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テレワークの労務管理とは?就業規則・労働時間・費用負担の決め方【2026年】

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テレワークの労務管理は、打刻をリモート対応にすれば終わる話ではありません。就業規則に何を書くか、中抜けをどう扱うか、通信費をいくら払えば給与課税されないか。論点は労働時間の外側にも広がっています。この記事では、厚生労働省のテレワークガイドラインと国税庁のFAQを一次情報に、規程へ定める項目、労働時間の把握方法と中抜けの取扱い、費用負担の按分計算、2025年10月施行の育児・介護休業法の措置までを整理しました。クラウド勤怠で足りる条件と個別開発の判断軸も示します。

まとめ|テレワークの労務管理で先に決める6項目

テレワークの労務管理で最初に決めるのは、次の6項目です。①対象者と対象業務の範囲、②労働時間の把握方法(客観的記録か自己申告か)、③中抜け時間を把握するかしないか、④費用負担の区分と精算方法、⑤健康確保措置と連絡ルール、⑥セキュリティ要件。このうち②③④は就業規則かテレワーク規程への記載が前提です。労働者に通信機器や作業用品の費用を負担させるなら、労働基準法第89条第5号により就業規則への記載が必須になります。

制度設計の次は、運用できる記録の形に落とす作業です。テレワーク日数、始業・終業時刻、中抜けの申告、手当の按分。この4つを人手で集計している間は、労務管理が担当者の残業に化けます。逆にテレワーク比率が低く対象者が固定されている企業なら、クラウド勤怠の設定変更だけで足ります。判断の分かれ目は後半の章で条件付きで示しました。

テレワークの労務管理で変わる論点と変わらない労働基準法の原則

テレワークでも労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法はそのまま適用されます。変わるのは法令ではなく、遵守を確認する手段です。出社していれば目視とタイムカードで済んだ確認が、自宅では機器の記録と申告に置き換わります。この置き換えで抜ける部分を規程と記録で埋めるのが、テレワークの労務管理です。

労務管理と勤怠管理で担当が分かれる範囲とテレワークでの重なり

勤怠管理は始業・終業時刻、休憩、休暇、時間外労働の記録を扱います。労務管理はそれを含み、労働契約、就業規則、社会保険、安全衛生、費用負担まで扱う広い概念です。両者の線引きは労務管理と勤怠管理の違いで整理しています。

テレワークでは、この2つが重なる領域が増えます。中抜け時間は勤怠の記録項目でありながら、扱い方を就業規則に書かなければならない労務の論点でもあります。在宅勤務日数も、勤怠の集計結果であると同時に手当の按分計算という給与の入力値です。設定だけを変えて規程を放置すると、記録は残るのに根拠がない状態になります。

導入率47.3%への低下と導入目的の変化が示す制度化の必要性

総務省の令和6年通信利用動向調査(令和7年5月30日公表)によると、テレワークを導入している企業の割合は47.3%で、前年の49.9%から2.6ポイント下がりました。導入企業の割合は令和4年から減少が続いています。

一方、導入目的の内訳は変わりました。「新型コロナウイルス感染症への対応」が前年より減り、「勤務者のワークライフバランスの向上」と「業務の効率性(生産性)の向上」が増えています。産業別では情報通信業が94.3%と最も高い水準です。緊急対応として始めた企業が離脱し、残った企業では目的が恒常的な制度へ移った構図といえます。臨時運用を口頭ルールのまま続けてきた企業は、規程と記録を作り直す時期です。

就業規則とテレワーク規程に定める項目と労働基準法第89条の記載義務

テレワークのルールは、就業規則本体に追記するか、テレワーク規程として別に定めて委任する形を取ります。どちらでも構いません。ただし費用負担は扱いが違い、労働者に負担させる定めを置くなら記載しなければ有効になりません。

テレワークガイドラインが労使で決めるべきとする9項目と規程化の順序

厚生労働省のテレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドラインは、制度として導入する際にあらかじめ労使で話し合ってルールを定めておく事項として、次を挙げています。

  • 導入目的
  • 対象業務
  • 対象となり得る労働者の範囲
  • 実施場所
  • テレワーク可能日(労働者の希望、当番制、頻度等)
  • 申請等の手続
  • 費用負担
  • 労働時間管理の方法や中抜け時間の取扱い
  • 通常又は緊急時の連絡方法

順序としては、対象業務と対象者を先に固めます。ここが曖昧なまま費用や労働時間の議論に入ると、例外処理だらけの規程になりがちです。モバイル勤務やワーケーションのように場所が動く働き方を認めるなら、許可基準を示したうえで「使用者が許可する場所」と定める方法がガイドラインに示されています。セキュリティ要件は総務省のテレワークセキュリティガイドライン(第5版・令和3年5月)を参照し、実施場所の条件と合わせて決めます。

テレワーク先ではなく事業場の所在地で決まる最低賃金と休憩の例外

見落とされやすい論点が2つあります。1つは最低賃金です。テレワークを行う場所がどこであっても、適用されるのは労働者が属する事業場のある都道府県の最低賃金になります。東京の本社に所属する社員が地方の実家から働いても、基準は東京都の最低賃金です。地域別の賃金差を狙って居住地を変えさせる設計は成立しません。

もう1つは休憩の一斉付与です。労働基準法第34条第2項は休憩を一斉に与えることを原則としていますが、テレワークを行う労働者について労使協定を結べば適用除外にできます。在宅勤務者が各自のタイミングで昼休憩を取る運用にするなら、協定の締結が先です。規程だけ変えて協定がない状態は、実務でよく見かける漏れといえます。

労働時間の把握方法と中抜け時間の取扱いを決めるときの判断順序

労働時間の把握には、先に原則があります。厚生労働省の労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定)は、始業・終業時刻をタイムカードやパソコンの使用時間の記録などの客観的な記録で確認するよう求めています。テレワークでもこの原則は動きません。

客観的な記録による労働時間の把握と自己申告制で必要な3つの措置

テレワークで使える客観的な記録は2つあります。テレワークに使う情報通信機器の使用時間の記録と、入退場の記録が取れるサテライトオフィスでの入退場記録です。私物端末を使う場合や、機器の使用時間が始業・終業を反映しない働き方では、自己申告制を取ることになります。

自己申告制のとき、ガイドラインは使用者に3つの措置を求めます。労働時間の実態を記録して適正に申告するよう労働者と管理者へ十分な説明を行うこと。申告された時間とパソコンの使用状況などの客観的事実との間に著しい乖離を把握した場合、労働時間を補正すること。申告できる時間外労働の時間数に上限を設けるなど、適正な申告を阻害する措置を講じないこと。打刻方式の比較や不正防止の手段はテレワークの勤怠管理で扱っています。

中抜け時間を把握する場合としない場合で分かれる終業時刻の扱い

中抜け時間について、ガイドラインは「使用者は把握することとしても、把握せずに始業及び終業の時刻のみを把握することとしても、いずれでもよい」としています。選べる、という点が起点です。そのうえで取扱いが2通り示されています。

方針 時間の扱い 賃金と記録
中抜けを把握する 休憩時間として終業時刻を繰下げ 終業時刻の変動を記録
中抜けを把握する 時間単位の年次有給休暇で処理 年休残数から控除
中抜けを把握しない 始終業間を労働時間として扱う 休憩を除き控除しない

把握する方式を選ぶなら、申告の手段まで決めます。ガイドラインが例示するのは、一日の終業時に労働者から報告させる方法です。時間単位年休で処理するには、労使協定の締結と就業規則への定めが前提になります。中抜けを黙認したまま終業時刻だけ記録する運用は、申告漏れが後から労働時間として主張される余地を残します。

午前は在宅、午後は出社という日の移動時間も同じ枠で決めておきます。自由利用が保障されている移動時間は休憩時間として扱えますが、使用者が具体的な業務のために急きょ出勤を命じ、自由利用が保障されていない移動時間は労働時間に該当します。ハイブリッド勤務を認めるなら、出社指示の出し方まで規程に書き込んでおきましょう。

テレワークに事業場外みなし労働時間制を適用できる2つの要件と限界

事業場外みなし労働時間制は、労働時間を算定することが困難なときに適用される制度です。テレワークに適用するには、次の2つをいずれも満たす必要があります。

1つ目は、情報通信機器が使用者の指示により常時通信可能な状態に置くこととされていないこと。勤務時間中に自分の意思で通信回線を切断できる場合、回線は切れなくても機器から離れて応答のタイミングを判断できる場合、会社支給の携帯電話でも折り返しを判断できる場合は、いずれも要件を満たすとガイドラインが示しました。機器を持たせているだけで適用外になるわけではありません。

2つ目は、随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと。指示が業務の目的、目標、期限等の基本的事項にとどまり、作業量や作業の時期、方法等を具体的に特定していない場合に満たされます。逆に言えば、チャットで随時タスクを指示して進捗を時間単位で確認する運用では適用できません。在宅勤務だから、という理由だけでみなし制を選ぶのは無理があります。

在宅勤務手当と通信費の精算で給与課税されない計算方法の決め方

費用負担は、誰がどこまで負担するかを決めただけでは終わりません。支給の仕方によって、従業員の給与として課税されるかどうかが変わります。ガイドラインも、費用の請求方法等を労使で話し合い、就業規則等に規定しておくことが望ましいとしています。

国税庁のFAQが示す通信費と電気料金の業務使用部分の計算方法

国税庁の在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)は、令和3年1月に作成され、令和8年4月1日に更新されています。業務使用部分を合理的に計算して支給するなら給与として課税しなくて差し支えない、という考え方を示し、次の算式を例示しました。

業務のために使用した基本使用料や通信料等=従業員が負担した1か月の基本使用料や通信料等×(その従業員の1か月の在宅勤務日数÷該当月の日数)×2分の1。最後の2分の1は、1日24時間から平均睡眠時間8時間を引いた16時間に対する法定労働時間8時間の割合として算出されたものです。

FAQの計算例では、9月に在宅勤務を20日間行い、1か月の基本使用料や通信料を1万円負担した従業員の業務使用部分は、10,000円×20日÷30日×2分の1で3,334円(1円未満切上げ)になります。電気料金は、業務で使用した部屋の床面積の割合を加えた算式です。より精緻な方法で算出して支給する場合も、課税しなくて差し支えないとされています。

定額の在宅勤務手当と実費精算で分かれる課税の扱いと計算の手間

在宅勤務手当を毎月定額で支給し、返還を求めない場合、その金額は給与として課税の対象になります。業務使用部分を精算する方法なら課税されません。ただし、支給した金銭のうち業務に使用した部分を超える金額を従業員が返還しなかったときは、その超過部分が給与として課税されます。

実務での違いは、給与計算の入力値に出ます。定額なら手当マスタに1行足すだけ。実費精算にすると、毎月「その従業員の在宅勤務日数」を確定させ、本人が負担した通信料の申告と突き合わせる作業が発生します。在宅勤務日数は勤怠側にしかない情報なので、勤怠と給与が分断されていると毎月の手作業です。対象者が数名なら表計算で回せます。数十名を超えて実費精算を選ぶなら、勤怠の日数集計を給与計算へ引き渡す仕組みを先に用意しておかないと、月次の締めが遅れます。

長時間労働の抑止と健康確保措置・在宅勤務中の労災認定の線引き

テレワークは時間外労働の削減につながる一方、使用者の管理の程度が弱くなり、指示や報告が時間帯を問わず行われて仕事と生活の区別が曖昧になる、という2つの懸念がガイドラインに明記されています。長時間労働の抑止は、意識づけではなく仕組みで行います。

深夜と休日のシステムアクセス制限を含む長時間労働を防ぐ5つの手法

ガイドラインが挙げる手法は5つあります。時間外等のメール送付の抑制(時間外にメールを送ることの自粛を命じるなど)、所定外深夜・休日は事前の許可がない限り社内システムにアクセスできない設定、時間外・休日・所定外深夜労働が可能な時間帯や時間数をあらかじめ設定する手続、長時間労働が生じるおそれのある労働者への注意喚起、勤務間インターバル制度の導入です。

このうちシステムで自動化できるのは2つ目と4つ目でしょう。注意喚起についてガイドラインが示すのは、管理者が労働時間の記録を踏まえて行う方法と、労務管理のシステムで対象者に自動で警告を表示する方法です。上限に近づいた時点で本人と上長へ通知が飛べば、月末に超過が判明する事態を減らせます。時間帯や時間数を設定する場合は、その旨と手続を就業規則等に明記し、対象者へ書面等で明示することが有効とされています。

自宅の作業環境と健康診断・ストレスチェックで事業者が負う措置

自宅で働かせる場合も、労働安全衛生法に基づく措置は必要です。ガイドラインは具体的な条文を挙げています。健康相談の体制整備(第13条の3)、雇入れ時または作業内容変更時の安全衛生教育(第59条)、健康診断とその結果を受けた措置(第66条から第66条の7まで)、長時間労働者への医師の面接指導(第66条の8および第66条の9)、面接指導のための労働時間の状況の把握(第66条の8の3)、ストレスチェック(第66条の10)などです。

作業環境については、事業者が自宅に立ち入って確認できません。そのためガイドラインは、別紙のチェックリストで労使が確認したうえで作業を行わせること、取組の継続と作業環境の維持を定期的に確認することを求めています。面談や教育は、情報通信機器を用いてオンラインで実施しても差し支えありません。

育児・介護休業法の改正で求められたテレワーク措置と記録の要件

2025年に施行された育児・介護休業法の改正で、テレワークは福利厚生の一種から、法令上の措置として数えられる制度に変わりました。制度の有無だけでなく、利用実績を日数で説明できるかが問われます。

3歳未満への努力義務と3歳以上就学前で2つ以上を選ぶ柔軟な措置

厚生労働省の育児休業制度特設サイトによると、2025年4月1日施行分で、3歳未満の子を養育する労働者がテレワーク等を選択できるよう措置を講じることが事業主の努力義務になりました。短時間勤務制度が困難な場合の代替措置に、テレワーク等が加わった形です。

2025年10月1日施行分では、3歳以上・小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者について「柔軟な働き方を実現するための措置」が創設されました。事業主は次の5つから2つ以上を選んで講じ、労働者はその中から1つを選んで利用します。

  • 始業時刻の変更
  • テレワーク等(10日以上/月)
  • 保育施設の設置運営等
  • 養育両立支援休暇の付与(10日以上/年)
  • 短時間勤務制度

施行日ごとの変更点と人事システム側の改修要否は育児介護休業法の改正内容で整理しています。

月10日以上のテレワークを措置として数えるための記録と集計の要件

選択肢の2つ目に付いている「10日以上/月」という条件は、労務管理の記録要件に直結します。制度としてテレワークを用意しているだけでは足りません。対象労働者が月10日以上利用できる状態を確保し、それをテレワーク実施日の日単位の記録で示せるようにします。

勤怠システムで在宅勤務を「備考欄の自由記述」として扱っていると、月ごとの日数集計が取れません。押さえるべき要件は3つあります。テレワーク実施日を勤務区分として持ち、日数を月次で集計できること。対象者(子の年齢による)を人事マスタと突き合わせて抽出できること。半日在宅のような部分テレワークを何日と数えるかを決め、集計ロジックを固定すること。3つ目を決めずに始めると、担当者ごとに数え方が変わります。なお、この記録は在宅勤務手当の按分計算に使う日数と同じ情報です。別々に数えているなら集計を1本化できます。

テレワーク対応をシステムに落とす要件とSaaSで足りなくなる条件

ここまでの論点を運用に落とすと、必要な機能は労働時間の記録、中抜けの申告、テレワーク日数の集計、手当の按分、上限超過の警告、健康確保措置の記録の6つです。すべてを1つの製品で揃える必要はありません。

クラウド勤怠と労務SaaSの組み合わせだけで足りる企業の3条件

次の3条件をすべて満たすなら、クラウド勤怠と労務SaaSの組み合わせで足ります。①就業規則が1本で、対象者の勤務パターンが2〜3種類に収まる。②在宅勤務手当が定額支給で、日数按分の実費精算をしない。③給与計算を同一ベンダーの製品か標準のCSV連携で完結できる。

この条件下では、独自開発すべきものはほぼ残りません。製品ごとの機能差と比較の観点は労務管理システムとはで扱っています。設定でどこまで吸収できるか確かめたい場合は、勤怠管理システム開発のように就業規則の個別性を前提に要件を整理する開発会社へ、現行の規程と勤務パターンを持ち込む方法もあります。

個別開発を検討する条件と専用システムを入れるべきでない3つの場面

個別開発を検討する条件は明確です。事業場や雇用区分ごとに就業規則が分かれ、勤務パターンが10種類を超える場合。実費精算の按分計算を勤怠日数と連動させる場合。既存の基幹システムや独自の工数管理と労働時間の記録を突き合わせる場合。この3つのいずれかに当たると、SaaSの標準機能では設定の外側に例外が溜まり、結局は表計算での後処理が残ります。

逆に、テレワーク専用のシステムを新たに入れるべきでない場面も3つあります。1つ目は、対象者が全社員の1割未満で固定されている場合。既存勤怠の勤務区分を1つ増やすだけで済みます。2つ目は、就業規則もテレワーク規程も未整備の場合。決めていないルールは実装できないため、規程が先です。3つ目は、導入目的が「サボりの監視」である場合。ガイドラインは、時間外等のメールに対応しなかったことを理由に不利益な人事評価を行うことは適切な人事評価とはいえない、と明記しています。監視の強化は、この考え方と衝突します。

よくある質問

テレワークの労務管理で判断に迷いやすい質問を5つ取り上げます。

テレワークを導入するとき就業規則の変更は必要ですか?

労働者に通信機器や作業用品などの費用を負担させる定めを置く場合は、労働基準法第89条第5号により就業規則への記載が必要です。中抜け時間の取扱いや始業・終業時刻の変更を定める場合も、就業規則かテレワーク規程への記載が前提になります。会社が全額を負担し労働時間の扱いも通常勤務と同じなら変更を要しない場合もありますが、規程がないと中抜けや移動時間の判断がぶれます。

中抜け時間は給与から差し引いてよいですか?

中抜けを把握する方式を選び、就業規則等に定めているなら、休憩時間として終業時刻を繰り下げるか、時間単位の年次有給休暇として処理できます。前者なら不就労時間として賃金は発生しません。把握しない方式では始終業間を労働時間として扱うため、控除できません。定めのないまま事後的に控除すると、賃金の一部不払いとして扱われる余地が残ります。

在宅勤務手当は給与として課税されますか?

毎月定額で支給し、返還を求めない在宅勤務手当は給与として課税の対象です。国税庁のFAQが示す算式で業務使用部分を計算して精算する方法なら、課税しなくて差し支えないとされています。通信費は「1か月の料金×在宅勤務日数÷該当月の日数×2分の1」が例示されており、1万円・20日・30日なら3,334円です。業務使用部分を超えた額を従業員が返還しなければ、その超過部分は課税対象になります。

在宅勤務中のけがは労災になりますか?

テレワークを行う労働者についても、使用者は労働災害に対する補償責任を負います。労働契約に基づいて事業主の支配下にあることで生じた災害は、業務上の災害として労災保険給付の対象です。ただし、私的行為など業務以外が原因のものは認められません。判断が分かれやすいため、負傷時の災害発生状況を可能な限り記録するよう労働者へ周知することがガイドラインで求められています。

テレワークの労務管理は勤怠管理システムだけで足りますか?

労働時間の記録と中抜けの申告までなら勤怠管理システムで賄えます。足りなくなるのは、在宅勤務日数と手当の按分を連動させる場面と、育児・介護休業法の措置として月10日以上の実績を集計する場面です。どちらも勤怠側の日数を給与や人事マスタと突き合わせるため、連携方法を先に決めておきます。対象者が少なく定額手当で運用しているうちは、勤務区分を増やすだけで対応できるでしょう。

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