AIでWebサイトを自動生成するツールは、大きく2系統に分かれます。Wixのようにサイト作成サービスの中でAIがページを組み立てる型と、Create(create.xyz、現在の名称はAnything)のようにAIがアプリのコードを書いて公開まで行う型です。どちらも日本語の指示文から数分で形になりますが、料金のかかり方、作ったものを持ち出せるか、検索に載せるための設定の手間がまったく違います。この記事では、2026年10月時点の公式情報をもとに、2系統の違い、Createの使い方と料金、公開前にやっておくSEO設定、AIで作ってはいけないサイトの条件を順に説明します。
まとめ:AIでWebサイトを作る前に決めること
- まず系統を選ぶ。集客用の会社・店舗サイトはWix AIなどのサイトビルダー型、予約や会員機能があるWebアプリや試作はAnything・Lovable・Boltなどのコード生成型が向きます。
- Create(現Anything)は無料では生成できません。公式ドキュメントは「生成には有料プランが必要」と明記しており、最安はPro(年払いで月19ドル、月払いで月24ドル・月2万クレジット)です。独自ドメインもPro以上です。
- AIで作ったこと自体は検索で不利になりません。ただし公開前に、ページごとのtitle・descriptionとクロール設定は確認してください。Wixにはメタタグ・サイトマップ・robots.txtの自動生成機能があり、Anythingではプロジェクトの形式に応じて不足する設定を追加します。
- 長く集客に使うサイトをAI単独で完結させない。試作はAIで進め、本番公開では品質確認と運用の担当者を決めます。SEO設計、アクセシビリティ検査、連携機能の検証を社内で担えない場合は、制作会社への依頼を推奨します。
AIでWebサイトを自動生成する2つの系統
「AIでホームページを作る」と書かれたツールを並べると、仕組みの違う2種類が混ざっています。選び方を誤る原因の多くはここにあります。
| 項目 | サイトビルダー型 | コード生成型 |
|---|---|---|
| 代表例 | Wix(Harmony)、Jimdo、STUDIO | Anything(旧Create)、Lovable、Bolt |
| AIが作るもの | サービス内のページと文章 | React等のアプリのコード |
| 得意なもの | 会社・店舗・ブログのサイト | 予約・会員・管理画面のあるWebアプリ |
| 公開後の編集 | 画面上のエディタで直す | AIへの追加指示が中心 |
| 他所への持ち出し | 原則できない | コードをダウンロードできる |
| SEO設定 | 管理画面の項目で入力 | AIへの指示で追加する製品あり |
サイトビルダー型は、従来のホームページ作成サービスにAIの初期生成と編集補助が加わったものです。たとえばWixは2026年1月に新しいエディタ「Wix Harmony」を発表し、AIエージェント「Aria」に日本語で指示してページを組み替えられるようにしました。生成後もドラッグ操作で直せるので、更新を担当者が自分で続けたい会社サイトに向きます。その代わり、作ったサイトはWixの中でしか動きません。Harmonyで作ったサイトは、同じWixのStudioエディタとの間でも相互に移せません(詳しくはWix Harmonyの提供状況とWix Studioとの使い分けで整理しています)。
コード生成型は、AIがアプリのソースコードを書き、データベースやログイン機能まで用意して公開します。Anythingの場合、出力はReactとNext.js(JavaScript)で、Codeタブからプロジェクト一式をダウンロードできると公式FAQに書かれています。サービスをやめても手元にコードが残る点が、サイトビルダー型との一番大きな違いです。一方で、画面の細かい修正もAIへの指示で行うのが基本で、意図どおりに直るまでクレジットを消費します。スマートフォン表示の崩れも、画面上部の切り替えでモバイル表示を確かめ、「モバイルではカードを縦に並べて」のように指示して直す流れです。同じ型のLovableやBolt.newも、料金がクレジットやトークンの消費量で決まる点は共通です。
どちらにも入らないものとして、ChatGPTなどの汎用チャットAIにHTMLを書かせる方法があります。コードは出せますが、サーバーへの設置、ドメイン、更新の仕組みは自分で用意することになるので、「自動生成」と呼べるのはコードを書く部分だけです。
Create(現Anything)の使い方と料金
検索で「create ai」「createとは」と調べられているのは、create.xyzで提供されていたAIアプリ作成サービスです。2025年8月8日の公式発表「Anything launch」でCreateを作り直したサービスとしてAnythingが告知され、2025年12月11日の公式ブログでは「Anything started as Create. Then createanything.com. Now it’s anything.com.」と、Create、createanything.comを経てanything.comに移った経緯が説明されています。古い解説記事にある「Create」「create.xyz」は、いまのAnythingを指すと読み替えてください。
作れるものと使われているAIモデル
Anythingが作れるのは、Webアプリ、Webサイト、iOS・Androidアプリです。公式のWebの説明では、利用者やデータを持つダッシュボード・予約ツールなどを「Webアプリ」、LP・ポートフォリオ・ブログのような静的なものを「Webサイト」と呼び分け、どちらも作れるとしています。モバイルアプリはTestFlight経由でApp Storeへ提出できます。Google Playへの提出機能はベータ版で、Androidアプリを内部テスト用トラックに下書きとしてアップロードします。
生成に使うAIモデルは1つではありません。公式FAQによると、Anthropic(Claude)、OpenAI(GPT)、Google(Gemini)、Moonshot(Kimi)とオープンソースのモデルを工程ごとに使い分け、切り替えも可能です。古い解説記事に見られる「GPT-4とStable Diffusionが無料で使える」といった説明は、いまの仕様には当てはまりません。
料金プランとクレジットの消費
いちばん大きな変更は、無料プランでは生成できなくなったことです。公式の料金ドキュメントは「Anything offers Pro and Max plans. Building an app requires a paid plan.」と書いており、有料プランなしで生成を始めると決済画面へ案内されます。
| プラン | 年払い(月あたり) | 月払い | 月間クレジット |
|---|---|---|---|
| Pro 20k | 19ドル | 24ドル | 2万 |
| Max 200k | 199ドル | 239ドル | 22万 |
| Max 900k(最上位) | 899ドル | 1,079ドル | 99万 |
年払いは前払いの一括請求で、Proなら228ドルを一度に払います。返金はなく、年払い分も解約で戻りません。クレジットは指示を送るたびに消費され、公開したアプリがAI機能を動かしたときにも減ります。月のクレジットは請求日に補充され、使い残しは繰り越されません。足りなくなったときの追加購入は1万クレジット12ドルからで、こちらは期限がありません。
クレジットの減り方は、指示1回でAIが変更するファイルの数で変わります。公式のクレジットの説明が勧めているのは、先に消費の少ないPlanモードで手順を出させ、内容を確認してからThinkingモードで作らせる進め方です。大きな指示を一度に投げるより、作り直しが減ります。
公開と独自ドメインの設定
Webアプリの公開は、右上のPublishから行います。サブドメインを決め、公開するページと各ページのURL(ルート)を選ぶと、yourslug.created.appの形のURLで誰でも見られる状態になります。独自ドメインはPro・Maxで使え、Anything経由で購入するか、手持ちのドメインを接続します。手動で設定する場合、公式のドメイン手順ではルートドメインにAレコード76.76.21.21、wwwにCNAMEを登録します。
有料プランをやめて無料に戻った場合も、公開済みのアプリとデータは残ります。ただし公開サイトにAnythingのロゴ表示が付き、独自ドメインでの公開とアプリストアへの提出が止まり、新しい生成もできなくなります。仕事で使うなら、独自ドメインを維持するあいだProを払い続ける前提で費用を見ておく必要があります。
生成されたコードと内容の権利は利用者にあります。公式FAQは「You own all the code and content generated in your projects.」と答えています。商用サイトに使うこと自体に制約はありません。
Wix AIほか主要ツールの選び方
系統が決まったら、作りたいものに合わせて製品を選びます。料金は改定が多いので、表には2026年10月時点で公式に確認できた範囲だけを載せています。
| ツール | 系統 | 向くもの | 無料で公開 |
|---|---|---|---|
| Wix(Harmony) | サイトビルダー | 会社・店舗サイト | 可(サブドメイン) |
| STUDIO | サイトビルダー | デザイン重視のサイト | 可(サブドメイン) |
| Framer | サイトビルダー | デザイン重視のサイト | 可(サブドメイン) |
| Anything(旧Create) | コード生成 | Webアプリ・試作 | 不可(生成に有料) |
| Lovable・Bolt | コード生成 | Webアプリ・試作 | 無料枠あり |
| Google Stitch | UI設計 | 画面デザイン案 | Netlify連携 |
「wix ai 使い方」で調べている場合、いまのWixはHarmonyエディタでAriaに話しかける形が中心です。Wix公式ブログによると、Harmonyはエディタ自体の追加料金がなく、無料プランを含む全プランで使えます。無料プランのままだとURLはWixのサブドメインになり広告も表示されるので、会社サイトとして公開するなら独自ドメインを接続できる有料プランが必要です。
デザイン重視のサイトビルダーもAI機能を広げています。Framerは2025年5月21日に、画面幅に応じて組み替わるレスポンシブなレイアウトを生成するWireframerを発表し、現在はAIエージェントがプロジェクト内に編集できるページや文章を作ります。独自ドメインが使える最安のBasicは年払いで月10ドル相当です。国内のSTUDIOは、ヒアリングからサイトマップ・ワイヤーフレーム・デザイン案までを支援する「Studio.Assistant」を2026年9月7日に正式リリースしました。Studio.AssistantはStudio本体とは別の有料アドオンで、公式発表では2週間の無料トライアルも案内されています(STUDIOのお知らせ)。
UIの見た目だけを先に固めたいなら、画面デザイン案を出すGoogle Stitchのようなツールもあります。2026年5月19日の更新で画面をGoogle Antigravityへ書き出したり、Netlify経由でWeb公開したりできるようになりましたが、データベースや問い合わせフォームの処理まで作るものではありません。サイト一式を作る道具というより、制作会社やエンジニアに渡す画面案を作る道具と考えてください。LPに絞って内製できる範囲を見極めたい場合はLP制作ツールとAIの使い分け、AIに限らずノーコード製品全体から選ぶ場合は用途別のノーコードツール比較が参考になります。
AIで作ったサイトのSEO:Googleの見解と公開前の設定
Google検索におけるAI生成コンテンツの評価方針
AIで作ったサイトが検索で不利になるかについて、Googleは2023年2月8日のAI生成コンテンツに関するガイダンスで「AI 生成のものを含め、自動化を利用したコンテンツすべてがスパムであるとは限らない」と述べています。問題になるのは、検索順位の操作を主な目的に自動化を使う場合です。スパムに関するポリシーには「大量生成されたコンテンツの不正使用」が挙げられ、その例の1つが「生成 AI ツールまたはその他の同様のツールを使用して、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること」です。
つまり、AIでサイトの骨組みを作ること自体は問題ありません。避けるべきなのは、地域名やサービス名だけを差し替えた中身の薄いページを、AIで何十枚も量産するやり方です。
公開前に作らせておく設定
Wixのようなサイトビルダー型は、メタタグやサイトマップを管理画面から編集します。一方、AnythingのBranding & SEOの説明によると、新しい形式(V2)のプロジェクトはNext.jsのmetadataの仕組みを使い、SEO用の設定画面がありません。AIへの指示でmetadataなどのコードを追加・変更します。次の5つは、公開前に指示して作らせておくと手戻りが減ります。
| 設定 | 作られるファイル(V2) | 抜けると起きること |
|---|---|---|
| サイト全体のtitle・説明文 | layout.tsx のmetadata | 共通の既定値が未設定 |
| ページごとのtitle・説明文 | 各ページのmetadata | 検索結果で区別されない |
| サイトマップ | sitemap.ts | 新しいページの発見が遅れる |
| robots.txt | robots.ts | クロール制御・サイトマップ通知の未設定 |
| OGP画像 | opengraph-image.png | SNSで共有時に画像が出ない |
指示文は公式の例と同じく、何をどこまで作るかを具体的に書きます。
サイト全体のタイトルを「〇〇歯科クリニック」、説明文を「〇〇駅徒歩3分の歯科医院。土日診療・予約制」にしてください。
各ページに、そのページの内容に合ったタイトルと説明文を個別に設定してください。
検索結果に掲載したい公開ページの正規URLだけを含むサイトマップを作り、/sitemap.xml で配信してください。管理画面、確認用ページ、非公開ページは含めないでください。
すべてのクローラーを許可し、サイトマップの場所を示す robots.txt を作ってください。
公開して独自ドメインを接続したら、Google Search Consoleでサイトの所有権を確認し、サイトマップのURLを送信します。サイトマップの送信はURLの発見を助けますが、検索掲載の必須条件ではなく、インデックス登録や順位上昇を保証するものでもありません。titleや見出しの付け方そのものは、Google公式の基準に沿ったSEO対策の手順で解説しています。既存のサイトをAIで作り直す場合は、URLが変わるページの301リダイレクトを忘れると評価を失うので、SEO評価を落とさないサイトリニューアルの進め方の手順に沿ってください。
AIで作ってよいサイトと制作会社に任せる線引き
AIによる試作に向く用途と公開前の確認条件
寿命が短く、多少の荒さより速さに価値があるものはAIに向きます。たとえば次のようなものです。
- 数週間で終わるキャンペーンのLP
- 社内だけで使う申請フォームや集計ツール
- 企画を通すための画面付きの試作品
- 個人の作品紹介や実験的なサイト
短期の試作なら、AnythingはProの月払い24ドルから、Wixは無料プランから始めると初期支出を抑えられます。Anythingの年払いは228ドルの一括払いで返金されないため、継続利用を決めてから選びます。
制作会社への依頼を推奨する設計・検証・運用の条件
反対に、検索や応募が成果そのものになるサイトは、AIの生成物をそのまま本番にしないほうが安全です。理由は3つあり、重い順に並べます。
1つ目は、公開後の改善が続かないことです。検索から集客するサイトは、公開後に順位と問い合わせを見ながらページを直し続けて成果が出ます。SEO設定を揃えるだけでは、順位上昇は保証されません。公開後も検索意図とのずれや情報の不足を確認し、必要に応じて改善します。2つ目は、要件が後から増えたときの限界です。多言語化、既存の基幹システムや予約システムとの連携、社内のCMSでの更新などは、サイトビルダー型では提供されている機能の範囲までしかできず、コード生成型では生成コードを読める人がいないと手が止まります。3つ目は、法令や規格への対応です。官公庁や大企業の取引先からJIS X 8341-3(ウェブアクセシビリティの規格)への準拠を求められる場合、生成直後のサイトが基準を満たしているかは別途検査が必要です。
採用サイトのように応募数で成果を測るサイトも、導線の設計と更新の運用が成否を分けます(採用サイト制作の作り方と費用相場)。こうした本番サイトは、AIで作った試作品で要件と画面のイメージを固め、そのうえで企業サイト制作・コーポレートサイト制作を依頼すると、打ち合わせの回数と作り直しが減ります。費用が理由でAIを選ぶ場合も、ホームページ制作で使える補助金・助成金で外注費の一部を補えることがあるので、総額で比べてから決めてください。
よくある質問
Create(create.xyz)とAnythingは同じサービスですか?
同じサービスです。create.xyzで提供されていたAIアプリ作成サービスが、現在はAnything(anything.com)の名称で提供されています。公開用の無料サブドメインがcreated.appのままなのは、その名残です。
Anything(旧Create)は無料で使えますか?
アカウントの作成はできますが、アプリやサイトの生成には有料プランが必要です。最安はProで、年払いなら月19ドル相当(年228ドル)、月払いなら月24ドルです。
AIで作ったホームページはSEOに弱いですか?
AIで作ったこと自体は不利になりません。Googleは作成方法ではなく中身の質で評価するとしています。ただしSEO設定の自動化範囲は製品によって異なります。公開前にページごとのtitle・説明文とサイトマップを確認し、不足する設定を追加してください。
AIで自動生成したサイトは商用利用できますか?
Anythingは生成したコードと内容の権利が利用者にあると公式FAQで明記しています。Wixなど他のツールも商用サイトに使えますが、写真やロゴなどの素材の扱いはツールごとの規約で確認してください。
AIのホームページ作成ツールと制作会社はどう選び分けますか?
試作はAIツールで進められます。社内ツールや短期のLPを公開する場合は、入力データの扱い、アクセス権限、フォームの動作を確認できる担当者が必要です。検索集客や応募を成果とする本番サイト、アクセシビリティ対応や既存システムとの連携が必要なサイトは制作会社が向きます。迷う場合は、AIで試作して要件を固めてから制作会社に渡すと無駄が出ません。