あけおめ退職とは、年末年始休暇が明けて出社したら、身近な同僚や先輩がいなくなっていた、という経験を指す言葉です。マイナビが2025年12月に実施した「年末年始休暇と転職に関する調査」では、年末年始休暇のある正社員14,289人のうち28.4%がこれまでに経験したことがあり、20代に限ると41.1%に達していました。
ただし、この数字を「年始は退職の山」と読むのは早すぎます。厚生労働省の毎月勤労統計調査で月ごとの離職率をたどると、2026年1月は1.59%で、前年の1月とほぼ同じ水準でした。3月の2.32%や4月の4.23%にも届きません。ここでは調査データと公的統計の両方で実像を押さえたうえで、休暇中に辞めたくなる理由、企業側の打ち手、辞める側が押さえておく期間のルールまで整理します。
まとめ
- あけおめ退職とは、年末年始休暇明けの出社時に身近な人が退職していたという経験を指します。マイナビの調査上の定義で、法令用語でも人事制度上の区分でもありません。
- 経験率は正社員全体で28.4%、20代では41.1%です。年末年始休暇を通じて「辞めたい」と思ったことがある人は30.8%で、連休中(18.5%)が連休明け(12.3%)を上回ります。
- 企業が挙げた「退職者が出た長期休暇」は年末年始36.6%、ゴールデンウィーク35.2%で、差は1.4ポイントです。年末年始だけが突出しているわけではありません。
- 毎月勤労統計の離職率は、2026年1月が1.59%で前年差−0.01ポイントです。2025年の年平均1.89%を下回り、年度替わりの3月2.32%・4月4.23%(事業所間の異動を含む)のほうがはるかに高くなっています。
- 年・月・週の始まりや祝日明けといった時間の節目で目標に向けた行動が増える現象は、2014年の研究で「フレッシュスタート効果」として示されています。ただし退職そのものを測った研究ではありません。
- 期間の定めのない雇用では、労働者からの退職は民法627条1項により申入れから2週間で成立します。同条2項・3項の予告期間は条文上「使用者からの解約の申入れ」に限られます。
あけおめ退職の意味と、言葉が指す範囲
「あけおめ」は「明けましておめでとう」の略で、そこに退職を付けた造語です。この言葉がいつSNSで使われ始めたかを一次情報で特定することはできませんが、定義の出どころははっきりしています。マイナビキャリアリサーチLabが2025年12月18日に公開した「あけおめ退職」とは? 〜年末年始休暇と転職に関する調査〜で、本調査における定義として「年末年始休暇明けに出社した際、同僚や先輩、後輩など比較的近しい人が退職していたという経験のこと」と明記されました。
主語は辞めた本人ではなく、周囲の側です。28.4%は「周囲の退職を経験した人の割合」であって、年始に辞めた人の割合ではありません。調査記事には「本調査はマイナビでは今回が初めてとなる」とも書かれており、前年比も存在しません。「あけおめ退職が増えている」と時系列で語れる材料は、この調査からは出てこないということです。
退職・退社・離職の言葉の違い
「退職」は勤めている会社を辞めることです。「退社」はそれに加えて、その日の勤務を終えて会社を出る意味でも使われるため、「18時に退社」は辞職ではありません。「離職」は職を離れることを広く指し、雇用保険法4条2項では「被保険者について、事業主との雇用関係が終了すること」と定義されています。厚生労働省の統計では離職率という形でも使われます。あけおめ退職の「退職」は、会社を辞める意味の退職です。
静かな退職・退職代行との違い
あけおめ退職は、時期を指す言葉です。Gallupは「静かな退職(quiet quitting)」をする人の多くが「必要最低限の仕事だけを行い、仕事から心理的に距離を置いている」無関与層に当たると説明しており、こちらは在籍したままの状態を指します。退職代行は退職の意思を会社へ伝える手段です。三つは並列の概念ではなく、対応も「休暇という区切りをまたぐ設計」「日常の関与度」「申し出の経路」と別々になります。
調査データが示すあけおめ退職の実態
マイナビの調査は2025年12月1日から4日に実施されたインターネット調査で、有効回答は企業833件、個人14,289件です。個人側の対象は、従業員数3名以上の企業に所属する全国の20代から50代の正社員のうち、年末年始休暇がある人に限られています。
| 項目 | 数値 | 回答区分 |
|---|---|---|
| あけおめ退職の経験率(全体) | 28.4% | 個人 n=14,289 |
| 同(20代) | 41.1% | 個人 |
| 年末年始休暇で辞めたいと思ったことがある | 30.8% | 個人 |
| うち連休中に思った | 18.5% | 個人 |
| うち連休明けに思った | 12.3% | 個人 |
| 20代の連休中 | 24.9% | 個人 |
| 退職者が出た長期休暇(複数回答) | 年末年始 36.6% | 企業 n=833 |
| 同 | GW 35.2%/夏季 28.6% | 企業 |
| 退職者が最も多かった長期休暇(単一回答) | 年末年始 23.4% | 企業 |
| 同 | GW 21.0%/夏季 9.7% | 企業 |
| どの長期休暇後にも退職者は出たことがない | 30.1% | 企業 |
経験率28.4%と20代41.1%の年代差
全体の28.4%は4人に1人を超え、20代の41.1%は5人に2人を超えます。マイナビはこの差の背景として、20代の転職率が比較的高く、身近な人の退職を経験しやすい可能性を挙げています。人事の実務で使うなら、全社平均よりも「20代比率の高い部署ほど同僚の退職を目にする頻度が高い」という読み方のほうが行動につながります。
「辞めたい」30.8%の連休中・連休明け別内訳
年末年始休暇を通じて今の会社を辞めたいと思ったことがある人は30.8%でした。内訳は連休中が18.5%、連休明けが12.3%で、休みが終わってから思うより、休んでいる最中に思う人のほうが多い結果です。20代では連休中が24.9%まで上がります。きっかけとしては給与・待遇への不満、業務量の多さ、人間関係の疲れなどが挙がっていますが、本文に項目ごとの割合は示されていません。マイナビは、帰省や友人との会話で現状を見直す機会が増えることや、長期休暇明けの負担が「辞めたい」気持ちを高める要因になっている可能性を挙げています。
この設問が捉えているのは「辞めたいと思った」時期であり、退職の意思が固まった時期ではありません。マイナビが紹介した「辞めたい気持ちが緩和する会社のサポート」の回答は、給与や福利厚生に並んで「業務負荷の均一化」「有休取得の容易化」「休暇明けは軽い業務から始める」といった休暇前後の設計に関するもので、「どんなサポートがあっても辞めたい気持ちは変わらない」という回答も一定数ありました。
年末年始とゴールデンウィークの差は1.4ポイント
企業側の数字は、引用のされ方に注意が要ります。「退職者が出た長期休暇」を複数回答で聞くと年末年始36.6%が最多ですが、2位のゴールデンウィーク35.2%との差は1.4ポイントです。「最も多かった長期休暇」を1つ選ぶ形式でも、年末年始23.4%に対しゴールデンウィーク21.0%で、差は2.4ポイントにとどまります。回答は833件なので、単純無作為抽出とみなした目安でも±3ポイント強の誤差があり、この差はその範囲内です。30.1%の企業は、どの長期休暇後にも退職者は出たことがないと答えています。
年末年始だけを対象にした施策では、ゴールデンウィークや夏季休暇明けの退職には届きません。この調査は「退職者が出たかどうか」を企業に聞いたもので、休暇別の退職者数や施策の防止効果までは比べられない点にも注意します。
公的統計の月次離職率による年始離職の検証
アンケートは経験や意識を測る道具で、実際に何人が辞めたかは別の統計で確かめます。厚生労働省の毎月勤労統計調査は、事業所規模5人以上の調査産業計について、月ごとの離職率を公表しています。2026年7月分結果確報の時系列第5表から、直近の推移を抜き出しました。前年差は同じ表に載っている値です。
| 年月 | 離職率 | 離職率の前年差(ポイント) | 入職率 |
|---|---|---|---|
| 2025年(年平均) | 1.89% | −0.05 | 1.99% |
| 2025年10月 | 1.77% | −0.04 | 1.90% |
| 2025年11月 | 1.41% | −0.05 | 1.59% |
| 2025年12月 | 1.36% | −0.06 | 1.46% |
| 2026年1月 | 1.59% | −0.01 | 1.34% |
| 2026年2月 | 1.69% | +0.01 | 1.57% |
| 2026年3月 | 2.32% | +0.12 | 1.75% |
| 2026年4月 | 4.23% | +0.19 | 5.31% |
| 2026年5月 | 2.00% | +0.13 | 2.20% |
| 2026年6月 | 1.68% | +0.01 | 1.89% |
| 2026年7月 | 1.69% | +0.03 | 1.85% |
1月の1.59%は12月の1.36%を0.23ポイント上回っており、年明けに離職が増えるという体感は数字にも出ています。それでも水準は2025年の年平均1.89%を下回り、3月の2.32%、4月の4.23%には届きません。入職率が離職率を下回る状態は1月(1.34%対1.59%)から3月(1.75%対2.32%)まで続き、4月に入職率5.31%で入職超過へ戻ります。なお、毎月勤労統計の入職・離職者には同一企業内の事業所間の異動者も含まれるため、4月の4.23%には人事異動の分も入っています。離職率の定義や自社の数字の出し方は離職率の計算方法(厚労省の式と月次の算出例)で扱っています。
調査公表直後の2026年1月の前年同月比
マイナビの調査が公開されたのは2025年12月18日で、その直後の2026年1月の離職率は1.59%、第5表の前年差は−0.01ポイントでした。調査が報じられた年の1月も、前年の1月とほとんど同じだけの人が辞めています。12月31日付けの退職は12月の離職として数えられますが、その12月は1.36%で表中で最も低い値でした。12月と1月のどちらで見ても、年末年始に離職が集中している形にはなっていません。前年差がはっきりプラスに出ているのは、むしろ3月(+0.12)・4月(+0.19)・5月(+0.13)の年度替わりです。言葉の流行と実際の離職の増減は、分けて考えます。
求職の申し込みは12月比36.7%増、季節調整後は1.6%
同じ月次で追える統計に、ハローワークの一般職業紹介状況(令和8年1月分)の新規求職申込件数があります。新規学卒者を除きパートタイムを含む原数値で、2025年12月の298,520件に対し、2026年1月は407,942件でした。1か月で36.7%の増加です。
一方、同じ第1表の季節調整値で見ると2026年1月の前月比は1.6%にとどまり、前年の2025年1月も397,203件ありました(対前年同月2.7%増)。原数値の大幅増の多くは季節性によるもので、毎年同じ時期に繰り返されるパターンです。1月を「年間最大の危機」と位置づけて人員計画を集中させると、統計上の離職率がより高い3月・4月(異動の分を含む)への備えが薄くなります。
年単位の水準は、厚生労働省が2026年8月31日に公表した令和7年雇用動向調査結果の概況で確認できます。2025年の年間離職率は13.7%で、前年から0.5ポイント下がりました。業種別・規模別の値と自社との比べ方は離職率の平均(令和7年の産業別・規模別の値)にまとめています。
年末年始に退職を考えやすい理由
時間の節目で行動が増えるフレッシュスタート効果
休暇中に辞めたくなる理由を説明する記事は多いものの、研究名や論文まで示すものはほとんどありません。参考になるのが、ペンシルベニア大学ウォートン校のDai、Milkman、Riisが2014年にManagement Science誌に発表した「The Fresh Start Effect」です。米国のデータを使い、年・月・週の始まりや祝日明けといった時間の節目のあとに、目標に向けた行動が増えることを示しました。
具体的には、Googleでの「diet」の検索は通常時より年の始まりに82.1%、連邦の祝日明けに10.2%増え、目標達成サイトstickKで目標の誓約を作る人は年の始まりに145.3%、祝日明けに55.1%増えていました。著者らは、節目が時間を区切って過去の自分の失敗を「前の期間」のものとして切り離し、人生を大きな視点で見直させるためではないかと提案しています。
この研究が測ったのは、ダイエットの検索、大学ジムの利用、目標設定サイトでの誓約(キャリアや教育など健康以外の目標を含む)で、退職や転職の行動そのものではありません。そのため「年始に辞める人が多いのはこの効果のせいだ」とは言えません。ただ、マイナビの調査で「辞めたい」と思った人が連休明け(12.3%)より連休中(18.5%)に多かったことは、年の切り替わりの前後で自分の働き方を見直す人がいることと矛盾しません。
冬の賞与支給率と年始退職への適用範囲
年始の退職を説明するときによく持ち出されるのが、賞与を受け取ってから辞めるという行動です。もっとも毎月勤労統計調査の特別集計によれば、2025年の年末賞与を支給した事業所の割合は76.5%で、事業所規模5人以上の事業所のおよそ4分の1(23.5%)は年末賞与を支給していません。支給事業所の労働者一人平均は424,889円、支給しない事業所も含めた全労働者一人平均は367,529円です。
この特別集計の対象期間は2025年11月から2026年1月で、賞与を受け取ったあとに辞めた時期までは示されていません。賞与を離職の抑止に使う設計は、自社の支給月と支給対象を確かめてからでないと空振りします。
企業側の打ち手と季節施策の限界
企業側の調査で年末年始とゴールデンウィークがほぼ並ぶ以上、年末だけの区切り面談では他の長期休暇明けの退職に対応できません。年に3回同じ施策を打つ余力がないなら、季節に紐づかない日常の運用に寄せるべきです。離職の理由別の打ち手と効果の測り方は離職率の改善策(辞めた理由別の打ち手と効果測定)で整理しています。
休暇前に不満を拾う日常の仕組み
連休中に「辞めたい」と思う材料は、休暇前から積み上がっています。拾うなら休暇の前です。年1回の調査では業務量の偏りや評価への納得感の年途中の変化を拾えないので、組織サーベイの種類と選び方を参考に、「何を見て誰が動くか」を先に決めてから頻度と道具を選びます。勤怠や評価のデータから離職の予兆を推定する仕組みは、離職予兆に自社データが足りるかの見極めを通してから判断します。退職者の推移や面談記録を一か所で追えるようにするなら、人事・労務管理システムの開発で在籍・異動・退職のデータを同じ台帳に持たせる方法もあります。
休暇明けの業務の立ち上がり設計
マイナビの回答にあった「休暇明けは軽い業務から始める」は、制度改定を伴わずに実施できる施策です。年末に締め切りを集中させない、休暇明け最初の週に定例会議を詰め込まないといった手当ては、就業規則を触らずに動かせます。ただし業務量が恒常的に過大な職場では効かず、総量に手を付けないまま「早く帰れ」とだけ求める運用は時短ハラスメントとして労災認定の論点にまで及ぶので避けるべきです。
カウンターオファーによる引き留めの限界
給与の上乗せによる引き留めは、短期的には人数を保てます。しかしカウンターオファー受諾後の在籍期間を聞いた調査では、ロバート・ウォルターズ・ジャパン「給与調査2024」で半年以内の退職が38%、半年後から1年以内が21%と、およそ6割が1年以内に辞めています。母集団が転職支援会社の登録者に偏る点は割り引いて読みますが、それでも上乗せだけで在籍が続くという前提は置けません。上乗せするなら、辞める理由が待遇の水準にあると特定でき、同じ職位の全員に同じ調整をする場合に限るべきです。
退職を申し出る側が押さえる期間のルール
民法627条の2週間と、2項・3項の対象
年始に退職を切り出すこと自体に、法令上の制約はありません。期間の定めのない雇用について、民法627条1項は「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定めています。
誤解が多いのは同条2項です。「期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない」とあり、主語は「使用者からの解約の申入れ」です。3項の3か月前という予告期間も、2項を受けた使用者側の規定です。月給制だから当月前半までに申し出なければならない、という説明は条文の建て付けと合いません。2020年4月1日施行の民法改正で、2項は使用者からの申入れに限定されました。改正前の説明が今も残っているのはこのためです。
就業規則の「1か月前」と2週間前の申し出
実務では、就業規則で「退職の1か月前までに届け出る」などと定めている会社もあります。法律上は2週間で退職が成立しても、引き継ぎを考えればそちらに合わせたほうが摩擦は少なくなります。2週間前の申し出は法律違反ではありませんが、引き継ぎ相手が決まらないまま最終出社日を迎えると、残った人の負担として返ってきます。就業規則の位置づけは就業規則とは(記載事項と効力)、渡す内容の作り方は引継ぎ資料の作り方を参照してください。
年明けに退職を伝えるタイミング
就業規則が1か月前で、3月末に辞めたいなら、2月末が期限になります。1月の休暇明けに伝えるのは早すぎるわけではなく、むしろ年度末の繁忙と重なる前に引き継ぎの期間を取りやすい時期です。年次有給休暇(労働基準法39条)は退職日を過ぎると使えなくなるため、消化してから辞めたいならその日数も逆算に含めます。伝える相手は直属の上司が先で、同僚や取引先に先に漏らすと上司との調整がこじれやすくなります。
有期契約の途中退職と退職代行の非弁の線引き
有期契約は扱いが変わります。労働基準法附則137条により、1年を超える期間の定めのある労働契約を結んだ労働者は、契約期間の初日から1年を経過した日以後はいつでも退職を申し出られます(一定の事業の完了に必要な期間を定める契約と、労基法14条1項各号に該当する高度の専門的知識等を有する労働者・満60歳以上の労働者を除く)。それ以外の期間中の退職は、民法628条の「やむを得ない事由があるとき」に直ちに解除できるという規定が根拠になり、その事由が一方の過失によるときは相手方に損害賠償の責任を負います。会社と合意すれば、期間の途中でも退職できます。
退職代行を使う場合は、誰が運営しているかで頼める範囲が変わります。弁護士法72条は、弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で法律事件について代理や和解などの法律事務を扱うことを業とするのを禁じています。退職の意思を伝えるだけでなく、退職日や有給休暇の消化、未払い賃金について会社と交渉してほしいなら、弁護士が運営または対応するサービスか、団体交渉権を持つ労働組合が運営するサービスかを先に確かめてください(訴訟の代理は弁護士に限られます)。
よくある質問
あけおめ退職とは何ですか?
年末年始休暇が明けて出社したときに、同僚や先輩、後輩など身近な人が退職していたという経験を指す言葉です。マイナビが2025年12月に公開した調査で使われた定義で、法令用語ではありません。経験率は正社員全体で28.4%、20代では41.1%でした。
あけおめ退職はなぜ起きるのですか?
マイナビは、帰省や友人との会話で現状を見直す機会が増えることや、長期休暇明けの負担が「辞めたい」気持ちを高めている可能性を挙げています。同調査では、辞めたいと思ったきっかけとして給与・待遇への不満、業務量の多さ、人間関係の疲れが挙がり、辞めたいと思った時期は連休明け12.3%より連休中18.5%のほうが多くなっていました。年の始まりなどの節目で目標に向けた行動が増える「フレッシュスタート効果」も知られていますが、退職について直接検証した研究ではありません。
年明けに退職を伝えるのは非常識ですか?
時期そのものに問題はありません。期間の定めのない雇用なら、民法627条1項により申入れから2週間で雇用は終了します。3月末で辞めるなら、1月の休暇明けに伝えると年度末の繁忙の前に引き継ぎ期間を確保しやすくなります。
退職は何日前に伝えればよいですか?法律ではどうなっていますか?
期間の定めのない雇用では、法律上の原則は2週間前です(有期契約は民法628条と労働基準法附則137条の扱いになります)。民法627条2項と3項の予告期間は条文上「使用者からの解約の申入れ」に関する規定なので、月給制でも労働者側の退職に当てはめるのは正確ではありません。2週間前の申し出は違法ではありませんが、就業規則が1か月前などと定めている場合は、引き継ぎを考えてそちらに合わせるほうが摩擦は少なくなります。
同僚のあけおめ退職に感化されて自分も辞めたくなったときは?
まず、自分の不満が待遇の水準にあるのか、業務量にあるのか、人間関係にあるのかを分けてください。マイナビの調査でも、辞めたいと思ったきっかけは給与・待遇、業務量、人間関係と人によって分かれていました。理由が待遇なら社内の等級制度で動かせる幅を、業務量なら休暇明けの再配分で解消するかを確かめてから判断しても遅くありません。同僚が辞めたという事実は、自分が辞める理由そのものにはなりません。