独立役員とは、一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役または社外監査役のことで、東京証券取引所(東証)は上場会社に1名以上の確保を義務づけています。確保の状況は「独立役員届出書」で東証に届け出て、公衆縦覧に供されます。東証は2026年7月に独立性基準を拡充し、実務の手引きである「独立役員の確保に係る実務上の留意事項」も2026年7月版に改訂しました。この記事では、独立役員の定義と社外取締役との違い、独立性基準の中身、独立役員届出書の記載項目と提出時期、2026年改訂の適用開始日までを、東証の一次資料に沿って整理します。
まとめ|独立役員の要件と届出書の提出時期
- 定義:一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役・社外監査役。上場規程436条の2で1名以上の確保が義務、445条の4で「取締役である独立役員」1名以上の確保が努力義務です。
- 要件:会社法上の社外性を満たしたうえで、上場管理等に関するガイドラインⅢ5.(3)の2の独立性基準(A〜H)に抵触しないこと。抵触しなくても、実質的に利益相反のおそれがあれば指定できません。
- 届出書の提出時期:株主総会で構成が変わる場合はその2週間前まで(招集通知や電子提供措置資料との同時提出を東証が選択肢として例示)。期中の新規指定・指定解除は変更日の2週間前まで。独立性基準に事後的に抵触したら直ちに再提出します。
- 2026年7月改訂:主要株主本人とその業務執行者、親会社の監査役・会計参与(過去10年以内)などが独立性基準に加わり、政策保有株式の保有関係が属性情報(l・m)に加わりました。2026年12月1日以後に終了する事業年度の定時株主総会の翌日から順次適用されます。
- 違反時:公表措置、上場契約違約金、改善報告書の徴求、特別注意銘柄への指定などの実効性確保手段の対象になります。急病などで一時的に不在になっただけなら、直ちに公表措置とはならないのが基本です。
独立役員の定義と上場規程が課す確保義務
東証の「独立役員の確保」ページは、独立役員を「一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役又は社外監査役」と定義しています。独立役員の確保は、上場規程の企業行動規範のうち、違反すると実効性確保手段の対象になる「遵守すべき事項」に置かれています。
436条の2の確保義務と445条の4の努力義務
上場規程は義務の強さで3つの規定を分けています。独立役員を1名以上確保する義務(436条の2)、社外取締役を1名以上確保する義務(437条の2)、そして取締役である独立役員を1名以上確保する努力義務(445条の4)です。社外監査役1名だけを独立役員に指定しても436条の2は満たしますが、取締役の独立役員を置く努力は求められます。
要件を満たす社外役員が複数いても、全員を独立役員に指定する義務はありません。ただし全員を指定しない場合は、指定しない社外役員についても独立性基準への該当状況と属性情報を届出書に書く必要があります。指定の決定方法は取締役会決議に限らず各社で定めてよく、本人の同意を書面などで得ておくことが前提です。
独立役員が欠けたときの実効性確保手段
1名以上の確保や適切な届出ができていない場合、東証は企業行動規範違反として公表措置、上場契約違約金の徴求、改善報告書・改善状況報告書の徴求、特別注意銘柄への指定などを講じることがあります。適用するかどうかは、不在になった事情と今後の方針からケースバイケースで判断されます。留意事項(2026年7月版)は、急病などやむを得ない事情で一時的に不在になっただけなら、直ちに公表措置等を行う判断にはならないとしています。一方で、不在の状態は436条の2違反なので、東証の適時開示FAQは「その他重要な発生事実」として、不在になった日・経緯・今後の方針を開示し、候補者の選任を決めた時点でも開示するよう求めています。独立役員が1名しかいない会社は、辞任や独立性基準への事後的な抵触に備えて、次の候補者の独立性確認を先に済ませておくと空白期間を短くできます。
社外取締役・独立社外取締役・独立役員の違い
3つの用語は、根拠となるルールと義務の強さが違います。会社法の「社外取締役」は法律上の資格、「独立役員」は東証規則上の指定、「独立社外取締役」はコーポレートガバナンス・コード(CGコード)が使う呼び方です。
| 区分 | 根拠 | 対象者 | 求められる数 | 守らない場合 |
|---|---|---|---|---|
| 社外取締役 | 会社法2条15号・327条の2 | 取締役 | 1名以上(※1) | 100万円以下の過料 |
| 独立役員 | 上場規程436条の2 | 社外取締役・社外監査役 | 1名以上 | 実効性確保手段 |
| 独立社外取締役 | CGコード原則4-10 | 独立役員の要件を満たす社外取締役 | プライム3分の1以上(※2) | 実施しない理由の説明 |
※1 会社法327条の2の対象は、公開会社かつ大会社である監査役会設置会社のうち、発行する株式について有価証券報告書の提出義務がある会社です。違反すると976条19号の2により100万円以下の過料の対象になります。
※2 CGコード(2026年7月版)原則4-10。その他の市場は2名以上、支配株主がいるプライム市場上場会社は過半数(その他の市場は3分の1以上)が原則です。支配株主がいる会社では、適切と考える場合、利益相反取引等を審議する独立した特別委員会の設置で代替することも考えられます。なお、グロース市場で実施しない理由の説明が求められるのは基本原則のみです。
会社法の社外取締役は、就任前10年間に自社や子会社の業務執行取締役等でなかったことなど、主に「内部者でないこと」を求めます。単なる取引関係や大株主との関係だけで社外性が否定されるわけではありません。ただし、会社法2条15号は、親会社等に当たる個人や親会社等の取締役・使用人、その個人の近親者などを除外しています。主要な取引先や主要株主の関係者は会社法上は社外取締役になれても、東証の独立性基準に抵触すれば独立役員には指定できません。監査役の資格と選任の流れで触れる社外監査役も独立役員に指定できますが、CGコードの人数要件に数えられるのは独立社外取締役だけです。CGコードが独立社外取締役に期待する役割や人数の考え方は、独立社外取締役の要件とCGコード改訂の解説で扱っています。
東証の集計(2026年7月21日公表、2026年7月14日時点のコーポレート・ガバナンス報告書に基づく)では、プライム市場1,551社のうち独立社外取締役を3分の1以上選任する会社は1,532社(98.8%)、過半数を選任する会社は463社(29.9%)です。スタンダード市場で2名以上を選任する会社は86.5%、グロース市場は75.1%にとどまります。
東証の独立性基準A〜Hと実質判断
独立性基準は「上場管理等に関するガイドライン」Ⅲ5.(3)の2に定められています。1つでも該当すれば独立役員として届け出られません。下表は2026年7月改訂後の類型で、東証の「独立役員の確保に係る実務上の留意事項(2026年7月改訂版)」の記号A〜Hに合わせています。
| 記号 | 独立性基準に抵触する人 |
|---|---|
| A | 上場会社を主要な取引先とする者・その業務執行者 |
| B | 上場会社の主要な取引先・その業務執行者 |
| C | 役員報酬以外に多額の金銭等を得る専門家・受領団体の所属者 |
| D | 上場会社の主要株主・その業務執行者 |
| E | 上場会社が主要株主である者の業務執行者 |
| F | 最近においてA〜Eに該当していた者 |
| G | 就任前10年以内の親会社の役員等・兄弟会社の業務執行者 |
| H | A〜G等に掲げる者(重要でない者を除く)の近親者 |
「最近において」は、選任議案の内容が決まった時点で該当していた場合などを含み、1年以上前の該当は通常含まれません。「近親者」は二親等内の親族です。「業務執行者」には業務執行取締役だけでなく使用人も含まれ、監査役は含まれません。顧問や相談役は法令上の定義が無いため、実態で判断します。
「主要な取引先」「多額の金銭」を数値で決める自社基準
東証は「主要な」「多額の」の数値を示していません。主要な取引先は、取引による売上高が売上の相当部分を占める相手や、多額の借入れをしている金融機関などを想定し、会社法施行規則2条3項19号ロに準じて各社が判断します。CGコード原則4-11は、取締役会が独立性判断基準を策定すべきだとしています。
公開されている基準の例として、三和ホールディングスの「社外役員の独立性基準」は次の閾値を置いています。
- 三和グループを主要な取引先とする者:過去3事業年度の平均取引額が、その取引先グループの年間連結売上高の2%超
- 三和グループの主要な取引先:過去3事業年度の平均取引額が、三和グループの年間連結売上高の2%超
- 多額の金銭その他の財産:直近事業年度で個人は年間1,000万円超、団体は年間連結売上高の2%超
- 主要な金融機関:全借入額が三和ホールディングスの連結総資産の2%超
- 主要株主:議決権保有割合10%以上
- 過去の該当:過去3年間に上記に該当していた者も独立性なし
主要な取引先等に関する基準Fの「最近」は通常1年以内ですが、基準Gは就任前10年以内が対象です。三和ホールディングスは、取引先等について過去3年間も対象にしています。自社基準を東証基準より厳しくするのは自由で、基準は独立役員届出書の補足説明欄やコーポレート・ガバナンス報告書で開示できます。株主総会参考書類で「主要な取引先」と扱った相手を届出書では主要な取引先と扱わない、といった書類間の食い違いは東証が明示的に注意しているので、判定は1つの基準で通してください。
基準に抵触しなくても独立役員になれない場面
独立性基準は類型的な目安で、最終的には「一般株主と利益相反が生ずるおそれがない」かを上場会社が実質判断します。留意事項は次の例を挙げています。
- 持株会社の社外役員が、重要な事業子会社の「主要な取引先」の業務執行者である場合。独立性基準は上場会社単体で判断するので抵触しませんが、別途の検討が必要です。
- 役員候補者の指名に関する契約を持つ株主や、継続的に取締役を派遣している株主の関係者。主要株主に当たらなくても、指定するなら届出書で独立性があると判断した理由を十分に説明する必要があります。
- 経営陣から著しいコントロールを受け得る者、または経営陣に著しいコントロールを及ぼし得る者。
顧問弁護士は基準Cに該当し得ますが、顧問弁護士なら必ず「多額の金銭」を得ているとは限らないと留意事項は書いています。会計監査人の監査報酬は、日本公認会計士協会の倫理規則セクション410(報酬依存度)への該当状況を参考に判断します。
2026年7月改訂で変わった独立性基準と適用開始日
東証は2026年7月3日、「少数株主保護に関する上場制度の見直し等に係る有価証券上場規程等の一部改正」を公表し、7月10日に施行しました(改正概要)。独立役員に関わる改正は次の3点です。2025年4月改訂版で作った社内チェックリストは、新基準の適用に向けて更新が必要です。適用前の判断には旧基準を使用します。
主要株主と親会社の監査役・会計参与が基準に追加
新たに独立役員の要件を満たさないとされたのは、次の人です。
- 上場会社の主要株主とその近親者
- 上場会社の主要株主の業務執行者(現在・最近)とその近親者
- 上場会社が主要株主である者の業務執行者(現在・最近)とその近親者
- 過去10年以内に上場会社の親会社の監査役だった社外取締役とその近親者
- 過去10年以内に上場会社の親会社の会計参与だった社外取締役・社外監査役とその近親者
主要株主は金融商品取引法163条1項の主要株主(議決権10%以上)を指します。大株主の出身者は一律に指定解除となるわけではありません。主要株主の現在・最近の業務執行者など、新基準に抵触する独立役員は、適用時に指定を解除し、必要に応じて代替候補者を確保します。
政策保有株式の関係が属性情報l・mに追加
届出書に記載する属性情報に、次の2項目が加わりました。
- l:上場会社の株式を政策保有株式として保有している者の出身者
- m:上場会社が株式を政策保有株式として保有している者の出身者
「出身者」は、就任時点から遡って直近10年間にその先の業務執行者だった人です。属性情報に該当しても、それだけで独立性は否定されません。確認は、有価証券報告書の「株式の保有状況」で銘柄名が分かる範囲で足りるとされています。
適用開始日と少数株主の賛成割合の開示
独立性基準と属性情報の見直しは、2026年12月1日以後に終了する事業年度に係る定時株主総会の日の翌日から適用され、その日以降に在任する社外取締役・社外監査役が対象です。12月決算の会社なら2027年3月の定時総会の翌日、3月決算の会社なら2027年6月の定時総会の翌日からになります。新任者だけでなく在任中の独立役員も対象なので、次の定時総会の候補者選定の段階で新基準に照らしておく必要があります。適用前は旧基準(2025年4月改訂版の留意事項)で判断します。
同じ改正による開示対象は、総会基準日時点で、親会社、議決権40%以上を保有するその他の関係会社、または近親者・資産管理会社等との合算で議決権40%以上となる主要株主を有する上場会社です。会社提案の取締役選任議案ごとに、総会後遅滞なく少数株主の賛成割合等を開示します。少数株主の賛成が50%を超えなかった議案があれば、総会後6か月以内に反対理由の概要や追加施策の必要性も開示します。こちらは定時株主総会の日から適用されます。
独立役員届出書の記載項目と属性情報
独立役員届出書は東証所定のExcel様式で作り、PDFに変換してTDnetで提出します。様式は日本取引所グループの「内国株式関係提出書類」のページで、「提出書類フォーマット集」の「その他の提出書類」から入手できます。記載するのは独立役員だけでなく、全ての社外役員です。
基本情報から補足説明までの記載項目
| 欄 | 項目 | 記載のポイント |
|---|---|---|
| (1)〜(4) | 会社名・コード・提出日・異動(予定)日 | 日付はyyyy/mm/dd形式 |
| (5) | 提出理由 | 退任者の氏名はこの欄に書く |
| (6) | 資格を充たす者を全て指定 | チェックすると非指定者の(10)(13)を省略可 |
| (7)〜(9) | 氏名・社外取締役/社外監査役の別・独立役員 | 異動日時点の全社外役員 |
| (10) | 役員の属性(a〜o) | ○△●▲で本人・近親者と時期を区別 |
| (11) | 異動内容 | 新任・指定・指定解除・訂正変更 |
| (12) | 本人の同意 | 独立役員に指定する人だけ「有」 |
| (13)(14) | 該当状況の説明・選任の理由 | CG報告書の選任理由と揃える |
| (15) | 補足説明 | 自社の独立性判断基準も記載可 |
(10)の記号は、本人が「現在・最近」に該当すれば○、「過去」に該当すれば△、近親者についてはk〜oを除き、「現在・最近」なら●、「過去」なら▲です。ここでいう「過去」は「現在の親会社に過去勤務していた」ような場合を指し、「過去の親会社に現在勤務している」場合は当たりません。(14)の選任理由は、利益相反が生ずるような利害関係を一切有していないことを事実に基づいて書くよう求められています。
属性情報a〜oと記載の粒度
属性情報は、独立性基準とは別に「事実関係の開示」として求められる15項目です。a〜jは自社・親会社・兄弟会社・取引先・主要株主などとの過去の関係を問う項目で、元業務執行者だけでなく、元非業務執行取締役・監査役・会計参与や専門家団体の元所属者も項目に応じて含まれます。重要でない者を除き、その近親者も対象です。kは取引先またはその出身者、l・mは政策保有関係の出身者、nは社外役員の相互就任の関係にある先の出身者、oは寄付先またはその出身者です。
記載の粒度で差がつくのは取引関係です。「売上高が僅少」のような抽象的な書き方は認められず、「売上高が●●万円未満」「全体の売上高の●%未満」など規模が分かる書き方が必要です。非常勤顧問への報酬、アドバイザリーボード委員への謝礼、監査法人への監査報酬も「取引」に含まれます。寄付(o)は金額の多寡にかかわらず記載対象です。a〜jの「過去」は10年に限られません。候補者の過去の職歴は、合理的に可能な範囲で確認します。
独立役員届出書の提出時期とTDnetでの提出手順
提出時期は、施行規則436条の2により「変更が生じる日の2週間前まで」が原則です。実務では、変更が株主総会で起きるのか期中に起きるのかで扱いが分かれます。
| 場面 | 提出時期 |
|---|---|
| 総会で独立役員・社外役員の構成が変わる | 総会の2週間前まで |
| 再任のみだが属性情報に変更がある | 総会の2週間前まで |
| 期中に独立役員を新たに指定する | 変更日の2週間前まで |
| 期中に独立役員の指定を解除する | 変更日の2週間前まで |
| 指定中の独立役員が独立性基準に抵触した | 直ちに(指定解除して再提出) |
| 期中に属性情報の有無・概要が変わった | 次の総会に合わせた提出で反映 |
株主総会前の提出と招集通知との同時提出
定時株主総会で社外役員の構成が変わる場合や、属性情報の記載内容に変更がある場合は、総会の2週間前までに届出書を出します。留意事項は、電子提供措置をとる株主総会資料をTDnetで東証に提出するとき(施行規則420条1項)や、招集通知の発送前にTDnetで電子ファイルを提出するとき(CGコード原則1-2の解釈指針)に、届出書も併せて出す方法を示しています。再任だけの年でも、取引関係の記載を更新する必要がないかは総会前に確認します。
期中の独立役員変更と届出書の更新範囲
期中に再提出が必要なのは、独立役員を新たに指定する場合と、指定を解除する場合です。社外役員の辞任による解除だけでなく、社外役員の地位はそのままで指定だけを外す場合も含みます。更新するのは再提出の原因になった人の記載だけでよく、他の社外役員の記載を見直す必要はありません。期中に取引関係が生じた、取引額が変わったといった属性情報の変化は、その時点での再提出は不要で、次の総会で選任議案を付議する際の届出書に反映します。
TDnetでの登録手順と公開のタイミング
- Excel様式に入力し、行の高さを調整してPDFに変換する(複数ページになってもよい)
- TDnetオンライン登録サイトの「縦覧書類を作成・提出する」から「独立役員届出書」を選び、PDFを登録する
- 表題・公開項目は「独立役員届出書」、開示指定日時は平日の9時〜17時とする
夜間・休日に登録すると処理が完了せず再提出になることがあるため、東証は夜間・休日の登録を控えるよう求めています。登録後は東証の提出完了処理を経て指定時刻に公開されますが、内容確認により実際の提出時刻が前後する場合があります。また、登録日の翌日午前1時ごろに「東証上場会社情報サービス」の上場会社詳細ページにも掲載されます。締切の2週間前ぎりぎりに登録すると、東証から内容確認の連絡が入った場合に修正の余裕がありません。
独立役員に関するよくある質問
社外取締役と独立役員の違いは何ですか?
社外取締役は会社法2条15号が定める資格で、主に自社や子会社の内部者でないことを求めます。独立役員は東証の上場規程上の指定で、社外取締役・社外監査役のうち、主要な取引先や主要株主との関係がないなど一般株主と利益相反が生じるおそれのない人に限られます。社外取締役でも独立性基準に抵触すれば独立役員にはなれません。
東証の独立役員の要件は?
会社法上の社外取締役または社外監査役であることに加え、上場管理等に関するガイドラインⅢ5.(3)の2の独立性基準(主要な取引先、多額の報酬を得る専門家、主要株主、親会社・兄弟会社の関係者、その近親者など)に抵触しないことです。抵触しない場合でも、上場会社が実質的に利益相反のおそれがないと判断できなければ要件を満たしません。
独立役員届出書の提出時期はいつですか?
原則は、変更が生じる日の2週間前までです。定時株主総会で社外役員の構成が変わる場合は総会の2週間前までに提出し、招集通知や電子提供措置資料をTDnetで提出するときに併せて出す方法を、東証が例示しています。指定中の独立役員が独立性基準に抵触した場合は、指定を解除した届出書を直ちに再提出します。
独立役員は何人確保すればよいですか?
上場規程上の義務は1名以上で、取締役である独立役員を1名以上置くことが努力義務です。CGコード原則4-10は、プライム市場に独立社外取締役を取締役会の3分の1以上(支配株主がいる会社は過半数)、その他の市場に2名以上(支配株主がいる会社は3分の1以上)求めています。プライム・スタンダード市場では、この原則を実施しない場合に理由を説明します。グロース市場では原則4-10についての説明義務はありません。また、支配株主がいる場合の人数基準には、適切と考える場合に独立した特別委員会を設ける代替策もあります。
2026年7月の改訂はいつから適用されますか?
2026年12月1日以後に終了する事業年度に係る定時株主総会の日の翌日から適用されます。3月決算の会社なら2027年6月の定時総会の翌日からで、その時点で在任している独立役員も新しい独立性基準で判断されます。それまでは2025年4月改訂版の留意事項に基づく旧基準で判断します。