ホームページ制作に使える補助金はありますが、2026年10月時点で「会社案内のサイトを作る費用」をそのまま出してくれる国の制度はありません。国の補助金でサイト費を計上できるのは、販路開拓の取り組みの一部に組み込む小規模事業者持続化補助金が中心です。旧IT導入補助金のデジタル化・AI導入補助金は、ECサイトを含むホームページ制作を補助対象外とFAQで明記しています。制作費そのものを補助するのは、区や市が独自に設けるホームページ作成費補助です。ここでは各制度の公募要領と自治体の公式ページを確認し、対象になるサイト、上限額、いま申請できる締切を整理します。
まとめ:ホームページ制作の補助金で押さえる要点(2026年10月28日時点)
- 小規模事業者持続化補助金は第20回からウェブサイト関連費の上限が30万円(税込)に変わりました。ウェブサイト関連費だけの申請はできません。受付は2026年11月5日から12月15日17時までです。
- デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)は「ホームページ制作(ECサイト制作含む。)は補助対象外」です。対象は事務局に登録されたITツールの導入費用で、通常枠の補助率は1/2以内です。
- 制作費そのものを補助するのは区や市の独自制度です。足立区は上限20万円、葛飾区は上限5万円(外国語対応8万円)で、中央区(上限30万円)は令和8年度の受付を終えました。
- 持続化補助金などは交付決定前の発注・支払いが対象外です。ただし、葛飾区は着手前に申請し、完成・支払い後の実績報告を審査して交付決定するため、制度ごとの順序を確認してください。補助金は後払いなので、制作費はいったん全額を立て替えます。
- リニューアルは、足立区・葛飾区・中央区の補助では全面的な改修だけが対象で、ページ追加などの部分修正は対象外です。持続化補助金では、販路開拓等に必要な更新・改修も対象になり得ます。
補助金・助成金・給付金の違いと、ホームページ制作費の受け皿
名前が似ていても、ホームページ制作費を出せるかどうかは制度の目的で決まります。サイト制作で検討するのは経済産業省系の補助金と自治体の補助金で、厚生労働省の雇用関係助成金は対象になりません。
| 区分 | 主な所管 | 目的 | 受給の決まり方 | サイト制作費 |
|---|---|---|---|---|
| 補助金(国) | 経済産業省・中小企業庁 | 販路開拓・生産性向上 | 審査・採択 | 条件付きで計上可 |
| 補助金(自治体) | 区・市・県 | 地域の中小企業支援 | 先着順・審査など | 制作費を直接補助 |
| 雇用関係助成金 | 厚生労働省 | 雇用・人材育成 | 要件を満たせば受給 | 対象外 |
| 給付金 | 国・自治体 | 家計・事業者の救済 | 該当すれば支給 | 対象外 |
注意したいのは、自治体では「助成金」と名付けていても中身は補助金と同じ審査・予算枠の制度があることです。名称ではなく、対象経費に「ホームページの作成」が書かれているかで判断してください。補助金を使わずに発注した場合の費用感はホームページ制作費用の相場で、依頼先と規模ごとに整理しています。
受付中・受付開始予定の制度と締切(2026年10月28日時点)
申請から入金までが長い制度ほど、公開したい時期に間に合うかを最初に確かめる必要があります。各制度の公式サイトで確認できた日程は次のとおりです。
| 制度 | サイト費の上限 | 締切 | その後の予定 |
|---|---|---|---|
| 持続化補助金 第20回 | 30万円(税込) | 2026-12-15 17時 | 採択発表 2027年3月頃 |
| 持続化補助金 創業型 第4回 | 30万円(税込) | 2026-12-15 17時 | 様式4は12-04まで |
| デジタル化・AI導入 通常枠 | ホームページ制作は対象外 | 第6次 10-30・第7次 12-01 | 第7次の採択発表 2027-01-19 |
| 新事業進出・ものづくり 第1回 | PRサイトは販促費の上限内 | 2026-10-30 18時 | 採択発表 2027年1月頃 |
| 足立区 HP作成・更新補助 | 20万円(動画25万円) | 2027-01-29 | 事前相談が必須 |
| 葛飾区 HP作成費補助 | 5万円(外国語8万円) | 2027-02-26必着 | 受付順・予算の範囲内 |
持続化補助金は商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)が必要で、その発行受付は2026年12月4日に締め切られます(小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉の公式サイト)。実際の締切は12月15日より10日以上早いと考えてください。開業から日の浅い事業者向けの創業型 第4回も、ウェブサイト関連費の上限30万円(税込)と締切日は一般型と同じです。一般型と創業型への重複申請はできません。各補助金の回次と採択発表日は、中小機構の補助金スケジュール(2026年10月19日更新)にまとまっています。
サイトの種類別に見た補助対象の可否
同じ「ホームページ制作」でも、サイトの役割と制度の目的が合うかで結果が変わります。公募要領と区の要綱の記載から見た目安は次のとおりです。
| サイトの種類 | 持続化補助金 | デジタル化・AI導入 | 区のHP補助 |
|---|---|---|---|
| 会社案内のサイト(新規) | 販路開拓と組めば可 | 対象外 | 主な対象 |
| 全面リニューアル | 販路開拓と組めば可 | 対象外 | 多くの区で対象 |
| ページ追加・部分修正 | 目的次第 | 対象外 | 対象外が多い |
| ECサイト | 可 | 制作は対象外 | 上乗せ枠のある区あり |
| 予約・顧客管理の機能 | 販路開拓等の条件付き | 登録ツールが対象・顧客側機能は例外あり | 対象外が多い |
| 採用ページだけ | 対象になりにくい | 対象外 | 足立区は対象外 |
リニューアルが対象になる条件
区の補助は「全面的な改修」を条件にしているところが目立ちます。足立区は対象経費を「ホームページの全面的な更新(リニューアル)に係る委託費」とし、「単なるページや機能の追加などは対象になりません」と明記しています(足立区 ホームページ作成・更新補助金)。葛飾区も「販路拡張に向けて既存のホームページを全面的に改修するための委託費」が対象です。デザインの刷新だけでなく、問い合わせ導線や掲載内容を作り直す計画にしておくと、要件に合わせやすくなります。リニューアルで検索順位を落とさない進め方はサイトリニューアルの進め方で手順にしています。
採用ページの対象外条件とLPの公開・運用要件
持続化補助金は販路開拓、デジタル化・AI導入補助金は業務の生産性向上が目的です。人を採るためのページは、どちらの目的にも直接は当たりません。足立区は「採用ページなど特定の業務に関するページのみを作成する場合の費用」を対象外経費に挙げています。LPについては、持続化補助金の公募要領が「補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ」を対象外としており、作っただけで公開・運用しないLPは否認されます。
小規模事業者持続化補助金(第20回)でホームページ費を計上する条件
対象は常時使用する従業員が商業・サービス業で5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他で20人以下の小規模事業者です。補助率は2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)、補助上限は50万円で、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされます。
ウェブサイト関連費は上限30万円(税込)・単独申請は不可
第20回の公募要領(第8版・2026年7月21日)は、ウェブサイト関連費について「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です」と定め、「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません」としています(第20回公募要領)。第19回までは「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」という割合の上限でした。
- 通常枠50万円だけで申請する場合、以前の上限は12.5万円でしたが、第20回では30万円まで計上できます。
- 補助率2/3なら、補助対象経費45万円に対する補助額が上限の30万円です。見積総額が45万円でも、ドメイン維持費など対象外の費目が含まれていれば、補助額はその分下がります。
- 特例を使って補助金額を大きくしても、サイト費の補助は30万円で頭打ちです。
このため、サイト制作を主役にした計画でも、チラシ・看板などの広報費や展示会出展費と組み合わせて申請します。計画書は様式2・3を電子申請システムへ直接入力する形式で、作り方は事業計画書をパワーポイントで作る方法の提出先別の注意点で触れています。
持続化補助金の対象経費とサイトの処分制限
ウェブサイト関連費の定義は「販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト、システム等の開発、構築、更新、改修、運用をするために要する経費」です。公募要領の例示では、効果や作業内容が明確なSEO対策は対象、ウェブサイトやシステムに関連するコンサルティング・アドバイス費用は対象外です。また、50万円(税抜き)以上で作成・更新したサイトは「処分制限財産」になり、通常は取得日から5年間、事務局の承認なく目的外使用や廃棄ができません。補助事業の目的に沿った改良や機能強化は、この「処分」には当たりません。
第20回の交付決定後の着手と公開時期
第20回の採択発表は2027年3月頃の予定で、交付決定は採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があると公募要領に書かれています。交付決定前の発注・契約・支払いは対象外なので、制作の着手は2027年春以降です。補助事業の実施期限は2028年3月31日です。2026年内にサイトを公開したい計画なら、持続化補助金は合いません。
デジタル化・AI導入補助金2026でホームページ制作が対象外になる範囲
IT導入補助金は2026年から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。通常枠のFAQは「ホームページ制作は補助対象ですか」という問いに「ホームページ制作(ECサイト制作含む。)は補助対象外です」と答えています(通常枠のよくあるご質問)。会社案内のサイトだけでなく、ネットショップの制作費もこの補助金では出ません。
補助対象は、事務局に登録されたIT導入支援事業者が提供する登録済みITツールのソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、導入関連費です。通常枠の補助額は1プロセス以上で5万円〜150万円未満、4プロセス以上で150万円〜450万円以下、補助率はどちらも1/2以内です(2024年10月〜2025年9月の間に、当時の地域別最低賃金以上・2025年度改定の地域別最低賃金未満の従業員が全従業員の30%以上となる月が3か月以上ある場合は2/3以内)(通常枠の公募要領)。補助率3/4・4/5はインボイス枠の値で、通常枠には当てはまりません。
サイトに関係する機能で対象になり得るのは、予約受付台帳のように店舗側で使う管理ツールです。ITツール登録要領は、原則として店舗側の予約管理機能を対象とし、顧客側・店舗側の機能を切り分けられない場合には顧客側機能も対象とする一方、「顧客側画面を新規制作する費用は、スクラッチ開発に該当するため対象外」としています。予約や受発注の管理ツールはこの補助金、公開サイトの制作は持続化補助金や区の補助が候補です。ただし、費目を分けても同一・類似事業や同一趣旨の補助の併用が認められない場合があるため、両制度の窓口に確認してください。
東京23区のホームページ作成費補助(足立区・葛飾区・中央区)
制作費そのものを補助するのは自治体の制度です。足立区・葛飾区・中央区について、令和8年度の条件を各区の公式ページに基づいて整理します。
| 区 | 補助率・上限 | 対象 | 受付(令和8年度) |
|---|---|---|---|
| 足立区 | 1/2・20万円(動画加算25万円) | 新規作成・全面更新 | 2026-04-01〜2027-01-29 |
| 葛飾区 | 1/2・5万円(外国語8万円) | 新規作成・全面改修 | 2027-02-26必着・受付順 |
| 中央区 | 1/2・30万円(創業枠2/3) | 新規作成・全面改修 | 上期・下期とも受付終了 |
- 足立区:申請前に「ウェブ活用アドバイザー」への事前相談(要予約)が必須です。ECサイト作成経費は対象外で、区のIT・IoT導入補助金の対象になる場合があるとしています。
- 葛飾区:原則として区内で1年以上事業を営んでいることが条件です。ただし、葛飾区の創業塾の全講義を受講して創業した事業者は1年未満でも対象です。ECサイトの新規構築(上限10万円)とPR動画(上限2万円)は、ホームページの作成・改修と同時に申請する場合だけ上乗せされます。制作会社に直接委託せず仲介業者を通した場合と、消費税分は対象外です(葛飾区 ホームページ作成費補助)。
- 中央区:上期は5月1日、下期は10月1日に受付を始める先着順で、令和8年度は両方とも受付を終えています(中央区 中小企業のホームページ作成費補助)。年度によって上限額や受付状況が変わるため、申請前に区の公式ページで確認してください。
自治体補助金の予算到達による早期終了
自治体の補助は予算額に達した時点で受付を終えます。中央区は先着順で下期分を締め、神奈川県の小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金(ホームページ作成・更新費用は上限10万円)も「予定予算に達したため」2026年8月28日に新規受付を終えました(神奈川県の告知)。自治体の補助を狙うなら、年度が始まる4月に所在地の区・市の産業振興課のページを確認し、要綱が出た時点で動くのが確実です。所在地名と「ホームページ 補助金」で検索すると、多くの場合は区・市の公式ページが見つかります。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とホームページ
事業再構築補助金は新規の応募受付を終え、後継の新事業進出補助金とものづくり補助金は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」にまとまりました。第1回の公募要領は、広告宣伝・販売促進費の例に「補助事業のPR等に係るウェブサイトの構築」を挙げています。ただしその上限は「事業計画期間内の補助事業における売上見込み額合計÷事業計画年数×5%」で、革新的新製品・サービス枠は機械装置・システム構築費が必須、新事業進出枠は機械装置・システム構築費か建物費のどちらかが必須です(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公式サイト)。新製品・新事業のPRサイトとしてなら計上できますが、既存事業のホームページを作り直す目的では使えません。
申請から入金までの流れと失敗しやすい点
- 国の補助金は電子申請のみで、GビズIDプライムが必要です。取得には日数がかかるため最初に申し込みます。
- 制作会社から、制度の経費区分に合わせて費目を分けた見積書をもらいます。
- 事業計画を作り、持続化補助金なら商工会・商工会議所に様式4の発行を依頼して申請します。
- 持続化補助金などは交付決定後に発注・契約・制作へ進みます。自治体制度は順序が異なり、葛飾区では制作・改修の着手前に申請します。
- 制度ごとの実施期限までに公開と支払いを済ませ、実績報告と請求の手続きを行います。葛飾区は2027年3月31日までに完成・支払いを終え、実績報告書を提出する必要があります。
避けたいのは、交付決定の前に発注や前払いをしてしまうことです。持続化補助金は「交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)等を実施したもの」を対象外とし、足立区も採択前に支払った経費を対象外にしています。もう一つは資金繰りで、補助金は後払いのため、制作費の全額を自己資金か融資で用意してから始めます。持続化補助金では、商工会・商工会議所以外の第三者から申請支援を受けた場合、その相手と報酬を申告する必要があります。外部に頼むときの範囲と費用の見方は事業計画書の作成代行は誰に頼む?で整理しています。
補助金を前提に制作会社へ見積もりを頼むときの分け方
補助金の審査と実績報告では、見積書・発注書・請求書の費目が経費区分と対応しているかが見られます。制作費とドメイン・サーバーの維持費、公開後の保守費が1行にまとまった見積書では、どこまでが対象か切り分けられません。足立区と葛飾区はドメイン維持費・サーバー維持費を対象外とし、足立区は維持管理費も対象外です。見積もりを頼む段階で、次のように分けてもらってください。
- 新規作成または全面改修の制作費(設計・デザイン・実装・原稿)
- EC・予約などの機能(区によって上乗せ枠や対象外の扱いが違うため別行に)
- ドメイン・サーバー・保守などの継続費用(多くの制度で対象外)
- 動画・外国語対応など、上乗せ枠のある区で使う費目
持続化補助金で50万円(税抜き)以上のサイトにすると処分制限財産になる点も、見積額を決めるときの判断材料です。当社の企業サイト制作・コーポレートサイト制作のサービス内容も、制作会社を比較する際に確認してください。制作会社の種類ごとの得意分野はホームページ制作会社のおすすめは?で比べています。
よくある質問
IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)でホームページは作れますか?
作れません。通常枠のFAQが、ECサイト制作を含むホームページ制作を補助対象外としています。対象は事務局に登録されたITツールの導入費用で、店舗側の予約管理などのツールは対象になり得ますが、顧客が使う画面の新規制作費は対象外です。
個人事業主でもホームページ制作の補助金は使えますか?
使えます。持続化補助金は従業員数の要件を満たす個人事業主も対象です。区の補助も個人事業主を含めている例が多く、足立区は区内の住所で開業届を出していることを条件にしています。
ホームページのリニューアルに補助金は使えますか?
使えます。足立区・葛飾区・中央区の補助は全面的な改修が対象で、ページ追加などの部分修正は対象外です。持続化補助金は全面改修に限っておらず、販路開拓の計画に必要な更新・改修であれば、ウェブサイト関連費に計上できます。
2026年のホームページ制作の補助金はいくらまでもらえますか?
持続化補助金のウェブサイト関連費は30万円(税込)が上限です。区の補助は葛飾区5万円、足立区20万円、中央区30万円など、地域で大きく違います。
助成金でホームページは作れますか?
厚生労働省の雇用関係助成金は雇用や人材育成が目的で、ホームページ制作費は対象外です。自治体が「助成金」と呼ぶ制度の中にはサイト制作費を対象にするものがあるので、対象経費の欄で判断してください。