台風で床上まで水が入った、空き巣に家財を持ち去られた、預けていたお金を使い込まれた。こうした損害を受けた年は、確定申告で雑損控除を受けると所得税と住民税が下がります。年末調整では受けられないため、会社員でも自分で申告しなければなりません。
ただし、損害額がそのまま控除になるわけではありません。保険金等を差し引いた損失額をもとに、総所得金額等の10%を超える額と、補填後の災害関連支出から5万円を差し引いた額を比べ、多い方が控除額になります。投資詐欺や振り込め詐欺の被害は対象外です。この記事では、所得税法72条と国税庁の資料をもとに、対象の線引き、計算式、いくら戻るかの試算、必要書類、控除しきれない損失の繰越、災害減免法との選び方を順に整理します。
まとめ:雑損控除の対象と控除額、申告の要点
- 対象になる損害:災害(自然災害・火災・害虫など)、盗難、横領の3つです。詐欺と恐喝は対象外です。
- 対象になる資産:本人と、生計を一にする親族のうち総所得金額等が令和7年分は58万円以下、令和8年分は62万円以下の人が持つ、生活用の住宅・家財・車などです。別荘や1個30万円を超える貴金属、事業用資産は対象外です。
- 控除額:「差引損失額-総所得金額等の10%」と「差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円」の多い方です(マイナスの場合は0円)。損失が所得の10%以下で、災害関連支出もなければ0円になります。
- 戻る税額:控除額に所得税率(5〜45%)と住民税10%をかけた額が目安です。本文の試算条件(総所得金額等400万円、雑損控除110万円、その他の所得控除164万円)では、所得税7万5,500円と住民税約11万円が下がります。
- 申告:確定申告が必要です。災害関連支出の領収書を添付するか提示します。控除しきれない分は翌年以後3年間(特定非常災害は5年間)繰り越せますが、毎年続けて申告する必要があります。
- 災害減免法:所得1,000万円以下で、住宅や家財の損害が価額の2分の1以上なら、有利な方を選べます。所得税で災害減免法を選んでも、住民税の雑損控除は別に申告して受けられます。
雑損控除の対象になる損害原因と資産の範囲
雑損控除は所得控除のひとつで、所得税法72条に定めがあります。生活に必要な資産を失った人の税負担を軽くするための制度で、損害の原因と資産の種類の両方に条件があります。
災害・盗難・横領の範囲と詐欺・恐喝が外れる線引き
国税庁No.1110が挙げる損害原因は次の5つに限られます。
- 震災・風水害・冷害・雪害・落雷など、自然現象の異変による災害
- 火災・火薬類の爆発など、人為による異常な災害
- 害虫などの生物による異常な災害
- 盗難
- 横領
同じページに「詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません」と明記されており、国税庁の質疑応答事例「詐欺による損失」も同じ回答です。条文の文言が「災害又は盗難若しくは横領」に限られており、だまされて自分でお金を渡した場合や脅されて渡した場合はどれにも当たらないためです。投資詐欺、ロマンス詐欺、振り込め詐欺、架空請求はいずれも詐欺なので対象外です。
一方、手口が詐欺に見えても、法律上は盗難にあたる場合があります。国税庁の質疑応答事例では、権利証を偽造されて土地を第三者に転売された(いわゆる地面師)ケースについて、「不動産の侵奪」は窃盗の一種だとして、登記名義を取り戻す訴訟費用を雑損控除の対象としています。自分の意思で渡したのか、知らないうちに奪われたのかで扱いが変わるため、判断がつかないときは警察に提出した被害届の罪名を確認し、税務署に相談してください。
対象になる住宅・家財・車と対象外の資産
対象になるのは、生活に通常必要な資産です。住宅、家具、衣類、家電などが該当します。車は、専ら通勤に使っているかどうかなど、保有目的と使用状況を総合的に見て判断されます。レジャー専用の車は対象外になり得ます。
次の資産は対象外です(所得税法施行令178条1項、国税庁No.1110)。
- 別荘など、趣味・娯楽・保養・鑑賞の目的で持つ資産(ゴルフ会員権を含む)
- 貴金属、書画、骨董など、1個または1組の価額が30万円を超えるもの
- 棚卸資産や事業用の固定資産など、事業用の資産
事業用資産の損失は、雑損控除ではなく事業所得などの必要経費として扱います。別荘や高額な貴金属が災害で損害を受けた場合も、損失がまったく使えないわけではありません。国税庁の確定申告の手引きは、その損失を総合課税の譲渡所得から差し引けるとしています。
生計を一にする親族の資産と令和8年分の所得要件62万円
本人の資産だけでなく、生計を一にする配偶者や親族の資産も対象になります。ただし、その親族の総所得金額等に上限があります。
| 年分 | 親族の総所得金額等の上限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 令和2年分〜令和6年分 | 48万円以下 | 所得税法施行令205条1項(改正前) |
| 令和7年分 | 58万円以下 | 同上(令和7年度改正後) |
| 令和8年分以後 | 62万円以下 | 令和8年政令第93号 附則8条1項 |
令和8年分の62万円は、令和8年12月1日に施行される改正です(令和8年3月31日政令第93号)。附則8条1項で令和8年分から適用されるため、令和9年2〜3月に出す令和8年分の確定申告では62万円で判定します。施行日より前に令和8年分の準確定申告を済ませた人は、改正で結果が変わる場合、令和8年12月1日から5年以内に更正の請求ができます(同条2項)。
判定のタイミングも決まっています。生計を一にするかは、資産自体の損失では損失発生日、災害等関連支出では損失発生日または実際の支出日で判定します。親族の所得要件は、その判定日の属する年の12月31日の現況によります。申告者が年の途中で死亡・出国した場合は、その日に見積もった年分の所得で判定します(所得税基本通達72-4)。別居している親の家が被災した場合など、「生計を一にする」かどうかの判断は「生計を一にしない」とは?同居でも別生計と認められる条件と証明で詳しく扱っています。
雑損控除の計算式と差引損失額の求め方
差引損失額は損害金額と災害等関連支出から保険金等を引いた額
計算の出発点は差引損失額です。
差引損失額 = 損害金額 + 災害等関連支出 - 保険金等で補填される金額
損害金額は、損害を受ける直前の時価をもとに計算します。住宅や家財のような減価償却資産は、取得価額から減価償却費の累積額を引いた額を基礎にすることもできます。生活用資産の減価は、耐用年数を1.5倍にした年数で旧定額法に準じて計算します(所得税法施行令85条)。
保険金等には、火災保険金、地震保険金、共済金、損害賠償金が含まれます。国税庁No.1110によると、保険金等はまず損害金額から差し引き、損害金額を超える部分を災害等関連支出から差し引きます。被災者生活再建支援法に基づく支援金は、平成23年12月に国税庁が取扱いを見直し、差し引かないことになりました。自宅や家財の損害に対して受け取った保険金そのものは非課税です。課税関係は火災保険は年末調整・確定申告で控除できない|地震保険料控除の上限と書き方で解説しています。
2つの計算式のうち多い方が控除額
控除額は、次の2つのうち多い方です(所得税法72条1項、国税庁No.1110)。
- 差引損失額 - 総所得金額等 × 10%
- 差引損失額のうち災害関連支出の金額 - 5万円
注意したいのは、災害等関連支出と災害関連支出が別の概念だという点です。盗難や横領のあとの鍵交換や窓ガラスの修理は、災害等関連支出として差引損失額には入りますが、2つ目の式の災害関連支出には入りません。2つ目の式が効くのは災害の場合だけです。
総所得金額等には、確定申告が不要な退職所得も加えます。申告分離課税の株式譲渡益などがある人は、その所得金額(特別控除前)も合計します(国税庁 確定申告の手引き)。
災害関連支出に入る費用と支出の期限
災害関連支出になるのは、次のような支出です(所得税法施行令206条1項)。
- 滅失・損壊した住宅や家財の取壊し・除去の費用
- 土砂などの障害物の除去、原状回復、損壊拡大の防止のための費用(災害がやんだ日の翌日から1年以内。大規模な災害の場合は3年以内)
- 被害の発生や拡大を防ぐための緊急の措置の費用
修繕費のうち、原状回復の部分と改良(資本的支出)の部分を区分できない場合は、支出額の30%を原状回復分とすることができます(所得税基本通達72-3)。1月1日から3月15日までに支払った対象費用は、前年が災害等の発生年以後である場合に限り、前年分の損失に含めて申告できます(同72-5)。その場合、支払った年分には重ねて計上できません。被災した年の申告に間に合わせたい支出があれば、この扱いを使えます。
雑損控除でいくら戻るかの試算
4つのケースで控除額を計算しました。いずれも損害額は保険金等を差し引いた後の数字です。
| ケース | 総所得金額等 | 差引損失額 | うち災害関連支出 | 式1 | 式2 | 控除額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| A 台風で家屋・家財 | 400万円 | 150万円 | 50万円 | 110万円 | 45万円 | 110万円 |
| B 空き巣で家財 | 400万円 | 65万円 | 0円 | 25万円 | 0円 | 25万円 |
| C 小さな盗難 | 400万円 | 30万円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| D 土砂撤去費だけ自己負担 | 800万円 | 50万円 | 50万円 | 0円 | 45万円 | 45万円 |
ケースAは、損害金額300万円から保険金200万円を引いた100万円に、土砂撤去などの災害関連支出50万円を足して差引損失額150万円です。式1の150万円-40万円=110万円が控除額になります。ケースBの65万円は、盗まれた家財60万円と鍵交換・窓修理5万円の合計です。ケースCのように損失が所得の10%(40万円)以下だと、控除は0円です。ケースDのように所得が高く、建物の損害は保険で埋まって撤去費だけが残った場合は、式2が効きます。
以下は税負担の減少額の試算です。所得税は控除前後の税額の差で求め、実際の還付額は源泉徴収税額や予定納税額との精算で決まります。住民税は通常、翌年度の税額が下がります。ケースAで、ほかの所得控除の合計を164万円(基礎控除104万円と社会保険料控除60万円)とすると、次のとおりです。
- 所得税:課税所得236万円の税額13万8,500円が、課税所得126万円で6万3,000円になり、7万5,500円減ります。このほかに、復興特別所得税(所得税額の2.1%)も減ります。
- 住民税:所得割の税率10%に対して控除額110万円なので、約11万円減ります(地方税法314条の2第1項1号)。
所得税の減少額は、課税所得が税率の区分をまたぐかどうかで変わります。正確な額は、国税庁の確定申告書等作成コーナーに数字を入れて確かめてください。
損害金額の算定方法と被害額の簡便計算
損害金額の計算でつまずくのは、被災した資産の時価がわからない場合です。国税庁は、住宅の主要構造部に損壊があり、個々の資産ごとに損失額を計算するのが難しい場合に使える簡便な計算方法を示しています(国税庁「損失額の合理的な計算方法」)。
| 資産 | 取得価額がわかる場合 | 取得価額がわからない場合 |
|---|---|---|
| 住宅 | (取得価額-減価償却費)×被害割合 | (1㎡当たり工事費用×総床面積-減価償却費)×被害割合 |
| 家財 | (取得価額-減価償却費)×被害割合 | 家族構成別家庭用財産評価額×被害割合 |
| 車両 | (取得価額-減価償却費)×被害割合 | (簡便法なし) |
いずれの式にも災害関連支出を加え、保険金等を差し引きます。ただし、修繕費のうち、計算済みの資産の損害金額と重複する部分や資本的支出は加算しません。被害割合は、全壊・半壊・床上浸水などの区分と住宅の構造に応じて国税庁が示す割合を使います。1㎡当たりの工事費用と家族構成別家庭用財産評価額は、災害ごとに国税庁の災害関連ページで公表される表で確認します。家財をひとつずつ時価評価しなくてよいので、浸水で家財をまとめて失ったときに使いやすい方法です。
雑損控除の申告手続きと必要書類
年末調整では受けられない雑損控除と申告できる期間
雑損控除は年末調整の対象外です。給与所得だけの会社員でも、損害を受けた年分の確定申告で申告します。納付税額がなく還付を受けるだけの申告は、翌年1月1日から5年間提出できます。申告を忘れていた年分があれば、還付申告とは?確定申告との違いと会社員が出すべき5つの場面・5年の期限の手順でさかのぼって申告できます。
添付・提示する領収書と手元に残す資料
法令上、確定申告書に添付または提示が求められるのは、災害等に関連したやむを得ない支出の領収書です(国税庁No.1110)。損害の事実と金額は、次のような資料で説明できるように保存しておきます。
- 罹災証明書(市区町村の発行)、火災の場合は消防署のり災証明
- 盗難・横領の場合は警察への被害届の受理番号
- 被害を受けた資産の取得時期と取得価額がわかる書類(売買契約書、購入時の領収書)
- 保険金・共済金の支払通知書
- 被害状況の写真、修理の見積書と請求書
控除ごとの添付書類と省略できる書類は、還付申告の必要書類一覧|控除別の添付書類と省略できる書類・過去5年分の集め方にまとめています。
確定申告書の記入欄
第二表の「雑損控除に関する事項」欄に、損害の原因、損害年月日、損害を受けた資産の種類、損害金額、保険金などで補填される金額、差引損失額のうち災害関連支出の金額を書きます。計算した控除額は第一表の「雑損控除」欄に書きます。確定申告書等作成コーナーでは、「雑損控除」の入力画面の案内に従って損害金額や保険金等の金額を入力します。
控除しきれない損失の繰越控除は3年、特定非常災害は5年
雑損控除は、ほかの所得控除より先に差し引きます。それでも所得から引ききれない部分は「雑損失」として翌年以後に繰り越せます(所得税法71条)。
- 原則:翌年以後3年間
- 特定非常災害:東日本大震災、または令和5年4月1日以後に発生した特定非常災害による損失は5年間(所得税法71条の2、国税庁No.1110)
繰越の条件は、損失が生じた年分の確定申告書を提出し、その後も連続して確定申告書を出すことです(所得税法71条2項)。所得が少なく納税額がない年も、申告を1年でも抜かすと、それ以後は繰越ができなくなります。損失が生じた年は、確定申告書第四表(損失申告用)で繰り越す金額を計算します。
事業や不動産貸付の赤字の残りを繰り越す「純損失」とは別のものです。純損失は損益通算をしても残った赤字で、青色申告者は原則として翌年以後3年間繰り越せます(白色申告者は被災事業用資産の損失などに限られます)。特定非常災害による一定の純損失には、5年間の繰越特例があります。雑損失は、生活用資産の損害による雑損控除の引ききれない分で、白色申告でも繰り越せます。損益通算の順序と第四表の書き方は損益通算とは?対象は4所得だけ|通算の順序と第四表の書き方をわかりやすく解説を参照してください。
災害減免法との選び方と住民税の扱い
災害で住宅や家財に損害を受けた場合は、雑損控除の代わりに災害減免法で所得税を軽減・免除する方法もあります。2つは同じ損害に重ねて使えないため、どちらか有利な方を選びます。
| 項目 | 雑損控除 | 災害減免法 |
|---|---|---|
| 対象になる原因 | 災害・盗難・横領 | 災害のみ |
| 所得の条件 | なし | 所得金額の合計額1,000万円以下 |
| 損害の条件 | 差引損失額が総所得金額等の10%超、または補填後の災害関連支出が5万円超 | 住宅・家財の損害が価額の2分の1以上 |
| 効果 | 所得から控除 | 所得税額を全額・2分の1・4分の1減免 |
| 繰越 | 3年(特定非常災害5年) | なし |
| 住民税 | 確定申告の内容が反映 | 反映されない |
災害減免法の軽減額は、所得金額の合計額が500万円以下なら所得税の全額、500万円超750万円以下なら2分の1、750万円超1,000万円以下なら4分の1です(国税庁No.1902)。
損失が所得より小さく損害割合が大きいときは災害減免法
総所得金額等450万円、ほかの所得控除164万円、住宅と家財の時価300万円のうち160万円(保険金差引後)の損害を受けた例で比べます。
- 雑損控除:160万円-45万円=115万円を控除。所得税は18万8,500円から8万5,500円へ、10万3,000円減ります。
- 災害減免法:所得450万円は500万円以下なので、所得税18万8,500円が全額免除されます。
この例では、所得税は災害減免法の方が8万5,500円有利です。反対に、計算した雑損控除額がその年の所得金額を上回り、繰越対象の雑損失が残る場合は、雑損控除を選びます。その年の所得税を0円にでき、控除しきれない雑損失を翌年以後に繰り越せるためです。
災害減免法を選んだら住民税は別に雑損控除を申告
災害減免法は所得税だけの制度で、選んだ内容は住民税に反映されません。船橋市や岡山市の案内のとおり、住民税で雑損控除を受けるには、市区町村に住民税の申告書を別に出します。上の例なら、所得税は災害減免法で全額免除を受け、住民税は雑損控除115万円で約11万5,000円を減らせます。この住民税の申告を忘れると、本来受けられる軽減を逃します。
確定申告で雑損控除を選んだあとでも、更正の請求や修正申告のときに災害減免法へ切り替えられます(国税庁No.1902 注2)。申告後に有利不利に気づいた場合も、切り替えを検討できます。
雑損控除の申告で避けたい5つの誤り
- 詐欺被害を盗難として申告する:投資詐欺や振り込め詐欺は対象外です。雑損控除の可否は、被害届の罪名だけでなく、具体的な被害事実が災害・盗難・横領に当たるかで判断します。
- 事業用の資産を含める:店舗の在庫や事業用の車の損害は、雑損控除ではなく必要経費で処理します。自宅兼事務所は、事業用の割合を分けて計算します。
- 親族の所得要件を年分で取り違える:令和7年分は58万円、令和8年分は62万円です。パート収入のある配偶者が持つ資産は、年分ごとに確認します。
- 保険金の差し引き漏れ:申告後に保険金の額が確定し、差引損失額が変わった場合は、修正申告か更正の請求で直します。
- 繰越中に申告を休む:所得が少ない年も確定申告を出さないと、残りの雑損失はそれ以後に繰り越せなくなります。
控除の全体像と、会社員と個人事業主で受け方がどう違うかは控除の種類一覧|会社員と個人事業主で違う受け方と令和8年分の控除額で確認できます。
よくある質問
被災者生活再建支援金を受け取った場合も差引損失額から引きますか?
引きません。国税庁は平成23年12月に取扱いを見直し、被災者生活再建支援法に基づく支援金は雑損控除の損失の金額から控除しないことにしました。火災保険金、地震保険金、共済金、損害賠償金は差し引きます。
車が盗まれた場合や水没した場合も雑損控除の対象になりますか?
生活に通常必要な資産と認められれば対象です。国税庁は、本人や生計を一にする親族が専ら通勤に使っているかなど、車の保有目的と使用状況を総合的に見て判断するとしています。事業用の車は必要経費で処理し、趣味やレジャー専用の車は対象外になり得ます。
シロアリの駆除費用は雑損控除の対象になりますか?
対象です。シロアリ被害は所得税法施行令9条の「害虫…その他の生物による異常な災害」にあたり、修繕費と駆除費用が雑損控除の対象になります。被害を防ぐための事前の薬剤散布や、駆除と一緒に行う予防処理の費用は、緊急の応急措置ではないため対象外です(国税庁 質疑応答事例「シロアリの駆除費用」)。
雑損控除と災害減免法は両方使えますか?
同じ損害について所得税で両方は使えません。どちらか有利な方を選びます。ただし、所得税で災害減免法を選んだ場合でも、住民税では市区町村への申告で雑損控除を受けられます。
何年前の被害まで今から申告できますか?
還付申告は翌年1月1日から5年間出せます。2021年(令和3年)分の被害であれば、2026年12月31日まで申告できます。繰越控除を受けるなら、損失が生じた年分からその後の各年分まで、続けて確定申告を出していることが条件です。