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クリエイティブ・コモンズとは?6種類のCCライセンスの違いと表示方法を4.0の条文で解説

クリエイティブ・コモンズとは?6種類のCCライセンスの違いと表示方法を4.0の条文で解説

クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons、CC)は、著作者が自分の作品に「この条件なら自由に使ってよい」という意思をあらかじめ表示するための仕組みです。著作権を放棄する制度ではなく、著作権を持ったまま利用を許諾する点がまず押さえどころになります。CCライセンスは表示(BY)・継承(SA)・非営利(NC)・改変禁止(ND)の4要素の組み合わせで6種類あり、現行版は2013年11月公開のバージョン4.0国際です。この記事では、6種類の違い、非営利と改変禁止の境界、クレジットの具体的な書き方を、条文の該当箇所を示しながら整理します。

まとめ:クリエイティブ・コモンズの要点

先に結論をまとめます。

  • CCライセンスは著作権の放棄ではなく利用許諾。著作権者は権利を持ち続けます。
  • 種類は6つ(BY/BY-SA/BY-ND/BY-NC/BY-NC-SA/BY-NC-ND)。CC0とパブリック・ドメイン・マークは6種類に入りません。
  • 一度公開したCCライセンスは撤回できません(CC BY 4.0第2条(a)(1)の irrevocable)。
  • 非営利(NC)は「主として商業的利益または金銭的報酬に向けられていないこと」。利用者の属性ではなく利用の目的で判断します。
  • 改変禁止(ND)でも改変自体は可能で、禁じられるのは改変物の共有だけです(第2条(a)(1)(B))。
  • クレジットの条件は第3条(a)(1)にA・B・Cの3つで定められ、満たし方は第3条(a)(2)で媒体に応じた合理的な方法でよいとされています。
  • 4.0では条件違反で権利が自動終了しますが、30日以内の是正なら自動的に、過ぎてもライセンサーの明示的な再許諾で回復します(第6条(b)(1)(2))。

クリエイティブ・コモンズの定義と著作権法上の位置づけ

クリエイティブ・コモンズは、2001年に米国で設立された非営利団体と、その団体が提供するライセンス群の総称です。日本での普及活動は、2013年にクリエイティブ・コモンズ・ジャパンから改称したNPO法人コモンスフィアが、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンの名で担います。ライセンス本体はcreativecommons.orgが公開する国際版で、日本語の法的コード(legalcode.ja)も読めます。

著作権を手放さずに利用条件を先に示す仕組み

日本の著作権法では、著作権者が第三者に利用を認める方法として第63条の利用許諾が定められています。CCライセンスはこの利用許諾を、個別交渉なしに不特定多数へ向けて先出しする定型契約と考えると理解しやすくなります。作品を使いたい人が毎回メールで問い合わせる必要をなくす、というのが実務上の効き目です。

誤解が多いのが「CCにするとパブリックドメインになる」という理解です。CCライセンスを付けても著作権は著作者に残り、表示(BY)を守らずに使えば著作権侵害の問題になります。CCを付ける前提として「そもそも誰が権利を持っているか」の確認が要る点は、ソースコードの著作権は誰のもの?帰属・譲渡・引用・AI生成コードを実務で解説の職務著作・譲渡の論点と同じです。

著作者人格権も残ります。氏名表示権や同一性保持権は譲渡できない権利なので、CCライセンスを付けたからといって著者名を消してよいことにはなりません。表示(BY)の条件は、この氏名表示権と実務上ほぼ重なります。

撤回できないライセンスという性質

CC BY 4.0第2条(a)(1)は、ライセンサーが「a worldwide, royalty-free, non-sublicensable, non-exclusive, irrevocable license」を許諾すると定めています。irrevocable、つまり取消不能です。

Creative CommonsのFAQも同じことを明記しています。「CC licenses are not revocable. Once something has been published under a CC license, licensees may continue using it according to the license terms for the duration of applicable copyright and similar rights.」(CCライセンスは撤回できない。いったんCCライセンスで公開されたものは、著作権等の存続期間中、ライセンス条件に従って利用され続けうる)。さらに「As a licensor, you may stop distributing under the CC license at any time, but anyone who has access to a copy of the material may continue to redistribute it under the CC license terms.」とも書かれています。

将来の配布を止めることや別のライセンスを追加で提供することはできますが、既に配られた分を回収する手段はありません。特にNCを外したCC BYは、競合他社の商用利用まで許す選択です。後から「やはり商用は困る」と思っても手遅れになります。

6種類のCCライセンスと商用利用の可否

ライセンスを組み立てる4つの要素

CCライセンスは次の4条件の組み合わせでできています。

  • 表示(BY / Attribution) … 作者のクレジットを表示する。全6種類に必ず含まれます。
  • 継承(SA / ShareAlike) … 改変物を元と同じライセンスで公開する。いわゆるコピーレフト型の条件です。
  • 非営利(NC / NonCommercial) … 商業的利益や金銭的報酬を主目的とする利用を認めない。
  • 改変禁止(ND / NoDerivatives) … 改変したものを共有することを認めない。

SAとNDは同時に成立しません。改変物の公開を禁じるNDに、改変物のライセンスを縛るSAを重ねても意味がないためです。BYは必ず付くので、残るNC・ND・SAの有無で2の3乗=8通り。このうちSAとNDが同時に付く2通りが成立しないため、6種類に収まります。

6種類の条件と可否の一覧

クリエイティブ・コモンズ・ジャパンが示す日本語の正式名称とあわせて整理します。ND付きの2種類は、改変物を作ること自体は認められ、それを共有することだけが範囲外になります。

ライセンス 日本語名 商用利用 改変(作成・複製) 改変物の共有 改変物のライセンス
CC BY 表示 可 可 可 自由
CC BY-SA 表示—継承 可 可 可 同一ライセンス
CC BY-ND 表示—改変禁止 可 可 不可 —
CC BY-NC 表示—非営利 不可 可 可 自由
CC BY-NC-SA 表示—非営利—継承 不可 可 可 同一ライセンス
CC BY-NC-ND 表示—非営利—改変禁止 不可 可 不可 —

制限がもっとも緩いのがCC BY、もっとも厳しいのがCC BY-NC-NDです。学術論文のオープンアクセスでCC BYが指定される例が多く、報告書をそのままの形で読ませたい場合はNDが選ばれます。

コモンズ証のアイコンの読み方

作品に添えられる円形のアイコン(コモンズ証)を見れば、条件は目で判別できます。人物のシルエットが表示(BY)、循環する矢印が継承(SA)、斜線の入ったドル記号が非営利(NC)、等号が改変禁止(ND)です。CCの2文字を囲んだ円が基本マークで、その右側に条件のアイコンが並びます。「CC BY-NC」であれば、人物と斜線ドル記号の2つが並ぶ形です。アイコンだけで判断せず、リンク先のコモンズ証でバージョンまで確認してください。

6種類に含まれないCC0とパブリック・ドメイン・マーク

CC0は6種類のライセンスとは別物です。Creative CommonsのFAQは「Please note that CC0 is not a license; it is a public domain dedication. When CC0 is applied to a work, copyright no longer applies to the work in most jurisdictions around the world.」と説明しています。ライセンス(許諾)ではなく権利の放棄宣言なので、クレジット表示すら条件になりません。

パブリック・ドメイン・マーク(PDM)はさらに性格が違い、著作権の保護期間が満了した作品に「これは既に自由に使える」と目印を付けるためのものです。権利者が意思表示するCC0と、事実を表示するPDMを混同すると、まだ保護期間中の作品にPDMを付けてしまう事故が起きます。

非営利(NC)と改変禁止(ND)の境界

トラブルが集中するのはこの2条件です。どちらも条文に判断材料が書かれています。

利用の目的で決まる非営利の判断基準

CC BY-NC 4.0第1条は非営利をこう定義しています。「NonCommercial means not primarily intended for or directed towards commercial advantage or monetary compensation.」(主として商業的利益または金銭的報酬に向けられていないこと)

主語は「利用」であって「利用者」ではありません。株式会社が社内勉強会の資料に使うことは商業的利益に直結しないと整理できる一方、非営利法人が広告収入の付いたページに掲載すれば金銭的報酬に向けられた利用と評価されうる、という向きの判断になります。判断の軸は、あくまで利用の目的です。

同じ第1条には、ファイル交換についての明示規定もあります。「the exchange of the Licensed Material for other material subject to Copyright and Similar Rights by digital file-sharing or similar means is NonCommercial provided there is no payment of monetary compensation in connection with the exchange.」金銭の授受がない作品同士の交換は非営利に当たる、という扱いです。

判断に迷う典型は、広告が入るブログ、有料セミナーの配布資料、社内システムのUI素材あたりです。NC素材をこれらに使う予定があるなら、NCでない素材を探すか、権利者に個別許諾を求めるほうが確実です。CCライセンスは個別交渉を排除しないので、「NC素材を商用で使いたい」と直接依頼して有償ライセンスを受けることは何ら問題ありません。

手元での加工まで認めるNDの範囲

CC BY-ND 4.0第2条(a)(1)(B)は、利用者に「produce and reproduce, but not Share, Adapted Material.」という権利を与えています。改変物を作ることと複製することは可能で、共有(Share)だけが範囲外です。

つまり、ND素材を翻訳して社内で読む、色調を補正して手元で確認する、といった行為は禁止されていません。禁じられるのは、その改変物を公開したり配布したりすることです。「NDだから一切いじれない」という説明はよく見かけますが、条文はそこまで広くありません。

実務でよく問われる切り抜きやトリミングは、レイアウトの都合であっても掲載すれば改変物の共有に当たる可能性が高くなります。ND素材への加工はサイズ変更やファイル形式の変換にとどめてください。

CCライセンスのクレジット表記の書き方

第3条(a)(1)が定めるA・B・Cの3条件

CC BY 4.0第3条(a)(1)は、作品を共有する際の条件をA・B・Cの3つに分けて定めています。

Aは「retain the following if it is supplied by the Licensor with the Licensed Material」、つまりライセンサーが作品とともに提供している場合に限り、次を保持することです。自分で調べて作り出す義務ではありません。

  • 作者(およびクレジットを受けるべき者)の識別。ライセンサーが指定した合理的な方法に従い、ペンネームの指定があればそれに従う
  • 著作権表示
  • 本ライセンスに言及する表示
  • 保証の否認に言及する表示
  • 合理的に実行可能な範囲での、作品へのURIまたはハイパーリンク

Bは「indicate if You modified the Licensed Material and retain an indication of any previous modifications」=改変した場合はその旨を示し、過去の改変の表示も残すこと。Cは「indicate the Licensed Material is licensed under this Public License, and include the text of, or the URI or hyperlink to, this Public License.」=作品が本ライセンスの下にあることを示し、ライセンス本文またはそのURIを含めることです。BとCは提供の有無にかかわらず利用者側が行う条件で、Aとは性質が違います。

満たし方には幅があります。第3条(a)(2)は「You may satisfy the conditions in Section 3(a)(1) in any reasonable manner based on the medium, means, and context in which You Share the Licensed Material.」と定めており、媒体・手段・文脈に応じた合理的な方法でよいとされています。なお、覚え方としてCC自身が推奨しているのがTASL(Title, Author, Source, License)です。これは条文そのものではなく実務向けの推奨(CC wiki: Recommended practices for attribution)である点は区別してください。

Webページとスライドでの記載例

Webページに埋め込む場合は、作品名・作者名・ライセンス名のそれぞれをリンクにするのが分かりやすい形です。

<p>
  <a href="https://example.com/photo/123">夜明けの港</a>
  by <a href="https://example.com/users/taro">Taro Yamada</a>
  is licensed under
  <a href="https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/">CC BY 4.0</a>
</p>

印刷物やスライドではリンクを踏めないため、ライセンスのURLを文字列として書き添えます。「夜明けの港/Taro Yamada/CC BY 4.0(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)」のように4項目が並んでいれば、第3条(a)(2)のいう合理的な方法として足ります。

改変した場合の書き方

改変したときは、改変した事実を書きます。「夜明けの港/Taro Yamada/CC BY 4.0/トリミングと色調補正を実施」のように、何をしたかまで書けば読み手が原作との違いを判断できます。SA条件の作品を改変した場合は、改変物を同じCC BY-SA 4.0で公開する旨も併記します。

クレジットの不備は、単なるマナー違反では済みません。4.0第6条(a)は「if You fail to comply with this Public License, then Your rights under this Public License terminate automatically」と定めており、条件違反で権利は自動的に終了します。もっとも第6条(b)は回復の道を2つ用意しています。(1)違反を知ってから30日以内に是正すれば是正日に自動的に回復し、(2)期間を過ぎても「upon express reinstatement by the Licensor」=ライセンサーによる明示的な再許諾があれば回復します。

自分の作品にCCライセンスを付ける手順

ライセンスの選定と表示

手順そのものは単純で、どのライセンスにするかを決め、作品のそばにその旨を表示するだけです。ライセンス管理団体への登録も申請も要りません。creativecommons.orgのライセンス選択ツール(chooser)を使うと、質問に答える形で選び、コモンズ証へのリンクを含む表示用HTMLが生成されます。選べるのは「six different licenses and one public domain dedication tool」、つまり6種類のライセンスにCC0を加えた7つです。

決める順序は、商用利用を認めるか(NC)、改変を認めるか(ND)、改変を認めるなら同一ライセンスでの公開を求めるか(SA)の3問です。撤回できないので、NCを外す判断だけは慎重に行ってください。共同著作物や業務で制作したものは、自分にライセンスを付ける権限があるかを先に確認します。

プラットフォームでの設定

YouTubeは動画ごとにCCライセンスを選べます。ヘルプは「You can add a Creative Commons Attribution license to your video if the content is licenseable under the CC BY license」と説明しており、選択肢は表示(CC BY)のみです。NCやNDを選ぶことはできません。

Flickrは幅が広く、CC BY/BY-SA/BY-ND/BY-NC/BY-NC-SA/BY-NC-NDの6種類に対応し、CC0とパブリック・ドメイン・マークも指定できます。2025年6月にCC 4.0へ対応し、公式ブログは既定が2.0だったアカウントについて「we’ll automatically upgrade it to 4.0 for all your future uploads」としています。新規アップロードは4.0が既定で、既存の2.0の指定はそのまま維持されます。WordPressのような一般的なCMSはコア標準の機能を持たないため、記事テンプレートのフッターに表示を入れるか、投稿ごとにカスタムフィールドで管理する形になります。

CCライセンス素材の探し方とサイトごとの実際のライセンス

OpenverseとGoogle画像検索

Openverseは、Creative Commonsが2019年に正式公開した検索サービス「CCサーチ」の後継です。2021年4月にWordPressプロジェクトへの参加が発表され、同年12月13日に改称とリダイレクトが行われました。CCライセンスの作品とパブリックドメインの作品を横断して検索でき、ライセンス種別で絞り込めます。素材探しの出発点として使いやすいのはこちらです。

Google画像検索でも、検索後に「ツール」から利用ライセンスで絞り込めます。ただし選べるのは「Creative Commonsライセンス」と「商用およびその他のライセンス」の2区分だけで、条件別の細かい指定はできません。Googleが示すのは各サイトが公開しているライセンス情報の反映でもあるため、採用する前に必ず配布元のページでライセンスを直接確認してください。

フリー素材サイトとCCライセンスの不一致

ここは誤解が根強い部分です。よく名前が挙がるPixabayは、現在はCC0ではなく独自のContent Licenseで提供されており、サイト自身が「Use Content without having to attribute the author」と説明しています。利用規約は「CC0 Content on the Service is any content which lists a ‘Published date’ prior to January 9, 2019.」としており、2019年1月9日より前に公開された分だけがCC0です。それ以降のものはCCの枠組みではないので、CCの条文で判断すると外れます。

ウィキメディア・コモンズは逆方向の注意が要ります。同サイトは商用利用と改変が可能な素材しか受け入れておらず、「Media licensed exclusively under non-commercial only licenses (like CC BY-NC-SA) are not accepted either.」としてNC系を明確に拒否し、CC BY-NDも受け付けません。ただし受け入れ対象はCC BYとCC BY-SAに限られません。同サイトが「well-known licenses」として挙げるのはCreative Commonsの表示/継承系のほか、GPL/LGPL、Free Art License(Licence Art Libre)、Open Data Commonsで、CC0やパブリック・ドメイン・マークの素材も含まれます。さらに「You can offer as many licenses for a file as you want as long as at least one of them meets the criteria for free licenses above.」とあるとおり複数ライセンスの併記も可能なので、再利用時はファイルごとのライセンス表示を個別に確認してください。

OpenStreetMapの地図データはCCライセンスではなくODbL(Open Data Commons Open Database License)です。ドキュメント部分だけがCC BY-SA 2.0で提供されています。同じサイトの中でも対象によってライセンスが違う例で、詳しくはOpenStreetMap(OSM)とは?特徴・使い方・API・商用利用までわかりやすく解説をご覧ください。

写真やフォント、テンプレートの扱いはWebデザインに著作権はある?模倣の線引きと素材・フォント・制作契約の実務で扱っています。

バージョン4.0で3.0から変わった4点

いま新規に選ぶなら4.0です。3.0以前との差分は次の4点で、いずれも実務に影響します。

  1. 是正による回復の道が開いた。 前述の第6条(b)です。3.0では条件違反で権利が終了すると、権利者から明示的に再許諾を受けない限り復活しませんでした。4.0は30日以内の是正による自動回復を加え、救済の経路を2つにしています。
  2. データベース権が対象に入った。 4.0は著作権に加えてsui generis database rights(EU等で認められるデータベースの権利)も許諾対象にしています。CC公式は4.0がこの権利を「pulling applicable sui generis rights squarely within the scope of the license unless explicitly excluded by the licensor」と説明しており、データセットをCCで公開する場合の不確実性が減りました。
  3. 各国版への移植をやめた。 3.0以前は各国法に合わせた移植版(ポート)が作られ、CC公式によれば「over 60 jurisdictions」に及びました。4.0では移植を行わず、国際版1本と各言語への翻訳のみを提供しています。国際条約を土台に各法域固有の論点を織り込み、「the most internationally enforceable set of CC licenses to date」に仕上げたためです。したがって「日本版のCC 4.0」は存在せず、creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.ja は移植版ではなく国際版の日本語訳です。
  4. 条件の満たし方が柔軟になった。 第3条(a)(2)により、媒体・手段・文脈に応じた合理的な方法で足りることが条文上明確になりました。動画の末尾や別ページのクレジット一覧にまとめる運用がしやすくなっています。

古い作品には3.0や2.1の表示が残っています。その場合は、その作品に付いているバージョンの条文が適用されます。ちなみに2.1は日本にとって縁の深い版で、CC wikiは「CC released a version 2.1 suite for jurisdictions like Spain, Australia, and Japan, whose localized ports of the 2.0 suite contained errors.」と記しています。日本を含む一部の2.0移植版に誤りがあり、その修正版が2.1でした。

公共データ利用規約(PDL1.0)とCC BYの互換性

日本の官公庁サイトのコンテンツの利用ルールは、2024年7月5日にデジタル庁が定めた「公共データ利用規約(第1.0版)」に沿っています。2015年12月24日の各府省CIO連絡会議で決定された「政府標準利用規約(第2.0版)」を改訂したもので、略称はPDL1.0(PDLはPublic Data Licenseの頭文字)です。この規約はCC BYそのものではありませんが、互換性が明記されています。

規約の「1.当ウェブサイトのコンテンツの利用について」7)その他 ウには、こうあります。「本利用ルールは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの表示4.0 国際ライセンス(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.ja に規定される著作権利用許諾条件。以下「CC BY」といいます。)と互換性があります。国(本コンテンツが国ではなく地方公共団体によって提供されている場合はその地方公共団体)は、本利用ルールが適用される本コンテンツについて利用者がCC BY に従って利用することを許諾します。」

第2.0版からの主な変更は、適用対象が地方公共団体にも及ぶことを本文に明記した点と、各府省がひな形を書き換えて使う方式をやめた点です。デジタル庁の解説は後者の理由として、ひな形方式では「異なる政府標準利用規約(第2.0 版)が多数できることになり、利用規約を確認しようとする者から見て全体を比較、精査しないとそれらの違いがわからない」ことを挙げています。

実務上の意味は、官公庁の統計やレポートをCC BY素材と混ぜた資料を作り、CC BYで公開する経路が開けることです。個別府省が別ルールを定めているコンテンツもあるため、対象ページの利用規約は都度確認してください。

CC BY-SAとGPLv3の一方向互換

SA(継承)は、GPLに代表されるソフトウェアのコピーレフト条項と発想が同じです。ただし条文が違うので、そのまま混ぜることはできません。

この橋渡しをするのがCC BY-SA 4.0第3条(b)(1)です。改変物に付けるライセンス(Adapter’s License)について「must be a Creative Commons license with the same License Elements, this version or later, or a BY-SA Compatible License」と定めており、CCが承認した互換ライセンスを選べる余地を作っています。

Creative Commonsは2015年10月8日、この枠組みを使ってGNU GPLv3をBY-SA互換ライセンスとして承認し、CC BY-SA 4.0からGPLv3への一方向互換を宣言しました。CC BY-SA 4.0素材を改変した成果物をGPLv3で公開することはできますが、逆にGPLv3のプロジェクトの改変物をCC BY-SA 4.0で公開することはできません。互換は片側だけです。

CC BY-SA 4.0のアイコンをGPLv3のアプリに同梱してGPLv3で配布する経路はある一方、GPLv3のコードを取り込んだ教材をCC BY-SAで出す方向は認められていません。そもそもソフトウェア本体にCCライセンスを使うことを、Creative Commons自身が推奨していません。ソースコードの開示義務や特許条項といったソフトウェア固有の論点が条文に書かれていないためです。選定基準はオープンソースライセンスとは?主要9種の商用利用可否と義務を条項番号で解説にまとめています。

AI学習とCCライセンス:CC signalsの現在地

生成AIの学習データにCC素材が使われることをめぐって、Creative Commons自身が新しい枠組みを模索しています。

2025年6月25日、CCは「CC signals」という利用意向を示す枠組みを公表しました。当初は、作品やデータの管理者が「AI開発でどう使ってほしいか」を表明し、共有された規範によって開発者の行動を導く設計でした。2025年12月時点ではMozilla Data CollectiveとRSL Collectiveでのパイロットが進む段階にとどまっています。

その後、2026年に入って方針が拡張されました。2026年4月23日の公式発表は「preference signals without enforcement do not meaningfully shift power」(執行力のない意向表明では力関係は実質的に動かない)とし、「What began as a relatively narrow, tool-focused approach has evolved into something broader and more structural. CC signals is no longer limited to signaling preferences.」と述べています。既存のCCライセンスを改訂するのではなく新しいツールを作る道を選んだ点も明示されました。2026年5月13日の投稿は、この転換を「from expressing preferences to rebalancing power to protect the commons」と要約しています。2026年9月時点で、枠組みはなお構築の途上にあります。

裏を返せば、現行の6種類のCCライセンスはAI学習の可否を正面から規律していません。NCの定義(主として商業的利益に向けられた利用でないこと)を商用モデルの学習に当てはめる議論はありますが、条文はAI学習を想定して書かれたものではなく、決着していません。作品をAI学習から守ることを主目的にCCライセンスを選ぶのは、現時点では期待外れになる可能性が高い選択です。

権利侵害が起きた後の対応としては、プラットフォームへの削除申請という手段があります。手順と注意点はDMCAとは?削除申請の手順と悪用・虚偽申請への対処法を参照してください。

よくある質問

クリエイティブ・コモンズとは何ですか?

著作者が「この条件を守れば自由に使ってよい」という意思を、あらかじめ定型のライセンスで示す仕組みです。運営する非営利団体の名称でもあります。著作権は放棄されず、著作権者のまま利用を許諾します。

CC BYとCC BY-NCの違いは何ですか?

商用利用を認めるかどうかが違います。CC BYは作者のクレジットを表示すれば商用利用も改変も自由です。CC BY-NCはこれに非営利条件が加わり、主として商業的利益や金銭的報酬に向けられた利用が範囲外になります。

クリエイティブ・コモンズの作品は自由に使えるのですか?

無条件ではありません。6種類すべてに表示(BY)が含まれるため、最低でも作者名・著作権表示・ライセンスへの言及・作品へのリンクといったクレジットが必要です。NCが付けば商用利用が、NDが付けば改変物の共有が制限されます。

クリエイティブ・コモンズの具体例にはどんなものがありますか?

日本語版ウィキペディアの本文は「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示-継承 4.0 国際(CC BY-SA 4.0)及びGNU Free Documentation License (GFDL)」で提供されています。OpenStreetMapのドキュメントはCC BY-SA 2.0、Pixabayの2019年1月9日より前の公開分はCC0です。

誤ってCCライセンスを付けてしまった場合はどうすればよいですか?

既に公開した分は撤回できないため、実務対応は次の3つに絞られます。第一に、自サイトからの配布を止めて新規の取得者を減らすこと。第二に、以後は別のライセンスや通常の著作権表示で提供すると告知すること。第三に、既に取得された分については当初のCC条件のまま使われることを受け入れることです。取得者に利用停止を求める法的根拠は、CCライセンスの側にはありません。

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