人件費とは、役員と従業員に払う給与・賞与に、会社が負担する社会保険料などの法定福利費や福利厚生費を加えた、人を雇うためにかかる費用の総額です。この記事では、人件費に含まれるものを財務省の法人企業統計の定義から確かめ、勘定科目と経費になる範囲、固定費か変動費かの分け方を整理します。令和8年度の保険料率で額面月給30万円の会社負担を試算し、給与・勤怠・会計のデータを部門別・案件別の人件費として集計する仕組みまでを解説します。
まとめ:人件費は給与に法定福利費を足した総額、会社負担は額面の1.15倍が下限
人件費は、給与と賞与だけを指す言葉ではありません。財務省の法人企業統計は人件費を「役員給与+役員賞与+従業員給与+従業員賞与+福利厚生費」と定義しており、会社が負担する社会保険料は福利厚生費の側に入ります。会計の上では給料手当・賞与・役員報酬・法定福利費・福利厚生費・退職給付費用などの勘定科目に分かれ、工場や開発の現場の人件費は売上原価(労務費)、営業や管理部門の人件費は販管費に計上されます。
会社の負担は、額面の給与より必ず大きくなります。令和8年度の料率で東京の39歳以下・月給30万円の従業員を試算すると、健康保険・厚生年金・子ども・子育て支援金・子ども・子育て拠出金・雇用保険の事業主負担だけで月46,200円、額面の15.4%です。労災保険や福利厚生、採用・教育の費用を加えれば、さらに膨らみます。
正社員の基本給と法定福利費は固定費で、残業代や時給制のアルバイト代は変動費寄りの費用です。全社の人件費を月に1回見るだけなら会計ソフトの試算表で足ります。部門別・案件別の人件費を毎月出したい段階で、給与データを会計の勘定科目と部門へ対応づける仕組みが要り、会計システムの見直しや個別開発が検討対象に入ります。
人件費の意味と範囲、法人企業統計が定める5項目と人件費に含まれるもの
人件費は法律で定義された言葉ではなく、会社ごとに範囲がぶれやすい費用です。公的統計の定義を基準線に置くと、社内の数字を他社や業界と比べやすくなります。
法人企業統計の定義は役員給与・役員賞与・従業員給与・従業員賞与・福利厚生費
財務省の年次別法人企業統計調査(令和7年度)は、第7表「付加価値の構成」の注記で、人件費を役員給与・役員賞与・従業員給与・従業員賞与・福利厚生費の5項目の合計と定めています。金融業・保険業を除く日本の営利法人の人件費は、この定義で集計されたものです。
5項目のうち、役員と従業員で給与と賞与を分けているのは、役員への支払いが会社法と税法で従業員とは別の扱いを受けるためです。福利厚生費には、健康保険料や厚生年金保険料の会社負担分(法定福利費)のように、給与以外で人を雇うことに伴って発生する費用が集められます。社内で人件費を集計するときも、この5つの箱を最初に用意しておけば、公表統計と同じ物差しで自社の数字を読めます。
人件費に含まれるものと含まれないもの、派遣料・業務委託費・通勤手当の扱い
現場で迷いやすいのは、雇用契約を結んでいない人への支払いと、給与に付随する手当です。主な費用を、人件費に入れるかどうかで並べると次のようになります。
| 費用 | 人件費に入れるか | 主な勘定科目 |
|---|---|---|
| 基本給・残業代・各種手当 | 入れる | 給料手当 |
| 賞与・退職金 | 入れる | 賞与・退職金 |
| 社会保険料の会社負担 | 入れる | 法定福利費 |
| 健康診断・慶弔見舞金 | 入れる | 福利厚生費 |
| 通勤手当 | 入れる | 旅費交通費など |
| 派遣会社への派遣料 | 社内の定義次第 | 派遣料・外注費 |
| 業務委託費・外注費 | 入れない | 外注費・支払手数料 |
派遣料は、現場の感覚では人件費ですが、雇用しているのは派遣会社なので、法人企業統計の5項目には入りません。派遣社員の比率が高い会社は、派遣料を含む「広義の人件費」と含まない「狭義の人件費」を両方持っておくと、正社員化や内製化の比較で数字を取り違えずに済みます。給与は消費税の不課税取引で、派遣料や外注費は課税仕入れになる点も、両者を別の科目に置く理由の1つです。
人件費と労務費の違いは原価計算基準の6費目と計上先で分かれる
労務費は、人件費のうち製品やサービスを作るために発生した部分を、原価として扱うときの呼び名です。企業会計審議会の原価計算基準は8(一)で、労務費を「労働用役の消費によつて生ずる原価」とし、賃金・給料・雑給・従業員賞与手当・退職給与引当金繰入額・福利費(健康保険料負担金等)の6つに細分しています。
項目の並びは人件費とほぼ重なります。違うのは、労務費が製造や開発の現場の分だけを対象にし、役員報酬や営業・管理部門の給与を含まない点です。人件費が「誰に払ったか」で集める費用だとすれば、労務費は「何を作るために使ったか」で切り出した費用です。どこまでを原価に入れるか、賃率をどう出すかは、原価計算での人件費の範囲と賃率の出し方、販管費との線引きを解説した記事で詳しく扱っています。
人件費の勘定科目と仕訳、給料手当から法定福利費まで経費になる範囲
人件費という勘定科目はなく、会計ソフトでは複数の科目に分けて記帳します。どの科目に置くかで、損益計算書のどこに出るか、税務上の扱いが変わります。
人件費の内訳を勘定科目で分ける、給料手当・賞与・役員報酬・法定福利費
人件費の内訳は、支払う相手と性格で次の科目に分けるのが一般的です。
| 勘定科目 | 内容 | 支払う相手 |
|---|---|---|
| 給料手当 | 基本給・残業代・諸手当 | 従業員 |
| 雑給 | パート・アルバイトの賃金 | 従業員 |
| 賞与 | 夏冬の賞与・決算賞与 | 従業員 |
| 役員報酬 | 取締役・監査役への月額報酬 | 役員 |
| 法定福利費 | 社会保険料・労働保険料の会社負担 | 保険者 |
| 福利厚生費 | 健康診断・社員旅行・慶弔金 | 従業員全体 |
| 退職給付費用 | 退職金の積立・引当 | 従業員 |
給与の支給時は、額面の総額を給料手当に計上し、従業員負担の社会保険料と源泉所得税・住民税を預り金として差し引いた残りを普通預金から払います。法定福利費に入るのは会社負担分だけで、従業員から預かった分は費用になりません。この区別を誤ると、人件費が従業員負担分だけ過大に見えます。
人件費は経費になるが、役員給与は法人税法第34条の3類型以外は損金外
従業員の給与・賞与・法定福利費は、原則として全額が経費(税務上の損金)になります。「人件費は経費ですか」という問いへの答えは、従業員の分についてはイエスです。
注意が要るのは役員への支払いです。法人税法第34条は、役員給与のうち損金に算入できるものを、毎月同額を払う定期同額給与、事前に税務署へ届け出た事前確定届出給与、一定の要件を満たす業績連動給与の3つに限っています。期の途中で役員報酬を増やした差額や、届出をせずに払った役員賞与は、会計上は費用でも法人税の計算では損金になりません。役員報酬の改定は期首から3か月以内の定時株主総会で決めるのが通常の運用で、決算直前の利益調整には使えないと覚えておいてください。
売上原価に入る人件費と販管費に入る人件費、部署で分かれる計上先
損益計算書では、人件費は2か所に分かれて出てきます。製造部門や受託開発のエンジニアの給与は売上原価(製造原価の労務費)に、営業・経理・人事・経営陣の給与は販売費及び一般管理費に置きます。
計上先の違いは、粗利と営業利益の見え方を変えます。売上高1億円、開発者の人件費5,000万円の会社で、この5,000万円を売上原価に置けば粗利率は大きく下がり、販管費に置けば粗利率は高く出ます。営業利益はどちらでも同じです。受託開発の会社が同業と粗利率を比べるなら、人件費の計上先を揃えることが先になります。工数に応じて開発者の人件費を原価へ振り替える手順はIT企業の売上原価の範囲と工数×賃率の手順を解説した記事で、販管費の区分ミスで営業利益がぶれる仕組みは営業利益の計算式と販管費の区分ミスを解説した記事で整理しています。
令和8年度の保険料率で試算する会社負担、額面月給30万円の人件費の実額
従業員1人を雇うと、額面の給与のほかに会社負担の保険料が毎月発生します。令和8年度の料率で、その実額を確かめます。
健康保険・厚生年金・子ども・子育て支援金の事業主負担は料率の半分
協会けんぽの令和8年度保険料率は3月分(4月納付分)から改定され、東京支部の健康保険料率は9.85%、40歳から64歳の介護保険第2号被保険者は介護保険料率を加えて11.47%です。厚生年金保険料率は18.300%で、いずれも会社と従業員が半分ずつ負担します。
雇用保険は折半ではありません。厚生労働省の令和8年度雇用保険料率のご案内によると、一般の事業の料率は13.5/1,000で、うち事業主負担は8.5/1,000、労働者負担は5/1,000です。事業主負担の側に雇用保険二事業の3.5/1,000が含まれるため、会社のほうが重くなります。労災保険料と子ども・子育て拠出金(料率0.36%)は、全額を会社が負担します。
額面30万円の月給にかかる会社負担は約4万6千円、給与の1.15倍が下限の目安
東京の協会けんぽに加入する39歳以下の従業員で、標準報酬月額30万円(額面月給30万円)の場合の会社負担を計算すると、次のとおりです。
| 保険料の種類 | 会社負担の率 | 会社負担額(月) |
|---|---|---|
| 健康保険 | 4.925% | 14,775円 |
| 子ども・子育て支援金 | 0.115% | 345円 |
| 厚生年金保険 | 9.15% | 27,450円 |
| 子ども・子育て拠出金 | 0.36% | 1,080円 |
| 雇用保険 | 0.85% | 2,550円 |
| 合計(労災保険を除く) | 15.4% | 46,200円 |
額面30万円の従業員に、会社は月34万6,200円を払っている計算になります。40歳以上なら健康保険が介護保険料込みの5.735%に上がり、会社負担は月48,630円(16.2%)です。ここに業種ごとに料率が決まる労災保険料と、健康診断や社宅などの福利厚生費が加わります。採用時の人件費予算を組むときは、額面の1.15倍を下限、福利厚生と採用・教育の費用まで含めるなら1.2倍前後を置くのが安全です。賞与にも標準賞与額に同じ料率がかかる点は見落とされがちです。
2026年4月分から加わった子ども・子育て支援金と40歳以上の介護保険料
令和8年度の変更で人件費に直接効くのは、子ども・子育て支援金の徴収開始です。協会けんぽでは全国一律0.23%の支援金率が令和8年4月分(5月納付分)から加わり、健康保険料率の改定(3月分から)とは適用月が1か月ずれています。
月額30万円の従業員1人あたりの会社負担は月345円と小さく見えますが、従業員100人・平均標準報酬月額35万円の会社なら月4万250円、年48万3,000円です。給与計算の料率マスタは、3月分と4月分の2回に分けて更新しないと、どちらかの月の法定福利費が合わなくなります。標準報酬月額の決まり方と端数処理は社会保険料の計算方法と令和8年度の料率、給与システムでの自動化を解説した記事で詳しく扱っています。
人件費は固定費か変動費か、正社員給与と残業代・アルバイト代の分け方
「人件費は固定費ですか」と聞かれたら、答えは「大半は固定費、一部は変動費」です。どこで線を引くかで、損益分岐点の計算結果が変わります。
正社員の基本給と法定福利費は固定費、残業代と時給制の雑給は変動費寄り
売上や生産量が増えても減っても毎月ほぼ同じ額が出ていく費用が固定費で、売上に比例して増減する費用が変動費です。変動費の定義と勘定科目ごとの一覧、準変動費の扱いは変動費の意味と固定費との違い、準変動費の分け方を解説した記事で扱っています。人件費をこの基準で分けると、次のように整理できます。
- 固定費:正社員の基本給と固定の手当、役員報酬、それらにかかる法定福利費、福利厚生費
- 変動費寄り:残業代、時給制のパート・アルバイト代、繁忙期だけ増やす派遣料、売上連動の歩合給
- 判断が分かれるもの:賞与(業績連動なら変動費、固定額なら固定費)
実務でまず押さえるのは1つめの固定部分です。小売や飲食のように時給制の比率が高い業種では、シフトを削れば人件費が動くため、変動費として扱う割合が大きくなります。逆に受託開発や専門サービスでは、人件費のほとんどが正社員の固定給で、売上が落ちても人件費はすぐには下がりません。
人件費をすべて固定費に置いて固変分解すると損益分岐点が過小に出る失敗
損益分岐点を計算するとき、人件費を丸ごと固定費に入れる会社は少なくありません。時給制の比率が高い会社でこれをすると、売上が増えても変動費が増えない前提になり、限界利益率が高く、損益分岐点売上高が実態より低く計算されます。
たとえば人件費のうち3割が売上に応じて動くシフト制の雑給なのに、全額を固定費に置いた場合、売上が計画を下回ったときに「まだ黒字のはず」という判断を誤ります。固変分解は、勘定科目ごとではなく、給料手当・雑給・残業代を分けて持つことが前提です。給与データの側で固定給と変動給を別の支給項目にしておけば、会計へ連携する時点で分けられます。
日本企業の人件費の水準、法人企業統計で見る235兆円と労働分配率63.0%
自社の人件費が重いのか軽いのかは、全体の水準と比べないと判断できません。公的統計で日本企業全体の数字を確かめます。
令和7年度の人件費は235兆2,869億円、前年度比2.6%の上昇が続く推移
法人企業統計の第7表によると、金融業・保険業を除く日本の営利法人の人件費は、令和7年度に235兆2,869億円でした。直近5年の推移は次のとおりです。
| 年度 | 人件費 | 労働分配率 |
|---|---|---|
| 令和3年度 | 206兆5,953億円 | 68.9% |
| 令和4年度 | 214兆4,447億円 | 67.5% |
| 令和5年度 | 221兆6,634億円 | 65.1% |
| 令和6年度 | 229兆3,515億円 | 64.2% |
| 令和7年度 | 235兆2,869億円 | 63.0% |
人件費は4年で13.9%増え、令和7年度も前年度比2.6%の上昇でした。一方で労働分配率は5.9ポイント下がっています。人件費の伸びより、営業純益を中心とした付加価値の伸びのほうが大きかったためです。人件費の上昇率を自社の予算に置くときは、全体の2%台を下限の目安にし、賃上げの計画と保険料率の改定を上乗せして組み立てます。
人件費率と労働分配率は分母が違う、売上高比13.7%と付加価値比63.0%
人件費の重さを測る指標は2つあり、分母が違います。人件費率(売上高人件費率)は人件費を売上高で割った比率、労働分配率は人件費を付加価値で割った比率です。
令和7年度の法人企業統計で計算すると、売上高1,720兆2,560億円に対する人件費率は13.7%、付加価値373兆6,701億円に対する労働分配率は63.0%です。人件費率は仕入の多い卸売業で低く、サービス業で高く出るため、業種の違う会社同士では比べられません。仕入を除いた付加価値を分母にする労働分配率のほうが、業種をまたいだ比較に向きます。労務費まで含めた業種別の人件費率の目安と、目標の営業利益率から適正水準を逆算する手順は人件費率の計算式と業種別の目安、日次で予実管理する仕組みを解説した記事で扱っています。
給与・勤怠・会計のデータを人件費として集計する仕組みと個別開発の判断
全社の人件費は、会計ソフトの試算表で科目を足せば出ます。部門別・案件別の人件費を毎月出そうとすると、給与・勤怠・会計の3つのデータをつなぐ設計が必要になります。
給与システムの支給控除項目を会計の勘定科目と部門コードへ対応づける設計
人件費の集計で最初に作るのは、給与システムの支給項目・控除項目と、会計の勘定科目の対応表です。基本給と残業代は給料手当、パートの時給は雑給、会社負担の社会保険料は法定福利費、従業員負担分は預り金、といった具合に、支給項目ごとに仕訳先を決めます。
部門別に出すには、この対応表に部門コードを持たせます。従業員マスタの所属部門を給与の仕訳にそのまま載せれば、部門別の人件費は会計側の部門別損益で自動的に出る形です。兼務者や期中の異動者は、按分の比率を給与の側で持つか会計の側で持つかを最初に決めておかないと、毎月の手修正が残ります。給与計算システムの機能と連携の考え方は給与計算システムの機能・種類と個別開発の判断を解説した記事にまとめています。
法定福利費と賞与を月次で未払計上し、月ごとの人件費の山谷をならす処理
月次の人件費がぶれる原因は2つあります。1つは法定福利費です。社会保険料は当月分を翌月末に納めるため、納付時に費用処理すると、計上月が1か月ずれます。毎月末に当月分の会社負担を未払費用として計上すれば、給与と法定福利費が同じ月に並びます。
もう1つは賞与です。夏と冬の支給月だけ人件費が跳ねると、月次の利益が6月と12月に大きく落ちて見えます。支給見込額を6か月で割って毎月賞与引当金として計上し、その賞与にかかる法定福利費も同時に引き当てておけば、月ごとの人件費の山谷は消えるはずです。締めの手順全体は月次決算を5営業日で締める手順を解説した記事で扱っています。
勤怠の工数で人件費を案件へ振り替えるときの賃率と、個別開発を検討する条件
受託開発や工事、コンサルティングの会社では、部門ではなく案件ごとに人件費を見たいという要望が出るのが普通です。この場合は、勤怠や工数の記録から案件別の作業時間を取り、1時間あたりの人件費(賃率)を掛けて案件へ振り替えます。賃率は、給料手当と法定福利費、賞与引当金の合計を所定労働時間で割って出すのが基本です。額面の時給で計算すると、法定福利費の15%前後が案件原価から漏れる点に注意してください。作業時間の記録の取り方は勤怠管理システムの機能と選び方を解説した記事が参考になります。
個別開発が検討に値するのは、次のどちらかに当てはまる場合です。1つは、給与・勤怠・会計が別々の製品で、部門別・案件別の人件費を出すためにCSVを毎月表計算で突き合わせる作業が20時間を超えている場合。もう1つは、兼務按分や案件別の賃率に自社固有のルールがあり、パッケージの連携機能では全社の人件費と部門別の合計が一致しない場合です。こうした条件がそろう段階では、会計・経理システム開発のように給与・勤怠データの連携を含めて設計できる相談先を選ぶと、部門別・案件別の人件費を全社の数字と一致させたまま毎月出せます。
全社の人件費と人件費率を月次で見られれば十分な会社は、個別開発に進む必要はありません。給与ソフトの仕訳連携と会計ソフトの部門別集計で足ります。按分ルールが社内で決まっていない段階でシステム化を急ぐのも見送ってください。表計算で3か月、按分と未払計上を回して手順を固めてから、仕組みに載せる順番です。
よくある質問
人件費について、範囲や経費の扱いでよく挙がる質問に答えます。
人件費に含まれるものは何ですか?
役員と従業員に払う給与・賞与・各種手当・退職金と、会社が負担する社会保険料(法定福利費)、健康診断や慶弔金などの福利厚生費が含まれます。財務省の法人企業統計の定義は、役員給与・役員賞与・従業員給与・従業員賞与・福利厚生費の5項目の合計です。派遣会社に払う派遣料は雇用関係がないため統計上の人件費に入りませんが、社内の管理では含めて見る会社もあり、どちらにするかを決めて毎月同じ定義で集計してください。
人件費は経費ですか?
従業員の給与・賞与・法定福利費・福利厚生費は会計上の費用で、税務上も原則として全額が損金になります。例外は役員への支払いです。法人税法第34条により、定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与のいずれにも当たらない役員給与は損金に算入できず、期中に増額した役員報酬の差額や、届出なしで払った役員賞与がこれに当たります。
福利厚生費は人件費に入りますか?
入ります。法人企業統計でも福利厚生費は人件費の5項目の1つです。勘定科目では、法律で会社負担が決まっている社会保険料・労働保険料を法定福利費、会社が任意で行う健康診断・社員旅行・慶弔見舞金などを福利厚生費として分けるのが一般的です。任意の福利厚生費は全従業員を対象にし、金額が社会通念上相当な範囲であることが経費計上の条件で、特定の役員だけが対象だと給与や交際費として扱われることがあります。
人件費は固定費と変動費のどっちですか?
大半は固定費です。正社員の基本給、役員報酬、それらにかかる法定福利費は、売上が増減しても毎月ほぼ同じ額が発生します。残業代や時給制のパート・アルバイト代、繁忙期だけ増やす派遣料は作業量に応じて動くため、変動費寄りに扱います。損益分岐点を計算するときは、給料手当と雑給、残業代を分けて固変分解してください。
人件費の上昇率はどのくらいですか?
財務省の法人企業統計(令和7年度)では、金融業・保険業を除く日本の営利法人の人件費は235兆2,869億円で、前年度比2.6%の上昇でした。4年前の令和3年度からは13.9%の増加です。自社の予算では、この上昇率に自社の賃上げ計画と、2026年4月分から始まった子ども・子育て支援金などの保険料率の変更を上乗せして見込みます。
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