心理的安全性(psychological safety)は、ハーバード・ビジネス・スクールのエイミー・エドモンドソンが1999年の論文で定義した概念で、「このチームでは対人関係のリスクを取っても安全だ」とメンバーが共有している信念を指します。仲が良いことや、厳しいことを言われないことではありません。
本記事では、原典の定義と研究データ、測定に使う7つの質問の原文、ぬるま湯組織との違い、日本で広まった4因子の出どころ、そしてリーダーが取る行動と逆効果になる場面を、出典を示しながら整理します。
まとめ:心理的安全性の要点
- 定義:エドモンドソン(1999年)による「チームが対人関係のリスクを取るのに安全な場であるという、メンバーに共有された信念」。個人の性格ではなく、チーム単位の状態です。
- 根拠:家具メーカーの51チームを調べた原典では、心理的安全性が学習行動と結びつき、学習行動を経由してチームの成果につながっていました。
- ぬるま湯との違い:心理的安全性と、成果への責任(基準の高さ)は別の軸です。安全性が高く基準が低い状態がぬるま湯で、両方が高いときに学習が進みます。
- 測り方:原典の7項目を7段階で尋ね、否定文の設問は逆転して採点し、チームごとに平均します。
- 4因子:「話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎」は石井遼介氏が日本の組織向けに示した枠組みで、エドモンドソンの7項目とは別物です。
- 高め方:仕事を「正解のある実行」ではなく「学習が要る課題」として示す、自分の見落としを認める、質問を重ねる、の3つが原著者の勧める出発点です。
心理的安全性の定義:エドモンドソン(1999年)の原文と前史
1999年論文の定義と、51チームを調べた研究の中身
原典は Amy C. Edmondson「Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams」(Administrative Science Quarterly 44巻2号、1999年6月、350〜383ページ)です。定義の原文は a shared belief held by members of a team that the team is safe for interpersonal risk taking で、「対人関係のリスク」とは、質問する、ミスを認める、反対意見を言うといった、相手からの評価を下げかねない行動を指します。
調査の舞台は、従業員約5,000人のオフィス家具メーカー(論文中の仮名は Office Design Incorporated)でした。51チームの427人がアンケートに回答し(回答率86%)、チームの学習行動と成果は、チームをよく知る外部の観察者にも別のアンケートで評価させています。結果は、心理的安全性が学習行動と結びつき、学習行動がチームの成果を媒介するというものでした。一方、「このチームなら達成できる」という効力感は、心理的安全性を統制すると、自己報告の学習行動との関連は有意でなくなりましたが、外部観察者が評価した学習行動との関連は有意に残りました。
論文は、この信念がふだん言葉にされない暗黙のものだと述べています。メンバー自身も「うちは心理的安全性が高い」と意識していないことが多く、アンケートや観察で外から確かめる必要がある理由はここにあります。
シャインとベニス(1965年)からチームの概念へ
言葉自体は1999年より古く、エドモンドソンは組織変革研究のシャインとベニス(1965年)が「人が変化に向き合うには心理的安全性が要る」と論じたことを起点に挙げています。当時は個人が変化を受け入れるための条件として扱われていました。
エドモンドソンの貢献は、これをチームという集団の性質として定義し直し、測定できる形にしたことです。原典の分析では、心理的安全性の回答はチームごとにまとまる傾向が強く(級内相関0.39で、調べた集団レベルの変数の中で最も高い値)、同じ会社の中でもチームによって大きく違いました。
英語表記と、「心理的安定性」との違い
英語は psychological safety で、エドモンドソン(1999年)の論文ではチーム単位の概念として扱われています。検索では「心理的安定性」「心理的安全」「精神的安全性」という表記も見られますが、組織論の用語として定着しているのは「心理的安全性」です。「心理的安定性」は個人の情緒が落ち着いている状態を指す一般語で、チームで率直に発言できるかどうかを問う心理的安全性とは対象が違います。
心理的安全性が注目された経緯:病院のエラー研究とGoogleの調査
病院の投薬ミス研究:報告率と病棟評価の関係
エドモンドソンがチームの心理的安全性に目を向けたきっかけは、病院の投薬ミスを調べた研究(Journal of Applied Behavioral Science 32巻1号、1996年)です。8つの病棟を比べたところ、看護師長の指導が手厚く、病棟内の関係が良く、成果の評価も高い病棟ほど、記録された投薬ミスの率が高いという、予想と逆の結果が出ました。エドモンドソンはこれを、見つかるミスの数は実際のミスの数と報告される割合の両方で決まり、良い病棟ではミスを報告しやすいからだと解釈しました。2008年のHBR論文では、病棟間の報告率の差が最大10倍あったと書いています。
1999年論文はこの研究に触れ、同じ病院の看護師でも、あるチームでは「薬の毒性が強いので、ミスは師長にすぐ言う」と当然のように語り、別のチームでは「裁判にかけられる。ミスをすると責められる」と語ったという対照的な証言を引いています。
Googleのプロジェクト・アリストテレス:5条件の最上位
心理的安全性が日本で広く知られたのは、Googleの社内調査「プロジェクト・アリストテレス」の結果が紹介されてからです。Googleは効果的なチームの条件を5つ挙げ、その中で心理的安全性を最も重要なものと位置づけました。180チームを分析した調査の設計や5条件の中身は、プロジェクトアリストテレスとは?Googleが180チームを分析して出した効果的なチーム5条件で原文に沿って解説しています。
ここで押さえておきたいのは、Googleの調査が心理的安全性という概念を生んだわけではない点です。概念と測定尺度は1999年の時点でエドモンドソンが提示しており、Googleはそれを自社のチームに当てはめて重要性を確認した側です。
メタ分析が示した研究の広がり
その後、研究は急速に増えました。Frazierらが Personnel Psychology(2017年、70巻1号)に発表したメタ分析は、136の独立したサンプル、2万2,000人超・約5,000集団のデータを統合し、心理的安全性の前提条件と結果を整理しています。分析の対象には、課題の成果だけでなく職務外の協力行動(組織市民行動)や、個人単位と集団単位で関連の強さが同じかどうかの検証も含まれます。
ただし、メタ分析が示すのは関連の強さで、「心理的安全性を上げれば業績が何%上がる」という因果の大きさではありません。社内向けの資料で数値を引くときは、この区別を崩さないようにしてください。
心理的安全性が低い職場で起きること:4つの対人リスクと沈黙
エドモンドソンはTEDxHGSEの講演「Building a psychologically safe workplace」で、職場で黙ってしまう理由を「誰も朝起きて、無知だ、無能だ、出しゃばりだ、否定的だと思われたくて出社するわけではない」と説明しました(原語は ignorant, incompetent, intrusive, negative)。人はこの4つの評価を避けるために、次の行動を控えます。
| 思われたくない評価 | 控えてしまう行動 |
|---|---|
| 無知(ignorant) | 質問しない |
| 無能(incompetent) | ミスや弱点を認めない |
| 出しゃばり(intrusive) | アイデアを出さない |
| 否定的(negative) | 現状を批判しない |
講演は、夜勤の看護師が薬の量の疑問を医師に電話で確かめなかった場面や、副操縦士が機長の判断に異を唱えなかった場面から始まります。どれも、本人にとってはその場で黙るのが合理的です。黙っても誰にも気づかれず、損をするのは後になってからだからです。心理的安全性が低い職場では、こうした小さな沈黙が積み重なり、ミスの発見が遅れます。
心理的安全性とぬるま湯組織の違い:責任の高さとの2軸
安全性と基準を別々に見る4つの状態
「心理的安全性を高めると、甘い組織になる」という心配は、安全性と責任を1本の線の両端に置いたときに生まれます。エドモンドソンは Harvard Business Review 2008年7-8月号の論文「The Competitive Imperative of Learning」で、心理的安全性は従業員の責任とは独立しており、最も効果的な組織は両方を高い水準で実現していると述べ、2軸のマトリクスを示しました。同じ論文には「心理的安全性は優しくすることでも、成果の基準を下げることでもない」という一文もあります。4つの区画は、一般に次の名前で紹介されています。
| 基準が低い | 基準が高い | |
|---|---|---|
| 安全性が高い | 快適ゾーン(ぬるま湯) | 学習ゾーン |
| 安全性が低い | 無関心ゾーン | 不安ゾーン |
ぬるま湯は「安全性が高すぎる」状態ではなく、「基準が低い」状態です。だから対処も、安全性を下げることではなく基準を上げることになります。逆に、基準だけを上げて安全性が低いままだと、メンバーは失敗を隠すほうへ動きます(不安ゾーン)。
エドモンドソン自身が挙げた6つの誤解(HBR 2025年)
エドモンドソンとマイケラ・ケリッシーは Harvard Business Review 2025年5-6月号の「What People Get Wrong About Psychological Safety」で、広まるにつれて増えた誤解を6つ挙げています。
- 心理的安全性とは優しくすることだ
- 自分の意見が通ることだ
- 雇用が守られることだ
- 成果とのトレードオフになる
- 方針や制度で定められる
- トップダウンでしか作れない
同記事には、コンサルタントが顧客から「うちは一度も言い争わないので、心理的安全性が高いチームです」と聞かされ、それを危険信号と受け取った話が出てきます。言い争いが一度もないのは、反対意見が出ていないことの表れかもしれません。また、心理的安全性と責任は別の次元で、どちらが大事かを選ぶのは誤った二者択一だと書かれています。2024年4月に米国ロードアイランド州の上院が「職場の心理的安全性法」を可決した例を挙げ、法律で義務づける発想も誤りだとしています。
信頼・結束・仲の良さとの線引き
1999年論文は、心理的安全性を「集団の結束(cohesiveness)」と同じものではないと明記しています。結束が強い集団では、反対意見を控える集団浅慮(groupthink)が起きやすいためです。また、心理的安全性は「気楽な放任でも、絶え間ない前向きな気分でもない」とも書いています。
信頼との違いは、対象の単位です。信頼は「この相手は約束を守る」といった、特定の個人や組織への期待で、心理的安全性は「このチームでは発言しても恥をかかされない」というチーム全体の空気です。論文は、心理的安全性は信頼を含みながらそれを超える概念だと位置づけています。
心理的安全性の測り方:7つの質問の原文と集計方法
原典の7項目と逆転採点
1999年論文の付録に載っている7項目です。回答は「まったく当てはまらない」から「とてもよく当てはまる」までの7段階(原文は very inaccurate から very accurate)で尋ねます。
- If you make a mistake on this team, it is often held against you.(このチームでミスをすると、たいてい責められる)[逆転]
- Members of this team are able to bring up problems and tough issues.(このチームのメンバーは、問題や難しい課題を指摘し合える)
- People on this team sometimes reject others for being different.(このチームでは、自分たちと違うという理由で他者を拒むことがある)[逆転]
- It is safe to take a risk on this team.(このチームでは、リスクのある行動をしても安全である)
- It is difficult to ask other members of this team for help.(このチームでは、他のメンバーに助けを求めにくい)[逆転]
- No one on this team would deliberately act in a way that undermines my efforts.(このチームには、私の努力を意図的に損なう行動をとる人はいない)
- Working with members of this team, my unique skills and talents are valued and utilized.(このチームでは、私ならではのスキルや才能が尊重され、生かされている)
論文は、回答の偏りを抑えるために肯定文と否定文を混ぜたと説明し、1番を逆転項目として明示しています。否定文で書かれた1・3・5番は、8から回答値を引いた値に置き換えてから平均します(1と7、2と6が入れ替わります)。逆転を忘れると、否定文の3項目が肯定文の4項目と逆方向に加算され、総合得点を正しく解釈できなくなります。この記事の日本語は意味を伝えるための参考訳で、原尺度と同等の測定特性を確認した訳ではありません。社内調査で使うなら、訳文を固定して毎回同じ文言で尋ねてください。
回答をチームごとに集計する理由
チームの心理的安全性を把握するには、会社全体の平均だけでは不十分です。部署全体の平均が5点でも、7点のチームと3点のチームが混ざっているかもしれないからです。エドモンドソンらは2025年のHBR記事でも、強い企業文化を持つ組織の中でさえ、心理的安全性はチームごとに大きく違うと書いています。
実務では、次の順で読むと判断を誤りにくくなります。
- チーム(日常的に一緒に働く単位)ごとに平均を出す
- チーム内のばらつきを見る。平均が高くてもばらつきが大きいなら、一部の人だけが安全だと感じている
- 逆転採点後の得点を項目別に見る。5番の得点が低ければ、助けを求めにくいと感じる回答が多いと読む
- 同じチームを、例えば半年後に同じ文言で測り、メンバー構成や業務の変化も確認する
ミス報告件数の増加と職場状態の評価
測定で起こりやすい読み違いは、ミスやヒヤリハットの報告件数を「心理的安全性の成果指標」に使うことです。前述のエドモンドソン(1996年)の病院研究を踏まえると、報告件数の増加は、実際のミスの増加だけでなく、従来は報告されなかったミスが表に出た可能性も考慮して読む必要があります。施策の直後に件数が増えたのを見て「現場が悪くなった」と判断し、報告者を問い詰めれば、次から報告が止まりかねません。
件数を見るなら、報告から対策までの日数や、同じ種類のミスが再発した回数と組み合わせてください。件数の増減だけで良し悪しを決めないことです。
日本で広まった4因子:話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎
「心理的安全性の4つの因子」として紹介される「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」は、エドモンドソンの用語ではありません。株式会社ZENTechの石井遼介氏が『心理的安全性のつくりかた』(日本能率協会マネジメントセンター、2020年9月)で示した、日本の組織向けの枠組みです。
| 因子 | チームの状態(本記事の要約) |
|---|---|
| 話しやすさ | 悪い報告や反対意見も言える |
| 助け合い | 困ったときに相談・協力し合える |
| 挑戦 | 新しいことを試すのが歓迎される |
| 新奇歓迎 | 異なる考えや個性が受け入れられる |
エドモンドソンの7項目と内容は重なりますが、両者を混ぜて「エドモンドソンの4因子」と書くのは誤りです。社内で測定するなら、海外の研究と比べたいときは原典の7項目、日本語の診断サービスと揃えたいときは4因子、と目的でどちらかに決め、混在させないほうが結果を比べやすくなります。
心理的安全性の作り方:リーダーの行動と職場の仕組み
エドモンドソンが勧める3つの行動
TEDxHGSEの講演でエドモンドソンが挙げた出発点は3つです。
- 仕事を「実行の問題」ではなく「学習の問題」として示す:先が読めず、互いに依存し合う仕事であることを最初に言葉にし、全員の意見が要る理由をつくる
- 自分の見落としを認める:「私が見落としていることがあるかもしれないので、聞かせてほしい」と上司の側から言う
- 好奇心を示し、質問を重ねる:質問されれば、相手は答えざるをえない。発言する必要そのものが生まれる
著書『The Fearless Organization』(2018年、邦訳『恐れのない組織』野津智子訳、英治出版、2021年2月)では、これを「土台をつくる(setting the stage)」「参加を求める(inviting participation)」「生産的に応える(responding productively)」の3段階の道具立てに整理しています。3段階目の「生産的に応える」には、感謝を伝えることや失敗への偏見を取り除くことに加え、明らかなルール違反にはきちんと制裁を科すことも含まれます。
振り返り・途中共有・対立の扱いを会議体に組み込む方法
リーダーの言葉だけでは、異動や交代で元に戻ります。定着させるには、発言の機会を会議体に組み込みます。
- 定期的な振り返り:週や月の終わりに「続けること・問題・試すこと」を出し合う場をつくる。進め方はKPT法とは?読み方と3要素の書き方・記入例・テンプレートの作り方で解説しています
- 途中経過の共有:HBR 2025年の記事は、ペプシコ英国法人が毎週末に成果と学びを共有する運用にしたことで、完成してから見せて期待とずれていたと分かる「ビッグ・リビール(大公開)」の失敗を避けた例を紹介しています
- 反対意見の伝え方:言いにくい指摘を「描写・表現・提案・選択」の順で伝える型はDESC法とは?4ステップの例文6場面とワークシートの書き方にまとめています
- 意見の対立の扱い:課題をめぐる対立と人間関係の対立を分けて扱う考え方はコンフリクトマネジメントとは?意味と5つの対応モード、対立が業績に与える影響で原典の数値とともに紹介しています
高めようとして逆効果になる場面
心理的安全性を目標に掲げた施策が、かえって発言を減らすことがあります。避けたいのは次の3つです。
- 指摘そのものを控えさせる:「心理的安全性のために厳しいことは言わない」という運用は、ぬるま湯への近道です。問題を指摘し合えることは、7項目の2番そのものです
- ハラスメントと受け取られるのを恐れて、上司が必要な指導をやめる:指導を控えることは心理的安全性を高めることと同じではありません。指導と嫌がらせの線引きはハラハラ(ハラスメントハラスメント)とは?指導との線引きを厚労省指針で判断する方法と対策で厚生労働省の指針に沿って整理しています
- スコアを人事評価に直結させる:チームの点数を管理職の評価に使うと、回答者に「高く付けて」と働きかける動機が生まれ、測定が意味を失います。点数はチームが自分たちの状態を知るために使い、上司の査定には使わないと決めておくべきです
大がかりな研修を先に入れる必要が薄い職場もあります。定型業務が中心で判断の余地がほとんどない仕事では、エドモンドソンが講演で発言の理由づけに使った「先が読めず、互いに依存し合う」という条件が弱くなります。本記事では、その場合の初手として、手順書の不備やヒヤリハットを指摘できる窓口と、報告への対応手順を先に整えることを勧めます。研修の要否は、報告が滞る理由を確認して判断します。
よくある質問
心理的安全性とは簡単に言うと何ですか?
「このチームでは、質問したりミスを認めたり反対意見を言ったりしても、恥をかかされたり罰せられたりしない」とメンバーが共有している信念です。エドモンドソンが1999年の論文で定義しました。仲が良いことや、厳しいことを言われないことではなく、言いにくいことを言える状態を指します。
心理的安全性が高い職場とぬるま湯組織は何が違いますか?
違いは成果への基準の高さです。心理的安全性が高く基準が低いのがぬるま湯(快適ゾーン)で、心理的安全性も基準も高いのが学習ゾーンです。エドモンドソンは両者を別の軸とし、HBR 2025年の記事でも「心理的安全性と責任は別の次元」と書いています。ぬるま湯を直すには、安全性を下げるのではなく基準を上げます。
心理的安全性が高い人の特徴はありますか?
心理的安全性は個人の性格ではなく、チームの状態を表す概念です。エドモンドソン(1999年)の分析でも、回答はチームごとにまとまっていました。同じ人でも、あるチームでは発言でき、別のチームでは黙ることがあります。「心理的安全性が高い人」を探すより、その人が属するチームで質問や反対意見が出ているかを見るほうが実態に近づきます。
心理的安全性の評価方法には何がありますか?
研究で広く使われているのは、エドモンドソン(1999年)の7項目の質問票です。7段階で回答し、否定文の3項目を逆転してチームごとに平均します。日本では石井遼介氏の4因子に基づく診断サービスもあります。どちらを使う場合も、同じ文言で定期的に測り、会社全体ではなくチーム単位で比べることが前提です。
心理的安全性は英語で何といいますか?
psychological safety です。チーム単位の概念であることを明示するときは team psychological safety と書きます。1999年の原典のタイトルは「Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams」で、英語の文献を探すときはこの語で検索すると、エドモンドソン以降の研究が見つかります。