監査委員会は、指名委員会等設置会社に必ず置かれる3つの委員会の一つで、執行役と取締役の職務執行を監査し、監査報告を作成する機関です。委員は3人以上の取締役で、その過半数は社外取締役でなければなりません。似た名前の監査等委員会や、独任制の監査役とは、権限の持ち方が違います。この記事では、会社法400条〜408条と会社法施行規則の条文をもとに、構成要件、権限の帰属先、運営の実務、他制度との違い、2026年時点の採用状況と法制審議会で検討中の見直し案を整理します。
まとめ|監査委員会の権限・構成と他制度との違い
- 設置される会社:指名委員会等設置会社だけ(会社法2条12号)。監査役は置けず、会計監査人は必置です(327条4項・5項)。
- 構成:取締役の中から取締役会が選定した3人以上の委員で、過半数が社外取締役(400条1項〜3項)。常勤者を置く法的義務はありません。
- 職務:執行役等の職務執行の監査と監査報告の作成、会計監査人の選解任・不再任議案の内容決定(404条2項)。
- 権限の帰属:調査権は「監査委員会が選定する監査委員」が行使し(405条)、取締役会への報告義務と差止請求は各監査委員が単独で持ちます(406条・407条)。
- 監査役との違い:監査委員は取締役なので取締役会で議決権を持ち、任期は1年(332条6項)。監査役は独任制で任期4年です。
- 採用状況:2026年7月14日時点で指名委員会等設置会社はプライム市場1,551社中83社(5.4%)、全上場会社では101社(2.7%)です。
監査委員会の定義と構成要件|指名委員会等設置会社の三委員会
会社法2条12号は、指名委員会等設置会社を「指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社」と定義しています。3つの委員会は取締役会の内部機関で、監査委員会だけを単独で置くことはできません。取締役会は経営の監督に専念し、業務執行は取締役会が選任する執行役が担います(402条・416条)。このため監査委員会の監査対象は、取締役だけでなく執行役にも及びます。
機関設計のうえでは、指名委員会等設置会社は監査役を置けず(327条4項)、監査等委員会も置けません(同条6項)。会計監査人は必ず置かなければなりません(同条5項)。法律が必置とするのは機関までで、内部監査部門を含む具体的な連携体制は各社が整備します。
委員3人以上・過半数社外・取締役会による選定
各委員会の構成は400条が定めています。
- 委員3人以上で組織する(1項)
- 委員は取締役の中から取締役会の決議で選定する(2項)
- 委員の過半数は社外取締役でなければならない(3項)
監査役や監査等委員が株主総会で選任されるのに対し、監査委員は株主総会で取締役に選ばれた人の中から、取締役会が委員に「選定」します。取締役会はいつでも決議で委員を解職できます(401条1項)。一人の取締役が指名委員と監査委員を兼ねることは禁じられておらず、社外取締役が3委員会すべてに名を連ねる会社もあります。
監査委員になれない人|400条4項の兼任禁止
監査委員には、監査される側の立場を兼ねられないという制限があります。400条4項により、次の者は監査委員を兼ねることができません。
- 指名委員会等設置会社またはその子会社の執行役・業務執行取締役
- 子会社の会計参与(法人の場合はその職務を行う社員)
- 子会社の支配人その他の使用人
親会社本体の支配人・使用人が抜けているように見えますが、331条4項が「指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない」と定めているため、取締役である時点で本体の使用人は兼ねられません。取締役の欠格事由(331条1項)も当然に及びます。
監査委員の任期と常勤者の設置義務
指名委員会等設置会社の取締役の任期は、原則として選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までで、定款または株主総会決議による短縮も可能です(332条1項・6項)。監査委員も取締役なので、委員としての地位は毎年の取締役選任と取締役会の選定を経て更新されます。
常勤の委員を置く義務はありません。監査役会設置会社では「監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない」(390条3項)のに対し、400条には常勤に関する定めがありません。それでも実務では常勤者を置く会社が多数派です。日本監査役協会の第26回年次調査(2025年7〜8月実施、指名委員会等設置会社の回答34社)では、常勤の監査委員がいる指名委員会等設置会社は回答会社全体で70.6%(前年75.7%)、上場会社で69.7%でした。同じ調査で監査等委員会設置会社は97.6%に常勤の監査等委員がいます。
監査委員会の職務と権限|404条〜408条の条文と行使主体
監査委員会の権限を理解するときに押さえるべきなのは、「誰が行使するか」が条文ごとに違う点です。委員会として決議するもの、委員会が選定した監査委員が行使するもの、各監査委員が単独で持つものの3層に分かれます。
| 権限・義務 | 根拠条文 | 行使する主体 |
|---|---|---|
| 執行役等の職務執行の監査・監査報告の作成 | 404条2項1号 | 監査委員会(決議) |
| 会計監査人の選解任・不再任議案の内容決定 | 404条2項2号 | 監査委員会(決議) |
| 会計監査人の報酬等への同意 | 399条1項・4項 | 監査委員会 |
| 計算書類・事業報告の監査 | 436条2項 | 監査委員会 |
| 報告徴収・業務財産調査(子会社を含む) | 405条1項・2項 | 選定監査委員 |
| 役員との訴訟での会社代表 | 408条1項2号 | 選定監査委員 |
| 不正行為等の取締役会への報告義務 | 406条 | 各監査委員 |
| 違法行為の差止請求 | 407条1項 | 各監査委員 |
| 監査報告への個別意見の付記 | 施行規則131条1項 | 各監査委員 |
監査報告の作成と記載事項
監査委員会の監査報告は、委員会の決議で内容を定める1通の報告書です(会社法施行規則131条2項)。監査役会設置会社のように各監査役が監査報告を作ったうえで監査役会の監査報告をまとめる二段構えではありません。記載事項は131条1項が次のとおり定めています。
- 監査委員会の監査の方法及びその内容
- 事業報告等が法令・定款に従い会社の状況を正しく示しているかどうかについての意見など、129条1項2号〜6号の事項
- 監査報告を作成した日
委員会の多数意見と異なる意見を持つ監査委員は、その意見を監査報告に付記できます(131条1項後段)。少数意見を消さない仕組みが、合議制の監査に組み込まれています。計算書類については、会計監査人の監査報告を受けて監査委員会が別途監査報告を作成します(会社計算規則129条)。
会計監査人の選解任議案と報酬同意
株主総会に提出する会計監査人の選任・解任・不再任の議案は、取締役会ではなく監査委員会が内容を決めます(404条2項2号)。取締役会は監査委員会が決めた内容の議案を総会に提出する立場になります。会計監査人の報酬等を執行役等が定めるときは監査委員会の同意が必要です(399条4項)。会計監査人が職務中に執行役・取締役の不正や重大な法令違反を見つけたときの報告先も監査委員会です(397条5項)。会計監査人の選任・任期全般は会計監査人の設置義務と選任・任期で解説しています。
選定監査委員の調査権と訴訟代表
405条1項は「監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、執行役等及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は指名委員会等設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる」と定めます。監査委員であれば誰でも調査できるわけではなく、委員会が選定した委員に限られます。選定監査委員は、調査に関する事項について監査委員会の決議があればそれに従わなければなりません(405条4項)。子会社への調査も同じ選定監査委員が行い、子会社は正当な理由があれば拒めます(同条2項・3項)。
会社が執行役・取締役を訴える(またはその逆の)訴訟では、原則として監査委員会が選定する監査委員が会社を代表します(408条1項2号)。訴えの当事者が監査委員自身である場合は、取締役会が定める者(株主総会が定めればその者)が代表します(同項1号)。
各監査委員が単独で持つ報告義務と差止請求権
独任制を採らない監査委員会でも、急を要する2つの権限は各監査委員に直接与えられています。406条は、執行役・取締役の不正行為やそのおそれ、法令・定款違反、著しく不当な事実を認めたとき、監査委員に「遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない」義務を課しています。407条1項は、執行役・取締役の違法行為で会社に著しい損害が生じるおそれがあるとき、監査委員がその行為の差止めを請求できると定め、裁判所が仮処分で差止めを命じるときは担保を立てさせません(同条2項)。
情報が入ってくる方向も条文で決まっています。執行役は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは直ちに監査委員に報告しなければなりません(419条1項)。
監査委員会の運営実務|取締役会決議事項と内部監査部門
監査委員の過半数は社外取締役で、常勤者の有無にかかわらず継続的な情報収集が必要なため、監査委員会の監査は内部統制システムと内部監査部門の報告を通じて行う組織監査が前提です。日本監査役協会も、監査委員会の監査の権限は「基本的には監査委員会に帰属し、いわゆる「独任制」は採られていません」と説明しています。そのため、委員会が情報を得る経路を取締役会決議で固めておくことが、監査の実効性を左右します。同協会は監査手続の実務指針として「監査委員会監査基準」(2005年制定・2022年8月1日最終改定)を公表しています。
取締役会が決める「監査委員会の職務の執行のため必要な事項」
416条1項1号ロは、取締役会に「監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項」を決定させ、同条2項・3項で決定を義務づけ、取締役への委任を禁じています。中身は会社法施行規則112条1項の7項目です。
- 監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項
- その取締役・使用人の執行役からの独立性に関する事項
- 補助者に対する監査委員会の指示の実効性の確保に関する事項
- 取締役・執行役・使用人や子会社の役職員が監査委員会に報告するための体制
- 報告した者が不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
- 監査委員の職務執行について生ずる費用の前払・償還の手続等に係る方針
- その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
常勤の監査委員を置かない会社では、1号の補助者と4号の報告体制が監査の生命線になります。内部監査部門から監査委員会への直接の報告経路がない体制は、執行側に不都合な情報が届きにくくなるため、採用すべきではありません。内部監査部門の監査計画の承認や部門長の人事への同意権を監査委員会に持たせるかどうかは、この決議の中で決める論点です。内部統制の全体像は内部統制の4つの目的と6つの基本的要素で整理しています。
監査委員会の招集・決議要件と議事録の保存
監査委員会の運営手続は、3委員会共通の410条〜413条に従います。
- 招集:各委員が招集できる(410条)。通知は会日の1週間前まで、取締役会で短縮も可(411条1項)。委員全員の同意があれば招集手続を省略できる(同条2項)
- 執行役等の出席義務:委員会の要求があれば出席し、求められた事項を説明しなければならない(411条3項)
- 決議:原則として議決に加われる委員の過半数が出席し、その過半数で決する。取締役会でこれらを上回る割合を定めた場合は、その割合による。特別の利害関係を持つ委員は加われない(412条1項・2項)
- 議事録:会日から10年間本店に備え置く(413条1項)。取締役は閲覧・謄写ができる(同条2項)
現行法では、監査対象である執行役を兼ねる取締役も監査委員会の議事録を閲覧できます。この点は後述の法制審議会の見直し案で取り上げられています。
監査委員会・監査等委員会・監査役会の違い|権限と独立性の比較
3つの監査機関は、いずれも取締役等の職務執行を監査し監査報告を作りますが、構成員の地位、選び方、権限の持ち方が違います。
| 項目 | 監査委員会 | 監査等委員会 | 監査役会 |
|---|---|---|---|
| 置かれる会社 | 指名委員会等設置会社 | 監査等委員会設置会社 | 監査役会設置会社 |
| 構成員の地位 | 取締役 | 取締役 | 監査役(取締役ではない) |
| 選び方 | 取締役会が取締役から選定 | 株主総会が他の取締役と区別して選任 | 株主総会が選任 |
| 人数・社外要件 | 3人以上・過半数が社外取締役 | 3人以上・過半数が社外取締役 | 3人以上・半数以上が社外監査役 |
| 任期 | 1年 | 2年(短縮不可) | 4年 |
| 常勤者 | 義務なし | 義務なし | 常勤監査役の選定が必須 |
| 監査対象 | 執行役と取締役 | 取締役 | 取締役 |
| 権限の帰属 | 委員会(組織監査) | 委員会(組織監査) | 各監査役(独任制) |
| 取締役会での議決権 | あり | あり | なし |
公開会社である大会社は、監査等委員会設置会社か指名委員会等設置会社を選ばない限り監査役会と会計監査人を置かなければなりません(328条1項)。つまり監査役会は強制ではなく、3つの監査機関のどれか1つを選ぶ形です。根拠条文は、構成が400条・331条6項・335条3項、任期が332条6項・332条1項と4項・336条1項、常勤が390条3項です。機関設計そのものの選び方や移行手続は、監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社の違いで比較しています。
監査委員と監査等委員の違い|選任方法と意見陳述権
名前が似ている監査委員と監査等委員の最大の違いは、誰が選ぶかです。監査等委員は株主総会で他の取締役と区別して選任されます(329条2項)。任期は2年で、定款や総会決議で短縮できません(332条1項・4項)。監査委員は取締役会がいつでも選定・解職でき、任期は他の取締役と同じ1年です。
この差は株主総会での発言権にも表れます。監査等委員は、監査等委員の選任・解任・辞任について株主総会で意見を述べることができ(342条の2第1項)、監査等委員会は他の取締役の選任等や報酬等について意見を決定し、選定された監査等委員が株主総会でその意見を述べられます(399条の2第3項3号、342条の2第4項、361条6項)。監査委員会にはこうした意見陳述権がありません。監査等委員会の権限の詳細は監査等委員会設置会社の仕組みとメリットを参照してください。
監査役(独任制)との違い|議決権と監査の範囲
監査役は取締役会に出席して意見を述べますが、議決権はありません。これに対し監査委員は取締役として取締役会の決議に加わり、経営判断そのものに賛否を示します。監査役の監査が適法性監査を中心に論じられてきたのに対し、監査委員は取締役会の監督機能の一翼として、執行の妥当性にも関与する立場にあります。
もう一つの違いが独任制です。監査役は一人ひとりが監査権限を持ち、監査役会の決定も「監査役の権限の行使を妨げることはできない」(390条2項ただし書)とされています。監査委員の調査権は委員会の選定を経て初めて行使でき、委員会の決議に従う義務があります(405条4項)。常勤監査役の役割については常勤監査役の設置義務と役割で詳しく扱っています。
自治体の監査委員・米国の監査委員会との区別
「監査委員会」「監査委員」で検索すると、会社法とは無関係の制度が混ざります。条文上の根拠がまったく違うので、読んでいる資料がどれを指しているかを最初に確認してください。
地方自治法の監査委員
都道府県や市町村に置かれる監査委員は、地方自治法195条1項「普通地方公共団体に監査委員を置く。」に基づく独任制の執行機関です。定数は都道府県と政令で定める市が4人、その他の市町村が2人で、条例で増やせます(195条2項)。首長が議会の同意を得て、識見を有する者と議員から選任するのが原則ですが、条例で議員から選任しないこともできます(196条1項)。監査の対象は自治体の財務に関する事務の執行と経営に係る事業の管理で(199条1項)、株式会社の監査委員会とは設置根拠も選任方法も異なります。東京都監査事務局も、監査委員は「独任制の機関」で、他の行政委員会と違って委員会制をとっていないため委員長を置いていないと説明しています。
米国上場会社のaudit committee|独立性要件と財務専門家の開示
米国の上場会社には、取締役会の中に独立取締役だけで構成するaudit committeeを置くことが求められます。2002年のサーベンス・オクスリー法301条を受けたSEC規則10A-3は、委員全員が取締役であり独立していること((b)(1))と、委員会が外部監査人の選任・報酬・継続・監督に直接責任を負うこと((b)(2))を求め、満たさない発行体の上場を認めないよう取引所の規則に組み込ませています(例外規定あり)。日本の監査委員会は過半数社外で足りるのに対し、米国の上場規則は全員独立を求める点が大きな違いです。さらにSEC規則S-K Item 407(d)(5)は、監査委員会に財務専門家(audit committee financial expert)が少なくとも1人いるかどうかを取締役会の判断として開示させ、いる場合は氏名と独立性も開示させています。
採用状況と2026年の会社法見直し|監査委員会に関わる3つの案
東京証券取引所が2026年7月21日に公表した「東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び指名委員会・報酬委員会の設置状況」(2026年7月14日時点のコーポレート・ガバナンス報告書に基づく)では、指名委員会等設置会社はプライム市場1,551社中83社で5.4%(前年比+0.3pt)でした。全上場会社3,708社では101社で2.7%、JPX日経400では43社で10.9%です。プライム市場では監査等委員会設置会社が784社(50.5%)、監査役会設置会社が684社(44.1%)で、法定の3委員会を置く会社は少数にとどまります。日本取締役協会の2026年8月1日時点のリストも101社(プライム83社・スタンダード14社・グロース4社)で一致しています。
法務省の法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会は、2026年3月18日の第12回会議で中間試案を取りまとめ、パブリックコメントを経て要綱案の取りまとめに向けた検討に入っています。8月26日の第17回会議に提出された部会資料15は、指名委員会の決定を取締役会が変更できるようにする案と並んで、監査委員会について次の3点の規律を検討事項に挙げました。
- 執行役を兼ねている取締役と業務を執行した取締役は、監査委員会の議事録を閲覧・謄写できないものとする(現行413条2項は全取締役に認めている)
- 各委員会の委員に選定する予定の取締役を株主総会参考書類に記載し、予定どおり選定されなかった場合や解職・辞任した場合は、その旨と理由を事業報告に記載する
- 監査委員会の職務を補助すべき取締役や常勤・非常勤の使用人(監査補助者)を置くかどうかを、監査委員会が判断する(施行規則112条1項1号の改正を想定)
同資料は、監査委員を解職・辞任した者に株主総会での意見陳述権を認める案については、監査委員の選定が株主総会でなく取締役会の権限であることを踏まえ、提案していません。2026年9月30日時点で公表されている最新の会議は第17回で、いずれも要綱案の取りまとめに向けた検討段階の案です。法改正は成立していません。現行法の運用と検討中の案は分けて扱ってください。見直しの全体像は両制度の違いと会社法改正動向でも解説しています。
監査委員会に関するよくある質問
監査委員になれない人は誰ですか?
会社またはその子会社の執行役・業務執行取締役、子会社の会計参与、子会社の支配人その他の使用人は監査委員を兼ねられません(会社法400条4項)。会社本体の使用人は、331条4項で指名委員会等設置会社の取締役自体が兼ねられないため、監査委員にもなれません。
監査委員会と監査役会の違いは何ですか?
監査委員は取締役会で議決権を持つ取締役で、権限は委員会に帰属します。監査役は取締役ではなく議決権を持たず、一人ひとりが監査権限を持つ独任制です。任期も監査委員が1年、監査役が4年と異なり、常勤者の選定は監査役会にだけ義務づけられています。
監査委員会に常勤の委員は必要ですか?
法律上の義務はありません。常勤者の選定を義務づけているのは監査役会設置会社だけです(390条3項)。常勤者を置かない場合は、取締役会が施行規則112条1項に基づいて決める補助者や報告体制を厚くし、内部監査部門からの情報経路を確保することが前提になります。
監査委員会と監査等委員会はどちらが多いですか?
2026年7月14日時点のプライム市場では、監査等委員会設置会社が784社(50.5%)、指名委員会等設置会社が83社(5.4%)です。監査委員会を置く会社は監査等委員会を置く会社の1割程度にとどまります。
自治体の監査委員と会社の監査委員会は同じものですか?
別の制度です。自治体の監査委員は地方自治法195条に基づき首長が議会の同意を得て選任する独任制の機関で、会社法上の監査委員会は取締役会が取締役の中から選定する委員の会議体です。