談先が重なるだけです。ブルーリターンAはWindows 11専用なので、Macで記帳する人はほかのソフトでも指導を受けられるかを、平日の日中に通えない人は指導の受付時間を、入会前に会へ確認してください。
税理士との使い分け|任せる範囲で決める依頼先
自分で帳簿を付けて申告し、わからない点だけ相談したいなら青色申告会、記帳代行から申告書の作成・提出、税務調査での代理まで任せたいなら税理士です。税理士の見積もりを比べるときは、記帳代行、決算・申告書の作成、調査対応のどこまでを含むかをそろえてください。普段は青色申告会で記帳を回し、調査の通知が来たときだけ税理士に依頼する併用もできます。
商工会・商工会議所との関係|併設会の事務委託と指導体制
商工会・商工会議所は経営全般の支援が主目的で、記帳指導はその一部です。併設会の地域では青色申告会の事務を商工会などが受託しており、多くの併設会では記帳指導も商工会の経営指導員が担当します。この場合は「どちらに入るか」より「どちらの窓口から入るか」の違いに近く、創業融資や補助金の相談まで含めたいなら商工会、記帳と申告に絞るなら青色申告会という分け方が実務的です。
入会と退会の手順|相談先の検索と会則の確認
- 会を探す:全青色の窓口検索で住所を入れ、所轄税務署の会を確認します。関西2府4県なら納税協会が相談先になります。
- 条件を確かめる:会のサイトで入会金・年会費、指導の受付時間、予約の要否、会計ソフトの扱いを確認します。
- 申し込む:事務所で入会申込書を書くか、Webフォームから申し込みます。江東東青色申告会は来局予約のうえ入会申込書を出し、入会金と年会費を納める方式で、その後の会費は原則口座振替です。保土ケ谷は仕事用の通帳と届出印、税務署へ提出済みの申請書類を持参するよう案内しています。
- 退会する:退会は各会の会則に沿って申し出ます。江東東青色申告会の場合、会員登録は年度ごとの自動更新で、所定の退会届を上期末(9月30日)か下期末(3月31日)までに出す必要があります。受理されるまでは会費の納入義務が続き、既納会費は原則返還されず、中途入会でも年会費は月割されません。
入会しても退会しても、青色申告の承認そのものには影響しません。承認は税務署長が行う手続きで、会への加入とは別だからです。確定申告全体の流れは個人事業主の確定申告のやり方|令和8年分の期限と基礎控除104万円で確認できます。
よくある質問
青色申告会に入ると税務調査は入りにくくなりますか?
加入によって調査対象から外れる制度はありません。国税庁は調査対象の選定にAIを活用していると公表しています。会の効果は、記帳指導で帳簿と申告の整合が取れ、調査になったときに根拠を示せる状態をつくれる点です。
青色申告会の会費はいくらですか?
全国一律の額はなく、会則で決まります。2026年10月時点の各会サイトでは、正会員の年会費は小田原12,000円、柏と高知18,000円、江東東24,000円、保土ケ谷28,000円で、入会金は1,000円か2,000円でした。
青色申告会の会費は経費になりますか?
事業のために加入した会の会費は、諸会費として必要経費に計上できます。保土ケ谷青色申告会も「当会の会費・入会金は事業上の必要経費になります」と案内しています。年金・給与所得だけの準会員として加入している場合は、事業との関連がないので経費になりません。
青色申告会は税務署とつながっていますか?
記帳指導の面ではつながっています。平成18年から国税局が外部委託する記帳指導を各地で受託しているためです。会員であることが調査対象の選定に使われるとした公表資料はありません。
青色申告会には入るべきですか?
簡易帳簿のままで令和7年分の事業収入が1,000万円を超えた人と、初めての青色申告で複式簿記を対面で習いたい人は入る価値があります。会計ソフトで複式簿記とe-Taxを回せている人や、税理士に依頼済みの人は入らなくても困りません。
青色申告会と商工会・商工会議所は何が違いますか?
青色申告会は青色申告者の記帳・決算・申告の指導に特化した納税者団体で、商工会・商工会議所は経営全般の支援団体です。ただし事務を商工会などに委託する併設会の地域では、多くの場合、商工会の経営指導員が青色申告会の会員指導も担当します。