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障害者控除で住民税はいつから・どれくらい安くなる?控除額と年収別の減税額

障害者控除で住民税はいつから・どれくらい安くなる?控除額と年収別の減税額

障害者控除で住民税が安くなるのは、控除の対象になった年(その年の12月31日に障害者に該当した年)の翌年度分からです。年末調整で申告しても翌年の確定申告で申告しても同じで、会社員なら翌年6月支給の給与から天引き額が下がります。安くなる額は「住民税の控除額×所得割の税率10%」が基本で、一般障害者26万円なら年2万6,000円、特別障害者30万円なら3万円、同居特別障害者53万円なら5万3,000円です。課税所得が200万円以下の人は、多くの場合これに調整控除の上乗せ(500円・5,000円・1万1,000円)がつきます。

この記事では、住民税の減り方を先に整理したうえで、所得税と合わせて「結局いくら安くなるのか」を給与600万円・400万円の2パターンで試算します。障害者本人の合計所得が135万円以下なら住民税そのものがかからない非課税の線引き、障害者手帳の等級と控除区分の対応、手帳がなくても使える障害者控除対象者認定書、令和8年分から扶養の所得要件が62万円(給与136万円)へ引き上げられた影響までを、国税庁の資料と条文の原文にあたって整理します。

まとめ:障害者控除で住民税がいつから・どれくらい安くなるか

「控除額がそのまま戻る」わけではありません。実際の減税額は控除額に税率を掛けた金額です。ここを取り違えると、期待した金額と手取りの差に驚くことになります。

  • 住民税が安くなるのは、控除の対象になった年の翌年度分からです。年末調整でも翌年の確定申告でも同じで、会社員(特別徴収)なら翌年6月支給の給与から翌々年5月まで、12回に分けて反映されます。
  • 住民税の控除額は一般障害者26万円・特別障害者30万円・同居特別障害者53万円です。所得割10%を掛けた年2万6,000円・3万円・5万3,000円が住民税の減税額の基本で、月にならすとおよそ2,200円・2,500円・4,400円です。
  • 障害者控除を差し引く前の課税所得が200万円以下の人は、多くの場合、調整控除も500円・5,000円・1万1,000円増えます。均等割(標準で道府県民税1,000円+市町村民税3,000円)は控除では減りません。
  • 所得税の控除額は27万円・40万円・75万円で、住民税とは金額が違います。給与600万円の会社員が本人分の一般障害者控除を使うと、所得税と住民税をあわせて年およそ5万3,600円の減税です。本人が特別障害者なら約7万800円、同居特別障害者にあたる家族を1人扶養している場合は約10万900円です。
  • 障害者本人の前年の合計所得金額が135万円以下なら、住民税は所得割も均等割も課されません(地方税法第295条第1項第2号)。給与だけなら令和8年分は209万円以下が目安で、210万円になると年3万8,000円前後の住民税がかかり始めます。
  • 身体障害者手帳は1級・2級が特別障害者、3級から6級が一般障害者です。7級は等級表に載っていても、単独では手帳が交付されません。
  • 障害者手帳がなくても、65歳以上で市区町村長や福祉事務所長の認定(障害者控除対象者認定書)を受ければ対象になります。根拠は所得税法施行令第10条第1項第7号です。
  • 成年被後見人など事理を弁識する能力を欠く常況にある方と、寝たきりの状態にあたる方は、一般障害者ではなく特別障害者に区分されます。
  • 令和8年分から、扶養親族・同一生計配偶者の所得要件が58万円から62万円(給与収入だけなら123万円から136万円)へ引き上げられました。住民税も令和9年度分から同じ62万円です。
  • さかのぼれるのは、その年の12月31日時点ですでに障害者に該当していたのに申告し忘れていた場合です。今年手帳を取ったからといって、まだ該当していなかった過去年分に遡って適用することはできません。

住民税はどれくらい安くなる?|所得割10%で年2万6,000円〜5万3,000円

住民税の減税額は、住民税の控除額に所得割の税率(標準10%)を掛けた金額に、調整控除の増加分が加わる、という2段で決まります。調整控除が増えるのは、主に課税所得が200万円前後より低い人です。所得税のように税率が人によって変わらないので、所得税より読みやすいのが住民税側の特徴です。

区分 住民税の控除額 所得割の減少(10%) 月あたりの目安 調整控除の増加(例)
一般障害者 26万円 26,000円 約2,200円 500円
特別障害者 30万円 30,000円 2,500円 5,000円
同居特別障害者 53万円 53,000円 約4,400円 11,000円

月あたりの目安は、会社員の特別徴収(年税額を12回に分けて天引き)でならした金額です。100円未満の端数は初回の6月分にまとめられるため、6月分の差は平均と数百円ずれることがあります。調整控除の増加は、障害者控除を差し引く前の合計課税所得金額が200万円以下で、差し引いた後も人的控除差の合計を下回らない場合の金額です。

所得割10%の内訳|道府県民税4%+市町村民税6%

総務省の個人住民税の解説ページは、所得割の税率を「所得に対して10%(道府県民税が4%、市町村民税が6%)」とし、政令指定都市では道府県民税2%・市民税8%になると説明しています。どちらも合計は標準税率の10%です。ただし独自に税率を下げている自治体もあり、名古屋市は市の案内で「市民税7.7%、県民税2%」としています。合計9.7%なので、名古屋市では表の「所得割の減少(10%)」欄の97%が目安です。調整控除の増加分は97%にせず、市民税4%・県民税1%の計算式で別に求めます。

控除額そのものは地方税法第34条第1項第6号(道府県民税)と第314条の2第1項第6号(市町村民税)が定めており、一般障害者26万円・特別障害者30万円・同居特別障害者53万円です。所得税の27万円・40万円・75万円より小さいため、同じ人でも住民税側の減税額は所得税率10%の人の所得税分より少し小さくなります。

課税所得200万円以下なら調整控除で上乗せ|加算額は1万・10万・22万円

住民税にだけある上乗せが調整控除で、地方税法第37条(道府県民税)と第314条の6(市町村民税)に定めがあります。所得税と住民税で人的控除の額が違うことによる負担増を調整する税額控除です。

計算は、所得税と住民税の人的控除の差(人的控除差)の合計額と、合計課税所得金額のいずれか少ない金額に5%(道府県民税2%+市町村民税3%。指定都市は道府県民税1%+市町村民税4%)を掛ける、というものです。調整控除の対象者には、基礎控除に対応する計算上の人的控除差5万円があり、配偶者控除や扶養控除に対応する所定額も加わります。これらは改正後の所得税と住民税の控除額を単純に引き算した額とは限りません。障害者控除の差は次のとおりです。

  • 障害者である納税義務者、または障害者である同一生計配偶者・扶養親族を有する納税義務者:1人につき1万円
  • その障害者が特別障害者である場合:1人につき10万円
  • 同居特別障害者である同一生計配偶者・扶養親族を有する場合:1人につき22万円

この差に5%を掛けた500円・5,000円・1万1,000円が、表の「調整控除の増加(例)」です。この増加額になるのは、障害者控除前の合計課税所得金額が200万円以下で、控除後も人的控除差の合計額以上の課税所得が残る場合です。200万円を超えると「人的控除差の合計」から「合計課税所得金額−200万円」を差し引いた残りに5%を掛け、2,500円が下限になります。合計所得金額が2,500万円を超える人は調整控除そのものがありません。

効果が残る範囲は家族構成で変わります。独身で扶養のいない本人が障害者なら、障害者控除を差し引いた後の合計課税所得金額が一般障害者で201万円未満、特別障害者で210万円未満まで。同居特別障害者にあたる一般の扶養親族1人を扶養しているだけの人なら、227万円未満までです。それを超えると増加分は0円です。住民税の計算全体の組み立ては住民税はいくら?年収別早見表と均等割・所得割の内訳、市民税所得割額の確認方法【令和8年度】で確認できます。

控除では減らないもの|均等割と、所得割を超える部分

障害者控除は所得割の計算に使う所得控除なので、所得にかかわらず定額でかかる均等割は1円も減りません。総務省の同じページによると、均等割は標準で4,000円(道府県民税1,000円・市町村民税3,000円)で、令和6年度からは国税の森林環境税1,000円が併せて徴収されています。

もう1つの限界は、所得割がもともと少ない人です。控除前の所得割が1万5,000円しかない人が26万円の控除を受けても、減るのは所得割の1万5,000円までで、残りの控除は使われずに終わります。

障害者本人は合計所得135万円以下なら住民税がゼロ

障害者控除より先に確認すべき制度があります。地方税法第295条第1項第2号は、障害者・未成年者・寡婦・ひとり親について、前年の合計所得金額が135万円を超える場合を除き、市町村民税を課することができないと定めています。所得割だけでなく均等割も含めて非課税です(退職手当等に対する分離課税の所得割は除きます)。道府県民税についても第24条の5で同じ扱いが定められています。

給与収入だけの方なら、令和8年分は給与所得控除の最低保障額が74万円に引き上げられたため、およそ209万円までがこの非課税ラインの目安になります。住民税でも令和9年度分・10年度分は給与収入220万円以下の最低保障額が74万円です(千葉市「令和9年度から適用される個人市・県民税の主な改正点」)。令和11年度分以後は最低保障額が69万円に戻るため、目安は約204万円に下がります。

この135万円は所得控除を差し引く前の合計所得金額で判定します。障害者控除や社会保険料控除をいくら積み上げても、135万円の線は動きません。そのため線を少し越えた人は負担が段差で増えます。東京都の標準税率、社会保険料を給与の14.7%として計算すると、給与209万円なら住民税は0円ですが、給与210万円では合計所得金額が136万円となり、所得割3万3,000円(障害者控除26万円と調整控除3,000円を反映後)と均等割・森林環境税5,000円で、年3万8,000円前後がかかります。障害者本人が働いて給与を得ている場合、209万円を少し超える程度の収入増では、住民税が新たにかかる分だけ手取りの伸びが目減りします。

障害者控除とは|所得税27万〜75万円・住民税26万〜53万円を課税所得から差し引く制度

障害者控除は、所得税では所得税法第79条、住民税では地方税法第34条第1項第6号(道府県民税)および第314条の2第1項第6号(市町村民税)に定められた所得控除です。医療費控除のように支出を証明する必要はなく、その年の12月31日時点で所得税法施行令第10条に定める障害者に当たることが要件です。家族分を控除する場合は、その家族が同一生計配偶者または扶養親族(令和8年分は合計所得金額62万円以下)であることも必要です。

根拠条文と3区分の控除額早見表

控除額は障害の程度と同居の有無で3つに分かれます。所得税の金額は国税庁タックスアンサーNo.1160「障害者控除」(令和8年4月1日現在法令等)と同じです。所得税と住民税で金額が異なる点が、この制度でもっとも誤解されやすいところです。

区分 所得税の控除額 住民税の控除額 主な該当例
一般障害者 27万円 26万円 身体3〜6級/精神2・3級
特別障害者 40万円 30万円 身体1・2級/精神1級
同居特別障害者 75万円 53万円 特別障害者で同居の配偶者・扶養親族

同居特別障害者は、同一生計配偶者または扶養親族が特別障害者で、かつ納税者本人・その配偶者・生計を一にするその他の親族のいずれかと同居を常況としている場合の区分です。本人が特別障害者であっても、本人分は40万円(住民税30万円)にとどまります。同居特別障害者の75万円は、扶養する側が使う控除額だと理解してください。

この「同居を常況」の判定には注意点があります。国税庁の確定申告の手引きは、同居特別障害者を説明する箇所で「老人ホームなどへ入所している場合は、同居を常としているとはいえません」と明記しています。老人ホームに入所している親については、75万円ではなく特別障害者の40万円(住民税30万円)で判定します。一方、病院への入院については、質疑応答事例「『同居』の範囲(長期間入院している場合)」が、病気の治療のための入院である限り結果として1年以上の長期にわたっても同居として取り扱って差し支えない、としています。この事例は同居老親等の扶養控除の特例(租税特別措置法第41条の16)についての回答ですが、同じ「同居を常況」という文言の解釈です。

判定は12月31日時点の状態|年の途中で手帳を取得しても満額

障害者に該当するかどうかは、その年の12月31日時点の状態で判定します。月割りや日割りはありません。12月に障害者手帳の交付を受けた場合でも、その年分の控除は満額適用されます。逆に、11月に亡くなった方については、亡くなった時点の状態で判定します。

身体障害者手帳や戦傷病者手帳の交付申請中で年末までに交付が間に合わなかった場合も、申告書を提出する時点で交付を申請中か交付のための医師の診断書を持っていて、その年の12月31日時点で手帳の交付を受けられる程度の障害があると明らかであれば、控除の対象になります(所得税基本通達2-38、国税庁タックスアンサーNo.1186)。手帳の到着を待って翌年に回す必要はありません。

いくら戻る?年収別の減税額シミュレーション(令和8年分)

ここからは所得税と住民税を合わせた実際の金額で確かめます。前提は東京都在住・40歳未満の会社員で、一般障害者・特別障害者の行は独身で扶養のいない本人が障害者、同居特別障害者の行は同居する一般の扶養親族1人(扶養控除は所得税38万円・住民税33万円)が特別障害者というケースです。社会保険料は本人負担分を約14.7%としました。内訳は協会けんぽ東京支部の令和8年度保険料額表から算出した健康保険4.925%・子ども・子育て支援金0.115%・厚生年金9.15%に、雇用保険の労働者負担分を加えた概算です。所得税の基礎控除は国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」(令和8年4月)の改正後の金額を使い、障害者控除を適用しない場合との差額を減税額としています。

令和8年分と令和9年分の所得税の基礎控除は、合計所得金額489万円以下なら一律104万円(所得税法の62万円+租税特別措置法第41条の16の2の加算42万円)です。住民税の基礎控除は43万円のまま改正されていません。

給与600万円の会社員|一般5.4万円・特別7.1万円・同居特別10.1万円

給与収入600万円なら、給与所得控除は600万円×20%+44万円=164万円で、給与所得は436万円です。社会保険料はおよそ88万円。合計所得金額436万円は489万円以下なので、所得税の基礎控除は104万円です。

独身で扶養のいない場合、所得税の課税所得は436万円−88万円−104万円=244万円、税率10%(控除額9万7,500円)で税額は14万6,500円です。住民税の課税所得は436万円−88万円−43万円=305万円です。扶養親族が1人いる同居特別障害者の行は、ここから扶養控除を差し引いた所得税206万円・住民税272万円が出発点です。

区分 控除額(所得税/住民税) 所得税の減税額 住民税の減税額 調整控除の増加分 合計
一般障害者 27万円/26万円 27,567円 26,000円 0円 約53,600円
特別障害者 40万円/30万円 40,840円 30,000円 0円 約70,800円
同居特別障害者 75万円/53万円 43,903円 53,000円 4,000円 約100,900円

同居特別障害者の行では、75万円を差し引くと所得税の課税所得が206万円から131万円まで下がり、195万円以下の税率5%の帯に入ります。このため75万円×10%の7万5,000円ではなく、195万円を超える11万円分に10%、残る64万円分に5%がかかって4万3,000円の減少となり、1.021を掛けて4万3,903円です。住民税は課税所得が272万円から219万円に下がり、人的控除差の合計が10万円から32万円に増えるため、調整控除が2,500円から6,500円へ4,000円増えます。一般障害者・特別障害者の行で調整控除の増加分が0円なのは、住民税の課税所得が200万円を大きく超えているためです。

給与400万円の会社員|所得税率5%での減税額

同じ控除額でも、税率が変われば戻る金額は変わります。給与収入400万円なら給与所得控除は124万円で給与所得は276万円、社会保険料はおよそ59万円です。合計所得金額276万円も489万円以下なので、所得税の基礎控除は104万円です。

独身で扶養のいない場合、所得税の課税所得は276万円−59万円−104万円=113万円で、税率は5%です。住民税の課税所得は276万円−59万円−43万円=174万円で、200万円以下なので調整控除の加算がそのまま効きます。同居特別障害者の行は扶養控除を差し引いた所得税75万円・住民税141万円が出発点で、75万円の控除で所得税はちょうど0円になります。

区分 控除額(所得税/住民税) 所得税の減税額 住民税の減税額 調整控除の増加分 合計
一般障害者 27万円/26万円 13,783円 26,000円 500円 約40,300円
特別障害者 40万円/30万円 20,420円 30,000円 5,000円 約55,400円
同居特別障害者 75万円/53万円 38,287円 53,000円 11,000円 約102,300円

給与600万円のときと比べて一般障害者・特別障害者の所得税分がほぼ半分になっているのは、税率が10%から5%へ下がるためです。反対に住民税分は2つの年収でほとんど同じで、給与400万円のほうが調整控除の分だけ大きくなります。同居特別障害者の行では、合計も給与400万円(約10万2,300円)が給与600万円(約10万900円)を上回ります。600万円では控除の途中で所得税率が10%から5%に下がるのに対し、400万円では調整控除の加算が満額効くためです。「障害者控除でいくら戻るか」に単一の答えがないのは所得税の税率の段差のせいで、住民税だけなら控除額の10%というほぼ固定の答えがあります。

防衛特別所得税1%と復興特別所得税1.1%|令和9年分からも合計2.1%

令和8年度の税制改正で防衛特別所得税が創設され、源泉徴収義務者は所得税を徴収する際に、その所得税額の1%相当額を併せて徴収することになりました。同時に復興特別所得税の税率は2.1%から1.1%へ引き下げられ、課税期間が令和29年12月31日まで10年間延長されています。

国税庁は「改正前(復興特別所得税の税率2.1%)と改正後(防衛特別所得税の税率1%及び復興特別所得税の税率1.1%)とで、合計税率(2.1%)に変更はありません」と明記しています。適用は令和9年1月1日以後に生ずる所得からです。名前は2本になりますが、障害者控除の減税額を計算するときの1.021という係数は変わりません。

住民税はいつから安くなる?|控除を受けた年の翌年6月分から

障害者控除で最初につまずくのがここです。答えは「控除の対象になった年の翌年度の住民税から」です。令和8年分の控除なら、12月の年末調整で申告しても、翌年2〜3月の確定申告で申告しても、反映されるのは同じ令和9年度の住民税で、会社員なら令和9年6月支給の給与から実感できます。

住民税は前年所得への後払い課税

所得税はその年の所得にその年のうちに課される仕組みで、年末調整や確定申告で精算されます。これに対して住民税は、前年1月から12月までの所得に対して翌年度に課される後払いの税です。この1年のずれが、「所得税はすぐ戻ったのに住民税が変わらない」という感覚の正体です。

たとえば令和8年(2026年)分の所得について障害者控除を申告した場合、反映されるのは令和9年度(2027年度)の住民税です。

会社員は6月支給の給与から|特別徴収税額の決定通知書での確認

会社員の住民税は特別徴収といって、勤務先が毎月の給与から天引きして納めています。市区町村は5月ごろに「給与所得等に係る市町村民税・道府県民税 特別徴収税額の決定通知書」を勤務先経由で交付し、その税額を6月支給分から翌年5月支給分までの12回に分けて徴収します。

つまり、令和8年分の年末調整で障害者控除を申告したなら、住民税が軽くなるのは令和9年6月支給の給与からです。通知書には所得控除の内訳が印字されているので、障害者控除の欄に金額が入っているかをその場で確認できます。個人事業主など普通徴収の方は、6月ごろに届く納税通知書で確認します。

障害者控除の遡及申告|対象年の障害者該当要件

過去に申告し忘れていた場合、還付申告として対象年の翌年1月1日から5年間さかのぼって申告できます。すでに確定申告書を提出済みなら「更正の請求」となり、期限は法定申告期限から5年以内です。還付申告書を提出済みの場合は、国税庁タックスアンサーNo.2030のとおり、原則としてその還付申告書を提出した日から5年以内です。

ただし、さかのぼれるのはその各年の12月31日時点ですでに障害者に該当していた場合に限られます。国税庁の質疑応答事例「障害者控除の適用を受けることのできる年分」は、所得税基本通達2-38はその年の12月31日の現況における障害の実情に合わせて控除を認めるもので過去に遡及して適用を認める趣旨ではないため、障害者控除を遡及して適用することはできない、と回答しています。今年はじめて手帳の交付を受けた方が、まだ該当していなかった過去年分についてさかのぼることはできません。一方で障害者控除対象者認定書は過去年分について交付する自治体が多く、その場合は認定された年分について還付申告できます。

住民税は税務署から市区町村へ申告内容が回るため、原則として別途手続きをしなくても是正されます。地方税法第17条の5第4項は、税額を減少させる賦課決定は法定納期限の翌日から起算して5年を経過する日まですることができると定めており、所得税の還付申告の期間とほぼ足並みがそろっています。すでに納めた住民税が減額される場合は、市区町村から還付されます。

対象になる人|手帳の等級と控除区分の対応

誰が障害者にあたるかは所得税法施行令第10条第1項に7つの類型が、特別障害者にあたるかは同条第2項に6つの類型が列挙されています。手帳の等級だけで決まるわけではありません。

手帳・認定の種類 特別障害者 一般障害者
身体障害者手帳 1級・2級 3級から6級
精神障害者保健福祉手帳 1級 2級・3級
療育手帳(知的障害) 重度と判定 重度以外と判定
戦傷病者手帳 特別項症〜第3項症 第4項症以下
事理弁識能力を欠く常況 全員 該当なし
原爆被爆者の厚労大臣認定 全員 該当なし
寝たきりで複雑な介護が必要 全員 該当なし
65歳以上の市区町村長等の認定 認定の内容による 認定の内容による

身体障害者手帳の7級|単独では交付されない等級と重複時の6級

身体障害者障害程度等級表には7級まで記載がありますが、7級の障害が1つだけでは手帳は交付されません。身体障害者福祉法施行規則の別表第五号の備考2は「肢体不自由においては、七級に該当する障害が二以上重複する場合は、六級とする」と定めています。7級が2つ以上重なって6級となり、そこで一般障害者として障害者控除の対象になります。同じ備考3は「異なる等級について二以上の重複する障害がある場合については、障害の程度を勘案して当該等級より上の級とすることができる」とも定めているため、7級と6級以上の障害が重複する場合も等級が繰り上がることがあります。

そもそも別表第五号で7級の欄が置かれているのは上肢・下肢と、上肢機能・移動機能(脳原性運動機能障害)だけで、いずれも肢体不自由です。視覚・聴覚・音声言語・内部障害には7級の区分そのものがありません。したがって「7級単独では手帳が交付されない」という説明は、身体障害全体について当てはまります。

障害者控除は「身体障害者手帳に身体上の障害がある者として記載されている者」を対象としているため(所得税法施行令第10条第1項第3号)、手帳が交付されていない7級単独の状態では、この類型では控除を受けられません。

療育手帳の表記と重度判定|A・B/マルA・A1・A2の自治体差

療育手帳の判定区分は法律で全国統一されておらず、A・Bの2区分の自治体、マルAやA1・A2・B1・B2に細分している自治体などがあります。所得税法施行令第10条第2項第1号が特別障害者としているのは、児童相談所・知的障害者更生相談所・精神保健福祉センター・精神保健指定医の判定により「重度の知的障害者」とされた方です。手帳の記号ではなく重度判定かどうかで決まるため、判定区分の読み替えに迷うときは交付元の自治体に確認してください。

手帳がなくても対象になる5類型|施行令10条1項1・5・6・7号

所得税法施行令第10条第1項は、手帳を前提としない類型も定めています。次の最初の2つは同項第1号、3つ目以降は第5号・第6号・第7号です。

  • 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある方。成年被後見人はこれに該当します。この類型は手帳の有無にかかわらず特別障害者です(同条第2項第1号)。
  • 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により知的障害者とされた方。このうち重度と判定された方は特別障害者です。
  • 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律による厚生労働大臣の認定を受けている方。この方は特別障害者です。
  • 常に就床を要し、複雑な介護を要する方。この方も特別障害者です。
  • 精神または身体に障害のある65歳以上の方で、市町村長または特別区の区長の認定を受けている方。

寝たきりの方は一般障害者ではなく特別障害者

「常に就床を要し、複雑な介護を要する者」は、所得税法施行令第10条第1項第6号で障害者とされたうえ、同条第2項第5号で特別障害者にも掲げられています。つまり寝たきりの状態にあたると認められれば、自動的に特別障害者(所得税40万円・住民税30万円、同居していれば75万円・53万円)です。

ただし政令の条文自体に期間や介護の程度の定めはなく、要件は解釈通達で示されています。所得税基本通達2-39と国税庁タックスアンサー No.1160は「その年の12月31日の現況で引き続き6か月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする(介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にあると認められる)人」と定義しています。6か月以上の寝たきりであることと、排便等に介助を要する程度であることの両方が必要です。

障害年金と障害者控除の違い|受給だけでは控除の対象外

障害年金と障害者控除は、根拠となる法律も判定する機関も別の制度です。障害基礎年金・障害厚生年金を受給していても、それだけで所得税法上の障害者になるわけではありません。手帳の交付を受けるか、上記の類型のいずれかに当てはまる必要があります。

一方で、障害年金そのものは非課税です。国民年金法第25条は「租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない」と定めており、課税されるのは老齢基礎年金と付加年金だけです。厚生年金保険法第41条第2項も同じ趣旨を定めています。障害年金は所得に含まれないため、扶養に入れるかどうかを判定するときの合計所得金額にも算入しません。障害基礎年金2級を満額受給していても、それだけで扶養から外れることはなく、判定に使うのは給与所得やその他の課税される所得だけです。

障害者控除対象者認定書|65歳以上で手帳がない人の対象条件と申請

障害者控除対象者認定書は、手帳を持たない65歳以上の方が、自治体の認定により障害者控除を受けるための書類です。介護を受けている高齢の親を扶養している方にとっては、そのまま数万円の減税につながります。

障害者控除対象者認定の法的根拠|所得税法施行令第10条

条文は「精神又は身体に障害のある年齢六十五歳以上の者で、その障害の程度が第一号又は第三号に掲げる者に準ずるものとして市町村長又は特別区の区長(略)の認定を受けている者」と定めています。省略した括弧書きには、社会福祉法に定める福祉に関する事務所が老人福祉法の福祉の措置を行っている場合はその事務所の長とする旨が書かれており、自治体によっては福祉事務所長の認定になります。

第1号は事理を弁識する能力を欠く常況にある方と知的障害と判定された方、第3号は身体障害者手帳の所持者ですから、これらに準ずる状態だと市区町村長等が認めれば、手帳がなくても障害者控除を使えるという仕組みです。特別障害者に該当するかどうかは同条第2項第6号で同じく市区町村長等の認定によって決まります。認定書には「障害者」か「特別障害者」かが明記されるので、控除額はそこを見れば分かります。

要介護認定と障害者控除対象者認定の違い

要介護認定は介護保険法にもとづく手続きで、障害者控除対象者認定とは別の制度です。要介護認定を受けているだけでは控除の対象にならず、あらためて市区町村へ認定書の交付を申請する必要があります。

認定の基準は自治体ごとに定められています。江戸川区は「税法上の所得控除対象となる年の基準日(12月31日)現在、江戸川区内に住所を有する、65歳以上」を前提に、要介護4・5の方、または要介護1から3で発行基準に合致する方を対象としています。西東京市は身体障害の状態について「屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしでは外出しない」状態を障害者、「食事・排せつなどで何らかの介助を要し、日中もベッドの上で1日の大半を過ごす」状態を特別障害者とし、認知症等の状態については「日常生活に支障をきたすような症状または行動及び意思疎通の困難さが多少見られるが、誰かが注意していれば自立できる」状態を障害者としています。

江戸川区は要介護4・5を対象として明示し、要介護1から3は別の発行基準で判断します。西東京市は要介護度ではなく、日常生活の自立の程度を文章で示しています。基準が自治体ごとに違うため、要介護度が軽いというだけで諦めず、住所地の窓口に確認してください。高齢の親を扶養に入れる要件そのものは老人扶養控除の条件と金額|70歳以上の親は年金172万円以下・同居なら58万円【令和8年分】で整理しています。

障害者控除対象者認定書の申請先・必要書類・交付日数

窓口は市区町村の高齢者福祉担当課や介護保険担当課です。江戸川区の例では、障害者控除対象者認定申請書、控除対象者の介護保険被保険者証、医療保険証、個人番号カードなどのコピー、返信用封筒が必要とされています。交付までの日数は江戸川区でおおむね1週間、西東京市で約2週間が目安です。

認定は年ごとに、その年の12月31日時点の状態で行われます。江戸川区は基準日(12月31日)より前には発行せず、翌年1月から申請を受け付けています。このような自治体では年末調整に間に合わないため、翌年の確定申告(還付申告)で控除を受けます。受付開始の時期は住所地の自治体で確認してください。交付された認定書は申告書に添付する必要はなく、年末調整では扶養控除等(異動)申告書の「左記の内容」欄に認定区分と交付年月日を記入します。

認定書のデメリット|手帳との違いと毎年の申請の手間

「障害者控除対象者認定書を受けるとデメリットがあるのでは」という懸念をよく見かけますが、この認定書は税法上の障害者控除を受けるためだけのもので、障害者手帳とは異なります。手帳の交付を受けたことにはならず、認定書そのものが介護保険のサービス内容や年金の受給資格を変えることもありません。一方、認定書を使って障害者控除を申告し、住民税が非課税になったり課税所得が下がったりすると、介護保険料の段階など住民税の課税状況で決まる負担が軽くなる場合があります。認定書を持っているという事実が勤務先や他の役所に自動的に通知されることもありません。

申請の要否や認定書の対象年は自治体に確認してください。また、西東京市では介護保険の認定を受けていない方に医師の意見書が必要で、医療機関によって診断書料等がかかります。認定後は税の申告も必要です。認定書はあくまで申告のための証明書類です。

障害のある家族を扶養に入れる|令和8年分から所得要件が62万円に

ここは令和8年分から数字が変わった部分です。古い記事の数字をそのまま使うと、扶養に入れられるはずの家族を対象外と判断してしまいます。

58万円から62万円へ|給与だけなら123万円から136万円

国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」(令和8年4月、令和8年4月1日現在の法令等)によれば、令和8年度の税制改正で基礎控除額が引き上げられたことに伴い、扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件が次のように改正されました。カッコ内の給与収入は、給与所得控除の改正が令和8年分と令和9年分に限られるため、この2年分の金額です。

区分 改正後の所得要件(給与収入は令和8・9年分) 改正前の所得要件
扶養親族・同一生計配偶者 62万円以下(給与136万円以下) 58万円以下(給与123万円以下)
ひとり親の生計を一にする子 62万円以下(給与136万円以下) 58万円以下(給与123万円以下)
特定親族 62万円超123万円以下(給与136万円超197万円以下) 58万円超123万円以下(給与123万円超188万円以下)
配偶者特別控除の対象配偶者 62万円超133万円以下(給与136万円超207万円以下) 58万円超133万円以下(給与123万円超201万5,999円以下)
勤労学生 89万円以下(給与163万円以下) 85万円以下(給与150万円以下)

障害のある家族が働いて給与を得ている場合、これまで年収123万円を超えると扶養から外れていたところが、136万円まで扶養に入れられるようになりました。扶養親族に該当すれば、その家族分の障害者控除27万円から75万円を納税者本人の所得から差し引けます。金額ラインの全体像は年収の壁【2026年最新】178万円・136万円・130万円の一覧と手取りの分岐点にまとめています。

扶養の所得要件の改正の適用時期|令和8年分は12月の年末調整で精算

この改正は令和8年分以後の所得税について適用されますが、給与の源泉徴収事務では令和8年12月1日以後に支払う給与から適用される点に注意が必要です。国税庁は「令和8年11月までの給与等及び公的年金等の源泉徴収事務に変更は生じません」としており、令和8年分は12月に行う年末調整でまとめて精算されます。

この改正によって新たに扶養親族等の要件を満たすことになった家族について控除を受けるには、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」等の提出が必要です。年収が123万円から136万円の間にある家族がいるなら、令和8年分の年末調整のタイミングで必ず申告書を出し直してください。公的年金等の受給者の場合は、原則として確定申告が必要になります。

16歳未満の子の障害者控除|扶養控除がなくても適用

扶養控除は16歳以上の扶養親族が対象ですが、障害者控除に年齢制限はありません。障害のある子どもが15歳以下で扶養控除の対象にならない場合でも、障害者控除27万円(特別障害者40万円、同居していれば75万円)は適用できます。

年末調整の申告書では、16歳未満の子どもは「住民税に関する事項」の欄に記載しますが、障害者控除を受ける場合はそこに加えて障害者の欄への記載も必要です。扶養控除が取れないからと記入を省くと、障害者控除まで落としてしまいます。

国外に住む親族でも障害者なら扶養控除の対象

国外に住む親族については、年齢30歳以上70歳未満の方は原則として扶養控除の対象から外れています。ただし所得税法第2条第1項第34号の2および所得税法第120条第3項第3号の括弧書きは、障害者である場合をこの除外から明示的に外しています。国外に住む30歳以上70歳未満の家族でも、障害者であれば扶養控除と障害者控除の両方を適用できます。

申告のしかた|年末調整と確定申告

障害者控除は、会社員なら年末調整、個人事業主や年金受給者なら確定申告で申告します。どちらの場合も申告しなければ適用されません。年金収入が少ないなど所得税の確定申告をしなくてよい人でも、住民税に障害者控除を反映させるには、市区町村へ住民税の申告をします(翌年3月15日が期限)。

扶養控除等(異動)申告書C欄の書き方

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」のC欄「障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」に記入します。

  • 本人が障害者の場合:「障害者」の区分から一般の障害者か特別障害者かを選び、「本人」の列にチェックを入れます。
  • 同一生計配偶者・扶養親族が障害者の場合:該当する区分にチェックを入れ、右側の人数欄に人数を記入します。同居特別障害者に該当する場合は、特別障害者ではなく同居特別障害者の欄を使います。
  • 「左記の内容」欄に、対象者の氏名・続柄・障害の状態や手帳の種類と等級・交付年月日などを記入します。

確定申告書第一表・第二表の記入とe-Tax

確定申告書では、第一表の所得から差し引かれる金額の欄にある「勤労学生、障害者控除」の欄に控除額を記入し(勤労学生控除もあれば合計額)、第二表の「本人に関する事項」または「配偶者や親族に関する事項」で該当区分に印を付けます。第二表への記載を落とすと、第一表に金額を書いても控除が認められないことがあるので、必ず両方を埋めてください。

確定申告書等作成コーナーでは、本人分は本人に関する控除、配偶者・扶養親族分は親族に関する控除の入力画面で、該当する障害者区分などを入力します。金額は自動計算されるため、控除額そのものを入力する必要はありません。

手帳のコピー添付は原則不要

確定申告書に添付または提示が必要な書類は、所得税法第120条第3項に限定列挙されています。そこに挙がっているのは雑損控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除・地震保険料控除・寄附金控除の証明書類、非居住者である親族に係る書類、勤労学生控除の証明書類で、居住者の障害者手帳や認定書は含まれていません。ただし内容を確認できるよう手元に保管しておく必要があり、税務署から提示を求められることはあります。国外に住む親族について障害者控除を受ける場合は、同項第2号により親族関係書類と送金関係書類(生計を一にすることを明らかにする書類)の添付または提示が必要です。年末調整などで勤務先にすでに提出・提示した書類は、確定申告で改めて出す必要はありません。

年末調整では、勤務先が確認のためにコピーの提出を求めることがあります。これは法律上の義務ではなく社内手続きなので、原本の提示で足りるかどうかは担当部署に確認してください。

源泉徴収票の確認と申告漏れの訂正

年末調整で申告し忘れた場合、その年分については確定申告で控除を受けられます。会社から源泉徴収票を受け取ったら、障害者控除の欄が空欄でないかを確認してください。過去の年分の期限と手続き(まだ申告していない年分の還付申告と、申告済みの年分の更正の請求)は、前掲の「障害者控除の遡及申告」で説明しています。申告しないままでも罰則はありませんが、本来払わなくてよかった税金を払い続けることになります。手続きの流れは還付申告とは?確定申告との違いと会社員が出すべき5つの場面・5年の期限で確認してください。

相続税の障害者控除と他の所得控除との関係

相続税の障害者控除は別の制度

検索すると同じ「障害者控除」という名前で相続税の解説が出てきますが、これは所得税・住民税の障害者控除とはまったく別の制度です。相続税法第19条の4は、相続人が障害者である場合に、10万円(特別障害者は20万円)にその人が85歳に達するまでの年数を掛けた金額を相続税額から控除すると定めています。年数に1年未満の端数があるときは1年に切り上げます。

所得控除ではなく税額控除である点、金額の算定に年齢を使う点が大きな違いです。たとえば45歳の一般障害者なら10万円×40年で400万円が相続税額から直接差し引かれます。控除しきれない金額は扶養義務者の相続税額から差し引けます。所得税の障害者控除とは桁が違うため、混同したまま試算すると大きく外れます。

医療費控除・寡婦控除・ひとり親控除との併用

障害者控除は他の所得控除と併用できます。医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除はもちろん、寡婦控除やひとり親控除とも重ねて適用できます。ひとり親控除は所得税35万円・住民税30万円なので、障害のある子どもを育てているひとり親なら両方を使えます。要件の違いは寡婦控除とは?27万円の対象者とひとり親控除との違い・判定フロー【令和8年分】で整理しています。

ただし同じ扶養親族について、複数の納税者が重ねて障害者控除を受けることはできません。共働き世帯では、所得税率だけで扶養に入れる側を決めず、扶養控除と障害者控除、住民税の調整控除を含めた世帯全体の税額で比較してください。

障害者控除に関するよくある質問

障害者の控除額はいくらですか?

所得税は一般障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円です。住民税はそれぞれ26万円、30万円、53万円です。所得税と住民税で金額が違う点に注意してください。

障害者控除で税金はいくら安くなりますか?

控除額そのものではなく、控除額に税率を掛けた金額が減税額です。給与600万円の会社員が本人分の一般障害者控除を使う場合で、所得税と住民税をあわせて年およそ5万3,600円です。本人が特別障害者なら約7万800円、同居特別障害者にあたる家族を1人扶養している場合は約10万900円になります。所得税率が5%の帯(給与400万円程度)では、一般障害者で約4万300円です。住民税だけを見れば、所得割10%の人で一般障害者が年2万6,000円、特別障害者が3万円、同居特別障害者が5万3,000円です。

障害者は住民税を免除してもらえますか?

障害者本人の前年の合計所得金額が135万円以下なら、住民税は所得割も均等割もかかりません(地方税法第295条第1項第2号・第24条の5第1項第2号)。給与収入だけなら令和8年分は209万円以下が目安です。135万円の判定は所得控除を差し引く前の合計所得金額で行うため、障害者控除を使っても判定は変わりません。135万円を超えると、この障害者等の非課税の対象からは外れます(扶養親族の人数に応じた一般の非課税基準に当てはまれば、そちらで非課税になる場合はあります)。

障害者控除の対象となる人は?

障害者手帳(身体・精神・療育)の交付を受けている方のほか、成年被後見人など精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある方(この方は特別障害者です)、戦傷病者手帳の交付を受けている方、原子爆弾被爆者として厚生労働大臣の認定を受けている方、常に就床を要し複雑な介護を要する方、65歳以上で市区町村長等の認定を受けた方が対象です。本人だけでなく、同一生計配偶者や扶養親族が該当する場合も納税者本人の所得から控除できます。

障害者手帳を持っていると税金控除は受けられますか?

受けられます。身体障害者手帳なら1級・2級が特別障害者、3級から6級が一般障害者、精神障害者保健福祉手帳なら1級が特別障害者、2級・3級が一般障害者です。ただし手帳を持っているだけでは自動的に適用されず、年末調整または確定申告での申告が必要です。

障害者控除で住民税はいつから安くなりますか?

控除の対象になった年の翌年度の住民税から安くなります。年末調整で申告しても翌年の確定申告で申告しても同じです。住民税は前年の所得に対して課される後払いの税だからです。会社員(特別徴収)なら翌年6月支給の給与から翌々年5月支給分まで、12回に分けて反映されます。5月ごろに勤務先経由で届く特別徴収税額の決定通知書で、障害者控除が反映されているかを確認できます。

障害者手帳の7級はどのくらいの控除になりますか?

7級の障害が1つだけでは身体障害者手帳が交付されないため、手帳を根拠とする障害者控除は受けられません。身体障害者福祉法施行規則の別表第五号の備考2により、肢体不自由では7級に該当する障害が2つ以上重複した場合に6級となり、そこで手帳が交付されて一般障害者(所得税27万円・住民税26万円)の対象になります。なお別表第五号で7級の欄があるのは肢体不自由だけで、視覚・聴覚・内部障害には7級の区分自体がありません。

障害者控除はさかのぼって申告できますか。申告しないとどうなりますか?

その年の12月31日時点ですでに障害者に該当していた年分なら、還付申告として対象年の翌年1月1日から5年間さかのぼれます。すでに確定申告書を提出済みの場合は更正の請求となり、法定申告期限から5年以内(還付申告書を提出済みなら原則その提出日から5年以内)が対象です。今年はじめて手帳の交付を受けた方が、まだ該当していなかった過去年分に遡って適用することはできません(国税庁質疑応答事例「障害者控除の適用を受けることのできる年分」)。住民税は連動して是正され、納め過ぎた分は還付されます。申告しないこと自体に罰則はありませんが、控除は自動では適用されないため、申告しない限り税負担は軽くなりません。

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