マーケティング

AARRR(アー)モデルとは?海賊指標の5段階のKPIと計算例、RARRAとの違い

AARRR(アー)モデルとは?海賊指標の5段階のKPIと計算例、RARRAとの違い

AARRR(アー)モデルとは、利用者が製品と出会ってから収益をもたらすまでを、Acquisition(獲得)・Activation(活性化)・Retention(継続)・Referral(紹介)・Revenue(収益)の5段階に分けて数える枠組みです。5つの頭文字を続けて読むと海賊の掛け声「アー」に聞こえることから、海賊指標(Pirate Metrics)とも呼ばれます。総登録数や売上の総額ではなく、段階から段階への通過率を並べ、どこで人が抜けているかを数字で突き止めるために使います。この記事では、原典の定義、段階ごとのKPIと計算式、通過率から手を付ける段階を決める計算例、そして「AARRRは古い」と言われる理由とRARRAとの使い分けまでを扱います。

まとめ:AARRRモデルの要点

  • 定義:獲得→活性化→継続→紹介→収益の5段階で利用者の動きを数える枠組み。投資家のDave McClure氏が2007年8月の講演で提唱した。
  • KPI:獲得はCAC(顧客獲得コスト)、活性化はアクティベーション率、継続は継続率とチャーンレート、紹介はバイラル係数(K)、収益はLTVとMRR。
  • 使い方:段階ごとに「通過した」と数える条件を1行で決め、通過率を並べる。手を付ける段階は、通過率の低さだけでなく、改善したときに最終人数がどれだけ動くかで決める。
  • 継続の重み:毎月の新規が1,000人で、既存利用者の月次解約率が一定、復帰なしという単純モデルでは、解約率を10%から8%に下げると、長期的な定常人数は1万人から1万2,500人に上がる。新規を25%増やしたのと同じ効果になる。
  • RARRA:2017年6月にThomas Petit氏が講演資料で、同年7月にPhitureのGabor Papp氏がブログで、継続を最初に置く並べ替えとしてRARRAを示した。製品の定着が確かめられる前に獲得へ予算を投じる失敗を避けるための順番であり、5つの段階そのものは同じ。

AARRRモデルの原典と海賊指標という名前の由来

AARRRは、のちに2010年にシード投資ファンド500 Startupsを共同創業するDave McClure氏が、2007年8月にシアトルの5分間講演イベントIgnite Seattleで「Startup Metrics for Pirates」として発表したものです(Ignite Seattleの講演アーカイブ)。500 Startupsは2021年に500 Globalへ名称を変えています(500 Global「History」)。McClure氏は同じ題名の資料をその後も各地の講演で改訂し、詳しい版はSlideShareの「Startup Metrics for Pirates(long version)」で読めます。

原典が5つの段階に置いた問い

McClure氏は5つの段階を、それぞれ1つの問いとして書いています。指標の名前より先に、この問いに答える数字を探すのが原典の使い方です。

段階 原典の問い(英語) 日本語の意味
Acquisition(獲得) where do users come from? 利用者はどこから来るか
Activation(活性化) what % have a good initial experience? 初回に良い体験をした人は何%か
Retention(継続) what % comes back and uses the product again? 戻ってきて再び使う人は何%か
Referral(紹介) do they like it enough to tell their friends? 友人に話すほど気に入っているか
Revenue(収益) can you monetize any of this behavior? この行動のどこかを収益にできるか

問いの文言は、Phitureのブログ記事「Why Focusing Too Much on Acquisition Will Kill Your Mobile Startup」がMcClure氏の原典から引用したものです。活性化と継続が「何%か」という割合で問われている点に注目してください。AARRRは人数・割合・収益などを段階別に整理する枠組みです。割合を比較するときは、分母と観測期間をそろえます。

原典が例示した転換率

McClure氏の資料には「Example Conversion Metrics」という表があり、訪問者全体を100%としたときに各行動まで進む割合が例示されています。資料自身が「not actuals(実績値ではない)」と断っている架空の値ですが、どの程度の桁で人が減っていくかの感覚をつかむのに役立ちます。

段階 例示された行動 訪問者に対する割合
活性化 アカウント登録(プロフィール入力を含む) 2%
継続 メール・RSSからのクリック 3%
継続 最初の30日間に3回以上訪れる 2%
紹介 活性化する利用者を1人以上紹介する 1%
収益 損益分岐点に達する収益を生む 1%

注目すべきは、割合の分母が前の段階ではなく訪問者全体である点です。後述の手順2で使う「前の段階からの通過率」とは数え方が違うため、社内で数字を比べるときは、どちらの分母で計算したかをそろえてください。

読み方と「海賊指標」の呼び名

AARRRは「アー」と読みます。英語圏で海賊の掛け声として描かれる「Arrr!」に頭文字の並びが重なるため、McClure氏自身が資料の題名にPiratesを入れ、海賊指標(Pirate Metrics)の呼び名が広まりました。日本語の記事では「AARRRモデル」「AARRRフレームワーク」「海賊指標」がほぼ同じ意味で使われています。

AARRRの5段階で使うKPIと計算式

段階ごとの代表的なKPIを、計算式と一緒に整理します。同じ「活性化」でも、SaaSとECでは「通過した」と数える行動が違うため、式の分子は自社で定義し直す必要があります。KPIの立て方そのものはKPIとは?意味・読み方から設定・計算・具体例までわかりやすく解説で扱っています。

段階 代表KPI 計算式の例
獲得 CAC、チャネル別の登録数 獲得費用 ÷ 新規顧客数
活性化 アクティベーション率 主要操作を終えた人 ÷ 登録者
継続 継続率、チャーンレート 期末に残った既存顧客 ÷ 期首の顧客
紹介 バイラル係数(K)、NPS 1人あたりの招待数 × 招待の転換率
収益 LTV、ARPU、MRR ARPU × 粗利率 ÷ 解約率(簡易式)

Acquisition(獲得):CACとチャネル別の質

広告・検索・SNS・紹介などの経路から、利用者と最初に接点を持つ段階です。見るべきは流入の総数ではなく、チャネルごとの獲得単価と、そのチャネルから来た人が次の活性化まで進む割合です。獲得単価が半分のチャネルでも、活性化する割合が3分の1なら、活性化した1人あたりの費用はかえって高くなります。獲得単価の計算と、LTVとの比で見る目安はCACとは?顧客獲得コストの計算式・LTV比の目安と下げる順序にまとめています。

Activation(活性化):最初の価値体験の定義

利用者が初めて製品の価値を体験する段階です。SaaSなら「最初のプロジェクトを作って同僚を1人招待した」、ECなら「初回購入を終えた」のように、価値を受け取ったと言える行動を1つ決め、その行動を終えた人の割合をアクティベーション率とします。登録が増えてもこの率が低い場合は、登録直後の画面や初期設定の手間に加え、獲得した利用者と製品の適合も確認します。流入元別に率を分けると、導線の問題と集客対象のずれを切り分けやすくなります。初期設定の完了条件の決め方はカスタマーサクセスのオンボーディング設計|完了条件・タッチモデル・製品内ガイドの判断で解説しています。

Retention(継続):継続率とチャーンレート

一度使った人が戻ってくるかを測る段階です。アプリなら登録から1日後・7日後・30日後に再び起動した人の割合、サブスクリプションなら月ごとの解約率(チャーンレート)を追います。継続率は獲得月ごとに分け、獲得から同じ期間が経過した時点で比較します。新規と既存を混ぜた全体値では、利用者構成の変化が数字に影響するためです。解約率の算出方法と業界別の目安はチャーンレートとは?計算方法・種類とSaaS業界平均の目安を一次データで整理を参照してください。

Referral(紹介):バイラル係数Kの計算

既存の利用者が新しい利用者を連れてくる段階です。代表的な指標はバイラル係数(K)で、「1人あたりの招待数 × 招待を受けた人が登録する割合」で求めます。1人が平均5人を招待し、そのうち10%が登録するならK=0.5です。Kが世代ごとに一定で、招待先の重複や市場の飽和を無視できる理論モデルでは、Kが1を超えると紹介による新規登録が世代ごとに増え、1未満でも累計登録は最初の人数の1 ÷(1 − K)倍に近づきます。K=0.5なら、最初の100人を含む累計登録人数の期待値は200人です。いずれも登録の数なので、使い続ける人の数は離脱を差し引いて別に確かめます。招待が一巡するまでの日数(サイクルタイム)と合わせた計算はバイラルとは?バイラルマーケティングの意味と施策の種類、バイラル係数の計算で詳しく扱っています。

Revenue(収益):LTVとMRR

利用者が支払い、事業に収益が入る段階です。1顧客が取引期間を通じてもたらす粗利であるLTV、1人あたりの平均売上ARPU、サブスクリプションなら毎月の経常収益MRRで測ります。LTVが獲得単価を十分に上回っていれば、獲得に費用をかけても回収できます。継続期間が長くなるほど、他の条件が同じならLTVは高くなります。表の簡易式は、ARPU・粗利率・顧客解約率が一定と仮定し、ARPUと解約率の期間をそろえて使います。計算方法はLTVの計算方法|基本式からSaaS・サブスク(解約率)の算出まで、MRRの集計の決め方はMRRとは?月間経常収益の計算式とARRとの違い、集計設計の判断基準にあります。

グロースハックにおけるAARRRモデルの位置づけ

グロースハックは、成長に効く手を実験で探し続ける進め方を指します。「growth hacker」という語は、Sean Ellis氏が2010年7月26日のブログ記事「Find a Growth Hacker for Your Startup」で使い、「A growth hacker is a person whose true north is growth(グロースハッカーとは、成長を唯一の指針とする人)」と定義しました。同じ記事でEllis氏は、グロースハッカーが力を発揮するのはプロダクトマーケットフィットと効率的な転換の仕組みが証明されたあとだと書いています。

AARRRは、この進め方の「どこを実験するか」を決める物差しにあたります。実験の候補はいくらでも出せますが、AARRRの通過率を並べると、改善の余地が大きい段階が絞れます。グロースハックが「実験を回す方法」、AARRRが「実験の対象を選ぶ地図」という関係です。逆に言えば、製品を使い続ける人がほとんどいない段階でグロースハックの手法を持ち込んでも、増やした利用者が抜けていくだけになります。

通過率の計算でボトルネックを決める手順

5段階の数字を並べるだけでは、改善する段階は決まりません。各段階の改善余地と、必要な費用・期間を比較して優先順位を決めます。決め方を、計算例とともに3つの手順で示します。数値は説明のための仮の値です。

手順1:段階別の通過条件と観測期間の定義

最初に、各段階の通過条件をイベント名や画面の単位で書き出します。「活性化=初回ログインから7日以内に最初のレポートを作成した」のように、期間と行動を1行で書ける形にします。期間を決めないと、登録から半年後に操作した人まで活性化に数えてしまい、施策の効果が測れません。業態ごとの例を挙げます。

段階 SaaS(BtoB) スマホアプリ EC
獲得 無料トライアル登録 インストール サイト訪問
活性化 7日以内に主要機能を1回使う 初回起動で主要操作を完了 初回購入
継続 翌月も週1回以上ログイン 7日後・30日後に再起動 90日以内に2回目の購入
紹介 同僚の招待 招待リンクからの登録 紹介コード経由の購入
収益 有料プランへの移行 課金・広告収益 購入金額・粗利

紹介は、獲得から収益へ一直線に進むファネルの外にあるループです。紹介で来た人は再び獲得の段階に入るため、通過率の表には入れず、Kとして別に追うと数字が混ざりません。

手順2:通過率の改善幅と有料化人数への影響比較

ある月に初めて訪れた1万人を同じ集団として追跡し、登録・初回操作・30日後の利用・その後の有料化をこの順に満たした人数が次のとおりだったとします。有料化までの観測期間を全員分確保した計算例です。

段階 人数 前段からの通過率 通過率を5ポイント上げたときの有料化
流入 10,000 - -
会員登録 600 6.0% 33.0人
初回の主要操作 240 40.0% 20.2人
30日後も利用 72 30.0% 21.0人
有料化 18 25.0% 21.6人

右端の列は、その段階の通過率だけを5ポイント上げたときに、有料化が18人から何人になるかを計算したものです。会員登録の6.0%を11.0%にすると有料化は33人になり、他の3段階を5ポイント上げたとき(20.2〜21.6人)を大きく上回ります。ただし、これは6%が11%になる(1.8倍)という大きな改善を意味します。同じ「1.1倍」の改善であれば、どの段階を上げても有料化は同じく1.1倍になります。段階の通過率は掛け算でつながっているからです。

したがって、手を付ける段階は「通過率がいちばん低い段階」ではなく、次の2点で決めます。1つは、同じ業態の目安や自社の過去の数字と比べて、その段階だけが大きく下回っていないか。もう1つは、その段階を1.1倍にするための費用と期間です。登録画面の入力項目を減らすのは数日で試せますが、30日後の継続を上げるには製品そのものの改善が要ることが多く、時間がかかります。計算は次のPythonで再現できます。

stages = [("流入", 10000), ("会員登録", 600), ("初回の主要操作", 240), ("30日後も利用", 72), ("有料化", 18)]

for (prev_name, prev_n), (name, n) in zip(stages, stages[1:]):
    print(f"{prev_name}→{name}: {n / prev_n:.1%}")

rates = [n / p for (_, p), (_, n) in zip(stages, stages[1:])]
base = stages[0][1]

def paid(rs):
    x = base
    for r in rs:
        x *= r
    return x

print(f"現状の有料化: {paid(rates):.1f}人")
for i, (name, _) in enumerate(stages[1:]):
    rs = rates.copy()
    rs[i] += 0.05
    print(f"{name}の通過率+5ポイント → 有料化 {paid(rs):.1f}人")

Python 3で実行すると、「会員登録の通過率+5ポイント → 有料化 33.0人」から「有料化の通過率+5ポイント → 有料化 21.6人」まで、表の右端の値がそのまま出力されます。

手順3:コホート別の継続率と定常利用者数の評価

継続の改善には、通過率の表に表れない効果があります。残った人が翌月以降も積み上がるため、効果が時間とともに大きくなる点です。毎月の新規を1,000人、期首の既存利用者に対する月次解約率を一定とし、復帰を除く単純モデルでは、翌月の利用者数=当月の利用者数×(1−月次解約率)+1,000となります。この人数は、長期的に「毎月の新規 ÷ 月次解約率」に近づきます。

毎月の新規 月の解約率 落ち着く利用者数
1,000人 10% 10,000人
1,250人 10% 12,500人
1,000人 8% 12,500人

解約率を2ポイント下げることは、獲得を25%増やすことと同じ結果になります。新規獲得人数を25%増やすための追加費用と、月次解約率を10%から8%へ下げるための費用を、効果が出るまでの期間も含めて比較し、予算を配分してください。獲得と維持の費用比較の通説と出典はアクイジションとリテンションの違い|1:5の法則の出典と配分の決め方で検証しています。

継続率は、登録した月や週ごとに利用者を分けるコホート分析で見ます。GA4では「コホートデータ探索」で、初回接触日などの条件でユーザーをコホートに分け、その後に条件を満たした人数を日・週・月単位の表で確認できます(Googleアナリティクス ヘルプ「[GA4] コホートデータ探索」)。ただし同ヘルプによると、コホートの判定はデバイスのデータだけに基づき、User-IDは考慮されません。ログイン必須のSaaSで複数の端末から使われる場合は、自社のデータベースでユーザーIDを単位に数える方が実態に近くなります。GA4以外の選択肢はコホート分析ツール比較|GA4・Amplitude・Mixpanelの上限と選び方で比べています。

段階を順に並べる分析には、GA4の「ファネルデータ探索」を使います。公式ヘルプには、ファネルの途中のステップから始めたユーザーも数える「オープン」型と、最初のステップを経たユーザーだけを数える「クローズド」型があり、指定の順序どおりにステップを踏んだ場合のみファネルを辿ったと判定されると書かれています([GA4] ファネルデータ探索)。AARRRの通過率として使うなら、獲得を起点にしたクローズド型で作ると上の表と同じ意味の数字になります。データ探索の上限値と使い分けはGA4のデータ探索ツール|7手法の使い分けと公式の上限値を参照してください。段階ごとの数字を毎週同じ形で見るには、ダッシュボードにまとめておくと会議のたびに集計し直す手間が省けます。社内のデータを集めて指標を可視化する仕組みづくりは、BIツール導入支援でもお手伝いしています。

AARRRは古い?RARRAモデルとの違いと使い分け

「AARRRは古い」という声の多くは、モデルが2007年のものであることより、獲得から順に取り組む読み方への批判です。その代表がRARRAです。Thomas Petit氏が2017年6月にベルリンのTheFamily Growth meetupで使った講演資料「Mobile growth #RARRA」で示し、翌7月13日にはPhitureのGabor Papp氏がブログ記事で、AARRRを「継続→活性化→紹介→収益→獲得」の順に並べ替えたRARRAとして解説しました。Papp氏は、2008年のApp Storeはアプリが500本で獲得単価も安かったが、9年後には250万本以上が並び、獲得単価が高騰したと述べています。そのうえで、継続率の低いまま獲得に予算を投じるのは穴を掘るようなものだと書いています。Papp氏の記事は、Petit氏の講演資料を参考として挙げています。

同記事が引く、2015年にAndrew Chen氏とQuettraが公表したGoogle Playアプリの分析では、対象アプリの平均として、インストールから3日以内に日次アクティブユーザーの77%、30日で90%、90日で95%超を失います。ただし、特定日に使わなかった人が週次・月次では利用している場合もあるため、この数字から獲得費用の大半が3日で無駄になるとは判断できません。

観点 AARRR RARRA
提示 Dave McClure氏(2007年) Thomas Petit氏、Gabor Papp氏(2017年)
改善の優先順位 課題に応じて判断 継続を優先、獲得は最後
5つの段階 同じ 同じ(並べ替えただけ)
向く場面 定着が確認できた後の拡大期 獲得単価が高い市場、定着前の製品

RARRAはAARRRを置き換えるモデルではありません。Papp氏自身も、RARRAはAARRRを並べ替えただけのものだと書いています。実務での結論は、乗り換えるかどうかで悩むより、手順3の継続率を見て決めることです。獲得した月のコホートで30日後の継続率が下がり続けているなら、継続から手を付けます(RARRAの順番)。継続率が横ばいでも、低い水準なら獲得費用を回収できない場合があります。獲得と紹介への増額は、追加獲得する顧客の粗利ベースのLTVがCACを上回り、回収期間も資金繰り上許容できることを確認してから判断します。

AARRRモデルが合わない場面と代わりの見方

AARRRは、利用者が自分で登録し、使いながら支払いに至るネットサービスを前提に作られています。次の場面では、そのまま当てはめると数字が意思決定に使えません。

  • 商談期間が数か月に及ぶBtoBの受託・大型システム:顧客は1社ごとに数人の担当者が関わり、「登録→活性化」の通過率を計算できるほどの件数がありません。リードから商談、受注へ進む案件の数と期間で管理する方が向きます。
  • 購入が数年に1回の商材:住宅や自動車のように再購入の間隔が長いと、継続率が年単位でしか動かず、施策の効果を測る前に予算の判断が来ます。継続の代わりに、購入後の問い合わせや紹介の件数を追います。
  • 製品がまだ誰にも使われ続けていない段階:Ellis氏がグロースハッカーの出番を「プロダクトマーケットフィットの後」としたとおり、この段階で5段階の数字をそろえても、改善すべきは製品そのものです。継続率を優先して見ながら、初回の価値体験に到達できたかと、利用者が離脱した理由も調べて製品を改善します。

よくある質問

AARRRモデルの読み方は?

「アー」と読みます。5つの頭文字の並びが海賊の掛け声「Arrr!」に重なることから、海賊指標(Pirate Metrics)とも呼ばれます。

AARRRの5つの指標の順番は?

Acquisition(獲得)、Activation(活性化)、Retention(継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益)の順です。利用者が進む順番を表していますが、取り組む順番まで決めているわけではありません。継続を先に改善する並べ方がRARRAです。

AARRRモデルは古い・時代遅れですか?

5段階で利用者を数える考え方は今も使われています。古いと言われるのは、獲得から順に予算を投じる読み方です。獲得した月ごとの継続率が下がり続けているなら、継続から改善してください。

バイラル係数(K)とは何ですか?

既存の利用者1人が何人の新しい利用者を連れてくるかを表す数字で、「1人あたりの招待数 × 招待の転換率」で求めます。Kが世代ごとに一定で、招待先の重複や市場の飽和を無視できる理論モデルでは、Kが1を超えると紹介による新規登録が世代ごとに増えます。0≦K<1では、最初の登録者を含む累計登録人数の期待値が、世代を重ねると最初の人数の1 ÷(1 − K)倍に近づきます。

AARRRモデルはBtoBでも使えますか?

無料トライアルから有料化に進むSaaSのように、利用者が自分で登録して使い始める製品なら使えます。商談を経て契約する受託開発や大型システムでは件数が少なく通過率が安定しないため、案件の数と期間で管理する方が向きます。

関連記事

お気に入りに入れた記事の一覧

一創の公式 SNS

X では毎朝の新着記事と IT ニュースの速報を、YouTube・TikTok・Instagram・LinkedIn・Facebook では記事の解説動画を配信しています。

この記事は以下の記事からリンクされています

資料請求

今日のトレンド記事 直近 24 時間で、いつもより多く読まれている記事

  1. 2026.10.29 テックブログ ソニー生命の情報漏洩38.5万件|ログインできない理由、再開状況と窓口の電話番号
  2. 2026.11.03 テックブログ ノジマ不正アクセスで約700万件漏えい:対象確認・窓口と乗っ取り注文を止める実装
  3. 2026.11.03 テックブログ クラブツーリズム不正アクセス:約432万件の対象確認と偽メールの見分け方・流出検知の設計
  4. 2026.11.02 テックブログ サントリーの不正アクセスで約10万人分漏えい|M365のファイル大量ダウンロードを監査ログで調べる手順
  5. 2026.11.02 テックブログ アララの不正アクセス:メール約7,700万件の持ち出しと契約企業が行うAPIキー再設定・代替送信・連名報告

RELATED POSTS 関連記事

目次