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キャッシュレス決済の種類一覧|5種類の違いと店舗が用意する端末・契約・システム要件

キャッシュレス決済の種類一覧|5種類の違いと店舗が用意する端末・契約・システム要件

キャッシュレス決済の種類は、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、電子マネー、コード決済の5つに分けると、店舗側で用意するものの違いがはっきりします。利用者向けの解説では「前払い・即時払い・後払い」の区分がよく使われますが、店舗にとって効いてくるのは、どの端末で読み取り、どこと契約し、取消や返金をどの経路で処理するかです。この記事では、5種類を支払時期と読み取り方式の2軸で一覧にし、タッチ決済とFeliCa、iDやQUICPay、Apple Payといった混同されやすい名称の位置づけを整理します。そのうえで、経済産業省の全国統計とキャッシュレス推進協議会のコンビニ調査から業態による種類別の比重の差を示し、受け付ける種類の選び方とシステム側の要件まで事業者の視点でまとめました。

まとめ:キャッシュレス決済の種類は支払時期と読み取り方式の2軸で整理する

キャッシュレス決済の種類は、利用者の口座からお金が出るタイミング(支払時期)と、店舗の端末が情報を受け取る方法(読み取り方式)の2軸で見ると混乱しません。クレジット・デビット・プリペイドの各カードは国際ブランドのネットワークで処理されるため、店舗側では1つの契約と1台の端末でまとめて受けられます。電子マネーとコード決済は事業者ごとに契約と入金元が分かれ、ここが種類を増やすときの手間の源になります。

受け付ける種類の優先順位は、業態の客単価で変わります。全国では金額の8割超がクレジットカードですが、コンビニではコード決済がキャッシュレス金額の半分近くを占めます。客単価が高い業態はクレジットとタッチ決済を先に、少額決済が中心の業態はコード決済と電子マネーを早めに入れるのが基本です。種類を増やすたびに入金元と明細が増えるため、照合を手作業で続けられる範囲を超えたら、決済データの取り込みを設計する段階に入ります。

キャッシュレス決済の種類一覧と、支払時期・読み取り方式の2軸で見た位置づけ

キャッシュレス決済の種類を並べるときに混乱が起きるのは、「支払い方の区分」と「読み取り方の区分」と「サービス名」が同じ一覧に混ざるからです。まず5種類を固定し、それぞれを2つの軸に当てはめます。

クレジット・デビット・プリペイド・電子マネー・コード決済の5種類を一覧で比較

店舗側から見た5種類の違いを、支払時期・主な読み取り方式・契約先・代表例で並べると次のとおりです。

種類 支払時期 主な読み取り方式 店舗の契約先 代表例
クレジットカード 後払い IC差込・タッチ決済 アクワイアラ(決済代行経由も可) Visa、Mastercard、JCB
デビットカード 即時払い IC差込・タッチ決済 クレジットと同じ契約 国際ブランド付きデビット
プリペイドカード 前払い IC差込・タッチ決済 クレジットと同じ契約 国際ブランド付きプリペイド
電子マネー 前払い中心(後払い型あり) FeliCaのかざし読み取り 電子マネー事業者ごと 交通系IC、WAON、nanacoなど
コード決済 前払い・即時・後払い QRコード・バーコード コード決済事業者ごと PayPay、d払い、楽天ペイ

表の電子マネーの代表例には、iDとQUICPayも含まれます。表の上3行は、支払時期が違っても店舗側の扱いはほぼ同じです。国際ブランドのマークが付いたカードであれば、デビットでもプリペイドでも、クレジットカードと同じ端末・同じ加盟店契約で受け付けられます。店舗の手間が増えるのは下の2行で、事業者ごとに審査・管理画面・入金が分かれます。

支払時期の区分は利用者側の話で、店舗の入金サイクルとは連動しない注意点

前払い・即時払い・後払いの区分は、利用者のお金がいつ動くかを示すもので、店舗にいつ入金されるかとは関係がありません。即時払いのデビットカードで支払われても、店舗への入金は契約先の締め日と支払日に従い、クレジットカードの売上と同じ日にまとめて振り込まれます。前払いの電子マネーも同じで、利用者がチャージ済みだからといって店舗の入金が早まるわけではありません。

つまり、即時払いの種類を増やしても資金繰りは楽になりません。資金繰りを左右するのは種類ではなく契約先ごとの入金サイクルで、その仕組みはキャッシュレス決済とは?仕組みと決済フロー、店舗が決める契約先・端末・入金で承認から入金までの順序として整理しています。

読み取り方式はIC差込・タッチ決済・FeliCa・QRの4系統で端末要件が決まる

店舗が用意する機器を決めるのは、支払時期ではなく読み取り方式です。カードを差し込んで暗証番号を入れるIC差込、国際ブランドのカードやスマートフォンをかざすタッチ決済、交通系ICなどで使われるFeliCaのかざし読み取り、そしてQRコード・バーコードの4系統があります。タッチ決済とFeliCaはどちらも「かざす」操作ですが、通信の規格が異なるため、端末が両方に対応していないと片方しか受けられません。

国際ブランドのルール改定で、2026年10月からはカード決済端末にタッチ決済の搭載が求められるようになりました。手持ちの端末がどの方式に対応しているかの確かめ方と形状ごとの違いは、決済端末とは?種類・読み取り方式とPOS連携、2026年10月のタッチ決済必須化で扱っています。

種類ごとの仕組みの違いと、店舗側の処理・取消・返金で差が出る項目

一覧の段階では同じ「キャッシュレス」でも、裏側の処理経路は種類ごとに違います。店舗の運用で差が出るのは、取消と返金の扱い、入金元の数、そして名称と中身が一致しないサービスの扱いです。

クレジット・デビット・プリペイドは同じ国際ブランド網で処理され返金手順も共通

国際ブランドの付いたカードは、支払時期にかかわらずVisaやMastercardなどのネットワークを通って承認と売上の処理が行われます。Visaのタッチ決済の案内でも、対象はクレジット・デビット・プリペイドのいずれのカードでもよいとされ、処理の基準はEMVという国際標準です。同じ案内では、原則15,000円を超える支払いはカードを差し込んで暗証番号を入れるかサインが必要とされています。

店舗の運用では、この3種類を区別して扱う必要はほとんどありません。取消や返品の返金も同じ端末操作で行い、返金先は利用者のカード側で処理されます。注意が要るのは、デビットとプリペイドは利用者の残高が足りないとその場で承認が下りない点だけです。なお、キャッシュカードで支払うJ-Debitは国際ブランドのデビットとは別の仕組みで、一部の端末ではタッチ決済非搭載機の終了と同時に機能が終わると告知されています。

交通系・流通系の前払い型とiD・QUICPayの後払い型、電子マネー内の2系統

電子マネーという呼び方には、性格の異なる2つの系統が含まれています。1つは交通系ICやWAON、nanacoのように利用者が残高をチャージして使う前払い型です。もう1つはiDやQUICPayのように、クレジットカードなどにひもづいて支払い後に精算されるものが中心の系統で、操作は同じ「かざす」でも利用者の残高を持ちません。

キャッシュレス推進協議会のコンビニ調査も、電子マネー決済の区分に「iD、QUICPay含む」と明記しています。店舗側では、前払い型は電子マネー事業者ごとに入金元が分かれ、後払い型は契約先の決済サービス経由でまとめて入金される形が多いのが違いです。決済端末サービスに申し込むと両系統が「電子マネー」としてまとめて並ぶため、契約前に入金元がいくつになるかを規約で確かめておくと、後の照合で困りません。

コード決済の利用者提示型(CPM)と店舗提示型(MPM)で変わる端末とPOS連携

コード決済には、利用者がスマートフォンに表示したコードを店舗が読み取る利用者提示型(CPM)と、店舗が掲示したコードを利用者が読み取る店舗提示型(MPM)があります。CPMはスキャナやPOSとの連携が必要な代わりに、金額の入力ミスが起きにくく、レジの処理も速くなる方式です。MPMは印刷したコードを置くだけで始められる反面、利用者が金額を入力し、店員が画面を目視で確認する運用になります。

複数のコード決済をMPMで受ける場合は、キャッシュレス推進協議会が策定した統一規格JPQRを使うと、複数社のコードを1枚にまとめられます。協議会の説明では月額料金や回線料はかからず、申込受付システムから複数のサービスへ一括で申し込めます。来店数が多く会計を速く回したい店舗はCPM、客数が少なく初期費用をかけたくない店舗はMPMから始めるのが現実的です。静的QRと動的QRの違いや決済完了の確認方法まで含めた方式ごとの仕組みは、QRコード決済とは?仕組みとCPM・MPMの違い、店舗の導入形態と手数料の見方で詳しく比べています。

Apple PayやGoogle Payの位置づけと登録カードで決まる処理方式

Apple PayやGoogle Payは、決済の種類というより、スマートフォンにカードや電子マネーを入れておく財布の役割を持つサービスです。中に入っているのがクレジットカードのタッチ決済なら国際ブランドの処理になり、Suicaなら交通系電子マネーの処理、iDやQUICPayならその電子マネーの処理になります。

店舗のレジで「Apple Payで」と言われたときに支払い方法を聞き返すのは、このためです。店舗側でApple Pay専用の契約や端末を用意する必要はありません。受け付けたい中身(タッチ決済、交通系、iD、QUICPay)に端末と契約が対応していれば、ウォレット経由の支払いもそのまま受けられます。

業態で変わる種類別の比重、全国統計とコンビニ調査の金額・件数・単価

どの種類から受け付けるかは、全国平均ではなく自店の客単価と客層で決まります。業態による差は、公的な統計と業界団体の調査を並べるとはっきり見えます。

全国ではクレジットが金額の82.7%、コンビニではコード決済が5割近くを占める差

経済産業省が公表した2025年のキャッシュレス決済比率では、キャッシュレス決済額162.7兆円のうちクレジットカードが82.7%(134.6兆円)を占め、コード決済は10.2%(16.6兆円)、電子マネーは3.7%(6.0兆円)、デビットカードは3.4%(5.5兆円)でした。住宅設備や旅行、ECなど高額の支払いを含む全国の金額では、クレジットカードが圧倒的です。

一方、キャッシュレス推進協議会が2026年9月11日に公表したコンビニエンスストア決済動向調査(大手3社の2026年1月から6月)の公開データを半期で合計すると、キャッシュレス金額に占める割合はコード決済が48.7%、国際ブランド決済が25.8%、電子マネー決済が24.9%です。同じ6か月で、支払総額に占めるキャッシュレスの割合は1月の49.1%から6月の51.4%まで上がっています。少額の日常決済では、全国統計の順位がそのまま当てはまりません。

コンビニ調査の1件あたり単価は国際ブランド約1,080円、コード決済約750円

同じコンビニ調査の金額と件数から1件あたりの単価を割り出すと、種類ごとの使われ方の違いが見えます。数値は公開データの月次値を2026年1月から6月で合計し、筆者が算出したものです。

種類 金額(半期合計) 件数(半期合計) 1件あたり単価
コード決済 約1兆5,021億円 約20億380万件 約750円
国際ブランド決済 約7,963億円 約7億3,740万件 約1,080円
電子マネー決済 約7,669億円 約10億6,800万件 約718円

単価が1,000円を切る支払いではコード決済と電子マネーが件数の8割近くを占め、単価が上がるほど国際ブランドのカードに寄る傾向が読み取れます。客単価が1,000円前後までの物販や軽飲食はコード決済と電子マネーを、客単価が数千円を超える業態はクレジットとタッチ決済を先に用意するという優先順位は、この傾向を根拠にしたものです。種類ごとの手数料率まで含めた損益の試算は、キャッシュレス決済のデメリットとメリット|店舗の手数料・入金・障害と導入判断で月商別に行っています。

受け付ける種類の選び方と、種類を増やす前に決めておくシステム要件

ここまでの違いを踏まえ、受け付ける種類をどう決めるかを条件付きで言い切ります。判断の材料は、客単価と客層、そして決済データを他のシステムで使うかどうかの2つです。

客単価と客層で決める優先順位、クレジットとタッチ決済を先に入れる条件

客単価が3,000円を超える業態、訪日客や出張客が多い立地では、国際ブランドのクレジット・デビット・プリペイドとそのタッチ決済を最初に入れます。1つの契約で3種類とスマートフォンのウォレットまでまとめて受けられ、2026年10月以降に入れ替える端末ならタッチ決済は標準で付いてきます。

客単価が1,000円前後までで、地元の固定客が中心の店舗は、コード決済と交通系などの電子マネーを早めに足すと取りこぼしが減ります。この場合でも、クレジットを省いてコード決済だけにするのは勧めません。コンビニ調査でも国際ブランド決済はキャッシュレス金額の4分の1を占めており、少額業態でも無視できる比重ではないためです。

種類を増やすほど増える入金元と明細、売上照合を手作業で続けない基準

種類を増やすと、入金元と明細の数が増えます。国際ブランドのカードを決済代行でまとめ、コード決済を2社、前払い型の電子マネーを2社と個別に契約すれば、入金元は最大で5つです。それぞれ締め日と支払日、手数料の控除方法が異なるため、POSの売上と口座の入金を毎月突き合わせる作業が種類の数だけ増えます。

手作業で回るかどうかの目安は、入金元が3つを超えるか、複数店舗やECの売上を本部で合算しているかです。どちらかに当てはまるなら、決済事業者の明細データを取り込み、POSや会計の売上と自動で照合する仕組みを検討する段階です。受け付ける種類と入金元の設計、明細の取り込みや消込の自動化を含めて相談したい場合は、決済・サブスクリプションシステム開発で要件整理から実装まで受けています。

全種類を個別契約で揃える、またはQRだけで済ませる判断が失敗する場面

受け付ける種類を決める際には、両極端の判断が失敗につながります。1つ目は、手数料率を下げようとして全種類を事業者ごとに個別契約し、単店舗なのに入金元が5つ以上になるケースです。個別契約で下がる料率の差より、入金元ごとの照合に毎月かかる人手のほうが重くなりがちです。単店舗で取扱高が大きくない段階なら、決済端末サービスか決済代行1社に種類をまとめて構いません。

2つ目は、初期費用を抑えるためにMPMのコード決済1社だけで済ませるケースです。その1社が止まると店舗のキャッシュレス受付がすべて止まり、クレジットしか持たない客も取りこぼします。種類を絞るときも、国際ブランドとコード決済のように処理経路の違う種類を2系統残しておくと、片方が停止しても、もう片方で受け付けることが可能です。停止時の具体的な備えはキャッシュレス決済の障害とは?止まる原因と店舗の影響、代替決済とオフライン決済の備えで整理しています。

よくある質問

キャッシュレス決済の種類について、店舗や事業者から寄せられやすい質問をまとめました。

キャッシュレス決済にはどんな種類がありますか?

主な種類は、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、電子マネー、コード決済の5つです。支払時期で分けると、残高をチャージしておく前払い、口座から即時に引き落とす即時払い、翌月以降にまとめて請求される後払いがあります。店舗側では、国際ブランド付きのカード3種類を1つの契約で受けられ、電子マネーとコード決済は事業者ごとの契約になる点が大きな違いです。

電子マネーとQRコード決済は何が違いますか?

違いは読み取り方式と契約先にあります。電子マネーはFeliCaという方式で端末にかざして支払い、交通系ICやWAON、iDなどが該当します。QRコード決済はスマートフォンの画面に表示したコード、または店頭に掲示したコードを読み取って支払う方式です。店舗側では、電子マネーにはかざし読み取りに対応した端末が要り、QRコード決済は店頭掲示型なら印刷したコードだけでも始められます。

デビットカードはクレジットカードと同じ端末で使えますか?

VisaやMastercard、JCBなどの国際ブランドが付いたデビットカードであれば、クレジットカードと同じ端末・同じ加盟店契約で受け付けられます。タッチ決済にも対応しており、店舗側で区別して操作する必要はほとんどありません。違いは、利用者の口座残高が足りないとその場で承認が下りない点です。キャッシュカードで支払うJ-Debitは別の仕組みのため、端末が対応しているかを確認してください。

iDやQUICPayはクレジットカードとは別に契約が必要ですか?

iDやQUICPayは電子マネーの一種として扱われ、国際ブランドのクレジットカードとは別の受付設定になります。決済端末サービスや決済代行に申し込む場合は、電子マネーの選択肢としてまとめて申し込める形が一般的です。支払いはクレジットカードなどにひもづいて後から精算されるものが中心で、店舗への入金は契約先の決済サービス経由になることが多いので、規約で入金元を確認しておくと安心です。

タッチ決済とはどの種類のキャッシュレス決済ですか?

タッチ決済は種類ではなく読み取り方式の名前です。国際ブランドのクレジット・デビット・プリペイドカード、またはそれを登録したスマートフォンを端末にかざして支払います。原則として一定金額までは暗証番号やサインが不要で、Visaの場合は15,000円を超えるとカードの差し込みと暗証番号またはサインが求められます。交通系ICなどの電子マネーも「かざす」操作ですが、規格が異なる別の方式です。

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