シェアド・リーダーシップ(shared leadership、シェアードリーダーシップとも表記)は、チームのメンバーが互いに影響を与え合い、そのとき必要な知識や立場を持つ人がリーダーシップを担うチームの状態を指します。役職のリーダーをなくす制度ではありません。研究では、役職リーダーのリーダーシップと並んで成果を説明する要因として扱われてきました。
この記事では、Pearce & Congerと石川淳による定義、3本のメタ分析が示した効果の大きさ、測り方によって結果が変わる点、サーバント型・分散型との違い、チームに生まれる条件、向かない場面、自分のチームの共有度を確かめる手順を順に整理します。
まとめ:シェアド・リーダーシップの定義・効果・導入判断の要点
- 定義の核は「メンバー同士が互いを導き合い、チームや組織の目標達成を目指す影響のプロセス」です。個人の資質ではなく、チーム単位の状態として測ります。
- 役職リーダーは残ります。縦型(役職者)とシェアドの両方が成果に関係し、シェアドは縦型を超えて成果を説明する、というのが複数の実証研究の結論です。
- メタ分析ではチームの有効性との関係がρ=.34(Wang et al. 2014)、チーム業績とρ=.35(Nicolaides et al. 2014)。D’Innocenzoらのメタ分析では、メンバーの全体印象を集計する測り方より、メンバー間の関係を測るネットワーク型のほうが効果量が有意に大きく出ました。
- 出現の条件として示されたのは、目的の共有・互いの支援・発言できる状態からなるチーム内部の環境と、チーム外のリーダーによるコーチングです(Carson et al. 2007、MBA学生の59コンサルティングチーム)。
- 定型業務が中心のチームでは効果を示す根拠が弱く、即断が必要な場面では決定者を一人に固定したほうが動きやすくなります。導入しても「最終的に誰が決めるか」は別に決めておく必要があります。
シェアド・リーダーシップの定義:研究者が置いた2つの基準
よく引かれる定義は、Craig L. PearceとJay A. Congerの編著『Shared Leadership: Reframing the Hows and Whys of Leadership』(Sage、2003年)にあるものです。シェアド・リーダーシップを、集団内の個人のあいだで起きる動的で相互的な影響のプロセスとし、その目的をto lead one another to the achievement of group or organizational goals or both(集団か組織、またはその両方の目標達成に向けて互いを導くこと)と書いています。Pearce自身が加わった2025年刊のケンブリッジ大学出版局の『Shared Leadership 2.0』も、この定義を再掲しています。
日本では、石川淳(立教大学)が研究開発チームを対象にした論文(『組織科学』46巻4号、2013年)で、Carsonらに倣い「チーム・メンバー間でリーダーシップの影響力が配分されているチーム状態」と定義しました。石川はこの定義の意味を3点挙げています。
- 一人か少数のリーダーではなく、メンバー一人ひとりがどの程度リーダーシップを発揮しているかを見る
- 個人レベルではなく、チームレベルの概念として扱う
- 上から下への一方向ではなく、双方向の影響を扱う
石川の単著『シェアド・リーダーシップ チーム全員の影響力が職場を強くする』(中央経済社、2016年11月、228頁)の版元紹介文は、これを「職場の誰もが必要なときにリーダーシップを発揮する状態」と言い換えています。「全員が常にリーダーである」状態ではなく、場面ごとに担い手が入れ替わる状態だと読むのが正確です。
役職リーダーとの関係:縦型リーダーシップとの併存
研究では、役職者が発揮するリーダーシップを「縦型(vertical)」、メンバーから生まれるものを「シェアド」と呼び分け、両方を同時に測っています。
- Pearce & Sims(2002、Group Dynamics 6巻2号)は、71の変革推進チームを対象に、約6か月後のチームの有効性を管理者・社内顧客・メンバーの3方向から評価しました。縦型とシェアドはどちらも有効性と有意に関係し、予測力はシェアドのほうが高いという結果でした。
- Ensley、Hmieleski & Pearce(2006、Leadership Quarterly 17巻3号)は、急成長企業500社リスト由来の66社と、無作為抽出した154社のスタートアップ経営チームを調べました。売上と従業員数の伸びに対し、シェアドは縦型の説明分を超えて有意な説明力を持ち、2つのサンプルで同じ結果が出ています。
- 石川(2013)は、チームリーダーの変革型リーダーシップと、チーム内外の情報の結節点になるゲート・キーパー型リーダーシップが、どちらもシェアド・リーダーシップと正の関係にあると報告しました。影響はゲート・キーパー型のほうが強く、偏回帰係数は0.27対0.22です。
3本の研究が示しているのは、役職リーダーのリーダーシップとシェアド・リーダーシップが同時に存在し、どちらも成果と関係するということです。実務上の示唆としては、役職リーダーには指示を出す役割に加えて、メンバーがリーダーシップを取れる条件を整える役割が求められると考えられます。リーダーを置かないチームを作る話ではありません。
サーバント型・分散型・フォロワーシップとの違い
混同されやすい4つの概念を、分析の単位と影響の向きで並べると次のとおりです。
| 概念 | 分析の単位 | 影響の向き | 主な出典 |
|---|---|---|---|
| シェアド・リーダーシップ | チーム | メンバー相互 | Pearce & Conger 2003 |
| サーバントリーダーシップ | リーダー個人 | 奉仕する人から仕えられる人へ | Greenleaf 1970 |
| 分散型リーダーシップ | チーム・組織 | 複数人に分散 | 同系統として扱われる |
| フォロワーシップ | メンバー個人 | リードする人を支える | 個人の行動として扱う |
サーバントリーダーシップは、リーダーがまず奉仕する姿勢をとり、仕えられる人が成長したかを成否の基準にするという、リーダー個人のあり方の理論です。役職を前提にはしていませんが、分析の対象は一人のリーダーとその相手との関係です。シェアド・リーダーシップは誰がリーダーシップを発揮しているかの分布を扱うので、問いの立て方が違います。両者は両立し、奉仕型のリーダーのもとでメンバー同士の影響が増えることもあれば、増えないこともあります。サーバント型の定義と特性はサーバントリーダーシップ(サーバント型)とは?グリーンリーフの定義・10の特性と向かない場面で詳しく扱っています。
分散型(distributed leadership)は、研究上ほぼ同じ系統の概念として扱われます。Wangらのメタ分析(2014)は、shared、collective、distributedと呼ばれる研究をまとめて「リーダーシップの共有度」を扱う研究として統合しており、Ensleyら(2006)はシェアド・リーダーシップを「チーム内から生じる分散型リーダーシップの一形態」と書いています。
フォロワーシップは、他のメンバーがリードしている場面で支える側の行動を指す、個人単位の考え方です。シェアド・リーダーシップでは同じ人がある場面ではリードし、別の場面では支える側に回るため、両方が同じチームの中で入れ替わりながら起きます。
効果を示した研究データ:3本のメタ分析の比較
シェアド・リーダーシップの効果については、2014〜2016年に3本のメタ分析(複数研究の結果を統合する分析)が出ています。
| 論文 | 統合した規模 | 全体の効果 | 対象の成果 |
|---|---|---|---|
| Wang, Waldman & Zhang 2014(JAP) | 42の独立サンプル | ρ=.34 | チームの有効性 |
| Nicolaides et al. 2014(LQ) | 54効果量・3,882チーム | ρ=.35 | チーム業績 |
| D’Innocenzo et al. 2016(JOM) | 50効果量・3,198チーム | r=.21 | チーム業績 |
出典:Wang, Waldman & Zhang(2014)、Nicolaides et al.(2014)、D’Innocenzo, Mathieu & Kukenberger(2016)
ρは測定誤差を補正した相関、rは補正前の加重平均相関で、そのまま大小を比べることはできません。どちらも相関係数なので、.35は業績が35%上がるという意味ではありません。どの論文でも、関係はプラス方向で、ゼロではないという点は共通しています。
Wangらは、何を共有しているかで差が出ることも示しました。構造づくり(initiating structure)や配慮(consideration)といった従来型の行動を共有している場合はρ=.18にとどまり、カリスマ型・変革型のような新しい型を共有している場合はρ=.34、全体的な共有度ではρ=.35でした。構造づくりと配慮は行動理論の2軸で、マネジリアル・グリッド理論とは?5つの型とPM理論との違い、9・9型への批判で扱う軸と同じ系統です。また、効果は業績よりも、メンバーの態度やチーム内のプロセスに対して強く出ていました。
測り方で効果量が変わる:全体印象の集計とネットワーク測定
測定方法による差を正面から扱ったのは、NicolaidesらとD’Innocenzoらの2本です。Wangらは、測定時に評価の対象をチームにするか個人にするかでは関係が変わらなかったと報告しています。シェアド・リーダーシップの測り方は大きく2つに分かれます。
- 集計型:メンバーに「このチームではリーダーシップが共有されているか」のような全体印象を聞き、平均する
- ネットワーク型:メンバー一人ひとりに、他の各メンバーがどの程度リーダーシップを発揮しているかを聞き、メンバー間の関係として集計する(密度や中心化の度合いを見る)
D’Innocenzoらでは、集計型の研究(32効果量)の相関はr=.15で全体平均を下回り、ネットワークの密度や中心化で測った研究は集計型より有意に高い効果量でした。Nicolaidesらの表でも、ネットワーク分析で測った研究はρ=.47、集計型の3区分はρ=.24〜.34と、数値の上ではネットワーク型が大きく出ています。
実務に引き直すと、従業員サーベイに「リーダーシップを共有できている」という設問を1つ入れるだけでは、成果とのつながりが弱く出やすいということです。誰が誰に影響を与えているかまで知りたいなら、メンバーごとに個別に聞く方法が向いています。D’Innocenzoらは、研修室や実験室の研究は職場での研究より効果量が低かったことも報告しています。
複雑な仕事で効果は強まるのか:研究で結論が割れている点
「複雑で不確実な仕事ほどシェアド・リーダーシップが効く」という説明はよく見かけますが、研究の結論はそろっていません。
- Wangら(2014):メンバーの仕事が複雑なほど効果が強い
- D’Innocenzoら(2016):課題が複雑なほど効果量は低い。課題の相互依存性は効果量に有意な影響なし
- 石川(2013):研究開発チームでは、タスクの不確実性が高いほうがチーム業績との関係が強い
石川の論文は、日本の産業用部品メーカー8社の研究開発チーム126チームを対象に、チームリーダー126名・メンバー696名・業績を評価する管理職29名から回答を得たものです。考察では、よりルーチン的な仕事をしている職種ではシェアド・リーダーシップの効果は限定的だろうと述べています。
判断としては、「業績を上げる道筋が見えていない仕事(新規事業、研究開発、前例のない案件)では導入の根拠がある程度そろっている。手順が決まった定型業務では、効果を期待する根拠が弱い」と整理するのが妥当です。「複雑さ」の定義が研究ごとに違うため、自社の仕事がどちらに当たるかは、仕事の中身で判断する必要があります。
チームに生まれる条件:Carsonらが示した内部環境と外部コーチング
どうすればシェアド・リーダーシップが生まれるかを調べた代表的な研究が、Carson、Tesluk & Marrone(2007、Academy of Management Journal 50巻5号)です。MBA学生348名からなる59のコンサルティングチームが、実在する企業の課題に5か月間取り組んだ場面を調べました。チームに役職上のリーダーはおらず、教員がチーム外のリーダーとして支援する形です。目的の共有・互いの支援・発言できる状態の3つをまとめた「チーム内部の環境」と、外部リーダーのコーチングが、シェアド・リーダーシップの出現を予測しました。
| 要因 | 原語 | チームで確かめる問い |
|---|---|---|
| 目的の共有 | shared purpose | 全員が同じ目標を同じ言葉で言えるか |
| 互いの支援 | social support | 貢献を認め、励まし合っているか |
| 発言できる状態 | voice | 立場に関係なく意見が出ているか |
| 外部リーダーのコーチング | external coaching | チームの外から支援が届いているか |
表の上3つは1つの内部環境の指標としてまとめて分析された要素で、4つ目はチームの外からの働きかけです。論文の考察は、内部環境が弱いチームほど外部リーダーのコーチングが共有の発達に重要で、内部環境がすでに支援的なチームではコーチングを強めても上積みは小さいと述べています。上司が手をかけるべきなのは、目的があいまいで発言が出ていないチームのほうです。また、共有の度合いが高いチームほど、顧客が評価したチーム業績も高いという結果も出ています。ただし対象は常勤の従業員ではなくMBA学生で、著者自身も職場のチームでは働き方が異なる可能性を限界に挙げています。
発言できる状態は、エドモンドソンの言う心理的安全性と重なります。測り方は心理的安全性とは?エドモンドソンの定義と7つの質問、ぬるま湯組織との違いで、Googleが社内のチームを分析して効果的なチームの条件をまとめた結果はプロジェクトアリストテレスとは?Googleが180チームを分析して出した効果的なチーム5条件で解説しています。
役職リーダーの側では、石川(2013)の結果が具体的な手がかりになります。影響が強かったのは、ビジョンで鼓舞する変革型より、社外の専門情報と社内の戦略・他部門の情報をつなぐゲート・キーパー型でした。メンバーが判断に必要な情報を持っていなければ、リーダーシップを取ろうにも取れません。情報を流すことと、判断を任せる範囲を決めることが役職者の仕事になります。任せ方の段階はデリゲーションとは?権限委譲の意味とエンパワーメントとの違い・7段階の任せ方が参考になります。
シェアド・リーダーシップのデメリットと向かない場面
シェアド・リーダーシップは万能ではなく、次の条件では導入を見送るか、範囲を限るべきです。
- 定型業務が中心のチーム:手順が決まっている仕事では効果を示す根拠が弱いことは前述のとおりです。共有のための話し合いの時間を、手戻りの減少などで回収できるかを先に見積もります。
- 即断が求められる場面:障害対応や事故対応のように数分で決める必要がある場面では、決定者を一人に固定したほうが速く動けます。平常時は共有、緊急時は指揮命令と、モードを切り替える取り決めが必要です。
- 責任の所在を決めていないとき:シェアド・リーダーシップは影響力の分布の話で、結果責任の分担とは別物です。「誰がリードしてもよい」と「誰も最終決定をしない」が混同されると、決定が先送りされます。案件ごとに最終決定者は一人に決めておきます。
- メンバーが判断材料を持てないとき:経験の浅いメンバーばかりで、外部情報や顧客情報が役職者に集中している状態では、共有を求めても形だけになります。先に情報の流れを変えます。
もう一つ注意したいのは、リーダー役を望まないメンバーへの扱いです。シェアド・リーダーシップは全員に常時リードを求める考え方ではなく、得意な場面で影響を与えることを指します。全員に順番でリーダー役を割り当てるだけでは、メンバー同士の影響が増えるとは限りません。
チームの共有度を確かめる手順:ネットワーク型の簡易診断
測り方で結果が変わる以上、導入の前後を比べるならネットワーク型で測るのが筋です。研究で使われる手法をもとに、5人チームで回せる簡易版を示します。研究用に検証された尺度ではないので、変化の目安として使ってください。
- 全員に、自分以外のメンバー一人ひとりについて「チームはこの人のリーダーシップにどの程度頼っているか」を5段階で答えてもらいます。Carsonらが使った質問を訳したものです。回答者が誰かは伏せて集計し、評価された人ごとの結果を人事評価に使わないと事前に伝えます。
- 5人チームなら、1人が4人を評価するので回答は20個です。
- 20個の回答の合計を20で割ります(全回答の平均と同じです)。Carsonらは、評価の合計をメンバー間で取り得る関係の総数で割った値を密度として使っており、5人チームで方向を区別すると関係は20通りです。値が高いほど、チーム全体で影響が行き交っていると読みます。
- メンバーごとに「受け取った評価の平均」を並べ、一人に集中していないかを見ます。研究で使う中心化の指標は別の計算式で求めますが、簡易確認としてはこの並びで偏りが分かります。
たとえば、受け取った評価の平均が課長4.5、他の4人がそれぞれ1.75〜2.25のチームでは、影響は課長一人に集まっています。課長3.75、メンバーが3.0〜3.5に並ぶチームなら、影響が複数の人に分かれている形です。半年ごとなど一定の間隔で同じ質問を繰り返せば、目的・支援・発言への打ち手の前後で数字がどう動いたかを追えます。ただし簡易版の前後比較だけでは、変化が打ち手によるものかまでは断定できません。
日本企業の事例:キヤノンMJの10名プロジェクト
キヤノンマーケティングジャパンは自社サイトで、グループの社内報に載せた記事を改編して公開し、メンバー全員がリーダーシップを発揮する「シェアド・リーダーシップ」の例として社内のプロジェクトを紹介しています。グループ初の取り組みとなった案件のために、営業やITソリューションのスペシャリストなど各組織の専門スキルを持つ10名でチームを組み、それぞれの役割で顧客対応に当たりました。足りないスキルを補うために途中で新しい人材を加えてチームを組み替えながら進め、プロジェクトを成功に導いたと書かれています。
同じ記事で研修講師の清澤正氏(エディフィストラーニング)は、マネジメント職に求められることとして「メンバーそれぞれの多様な視点や能力をしっかり理解すること」と「挑戦しやすい雰囲気などメンバーが心理的安全性を保てる環境をつくること」の2つを挙げています。必要なスキルを持つ人をチームに入れ替えていく点は、案件ごとにチームを組み直すチーミングとは?エドモンドソンの定義と4つの行動、チームビルディングとの違いの考え方とも重なります。
なお、この記事は社内報の事例紹介で、成果の数値や「シェアド・リーダーシップを制度として導入した」という記述はありません。他社の事例を読むときも、概念の名前で後から説明した事例なのか、測定して効果を確かめた事例なのかを分けて読むと判断を誤りにくくなります。
シェアド・リーダーシップに関するよくある質問
シェアードリーダーシップとシェアド・リーダーシップは同じものですか?
同じものです。英語のshared leadershipのカタカナ表記が「シェアド」「シェアード」の2通りあり、中黒の有無も含めて表記ゆれです。研究書では石川淳『シェアド・リーダーシップ』(中央経済社、2016年)のように「シェアド・リーダーシップ」が多く使われています。
シェアドリーダーシップとサーバントリーダーシップの違いは何ですか?
サーバントリーダーシップはリーダー個人のあり方の理論で、奉仕を起点に、仕えられる人の成長を支える考え方です。シェアド・リーダーシップはチーム全体で誰がリーダーシップを発揮しているかの分布を指し、分析の単位が個人かチームかで異なります。サーバント型のリーダーがいても、メンバー同士の影響が増えるとは限りません。
分散型リーダーシップ(distributed leadership)とは違うものですか?
研究上はほぼ同じ系統として扱われます。Wangらのメタ分析(2014年)はshared、collective、distributedの研究をまとめて統合しており、Ensleyら(2006年)はシェアド・リーダーシップをチーム内から生じる分散型リーダーシップの一形態と書いています。
シェアドリーダーシップのデメリットは何ですか?
決定に時間がかかること、最終責任の所在があいまいになりやすいこと、定型業務では効果の根拠が弱いことが主なデメリットです。緊急時は決定者を一人に固定する取り決めと、案件ごとの最終決定者の明示で、前の2つは抑えられます。
シェアド・リーダーシップを取り入れると役職のリーダーは不要になりますか?
不要にはなりません。Pearce & Sims(2002年)とEnsleyら(2006年)は、役職者の縦型リーダーシップとシェアド・リーダーシップの両方が成果に関係することを示しています。運用上は、役職者が情報をメンバーに流し、任せる範囲を決め、緊急時には決定を引き取るという分担が考えられます。