粗利とは、売上高から売上原価を差し引いた利益のことで、決算書の損益計算書では「売上総利益」という名前で表示されます。読み方は「あらり」です。この記事では、粗利と売上総利益・荒利の関係を法令の条文から確かめ、売上高1億円の数値例で粗利額と粗利率の計算式を追います。中小企業実態基本調査から業種別の粗利率も示したうえで、月次や商品別の粗利が思ったとおりに出てこない原因と、販売管理システムで商品別・案件別の粗利を出す設計までを解説します。
まとめ:粗利は売上総利益と同じ、商品別に見るには原価の持たせ方が先
粗利は「売上高 − 売上原価」で求める利益で、損益計算書の売上総利益と同じものを指します。財務諸表等規則第83条と会社計算規則第89条がこの差額を売上総利益金額として表示するよう定めており、売上原価が売上高を上回れば売上総損失です。粗利を売上高で割った粗利率は、中小企業の法人企業全体で25.2%、卸売業の14.4%から宿泊業・飲食サービス業の66.0%まで業種で大きく開きます。
実務で困るのは、計算式よりも「月次や商品別の粗利が信用できない」ことです。原因は4つに絞れます。期末の棚卸をしないと売上原価が確定しないこと、仕入や外注費の請求が翌月にずれること、値引やリベートが売上の後から発生すること、そして運賃や倉庫費のような共通費を商品に割り振るルールが決まっていないことです。
全社の粗利を月に1回見るだけなら、会計ソフトの試算表と月末の棚卸で足ります。商品別・得意先別・案件別の粗利を見たい場合は、販売管理側の売上明細に1行ずつ原価を持たせる設計が必要になり、そこで初めて販売管理システムの見直しや個別開発が検討対象に入ります。
粗利の意味と読み方、売上総利益・粗利益・荒利と呼び名が分かれる理由
粗利には呼び名がいくつもあり、同じものを指す場合と、社内で意味をずらして使っている場合があります。まず言葉の整理から始めます。
粗利の読み方「あらり」と、財務諸表等規則第83条が定める売上総利益
粗利は「あらり」と読み、「粗利益(あらりえき)」とも呼ばれます。商品を仕入れて売ったときの、いわば大まかな(粗い)もうけという意味の通称です。
決算書の上では、粗利という言葉は使われません。上場会社などが有価証券報告書で使う財務諸表等規則(昭和38年大蔵省令第59号)の第83条は、売上高から売上原価を控除した額を「売上総利益金額又は売上総損失金額として表示しなければならない」と定めています。上場していない株式会社でも、計算書類の根拠となる会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の第89条が、売上高から売上原価を減じた額を売上総利益金額として表示し、零未満なら売上総損失金額とするよう求めています。
つまり「粗利=売上総利益」で、違いは呼び方だけです。社内の会議では粗利、決算書と金融機関向けの資料では売上総利益、と場面で使い分けられています。
粗利と荒利の違いは会計上の定義になく、社内で範囲を決める必要がある
「荒利」と書いて「あらり」と読む表記もあります。小売業や卸売業の現場、業界紙で見かけることが多い書き方です。会計の法令や基準に「荒利」という用語はなく、粗利と荒利のあいだに公式な定義の差はありません。
注意したいのは、会社によって荒利を「売上高 − 仕入高」の意味で使っている例がある点です。この場合、在庫の増減を反映していないため、決算書の売上総利益とは一致しません。仕入を多めにした月は荒利が小さく、在庫を取り崩した月は大きく出ます。
社内の資料で粗利・荒利・売上総利益が混在しているなら、どの費用を差し引いた数字なのかを1枚の定義表にまとめてください。店舗の日報と月次決算で数字が合わないという相談の多くは、この定義のずれが原因です。
損益計算書の5段階利益の1段目に置かれる粗利と営業利益との関係
損益計算書には上から売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益の5つの段階利益が並び、粗利はその1段目です。財務諸表等規則第70条は、収益と費用を売上高・売上原価・販売費及び一般管理費・営業外収益・営業外費用・特別利益・特別損失の7項目に分けて記載するよう定めています。このうち最初の2項目だけで計算するのが粗利です。
粗利から販売費及び一般管理費(販管費)を差し引いて求めた利益が、営業利益です。粗利は「商品やサービスそのものに値打ちがあるか」を、営業利益は「売るための費用と会社を回す費用まで負担して本業が回っているか」を示します。営業利益の法令上の範囲と区分ミスでぶれる構造は営業利益の計算式と販管費の区分ミスで数字がぶれる仕組みを解説した記事で扱っています。
粗利の計算式と粗利額・粗利率の求め方、売上高1億円の数値例で確認
粗利の計算は引き算1回です。ただ、差し引く「売上原価」が何を指すかは、業種によって中身が変わります。
粗利額は売上高から売上原価を引き、粗利率は粗利額を売上高で割る
粗利額と粗利率の計算式は次のとおりです。
粗利額=売上高−売上原価
粗利率(%)=粗利額÷売上高×100
売上高1億円、売上原価6,000万円の会社なら、粗利額は4,000万円、粗利率は40%です。粗利率は「売上高総利益率」とも呼ばれます。100円の商品を売るごとに40円が手元に残り、そこから人件費や家賃などの販管費を払う、という読み方をします。
粗利額と粗利率は、見る目的が違います。粗利額は販管費を払う原資の大きさで、粗利率は値付けと仕入れの効率です。薄利多売の商品は粗利率が低くても粗利額で会社を支えることがあり、率だけで商品の良し悪しを決めると判断を誤ります。目標の粗利率から売価を逆算する式や、値入率との違い、Excelでの計算式は粗利計算の方法と売価の逆算、値入率との違いを解説した記事で扱っています。
売上原価は期首在庫に当期仕入を足して期末在庫を引いた額になる
物販の会社では、売上原価は「その期に仕入れた金額」ではありません。財務諸表等規則第75条は、売上原価を期首棚卸高と当期商品仕入高(製造業なら当期製品製造原価)を足し、期末棚卸高を控除する形で記載するよう定めています。
売上原価=期首棚卸高+当期仕入高−期末棚卸高
期首の在庫が500万円、当期の仕入が6,300万円、期末の在庫が800万円なら、売上原価は6,000万円です。仕入れたのに売れ残った300万円分は、その期の費用ではなく資産(在庫)として翌期に繰り越されます。売った分の原価だけを売上と対応させる仕組みで、粗利が「売れた商品のもうけ」を表すのはこのためです。
仕入の側にも控除があります。同条に続く第79条は、総仕入高から仕入値引や戻し高を控除する表示を認めています。一方、代金を早く払ったことで受ける仕入割引は利息に近い性格のため、仕入高から引かず営業外収益に置くのが日本の会計実務での扱いです。仕入値引と仕入割引を取り違えると、粗利が変わります。
受託開発やサービス業の粗利で売上原価に入れる労務費と外注費の範囲
在庫を持たない受託開発やコンサルティング、制作業では、売上原価の中心は人件費と外注費です。案件に従事したエンジニアの給料と、協力会社への外注費を売上原価に入れ、営業担当や管理部門の給料は販管費に置きます。
ここで粗利率は、どこまでを原価に入れるかで大きく変わります。売上高1億円、エンジニアの人件費5,000万円、外注費1,000万円の会社なら、人件費を全額販管費に置くと粗利率は90%、工数に応じて全額を原価に振り替えると40%です。中小企業実態基本調査でも、情報通信業の売上原価のうち労務費は23.3%を占めています。どちらを採っても営業利益は変わりませんが、同業他社と粗利率を比べるときは、原価の範囲を揃えないと意味がありません。工数×賃率で労務費を案件に割り当てる手順はIT企業の売上原価の範囲と工数×賃率の手順を解説した記事で整理しています。
業種別の粗利率の目安、中小企業実態基本調査から算出した主要9業種の平均値
自社の粗利率が高いのか低いのかは、同じ業種の水準と比べないと判断できません。公的統計で業種別の平均を確かめます。
中小企業の粗利率は法人全体で25.2%、卸売業14.4%から飲食66.0%まで
中小企業庁の中小企業実態基本調査(令和7年確報=令和6年度決算実績)は、産業別に売上高と売上総利益を公表しています。この2つから粗利率を算出すると、次のようになります。
| 産業(法人企業) | 中小企業の粗利率 | うち小規模企業 |
|---|---|---|
| 法人企業全体 | 25.2% | 30.8% |
| 卸売業 | 14.4% | 11.9% |
| 製造業 | 20.9% | 28.7% |
| 建設業 | 25.1% | 30.6% |
| 小売業 | 29.5% | 30.5% |
| 不動産業,物品賃貸業 | 40.5% | 49.2% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 43.2% | 52.3% |
| 情報通信業 | 44.9% | 57.4% |
| 学術研究,専門・技術サービス業 | 54.5% | 70.3% |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 66.0% | 66.2% |
小規模企業の列は、同調査の参考表(小規模企業)の産業別の値です。法人全体を従業者数で分けると、5人以下が30.9%、51人以上が22.5%と、規模が大きいほど粗利率が下がる傾向が出ています。規模の大きい会社ほど卸売や量販のような薄利多売の業態の比重が高いためで、率の低さがそのまま収益力の低さを意味するわけではありません。
飲食業の粗利率が高く卸売業が低い理由と、比べる前に揃える3条件
宿泊業・飲食サービス業の粗利率が66.0%と突出しているのは、売上原価の中身が食材に偏っているためです。同じ統計で売上原価の内訳を見ると、商品仕入原価・材料費が80.6%を占め、労務費は7.0%にとどまります。調理や接客をする人の給料の大半は、売上原価ではなく販管費の側に計上されているわけです。卸売業の14.4%は、売上原価の93.4%が商品仕入原価で、仕入れた商品をほぼそのまま流す業態の構造を映しています。
自社の数字を表と比べる前に、次の3つを揃えてください。優先度の高い順です。
- 人件費を売上原価に入れているか、販管費に入れているか
- 複数の事業を営む場合、売上構成比で業種の平均を加重しているか
- 税抜経理か税込経理か(税込経理だと売上高と原価の両方が膨らむ)
1つめを揃えずに比べると、10ポイント以上の差が会計処理だけで生じます。統計の平均値は自社の目標ではなく、会計処理を揃えたうえでの「大きく外れていないか」の確認に使うものです。
月次や商品別の粗利が見えない原因、棚卸と原価未確定と按分の4つの壁
決算書の粗利は年に1回、監査や税務のチェックを経て確定します。ところが月次や商品別に粗利を見ようとすると、とたんに数字が怪しくなります。原因となるのは計算式ではなく、原価が確定するタイミングと、その原価の割り振り方です。
期末棚卸をしない月は売上原価が確定せず、月次の粗利が跳ねる仕組み
最も多い原因は棚卸です。前章の式のとおり、売上原価を出すには期末の在庫金額が要ります。年に1回しか実地棚卸をしない会社では、毎月の試算表に出る仕入高がそのまま原価のように見えてしまい、月次の粗利は仕入のタイミングで上下します。
繁忙期の前に在庫を積み増した月は仕入が膨らみ、粗利が赤字に見えることもあります。逆に在庫を取り崩した月は粗利が実態より大きく出ます。月次の粗利を信用できる数字にするための条件は、毎月末に在庫金額を確定させることです。倉庫の実地棚卸が毎月は難しい場合でも、在庫管理システムの帳簿在庫を使えば月次の売上原価は出せます。帳簿在庫と実在庫の差をどう管理するかは在庫管理の目的・発注方式と業務フローを解説した記事で扱っています。
もう1つ注意が必要なのは、在庫の値下がりです。財務諸表等規則第80条は、収益性の低下で棚卸資産の帳簿価額を切り下げた場合、その切下額を売上原価などの内訳として区分掲記するよう定めています。売れ残りの評価損を年度末にまとめて計上すると、その月の粗利だけが大きく落ちます。
仕入や外注費の請求が翌月にずれて原価が未確定のまま締める問題
2つめの原因は、原価の請求書が売上より遅れて届くことです。売上は納品した月に計上したのに、仕入先や外注先の請求書が翌月に届き、原価だけが1か月遅れで計上される。こうなると、売上の月は粗利が大きく、翌月は小さく出ます。
対策は、請求書を待たずに発注データや入荷データから原価を未払計上することです。発注時に単価が決まっている取引なら、入荷した時点で原価を確定させられます。単価が後から決まる外注費は、見積金額で仮計上し、請求書の到着時に差額だけを修正します。
事後の値引とリベートが売上計上の後に発生し、商品別の粗利を崩す
3つめは、売った後に発生する値引とリベートです。得意先から期末にまとめて販売奨励金(リベート)を求められたり、納品後に単価の値引を求められたりすると、すでに計上した売上が後から減ります。
会計上、顧客に支払うリベートは、収益認識基準を適用する会社では原則として売上高から減額して扱います。以前は販管費に置いていた会社が基準を適用すると、売上高と粗利が同時に下がる形です。取引価格の算定と変動対価の考え方は収益認識基準の5ステップと基幹システムの改修要件を整理した記事で解説しています。
商品別の粗利で問題になるのは、リベートが「得意先単位の年間取引額」に対して発生し、どの商品の売上から引くかが決まっていないことです。按分ルールがないままだと、全社の粗利は正しいのに、商品別の粗利を足しても全社と合わない状態になります。
運賃や倉庫費などの共通費を商品へ按分するルールの有無で結果が変わる
4つめは、複数の商品や案件にまたがる費用の割り振りです。仕入時の運賃(引取運賃)は、財務諸表等規則第79条のとおり仕入高に含めることができ、含めた場合は売上原価として粗利に影響します。1回の配送で10品目を運んだ運賃を、金額比で割るか、重量比で割るか、個数で割るかで、商品ごとの粗利は変わります。
按分は精密にするほど手間がかかります。実務では、粗利率に1ポイント以上影響する費目だけを按分の対象にし、それ以下の費目は販管費に置くと割り切るのが現実的です。どの基準で割ったかを画面や帳票に明記しておけば、営業担当と経理のあいだで「この商品は本当に赤字なのか」という議論が起きにくくなります。
商品別・案件別の粗利を販売管理システムで出す設計と、個別開発の判断
前章の4つの壁は、月末に経理が表計算で調整する運用だと、毎月どこかで漏れます。商品別・案件別の粗利を仕組みで出す設計を、データの持たせ方から示します。
売上明細の1行ごとに原価単価を持たせ、商品別の粗利を集計で出す設計
商品別の粗利を出す土台は、販売管理システムの売上明細です。売上伝票の明細1行ごとに、売上金額だけでなく、その時点の原価単価と原価金額を保存しておきます。こうしておけば、商品別・得意先別・担当者別の粗利は、明細を条件で絞って合計するだけで出せます。
| 明細の項目 | 例 | 粗利の集計での役割 |
|---|---|---|
| 商品コード・得意先コード | A-100/C-023 | 集計の切り口 |
| 数量・売上単価・売上金額 | 10個/1,200円/12,000円 | 売上高 |
| 原価単価・原価金額 | 720円/7,200円 | 売上原価 |
| 原価の確定区分 | 見込/確定 | 未確定の粗利を区別する |
| 按分済み費用 | 運賃按分 150円 | 共通費を商品へ割り振った額 |
設計の分かれ目は、原価単価をいつの値で持つかです。売上の時点の移動平均原価を保存する方式なら、後から仕入単価が変わっても過去の粗利は動きません。月末に総平均で原価を洗い替える方式は計算が正確な一方、月末まで商品別の粗利が確定しません。日々の値付けに粗利を使いたい卸売や小売は前者、月次の正確さを優先する製造業は後者が向いています。販売管理システムの標準機能とExcel管理との違いは販売管理システムの機能と選び方を解説した記事にまとめています。
案件別粗利の比較のために受注時の見込粗利と完了後の確定粗利を並べる管理
受託開発や工事、制作のように1件ごとに原価が積み上がる事業では、商品ではなく案件が集計の単位になります。ここで持たせたいのは、受注時点の見込粗利と、完了後の確定粗利の2つです。
見込粗利は見積書の原価積算から、確定粗利は工数の実績と外注費の請求から出します。2つを並べておくことで切り分けられるのは、「見積の段階で原価を甘く見ていたのか」「実行段階で工数が膨らんだのか」という案件ごとの原価のずれの原因です。進行中の案件は、月末時点の実績原価と残りの見込原価を足した着地見込で粗利を追うと、赤字案件に完了前に気づけます。工数の集計と原価差異の分析まで踏み込むなら、原価管理システムの機能と原価計算との違いを解説した記事で扱う原価管理側の仕組みと組み合わせる形になります。
販売管理システムを個別開発する判断と、パッケージや会計ソフトで足りる範囲
全社の粗利を月次で見るだけなら、会計ソフトと月末の在庫確定で足ります。商品別の粗利も、パッケージの販売管理システムが持つ粗利一覧の帳票で済むことが多く、この段階で個別開発は要りません。
個別開発が検討に値するのは、次のどちらかに当てはまる場合です。1つは、得意先別のリベートや共通費の按分に自社固有のルールがあり、パッケージの粗利帳票では全社と商品別の合計が合わない場合。もう1つは、受注・在庫・工数・外注の各データが別々のシステムにあり、案件別の粗利を出すために毎月表計算で突き合わせる作業が20時間を超えている場合です。こうした条件がそろう段階では、販売管理システム開発のように既存の在庫管理や会計システムとの連携を含めて設計できる相談先を選ぶと、商品別・案件別の粗利を全社の数字と一致させたまま出せます。
反対に、按分ルールがまだ社内で決まっていない段階で開発に進むのは見送ってください。システムはルールを速く正確に回す道具で、ルールを決めてはくれません。まず表計算で3か月、按分と原価確定の手順を回してから、仕組みに載せるのが順番です。
よくある質問
粗利について、意味や計算でよく挙がる質問に答えます。
粗利とは簡単に言うと何ですか?
売った商品やサービスそのもので得たもうけです。売上から、その商品を仕入れたり作ったりするのにかかった費用(売上原価)だけを引いた残りを指します。人件費や家賃、広告費といった会社を回すための費用は、まだ引いていません。1,000円で仕入れた商品を1,500円で売れば、粗利は500円です。決算書では「売上総利益」という名前で載っています。
粗利と売上総利益に違いはありますか?
違いはありません。粗利は社内や日常会話で使う通称で、売上総利益は損益計算書に載る正式な名称です。財務諸表等規則第83条と会社計算規則第89条が、売上高から売上原価を引いた額を売上総利益として表示するよう定めています。ただし、社内で「売上高−仕入高」の意味で粗利や荒利と呼んでいる会社もあるため、在庫の増減を反映した数字かどうかは確認が必要です。
粗利額と粗利率はどう使い分けますか?
粗利額は、人件費や家賃などの販管費を払う原資がどれだけあるかを見る数字です。粗利率は、値付けと仕入れの効率を見る数字で、規模の違う商品や会社を比べるときに使います。粗利率40%の商品を月100万円売るより、粗利率15%の商品を月1,000万円売るほうが粗利額は大きくなります。商品の取扱いを決めるときは、率と額の両方を並べて判断してください。
粗利がマイナスになることはありますか?
あります。売上原価が売上高を上回ると粗利はマイナスになり、損益計算書では「売上総損失」と表示します。会社計算規則第89条第2項が、売上総損益金額が零未満のときは売上総損失金額として表示するよう定めているためです。原価割れの価格で在庫を処分した期や、売れ残り在庫の評価損をまとめて計上した期に起こりやすく、本業の値付けそのものが成り立っていない兆候でもあります。
月次決算で粗利を正しく出すには何から始めればよいですか?
まず月末の在庫金額を確定させる手順を作ることです。在庫が確定しないと売上原価が出ず、月次の粗利は仕入のタイミングで上下します。次に行うのは、請求書が届いていない仕入や外注費を発注データから未払計上し、売上と原価の計上月を揃える処理です。この2つを締めの定型手順に組み込めば、月次の粗利は実態に近づきます。締め全体の進め方は月次決算を5営業日で締める手順を解説した記事で詳しく扱っています。
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