立替金とは、取引先や社員が本来負担するはずのお金を、会社が一時的に代わりに支払ったときに使う勘定科目です。この記事では、立替金が費用ではなく資産になる理由、仮払金・立替経費・預り金・貸付金との違い、取引先の送料を立て替えた場合と社員の個人負担分を給与から回収する場合の仕訳例を整理しました。後半では、インボイス制度で立替金精算書が必要になる場面と従業員名簿で足りる場面、講師の交通費を実費で精算すると源泉徴収の対象に含まれる理由、決算で残った立替金と役員への立替金の処理、回収漏れを防ぐ管理の仕組みまで扱います。
まとめ:立替金は回収するまでの資産、精算書と相手先別の残高で回収漏れを防ぐ
立替金は、他人の支払いを肩代わりして「後で返してもらう権利」を記録する資産の科目です。会社の費用にはならず、回収した時点で残高がゼロに戻ります。仕訳は立て替えたときと回収したときの2回だけで、難しいのは仕訳より回収の管理です。
実務で押さえる点は2つあります。1つは、インボイス制度のもとでは立て替えた相手に立替金精算書を渡さないと、相手が消費税の仕入税額控除を取れないことです。もう1つは、補助科目を相手先別に切り、月末に未回収の立替金を一覧で確認することです。1年を超えて残る立替金は、貸付金への振替か貸倒の判断が必要になります。
立替の件数が月に10件程度で相手先も固定なら、Excelの台帳で回ります。グループ会社や取引先との立替が毎月数十件あり、精算書の作成と回収の確認に経理の手が取られている会社は、経費精算や請求書発行の仕組みで立替から回収請求までを紐付けるほうが早く片づきます。
立替金の意味と勘定科目、他人が負担するお金を一時的に払ったときの扱い
立替金は「誰の費用か」がはっきりしている支払いを、別の人が先に払ったときの記録です。どんな場面で使い、帳簿でどう扱うかを先に押さえます。
立替金とは他人が負担すべき支払いの肩代わり、取引先・社員・グループ会社の典型例
立替金が発生するのは、支払いの義務を負う人と、実際にお金を出す人が一時的にずれる場面です。相手別に見ると、典型例は次のとおりです。
- 取引先:顧客に送る商品の送料を顧客負担の約束で自社が払った、取引先の担当者の宿泊費を一緒に精算した
- 社員:社員旅行の個人負担分、私傷病で休職中の社員の社会保険料の本人負担分を会社が先に納めた
- グループ会社:同じ事務所を借りる子会社の賃料や光熱費を親会社がまとめて払った
どの場合も、支払いの金額と最終的な負担者は支払い時点で確定しています。会社は後でその相手から回収するので、自社の費用には計上しません。
立替金は資産で費用にしない、回収するまで流動資産に載る理由と表示
立替金は資産の勘定科目です。お金は出ていきましたが、相手から同じ額を返してもらう権利が会社に残っているからです。増えたら借方、回収して減ったら貸方に記録します。
決算書では、通常1年以内に回収する前提なので流動資産に載ります。金額が小さければ「その他の流動資産」にまとめて表示されることが多い科目です。帳簿の勘定科目と決算書の表示科目の関係は、勘定科目の5分類と補助科目・表示科目の違いを整理した記事で扱っています。
立替金を旅費交通費や荷造運賃などの費用科目で処理してしまうと、他人の負担分まで自社の経費に入り、利益が実態より小さく見えます。回収時に雑収入で受けると、今度は売上でも費用でもない入金が利益を押し上げます。費用と収入の両方を不正確にするので、立て替えた時点で立替金を使うのが正しい処理です。
仮払金・立替経費・預り金・貸付金との違い、負担者と回収方法で見分ける比較表
立替金と取り違えやすい科目は4つあります。見分ける軸は「最終的に誰が負担するか」と「お金がどう戻るか」です。
| 勘定科目 | 最終的な負担者 | 区分 | 典型例 |
|---|---|---|---|
| 立替金 | 取引先・社員など他人 | 資産 | 顧客負担の送料を先に払う |
| 仮払金 | 会社 | 資産 | 出張前に概算額を社員へ渡す |
| 立替経費(未払金) | 会社 | 負債 | 社員が会社の備品を自腹で買う |
| 預り金 | 社員など他人 | 負債 | 給与から源泉所得税を天引き |
| 貸付金 | 他人 | 資産 | 返済期日と利息を決めて貸す |
仮払金は会社自身の費用になる見込みのお金で、使い道と金額が後で確定します。仕訳と精算の流れは仮払金の仕訳例と精算の流れを扱った記事にまとめました。立替金との差は負担者にあります。会社が負担するなら仮払金、他人が負担するなら立替金です。
貸付金との境目は、返済の約束の有無です。返済期日や利息を取り決めてお金を渡すなら貸付金で、支払いの肩代わりにすぎないものは立替金で処理します。
立替金の仕訳例、取引先の送料・社員の個人負担分・会社経費の立替の3場面
立替金の仕訳は、立て替えたときに借方へ立替金を立て、回収したときに貸方で消すだけです。相手と回収方法ごとに3つの場面で示します。
取引先負担の送料5,500円を立て替えて翌月に振込で回収する仕訳
顧客との契約で送料は顧客負担と決めているのに、発送の都合で自社が運送会社へ5,500円を現金で払った場合です。立て替えたときと回収したときの仕訳は次のとおりです。
| 時点 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 立替時 | 立替金 5,500円 | 現金 5,500円 |
| 回収時(翌月末に振込) | 普通預金 5,500円 | 立替金 5,500円 |
送料を商品代金と一緒に請求する場合は、請求書に送料の行を立てて「立替金」と明記し、売上と分けて記録します。売上に含めて請求すると、送料分まで自社の売上として消費税を計算することになります。
社員の個人負担分を立て替えて給与から天引きする仕訳と預り金との区別
社員旅行の個人負担分2万円を会社がまとめて旅行会社へ払い、翌月の給与から差し引く場合は、支払時に立替金を立て、給与支給時に立替金を貸方で消します。給与30万円から源泉所得税6,000円と立替金2万円を差し引いて振り込むなら、給与支給時の仕訳は次のとおりです(説明を簡単にするため社会保険料と住民税は省きます)。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 給料手当 300,000円 | 預り金 6,000円 |
| 立替金 20,000円 | |
| 普通預金 274,000円 |
源泉所得税は会社が社員から預かって後で国へ納めるお金なので預り金、旅行代は会社が先に払ったものを返してもらうので立替金です。同じ天引きでも、お金の向きは互いに逆です。源泉所得税・住民税・社会保険料の天引きと納付期限は、給与天引きの仕訳例と納付期限を整理した預り金の記事で扱っています。休職中で給与が出ない月の社会保険料本人負担分も、会社が納めた時点で立替金とし、復職後の給与や振込で回収します。
社員が会社の経費を立て替えた場合は立替金でなく未払金、仕訳の向きの違い
「立替」という言葉は逆向きにも使われます。社員が会社の消耗品を自腹で買い、後で経費精算する「立替経費」です。この場合、会社から見ると社員に返すお金なので、立替金ではありません。
社員が事務用品3,300円を立て替え、月末にまとめて振り込む場合、精算書を承認した時点で「消耗品費 3,300円/未払金 3,300円」、振込時に「未払金 3,300円/普通預金 3,300円」と記録します。精算と同時に現金で渡すなら未払金を通さず、貸方を現金にして1本の仕訳で済ませます。未払金と買掛金の使い分けは買掛金と未払金の違いを仕訳で示した記事を参照してください。
立替金は会社が貸した側、立替経費は会社が借りた側です。勘定科目を逆に選ぶと、資産と負債が同時にずれます。
インボイス制度での立替金、立替金精算書と従業員名簿で仕入税額控除を通す条件
立替金そのものの授受は、会社が対価を受け取る取引ではないので消費税の課税対象外です。消費税で問題になるのは、立て替えてもらった側が、元の支払いについて仕入税額控除を取るときの証拠書類です。
取引先が立て替えた経費は相手先宛のインボイスだけでは控除できない理由
取引先B社が自社の経費をC社へ立て替えて払うと、C社が発行する適格請求書の宛名はB社になります。国税庁のインボイスQ&A問94(立替金・令和6年4月改訂)は、このB社宛の適格請求書をそのまま受け取って保存しても、自社に交付された適格請求書とは扱えないとしています。
控除を取るには、B社から立替金精算書などを受け取り、C社からの仕入れが自社のものだと明らかにしたうえで、適格請求書と精算書を併せて保存します。根拠は消費税法基本通達11-6-2(立替払に係る適格請求書)です。同じQ&Aでは、立て替えたB社が適格請求書発行事業者でなくても、C社が発行事業者であれば控除できると整理されています。
立て替える側の会社は、立替額を自社の仕入れとして税額控除の計算に入れません。自社の課税仕入れではないからです。
立替金精算書に書く項目、売手の名称と税率別の消費税額と按分の方法
問94は、精算書の記載例として、電気料金1,100円(消費税100円)と水道料金1,650円(消費税150円)を売手ごとに並べた様式を示しています。実務で載せる項目は次の5つです。
- 宛名(立て替えてもらった会社)と発行者(立て替えた会社)、発行日
- 内容と税込金額、支払先の月分などの備考
- 売手(C社・D社)の名称と、売手が適格請求書発行事業者かどうか
- 適用税率ごとに区分した消費税額
- 本精算書の保存で仕入税額控除ができる旨の表示(任意)
立て替えた会社自身の登録番号は記載不要です。複数社分を一括で立て替えたときは、適格請求書の消費税額を負担割合で按分するなど合理的な方法で計算した額を書きます。按分した各社の合計が元の消費税額と一致しなくても、合理的な計算であれば差し支えないという扱いです。立て替えた件数が多く適格請求書のコピーを渡すのが難しいときは、立て替えた側が原本を保存し、精算書だけを渡す方法も認められています。
社員宛の適格簡易請求書は従業員名簿の保存で控除できる、問94-2の条件
社員が業務用の消耗品を買い、レシートの宛名に社員名が書かれていた場合はどうか。インボイスQ&A問94-2(令和6年4月追加)は、その社員が自社に所属していると分かる従業員名簿などを併せて保存していれば、社員名宛の適格簡易請求書で仕入税額控除を取ってよいとしています。
従業員名簿などが無く、立て替えた社員を特定できない場合は、社員が作成した立替金精算書を受け取って保存する必要があります。業務委託のスタッフや派遣社員など、社内の名簿に載らない人の立替は、この場合に該当するものです。経費精算の運用でこの判定を仕組みにする方法と、帳簿のみの保存で足りる交通費などの特例は、経費精算システムのインボイス対応を扱った記事で詳しく説明しています。
源泉徴収と立替金、講師や士業の交通費を実費精算しても報酬に含まれる場面
外部の講師や士業に報酬を払うとき、相手が立て替えた交通費を「立替金の精算」として別に払う会社は少なくありません。ここは源泉徴収の扱いを誤りやすい箇所です。
報酬と一緒に精算する交通費・宿泊費は源泉徴収の対象に含まれる原則
国税庁のタックスアンサーNo.2792(源泉徴収が必要な報酬・料金等とは)は、謝礼や車代などの名目で払っていても、実態が報酬・料金と同じなら源泉徴収の対象になると説明しています。講師が自分で払った新幹線代やホテル代を、講演料と一緒に実費で精算するケースは、原則として報酬・料金に含めて源泉徴収税額を計算します。
請求書に「交通費(立替金)」と書かれていても、会社の帳簿で立替金として処理していても扱いは変わりません。講演料10万円と交通費2万円を受け取る講師なら、12万円を基に源泉徴収税額を計算するのが原則です。
会社が交通機関やホテルへ直接支払えば報酬に含めずに済む手配の方法
同じタックスアンサーは、報酬の支払者が交通機関やホテル、旅館などへ直接、通常必要な範囲の交通費や宿泊費を払った場合は、報酬・料金に含めなくてよいとしています。源泉徴収の対象を講演料だけにしたいなら、会社が新幹線の切符やホテルを手配して代金を直接払う形にします。
手配の手間と源泉徴収の計算の手間を比べ、年に数回の講演依頼なら実費精算のまま源泉徴収するほうが事務は軽く済みます。毎月講師を招く研修会社のように件数が多い会社は、出張手配サービスの会社請求で直接払いに寄せたほうが、支払調書の金額も講演料だけに揃い、照合が楽になります。
決算で立替金を残さない管理、相手先別の残高確認と長期化した立替金の処理
立替金は回収されて初めて消える科目です。回収を相手任せにすると、決算の時点で中身の分からない残高が残ります。
相手先別の補助科目で未回収の立替金の残高を月末に確認する手順
立替金を1つの勘定でまとめて記録していると、どの相手からいくら回収できていないかが分かりません。補助科目を相手先ごとに切り、月末に次の順で確認します。
- 補助科目ごとの残高を出し、前月から動いていない相手先を抜き出す
- 立替時の伝票と請求書・立替金精算書の送付記録を突き合わせる
- 請求漏れがあれば当月中に請求し、請求済みで未入金なら相手先に入金予定日を確認する
- 給与天引きで回収するものは、翌月の給与計算の控除項目に入っているかを確認する
- 期末月は全件の回収見込みを一覧にし、回収できないものの処理方針を決める
期末の確認は決算整理仕訳の一部です。貸倒の見積りや振替を含む期末の仕訳の全体は、決算整理仕訳の主な9項目を一覧にした記事にまとめています。
1年を超えて残る立替金、貸付金への振替と回収不能時の貸倒処理
立替金は短期に回収する前提の科目です。1年を超えて残っているなら、実態は相手への貸付けに近いと考え、返済条件を取り決めたうえで貸付金へ振り替えるかを検討します。分割で返してもらう約束をした社員への立替なども、このタイミングで貸付金に移すと残高の意味がはっきりします。
相手の倒産や行方不明で回収できなくなった場合は、貸倒損失として処理します。ただし、貸倒損失を税務上の損金にするには、法的な手続きや督促の記録など、回収できないことを示す材料が必要です。督促から貸倒までの運用は年齢表で検知してから督促・貸倒処理までを扱った滞留債権の記事が参考になります。
役員の私的な支払いを立て替えたままにする危険、役員貸付金と見られる場合
中小企業で多いのは、役員の個人的な支払いを会社のカードや口座で払い、立替金のまま残しているケースです。回収しないまま期末を越えると、税務調査では役員への貸付金と見られ、利息を取っていなければその分が役員への経済的な利益として問題にされる余地があります。
金融機関も役員への立替金や貸付金を厳しく見ます。決算書の資産に回収見込みの薄い残高が載っていると、融資の審査でその金額を資産から差し引いて評価されることがあります。役員の私的な支払いは、立て替えた月のうちに役員本人から振込で回収するか、役員報酬から天引きする運用に決めておくべきです。
立替金の管理を経費精算・会計システムで仕組み化する判断と見送る場面
立替金の管理で手間がかかるのは、立替の記録、相手への請求、回収の確認の3工程がばらばらの場所で行われることです。どこまで仕組みにするかは件数で決まります。
Excelの立替金台帳で回る条件、月の立替件数と相手先が少ない会社
月の立替が10件程度で、相手先が数社と社員の給与天引きに限られる会社は、Excelの台帳で足ります。列は「立替日・相手先・内容・金額・請求日・回収日・回収方法」の7つで十分です。月末に回収日が空欄の行を抜き出し、会計ソフトの立替金の補助科目残高と合計が合っているかを照合します。
この規模でシステムを入れても、設定と保守の手間が回収の手間を上回ります。台帳で回る会社は、システム化を見送ってかまいません。
経費精算・請求書発行システムで立替から回収請求までを紐付ける条件
グループ会社間の立替や、顧客負担の実費を毎月数十件請求する会社では、台帳への転記漏れがそのまま回収漏れになります。次のいずれかに当たるなら、立替の記録から回収の請求までをシステムで紐付けたほうが確実です。
- グループ会社や取引先へ、毎月まとめて立替金精算書を作って送っている
- 顧客負担の送料・交通費などの実費を、売上の請求書に立替金の行として載せている
- 立替金の補助科目が相手先別に20を超え、月末の照合に半日以上かかっている
経費精算システムで立替の申請を受け、請求書発行システムで立替金の行を自動で起こし、入金消込の結果を会計の立替金の補助科目へ戻す流れが組めれば、未回収の一覧は毎日見られます。市販の経費精算や会計のサービスだけでグループ間の立替精算書まで作れない場合や、既存の会計システムとの仕訳連携を自社の運用に合わせたい場合は、当社の会計・経理システム開発でご相談いただけます。立替精算の業務整理から、精算書の自動作成と会計連携の開発までが当社の対応範囲です。
立替そのものを減らす選択、取引先に直接請求してもらう契約への切り替え
立替金の管理を軽くする一番の方法は、立替を発生させないことです。グループ会社で共用する事務所の賃料や光熱費なら、貸主や電力会社と各社別に契約し直すか、請求を負担割合で分けてもらえば、立替金精算書の作成そのものが要らなくなります。顧客負担の送料は、運送会社の着払いや顧客名義の契約に切り替えられないかを先に確認します。
社員の立替経費は、法人カードや出張手配の会社請求に寄せると件数が大きく減ります。その手段の比較を説明しているのは経費精算を効率化する4つの手段をまとめた記事です。ただし、契約の名義を変えられない共用設備や、顧客ごとに実費が変わる案件では立替は残ります。その分だけを台帳やシステムで追う形が現実的です。
よくある質問
立替金について寄せられる質問を5つ取り上げます。
立替金は経費になりますか?
なりません。立替金は、他人が負担すべきお金を会社が一時的に払ったもので、後で相手から回収します。回収すれば残高がゼロに戻るだけで、会社の利益には影響しません。経費になるのは、回収できないことが確定して貸倒損失として処理した場合に限られます。逆に、社員が会社のために立て替えた経費(立替経費)は会社の費用です。こちらは消耗品費や旅費交通費などの費用科目で計上し、社員への支払いが済むまでは未払金で記録します。
立替金に消費税はかかりますか?
立替金の授受そのものは、対価を受け取る取引ではないため消費税の課税対象外です。立て替えた会社は、その支払いを自社の課税仕入れに含めません。元の支払いの消費税は、最終的に負担する側が仕入税額控除を取ります。そのためには、元の適格請求書と、立て替えた会社が作成した立替金精算書を併せて保存するのが原則です。社員が立て替えた場合は、従業員名簿などを保存していれば社員名宛の適格簡易請求書だけで控除できます。
立替金と立替経費の違いは何ですか?
お金の向きが逆です。立替金は、会社が他人の支払いを肩代わりし、後で返してもらう権利を記録する資産です。立替経費は、社員などが会社の支払いを肩代わりしたもので、会社にとっては社員へ返すべきお金になります。立替経費は精算書を承認した時点で費用科目に計上し、支払いまでは未払金で記録します。経費精算の現場で「立替」と呼ばれているものの多くは立替経費の側です。
立替金精算書に決まった様式はありますか?
法令で決まった様式はありません。国税庁のインボイスQ&A問94が記載例を示しており、宛名と発行者、発行日、内容と税込金額、売手の名称、税率ごとの消費税額を載せれば足ります。立て替えた会社自身の登録番号は書かなくてかまいません。売手が適格請求書発行事業者かどうかは、精算書に登録番号を書くほか、別の書面での通知や立替に関する基本契約書で明らかにする方法も認められています。毎月同じ相手と立替が発生するなら、基本契約書で決めておくと精算書の項目を減らせます。
個人事業主が家族の支払いを立て替えた場合はどう処理しますか?
事業用の口座やカードで家族や自分の私的な支払いをした場合は、立替金ではなく事業主貸で処理します。事業主本人と家族の生活費は事業の外のお金なので、返してもらう権利として資産に載せる必要はありません。一方、取引先や従業員が負担すべきお金を事業として立て替えた場合は、法人と同じく立替金で記録し、回収時に消します。私的な支払いを立替金で残し続けると、決算で中身の分からない資産が膨らむので、月ごとに事業主貸へ振り替えてください。
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