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QMS省令とは:医療機器の要求事項と文書・記録運用をシステム化する判断基準

QMS省令とは:医療機器の要求事項と文書・記録運用をシステム化する判断基準

QMS省令は、医療機器および体外診断用医薬品の製造管理と品質管理の方法を定めた平成16年厚生労働省令第169号を指します。令和3年3月26日の改正でISO 13485:2016との整合が図られ、3年間の経過措置は令和6年3月25日で終了しました。この記事では、e-Gov法令データから機械集計した全6章117条の構成と、文書化を求める条が33・記録の作成保管を求める条が30という第2章の要求密度を示したうえで、手順書と記録を紙とExcelで回し続けられる条件、文書管理システムへ移す境界、パッケージ導入と受託開発の分かれ目までを扱います。医療機器に限らない品質管理システムの機能比較は品質管理システムとは?機能・種類と選び方、パッケージ導入か自社開発かの判断まで解説で整理しています。

まとめ:QMS省令対応の分かれ目は条文の網羅ではなく記録が残り続ける運用設計

QMS省令の要求は、手順を文書にすることと、その手順どおりに実施した記録を作り保管することの二層でできています。第2章の77条のうち、文書化を命じる条が33、記録の作成と保管を命じる条が30。手順書を揃えた段階で対応が終わったと考える企業が多いのですが、PMDAの適合性調査で指摘が集中するのは製造(46パーセント)と文書記録(19パーセント)で、いずれも手順はあるが記録が残っていないという型でした。

電子化の境界線は、類似製品グループ数と登録製造所数、そして保管期限にあります。特定保守管理医療機器に係る記録は作成の日から15年間の保管が必要で、紙とExcelの索引だけで回すと検索と完全性の立証が破綻する。逆に単一製品を1拠点で製造し保管期限が5年で足りる規模なら、電子化は投資に見合いません。判断は第5条の6が求めるソフトウェアバリデーションの負担を織り込んでから、製品標準書の綴じ方が既製パッケージに収まるかを見る順序です。

QMS省令の全体像——医療機器と体外診断用医薬品に課される製造管理と品質管理の基準

QMSはQuality Management Systemの略ですが、省令の条文では「品質管理監督システム」という訳語が使われます。ISO 13485の日本語訳とも語彙が異なるため、条文と社内文書の用語対応表を最初に作っておくと後工程が楽になります。

正式名称と根拠——平成16年厚生労働省令第169号が定める基準の位置づけ

正式名称は「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」。平成16年12月17日公布の厚生労働省令第169号で、医薬品医療機器等法が承認・認証の要件として求める基準です。ISO 13485の認証を持っていても、それだけで省令適合が証明されるわけではありません。

全6章117条の構成——第2章の基本的要求事項と第3章の追加的要求事項

e-Gov法令データで条文を数えると、枝番を含む条の総数は117になります。章立ては次のとおりです。

章 内容 条
第1章 総則 第1条から第3条
第2章 基本的要求事項 第4条から第64条
第3章 追加的要求事項 第65条から第72条の3
第4章 生物由来医療機器等 第73条から第79条
第5章 放射性体外診断用医薬品 第80条・第81条
第5章の2 再製造単回使用医療機器 第81条の2から6
第6章 製造業者等への準用等 第82条から第84条

日々参照するのは第2章で、通則(第4条)、品質管理監督システム(第5条から第9条)、管理監督者の責任(第10条から第20条)、資源の管理監督(第21条から第25条の2)、製品実現(第26条から第53条)、測定・分析及び改善(第54条から第64条)の6節に分かれます。第3章は保管期限や国内品質業務運営責任者など、日本固有の上乗せ要求が置かれた章です。

適用の範囲——生物由来・放射性体外診断用医薬品・再製造単回使用への上乗せ

第3条により、すべての製造販売業者等は第2章と第3章に基づいて製造管理と品質管理を行い、製品の性質に応じて章が上乗せされます。

  • 生物由来製品たる医療機器等、法第43条第2項の指定医療機器、細胞組織医療機器:第4章が加わる
  • 放射性医薬品たる体外診断用医薬品:第5章が加わる
  • 再製造単回使用医療機器:第5章の2が加わる

上乗せ章を見落として第2章だけで手順書を組むと、調査時に丸ごと欠落が判明します。品目追加の際にこの分岐を必ず通す社内フローにしてください。

QMS体制省令とGVP省令との役割分担——製造販売業者に別建てで課される基準

混同されやすいのがQMS体制省令です。正式には「医療機器又は体外診断用医薬品の製造管理又は品質管理に係る業務を行う体制の基準に関する省令」(平成26年厚生労働省令第94号)で、製造販売業の許可要件として、QMS省令に適合する業務を行える体制が整っているかを問います。中身の基準がQMS省令、体制の基準がQMS体制省令という分担です。

GVP省令は製造販売後の安全管理を扱い、QMS省令第55条の2の苦情処理と第55条の3の厚生労働大臣等への報告がその業務と接します。手順書を三本立てで別々に作ると同じ事象を二重三重に記録することになる。入口の情報を一度受けて分岐させる設計にしてください。

ISO 13485:2016との整合を図った令和3年改正と、経過措置が終わった後の前提

QMS省令の第2章は、もともとISO 13485:2003と同等の内容でした。国際規格が2016年版に改定されて乖離が生じたため、これを埋める改正が令和3年に行われています。

令和3年厚生労働省令第60号の施行日と3年間の経過措置が意味したもの

改正省令は令和3年3月26日に公布され、同日から施行および適用されました。ただし附則により、施行の日から起算して3年を経過する日までは、なお従前の例によることができるとされています。この経過措置があったため、令和6年3月25日までに実施される適合性調査では、調査基準を改正前省令にするか改正後省令にするかを事業者が選べました。

2026年8月時点では、その余地はありません。改正後の条文が唯一の調査基準です。改正前の様式のまま止まっている手順書が残っていないかは、書面調査の指摘に直結する。PMDAは改正されなかった条文への適合状況も確認するよう案内していました。

新設された条——汚染管理・設計移管業務・苦情処理・不適合製品の3条ほか

改正で追加された条は枝番で入っています。PMDAの講習会資料が新設または追加と明示したのは次の8つ。

  • 第25条の2(汚染管理)
  • 第35条の2(設計移管業務)
  • 第36条の2(設計開発に係る記録簿)
  • 第55条の2(苦情処理)
  • 第55条の3(厚生労働大臣等への報告)
  • 第60条の2から第60条の4(出荷前の不適合製品に対する措置、出荷後の不適合製品の処理、製造し直し)

第55条の2は、苦情かどうかの判断、苦情の調査、法第68条の10第1項および法第68条の11に基づく報告の必要性の評価、修正または是正措置の必要性の評価までを手順として文書化することを求めます。第2項では、調査を行わないと決めた場合にその理由を特定して文書化しなければなりません。

第5条の2が持ち込んだリスクに応じた管理の程度——全工程に波及する判断軸

第5条の2は品質管理監督システムの確立にあたり、必要な工程の内容、製品に係る医療機器等の機能・性能・安全性に係るリスクとリスクに応じた管理の程度、工程の順序と相互の関係を明確にすることを求めます。PMDAの解説は、第23条の教育訓練の程度、第37条の供給者に適用する管理の方法と程度、第63条の是正措置、第64条の予防措置など、すべての工程でリスクに基づく管理が求められると整理しました。新たな文書の構築を求めた規定ではなく、既存の管理の濃淡に根拠を持たせる規定です。一律の厳しさで管理すると、かえって記録が形骸化します。

文書化を求める33条と記録を求める30条——第2章77条から測った要求の密度

QMS省令の重さは条文数ではなく、文書化と記録の要求が条文全体に散らばっている点にあります。e-Gov法令データを機械集計すると、その密度が数字で見えます。

手順書と記録の実数——文書化33条・記録作成30条という要求の広がり

枝番を含む第2章の条数は77。このうち「文書化しなければならない」を含む条が33、「記録を作成し」を含む条が30ありました。省令全体(117条)では文書化41条、記録37条。第2章のおよそ4割強が文書化を、4割弱が記録の作成保管を直接命じている計算です。

両方を求める条も、第9条・第18条・第26条・第35条・第36条・第43条・第53条・第55条の2・第56条・第61条・第63条・第64条など16本。この重なりが、手順書の版管理と記録の紐づけを分けて管理すると破綻する理由です。手順書を改訂したとき、その記録がどの版に基づくものかを追えなくなります。

第9条が追加したセキュリティ確保と完全性の確保——紙とExcelで詰まる要件

第9条第2項は、記録の識別、保管、セキュリティ確保、完全性の確保、検索、保管期間および廃棄についての管理方法に関する手順を文書化することを求めます。セキュリティ確保は漏えい・滅失・毀損の防止その他の安全管理、完全性の確保は記録が正確であり作成時点から不適切な改変がない状態を保つことと、条文中で定義されました。第3項は、医療機器等の使用によって得られた個人情報の管理方法を定めることも求めます。

PMDAは完全性の確保の例として、日付およびページ番号の付与、修正箇所が分かる修正、意図していないアクセスからの制限を挙げました。紙とExcelで満たすなら、通し番号の付与、全ページの物理的な固定、修正履歴の残し方、共有フォルダの権限設計を手順に書き切ることになります。担当者の運用規律への依存が大きく、そう運用していた立証の材料が薄くなりがちです。

第67条と第68条の保管期限——特定保守管理医療機器の15年が効く場面

保管期限は第3章に置かれています。第67条が品質管理監督文書、第68条が記録の期限です。

対象 起算日 期間
特定保守管理医療機器 廃止/作成の日 15年間
それ以外の医療機器等 廃止/作成の日 5年間
教育訓練に係るもの 廃止/作成の日 5年間

いずれも、有効期間に1年を加算した期間が上の年数より長い場合は、その長いほうが期限です。15年は電子化判断で見落とされやすい変数で、担当者の交代が3回か4回は起こる長さ。保管場所の移転やファイルサーバの更改も挟まります。ロットや使用期限に紐づく記録の保持という点では、医薬品の販売管理システムとは?ロット・使用期限・薬機法に対応する選び方【2026年】で扱った販売側の要件と設計上の共通点があります。

PMDA指摘事項の分布が映す弱点——製造46パーセント・文書記録19パーセントの偏り

どの条文でつまずくかは公表データで分かります。PMDAは講習会資料で、QMS実地調査の指摘事項をサブシステム別に集計した割合を示しました。

サブシステム9分類の指摘割合——製造と文書記録に集中する構造

集計期間は2019年8月1日から2021年9月30日。分類は管理監督、設計管理、製品文書化、製造、是正措置及び予防措置、購買管理、文書記録、製品受領者、製造販売業者等の9つです。

サブシステム 割合
製造 46パーセント
文書記録 19パーセント
管理監督 13パーセント
購買管理 7パーセント
是正措置及び予防措置 6パーセント
製品文書化 4パーセント
設計管理 3パーセント
製造販売業者等 2パーセント
製品受領者 1パーセント

製造の内訳としてPMDAが挙げているのは、製造管理、滅菌バリデーション、設備及び器具の管理、不適合製品の管理。製造と文書記録の2分類だけで全体の65パーセントを占めます。設計管理が3パーセントと低いのは、設計を国内で行わない輸入品目が調査対象に多い事情も影響していると読めます。

内部監査で繰り返される指摘——判定基準の不在と客観性の確保漏れ

管理監督の分類には内部監査が含まれます。PMDAが挙げた指摘事例は、判定基準が定められていなかった、内部監査員が自らの業務を監査しており客観性と公平性が確保できていなかった、適用範囲の一部の部門しか監査していなかった、という内容でした。

第56条は、あらかじめ定めた間隔での実施、手順の文書化、判定基準・範囲・頻度・方法の設定と記録、内部監査員の選定と実施における客観性および公平性の確保を求めます。第6項では、限定第三種医療機器製造販売業者を除き、内部監査員に自らの業務を内部監査させてはならないと明記されました。小規模な組織ほど、この人員の切り分けが壁になります。PMDAが挙げた構築事例は、判定基準と対処方法のフロー図化、有資格者リストによる適格性の検証、監査計画による対象工程の明確化の3つ。

是正措置の実効性照査と原因の特定——記録が残っていないという同型の指摘

是正措置の指摘事例は、実効性についての照査を実施していなかった、工程の不適合が対象に含まれていなかった、原因の特定を実施していなかった、という並びです。第63条は改正で、是正措置に係る計画の策定、内容の記録、実施を求める号が加わりました。PMDAは「遅滞なく」を「速やかに」ではなく「妥当な計画に基づき」と説明し、計画に実施時期を含めるよう促しています。期日のない是正措置計画は、この解釈では成立しません。

第5条の6が課すソフトウェアバリデーション——システム化で増える義務の範囲

ここからがシステム導入側で最も見落とされやすい論点です。文書と記録を電子化すると、そのシステム自体が省令の要求対象になります。

バリデーションの対象になるシステムと、対象から外れる経理・事務処理系

第5条の6は、品質管理監督システムにソフトウェアを使用する場合、その適用に係るバリデーションについて手順を文書化しなければならないと定めます。PMDAが対象に含まれうるとしたのは4種類です。

  • 製造のための指示などに関連する基幹系情報システム(ERP、MES)
  • 文書・記録の管理システム
  • CAD(設計支援ツール)
  • 苦情、不適合、是正・予防措置の管理システム

一方で、経理処理や事務処理に使用されるソフトウェアなど、医療機器の品質・安全性・有効性に影響しないものは対象外と明記されています。判断の軸は業務システムかどうかではなく、医療機器の品質等に影響するかどうか。汎用ツールを一括で含めると、維持できない量のバリデーション文書を抱え込みます。

初回使用時と変更時の事前バリデーション——事後で足りる正当な理由の示し方

第5条の6第2項は、品質管理監督システムに初めて使用するとき、およびソフトウェアまたはその適用を変更するときに、あらかじめバリデーションを行うことを求めます。ただし変更前に行う必要がない正当な理由を示せる場合は、変更後のバリデーションで足りるとされました。

この但し書きの使い方が実務の分かれ目になります。SaaSを採用すると、ベンダー側の更新が事前告知だけで適用される。毎回の更新を止められない以上、表示上の変更や操作手順の合理化など品質・有効性・安全性に影響がないと判断できる変更は、あらかじめバリデーションを不要とする範囲を文書で明示しておくことになります。導入前にベンダーとリリースノートの提供粒度を握っておかないと、この文書が書けません。なおPMDAは、バリデーションの深さをリスクに基づいて決める考え方としてISO/TR 80002-2を参照できるとしています。省令要求に直接紐づく機能(版管理、承認フロー、監査証跡、保管期限管理、検索)に範囲を絞り、残りを対象外とする根拠を導入時に文書化する形が現実的です。

紙とExcelの運用を切り替える境界線——移行が効く条件と過剰投資になる場面

ここまでの要求を踏まえると、電子化すべきかは規模と製品特性で機械的に判断できます。条件で切り分けたほうが失敗が減ります。

移行が効く条件——類似製品グループ数・登録製造所数と保管期限の組み合わせ

第7条の2は製品または類似製品グループごとに製品標準書を作成し保管することを求めるため、類似製品グループの数が管理対象の文書セット数になります。移行の効果が費用を上回りやすいのは、次の条件が重なる場合です。

  1. 類似製品グループが5つ以上あり、製品標準書と紐づく手順書・記録の版が並行して動いている
  2. 登録製造所が複数あり、うち1つ以上が海外で、リスクマネジメント記録や是正措置の記録を入手して照査する必要がある
  3. 特定保守管理医療機器を含み、記録の保管期限が15年に及ぶ
  4. 年間の苦情件数が手作業での統計的要約の作成に耐えない水準にある

2番目の条件は特に効きます。海外製造元のリスクマネジメント報告書を入手して照査し記録を作成する手順を定めていたのに該当する記録がなかった、という指摘はPMDAの事例に実際に挙がっていました。拠点をまたぐ受け渡しと照査記録は、メール添付と共有フォルダでは追跡が切れます。

移行しないほうがよい場面——単一製品かつ小規模での電子化は過剰投資になる

逆に、管理医療機器1品目を1拠点で製造し、保管期限が5年で足り、苦情が年に数件という規模なら電子化は見送るべきです。導入した瞬間に第5条の6のバリデーション手順書、変更管理手順、アクセス権限の設計と定期レビューという維持業務が増えます。もともとの記録量に対して、増える管理業務のほうが大きくなる。

優先すべきは記録様式の統一と、通し番号・日付・修正方法のルール化です。第9条第2項が求める完全性の確保は紙でも満たせます。PMDAの構築事例にも、記録に通し番号を振る、全ページをホチキスで固定するといった紙前提の方法が挙がっていました。類似製品グループ数と保管期限15年の該当がどちらもない段階では、導入を勧めません。

パッケージと受託開発の分岐——製品標準書の綴じ方と基幹システムとの接続

移行すると決めた場合、既製パッケージで足りるかは製品標準書の構造で決まります。PMDAは製品標準書を、設計開発・製造等に関する文書自体を綴ったもの、またはこれらの文書の所在を綴ったものと説明しました。所在参照型で組むと文書実体が複数拠点に分散するため、パッケージ側が外部文書へのリンクと版の追随をどこまで扱えるかが判断材料です。

受託開発を検討する目安は2つ。1つは、製品標準書が承認書・技術ファイル・海外本社の文書を横断して参照する構造で、参照先の版が変わったときの影響範囲を自動で洗い出す必要がある場合。もう1つは、製造記録や検査記録を生産管理システムから受け取り、不適合と是正措置に自動で紐づける必要がある場合です。後者は生産管理システムとは?機能・ERP/MESとの違いから種類・選び方と内製化の判断まで解説で扱った製造実行系との接続点そのもので、既製の文書管理パッケージが最も苦手とする領域でもあります。要件が固まっているなら、文書管理システム開発のように版管理と検索性を要件から設計する進め方が、後付けのバリデーション負担を抑えるうえで有利に働きます。

単一拠点で製品標準書を1か所に集約でき、外部システム連携が不要なら既製パッケージで足ります。確認すべきは機能の多さではなく、監査証跡の出力形式、保管期限の自動判定、バリデーション用の資料をベンダーが提供するかの3点です。

よくある質問

適用範囲や他制度との関係について、実務で問い合わせの多い論点を整理しました。

QMS省令とISO 13485は何が違いますか?

ISO 13485は民間の国際規格、QMS省令は日本の法令です。令和3年改正で第2章がISO 13485:2016と整合したため要求内容は近づきましたが、用語が日本語独自の訳語(品質管理監督システム、工程入力情報など)に置き換えられ、第3章以降に保管期限や国内品質業務運営責任者といった上乗せがあります。認証を持っていても、上乗せ部分は別途対応が必要です。

QMS省令の対象になるのは製造業者だけですか?

製造販売業者も対象です。条文の主語は「製造販売業者等」で、製造販売業者と登録製造所に係る製造業者の双方に要求が及びます。第72条が国内品質業務運営責任者を国内の施設に置くよう求めるのも製造販売業者。海外製造品を輸入して販売する場合も、QMSを構築する義務があります。

QMS適合性調査はどのくらいの頻度で受けますか?

製造販売の承認・認証を受ける際の調査に加え、承認等から5年を経過するごとの定期調査があります。申請は期日から逆算して余裕をもって行う運用です。なおMDSAP(医療機器単一調査プログラム)報告書の本格受入が2022年4月1日から始まり、参加5か国の要求事項を一度に調査する仕組みを使うと、海外登録製造所の実地調査に伴う調整と費用を抑えられる場合があります。

手順書はすべて紙で保管しないといけませんか?

電磁的な保管が認められています。改正省令の施行に伴い、書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成17年厚生労働省令第44号)も併せて改正されました。ただし電磁的に管理する場合、第8条第2項第7号が求める劣化・紛失の防止として、バックアップなど必要な管理方法を手順に定める必要があります。

内部監査は外部に委託できますか?

委託自体は可能です。第56条が求めるのは内部監査員の選定と実施における客観性および公平性の確保で、社内の人員に限定していません。第6項が自らの業務を内部監査させることを禁じているため、人員の切り分けができない組織では外部の有資格者を充てる方法が現実的でしょう。その場合も、判定基準・範囲・頻度・方法を自社の手順として定め、記録を残す責任は自社にあります。

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