オワハラとは「就活終われハラスメント」の略で、内定や内々定と引き換えに、学生へ他社の就職活動をやめるよう強要する行為を指します。内閣府が2025年12月に公表した調査では、内々定を得た学生の8.3%が経験したと回答しています。名前のついた法律はないものの、若者雇用促進法にもとづく国の指針が該当行為を名指しし、政府も「職業選択の自由を侵害するおそれがある許されない行為」として企業に要請しています。この記事では、公的調査の実数と条文にもとづいて、オワハラの範囲・違法になる境界・場面別の断り方・実際に機能している相談先までを整理します。
まとめ:オワハラの定義・違法性・対処の要点
先に結論です。オワハラは「内定と引き換えに就職活動の終了を強要する行為」で、指針上は禁止行為として名指しされ、内容によっては強要罪が成立します。内定承諾書に署名しても、学生の側から辞退する自由は残ります。
| 観点 | 要点 |
|---|---|
| 語義 | 就活終われハラスメントの略 |
| 経験率 | 8.3%(内閣府 令和7年度調査) |
| 最多の手口 | 他社の就活中止の強要 64.1% |
| 指針上の扱い | 告示406号が「行わないこと」と明記 |
| 刑事責任 | 強要罪は3年以下の拘禁刑 |
| 承諾書の効力 | 署名しても辞退は可能 |
| 実際の相談先 | 友人25.3%・家族25.2%が上位 |
| 相談しなかった割合 | 経験者の49.2% |
以下、それぞれの根拠と実務上の対応を順に見ていきます。
「就活終われハラスメント」というオワハラの語義と対象範囲
オワハラは「就活終われハラスメント」を縮めた言葉です。読み方は「おわはら」で、就職活動を「終われ」と迫るハラスメント、という組み立てになっています。新卒採用の現場から出てきた俗語ですが、現在は内閣府の調査票や政府の要請文書にもそのまま用いられています。
行政が使う定義はもう少し限定的です。内閣府の調査は、学生に対して「企業等から、あなたの意思に反して他の企業等への就職活動の終了を強要するようなハラスメント行為」と説明したうえで経験の有無を聞いています。核になるのは「他社の選考をやめさせる」という結果と、「学生の意思に反する」という要件の2つです。
この2要件を外すと、範囲が広がりすぎます。内定者向けの懇親会や研修そのものはオワハラではありません。他社の選考日程を物理的に潰す目的で組まれ、欠席が許されない運用になったときに初めて該当します。逆に、丁寧な言葉づかいであっても「明日までに返事をくれないと内々定は取り消す」と伝えれば、それは意思に反する終了の強要にあたります。判断の軸は口調ではなく、学生に他社を検討する余地が残っているかどうかです。
内閣府調査が示す経験率8.3%と手口別の構成比
実態は推測ではなく公的な調査で確かめられます。内閣府の令和7年度委託調査「学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査」(2025年12月12日公表)は、全国62大学の大学4年生と大学院2年生から4,415件の有効回答を得たものです。調査期間は2025年7月10日から8月11日でした。
この調査でオワハラを受けたと答えた学生は8.3%です。2023年度と2024年度はいずれも9.4%だったため、水準はほぼ横ばいと読めます。内々定を1社以上得た学生2,873人が集計対象で、そのうち経験者238人に手口を聞いた結果が次の内訳です。
| 受けたオワハラの内容(n=238) | 2025年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
| 他社への就活の中止を強要 | 64.1% | 55.9% |
| 内々定の段階で内定承諾書を要求 | 46.0% | 45.5% |
| 辞退の申出後の引き留め・拘束 | 12.8% | 13.0% |
| 懇親会等への出席を必ず要求 | 8.3% | 8.5% |
| 大学の推薦状の提出を要求 | 6.9% | 7.0% |
| 保護者のサインを要求 | 6.1% | 5.9% |
| 長時間の研修で他社の選考が不可に | 4.2% | 3.6% |
| 面接官の前で他社へ電話を強要 | 0.2% | 1.9% |
| 辞退の際の金銭要求 | 0.0% | 1.2% |
この表からは、就活記事で「典型例」として語られがちな手口の順位が実態と食い違うことがわかります。面接官の前で他社へ電話をかけさせる手口は0.2%、損害賠償金の要求は0.0%で、今年度はほぼ観測されていません。一方で、内々定の段階での内定承諾書の提出要求は46.0%と2番目に多く、学生が最も遭遇しやすいのは劇的な脅しではなく、書面と期限による静かな囲い込みです。備えるべき場面を1つに絞るなら、承諾書を差し出されたときの対応になります。
オワハラを名指しする指針と政府要請の位置づけ
「オワハラという名前の法律はない」という説明はよく見かけますが、そこで止めると実務を誤ります。オワハラに該当する行為は、法律にもとづく国の指針で名指しされているためです。
若者雇用促進法の指針が「行わないこと」と定める行為
根拠は、青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)第7条にもとづく「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(平成27年厚生労働省告示第406号)です。採用内定・労働契約締結にあたって遵守すべき事項として、次の一文が置かれています。
「採用内定又は採用内々定を行うことと引換えに、他の事業主に対する就職活動を取りやめるよう強要すること等青少年の職業選択の自由を妨げる行為又は青少年の意思に反して就職活動の終了を強要する行為については、青少年に対する公平かつ公正な就職機会の提供の観点から行わないこと。」
同じ指針は、採用内定者に対して自由な意思決定を妨げるような内定辞退の勧奨を行うことも、違法な権利侵害にあたるおそれがあるとしています。実効性の面では、若者雇用促進法第28条により、厚生労働大臣が事業主に対して報告を求め、助言・指導・勧告を行えます。ただしこの法律には、勧告に従わない企業名を公表する規定は置かれていません。
政府の要請文書はさらに踏み込んでいます。内閣官房・文部科学省・厚生労働省・経済産業省の連名で2026年3月24日に出された「2027年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」は、内定や内々定と引き換えに他社への就職活動を取りやめるよう強要するオワハラを「職業選択の自由を侵害するおそれがある許されない行為」と明記し、行わないよう求めています。
脅迫罪・強要罪が成立する境界と法定刑
刑事責任が問われるのは、指針違反よりさらに一段強い場面です。脅迫罪(刑法222条)は、生命・身体・自由・名誉・財産に害を加える旨を告知して人を脅迫した場合に成立し、2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が定められています。強要罪(刑法223条)は、同じ内容の脅迫または暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害した場合で、3年以下の拘禁刑です。同条3項により未遂も処罰されます。
境界は「害を加える旨の告知」があるかどうかです。「辞退したら損害賠償を請求する」「今後あなたの大学からは採用しない」は財産や利益への加害の告知にあたり得ます。これに対して「ぜひ当社に来てほしい」と繰り返す説得は、しつこくても脅迫罪の構成要件には届きません。前者は刑事、後者は指針違反として行政指導の射程、と分けて考えるのが実務的です。なお、懲役・禁錮は2025年6月1日に拘禁刑へ一本化されており、現行条文の法定刑は拘禁刑で表記されます。
内定承諾書に署名した後も辞退できる民法上の根拠
内定承諾書へ署名させる手口が46.0%に上る以上、署名後の効力を正確に押さえておく価値があります。告示406号は「採用内定者について労働契約が成立したと認められる場合には」という条件を置いたうえで、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない」内定取消しは無効とされる、と述べています。裏を返せば、内定は労働契約の成立が認められ得る段階であり、承諾書は辞退を封じる書面ではありません。
ただし、内閣府調査の46.0%は「内々定の段階で」承諾書を求められたケースです。内々定の段階では労働契約が成立していないと評価される場合が多く、そこで署名しても契約上の拘束は生じません。労働契約が成立したと認められる段階では、民法627条1項が「各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる」と定め、申入れの日から2週間を経過することで雇用が終了するとしています。学生の側から辞退する場合も、この規定が働きます。いずれの段階でも、企業の「署名したのだから辞退は認めない」という主張に法的な裏づけはありません。もっとも、入社直前の辞退など辞退の時期や態様によっては、企業に生じた実損の賠償が問題になり得ます。
2026年10月施行の求職者セクハラ措置義務がカバーしない領域
就職活動中のハラスメント対策は2026年10月1日に大きく変わりますが、その変化がオワハラを覆うわけではありません。ここを取り違えている解説が多いため、条文で確認しておきます。
改正男女雇用機会均等法で新設される第13条第1項が同日に施行され(現行の第13条は妊娠中・出産後の健康管理措置を定める別の条文です)、すべての事業主に、求職者等が求職活動等において自社の労働者による性的な言動を受け、求職活動が阻害されることのないよう、相談に応じ適切に対応するための体制整備その他の雇用管理上必要な措置を講じる義務が生じます。企業規模による適用除外はありません。改正後の同法第36条は第13条第1項を公表対象として列挙しており、勧告に従わなければ企業名が公表され得ます。
ここで注意すべきは対象の限定です。第13条第1項が捉えるのは「性的な言動」であり、就活終了の強要は含まれません。パワーハラスメントに類する言動については、告示406号が、就職活動中の学生等に対する言動に必要な注意を払うよう配慮することなどを事業主に求めていますが、指針上の位置づけは「望ましいこと」にとどまります。つまり、就活セクハラは措置義務と公表制度をもつ枠組みへ移行した一方で、オワハラは引き続き指針と行政指導が中心という非対称な状態が残ります。企業がセクハラ研修だけを整えてオワハラ対策を済ませたと考えるのは、この点で誤りです。
オヤカクと就活エージェント経由の就活終了圧力
政府の要請文書は、正面からの強要以外に2つの経路を名指ししています。どちらも当事者がオワハラだと気づきにくい形です。
保護者の同意を求めるオヤカク
オヤカクは、内定承諾にあたって保護者の意向を確認する慣行を指します。政府の要請は、内定辞退の防止を目的として、内定を承諾することに保護者の同意を強要するようなオヤカクには、学生の職業選択の自由を妨げるオワハラに該当し得るケースがあると注意を促しています。内閣府調査でも、引き留めを目的に入社について保護者のサインを求められた学生は6.1%おり、この設問が追加された2024年度の5.9%から微増しました。学生本人の意思確認を補う趣旨の連絡と、保護者を通じて本人の選択を封じる運用とでは意味が正反対です。
就活エージェントからの就活終了要求
圧力の出どころが企業とは限りません。政府の要請は、学生が就活エージェント等の名称で職業紹介事業者が提供するサービスを使い、企業から内々定を受けた際に、そのエージェントから他企業への就職活動の終了を迫られる事例がみられると記しています。紹介手数料が内定承諾で確定する構造上、エージェント側にも就活を終わらせる動機が働くためです。この場合の窓口は応募先企業ではなく、職業紹介事業を所管する都道府県労働局・ハローワークになります。要請は、労働局・ハローワークが学生からの相談を受け付け、事実確認のうえで対処すること、大学のキャリアセンター等と事例を共有することも定めています。
同じ要請は学生側にも一言添えています。不必要に複数の内々定を保持する行為は厳に慎み、節度ある就職活動を行うよう大学から周知する、という内容です。囲い込みの背景に内定辞退の増加があることを踏まえた記述で、辞退の意思が固まったら早めに伝えるという実務上の指針にもなります。
就活生が使える場面別の断り方と返答例
実際の場面で必要なのは、心構えより言い回しです。オワハラの手口は大きく3つの場面に分かれるので、それぞれに対応する返答を用意しておくと迷いません。
- 他社の辞退を求められたとき:「御社を第一に考えていますが、他社の結果も確認したうえで責任をもって決めたいので、現時点で辞退することはできません」と伝えます。承諾の意思は否定せず、決定の時期だけを保留するのが要点です。
- 内定承諾書への署名をその場で求められたとき:「持ち帰って確認してから提出させてください」と述べ、その場では署名しません。46.0%が遭遇する最多の場面であり、ここで押し切られないことが最大の防御になります。
- 回答期限を極端に短く区切られたとき:「◯月◯日までにご返答します」と自分から日付を提示します。期限そのものを拒むより、履行可能な代案を出すほうが交渉として成立しやすくなります。
面接や面談の場で恐怖を感じ、会話を続けられないと判断したときは、退室してかまいません。就職活動の継続を制限する誓約書や念書に署名を求められた場合も同様で、応じる義務はありません。相手の主張が指針や刑法に触れる内容であれば、その場で言い返すより記録を残すほうが後で効きます。日時・担当者名・発言内容をメモし、メールなら削除しないでください。
断りにくさの背景には、内定後の心理的な揺れもあります。決めた後の不安と圧力を受けた不快感は原因が別なので、切り分けて考えると判断しやすくなります。前者については内定ブルーとは?うつ病・適応障害との違いと受診の目安、公的な相談窓口で整理しています。
相談先の想定70.1%と実績11.2%のギャップ
相談先の案内はどの記事にも載っていますが、その案内が実際に使われているかを確かめた記事はほとんどありません。内閣府調査は、オワハラ未経験者に「受けたらどこに相談すると思うか」を、経験者には「実際にどこに相談したか」を聞いており、両者を並べると想定と行動が大きくずれていることがわかります。
| 相談先 | 未経験者の想定(n=3,045) | 経験者の実績(n=238) |
|---|---|---|
| 大学のキャリアセンター | 70.1% | 11.2% |
| 家族・親戚 | 50.8% | 25.2% |
| まわりの友達 | 36.2% | 25.3% |
| 民間の就職支援会社やエージェント | 6.5% | 1.1% |
| ハローワークや労働局 | 9.3% | 0.2% |
| 応募先企業の相談窓口 | 6.8% | 0.5% |
| 警察 | 4.5% | 0.0% |
| 弁護士 | 3.5% | 0.0% |
| 相談先がわからず相談しない | 3.1% | 13.7% |
| 相談先はわかるが相談しない | 5.8% | 35.5% |
最も落差が大きいのは大学のキャリアセンターです。約7割が「そこに相談する」と考えているのに、実際に相談した経験者は11.2%にとどまります。公的機関はさらに使われておらず、ハローワークや労働局は0.2%、警察と弁護士は0.0%でした。そして経験者の49.2%は誰にも相談していません。内訳は、相談先がわからなかった13.7%と、相談先を知っていながら相談しなかった35.5%です。
この数字は、相談先の一覧を配ることが対策として弱いことを示しています。学生が実際に話しているのは家族と友人であり、そこから公的窓口へ橋渡しされていません。学生の側は、まず家族や友人に話すこと自体は自然な行動として認めたうえで、事実関係のメモを残した状態でキャリアセンターへ持ち込むと接続が速くなります。企業に対する事実確認や指導が必要な段階に入ったら、都道府県労働局・ハローワークが窓口です。政府の要請でも、労働局・ハローワークが学生の相談を受け付け、大学のキャリアセンター等と事例を共有することが定められています。
採用担当者に求められるオワハラ防止の実務
企業側の対策は、研修の実施だけでは足りません。内閣府調査の内訳が示すとおり、最も頻度が高いのは承諾書と期限の運用であり、これは現場の裁量ではなく採用フローの設計に属する問題だからです。
まず、慎むべき行為が具体的に列挙されていることを押さえます。全国の大学等関係団体の代表で構成される就職問題懇談会が2026年3月24日に出した企業等への要請は、【オワハラの防止】として「内々定の段階で内定承諾書、誓約書をはじめとした内定受諾の意思確認書類の提出を要求すること、学生を長時間拘束するような選考会、研修及び行事等を実施すること、自社の内々定と引換えに、他社への就職活動を取りやめるよう強要すること、内々定と引換えに大学教員等からの推薦状の提出を求めたり、保護者の同意を強要すること」を挙げ、厳に慎むよう求めています。内々定の段階で承諾書を出させる運用は、この列挙の筆頭に置かれています。
日程の前提も確認しておきます。「就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議」が2025年12月26日にまとめた考え方によれば、2027年度卒業・修了予定者についても日程ルールは変わらず、広報活動開始が卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、採用選考活動開始が卒業・修了年度の6月1日以降、正式な内定日が同10月1日以降です。この枠組みは2017年度卒業者以降変わっていません。10月1日より前に出したものはすべて内々定であり、承諾書の要求はその段階で起きています。
次に、承諾期限の設計を見直します。回答期限を一律に短く設定すると、現場の担当者に悪意がなくてもオワハラの構図が生まれます。他社の選考結果を待ちたいという申出には延長を認める、期限を過ぎても自動的に取り消さない、という2点を社内ルールとして明文化しておくと、担当者ごとの判断のばらつきが消えます。
採用の前提そのものが厳しくなっている点も押さえておく必要があります。同じ資料によれば、採用予定数を充足できたとする企業の割合は、2025年卒では3割台にとどまりました。学生側の就職活動も長期化しており、9カ月間程度以上を要した学生の割合は、令和2年度の約3割から令和6年度には約5割へ増えています。囲い込みの誘因はこの需給から生じているため、内定辞退を減らしたいのであれば、圧力ではなく内定後の情報提供と面談の質で対応するほうが筋が通ります。
社内の位置づけとしては、就活生への言動をハラスメント防止方針の対象に含めておくのが実務的です。ハラスメント防止方針を明確化する際に、就活生等に対する言動についても同様の方針を併せて示すことを、告示406号は望ましい取組として挙げています。既存のハラスメント規程に一文を足すだけで対応できる項目です。社内の言動全般の線引きについては職場でのコミュニケーションに潜むハラスメントハラスメント(ハラハラ)とは?基本概念と最新動向も参考になります。
よくある質問
オワハラとは何の略ですか?
オワハラは「就活終われハラスメント」の略です。就職活動を「終われ」と迫るハラスメント、という組み立てで、読み方は「おわはら」です。内閣府の調査では「企業等から、あなたの意思に反して他の企業等への就職活動の終了を強要するようなハラスメント行為」と定義されています。若者雇用促進法第7条にもとづく平成27年厚生労働省告示第406号でも、採用内定や内々定と引き換えに他社への就職活動を取りやめるよう強要する行為として、行わないことが求められています。
オワハラは違法ですか?
オワハラという名称の法律はありませんが、複数の枠組みで違法または不適切と扱われます。まず告示406号が該当行為を名指しし、若者雇用促進法第28条にもとづく助言・指導・勧告の対象になり得ます。「辞退したら損害賠償を請求する」のように害を加える旨を告知した場合は、刑法222条の脅迫罪(2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)や、223条の強要罪(3年以下の拘禁刑)が成立し得ます。民法709条の不法行為として損害賠償責任を負う可能性もあります。
オワハラをした企業の一覧は公表されていますか?
公表されていません。オワハラの根拠となる若者雇用促進法には、勧告に従わなかった企業名を公表する規定が置かれていないためです。就職活動中のハラスメントに関して企業名公表の規定があるのは男女雇用機会均等法で、改正後の同法第36条は第13条第1項(2026年10月1日施行の求職者等へのセクシュアルハラスメント防止措置)などの違反に対する勧告に従わない場合を対象としています。オワハラはこの列挙に含まれません。ネット上に流通する「オワハラ企業リスト」は公的な根拠を持たない情報です。
オワハラを受けたときの上手な断り方は?
承諾の意思は否定せず、決定の時期だけを保留するのが基本です。他社の辞退を求められたら「他社の結果も確認したうえで責任をもって決めたいので、現時点で辞退はできません」と伝えます。承諾書をその場で求められたら「持ち帰って確認してから提出します」と述べ、署名しないでください。就職活動を継続しない旨の誓約書や念書に応じる義務もありません。
オワハラはどこに相談すればよいですか?
大学のキャリアセンターが最初の窓口です。企業への事実確認や指導が必要な段階では、都道府県労働局・ハローワークが対応します。政府の要請でも、労働局・ハローワークが学生の相談を受け付け、大学のキャリアセンター等と事例を共有することが定められています。ただし内閣府調査では、実際に相談した経験者のうちキャリアセンターは11.2%、労働局・ハローワークは0.2%にとどまり、49.2%は誰にも相談していません。相談前に日時・担当者名・発言内容をメモしておくと、窓口での事実確認が進みやすくなります。
就活エージェントから就活の終了を迫られた場合もオワハラですか?
該当し得ます。政府の要請は、学生が就活エージェント等の名称で職業紹介事業者が提供するサービスを利用し、企業から内々定を受けた際に、そのエージェントから他企業への就職活動の終了を迫られる事例がみられると明記しています。この場合の相手は応募先企業ではなく職業紹介事業者なので、都道府県労働局・ハローワークが窓口になります。エージェントの担当者名・日時・やり取りの記録を残したうえで相談してください。