雑誌や広告の撮影、ファッションショー、撮影会などで報酬を受け取るモデルは、事務所に雇われていない場合は、所得額などから確定申告の要否を判定し、必要に応じて申告して所得税を精算します。この記事では、令和8年分(2027年2〜3月に申告する分)の数値で、申告が必要になる所得ライン、報酬から差し引かれる源泉徴収10.21%と還付、源泉徴収されない撮影会の謝礼、経費にできる支出、学生モデルの扶養、令和8年1月以後に変わった開業届と青色申告の扱いまでを整理します。
まとめ:モデルの確定申告で押さえる要点
- 事務所と雇用契約を結んでいれば給与所得、マネジメント契約・エージェント契約や企業との直接契約なら事業所得か雑所得として自分で申告する
- 報酬だけで活動する単身者は、経費を引いた所得104万円超が所得税の課税の目安(令和8・9年分の基礎控除)。会社員やアルバイトの副業なら給与以外の所得20万円が目安だが、住民税の申告は別に必要
- 雑誌・広告などの撮影報酬は所得税法204条1項4号のモデル報酬で、源泉徴収は10.21%(同じ相手から1回100万円を超えて受け取る部分は20.42%)
- 給与等を支払っていない個人カメラマンや個人主催者からのモデル報酬は原則として源泉徴収されないため、所得税が発生する場合は申告時の納税に備える
- 衣装・美容代は、撮影のための部分を記録で区分できる範囲だけ経費になる。ジム・エステは原則経費にならない
- 開業届は令和8年1月以後、その年分の確定申告期限までに出せばよい。青色申告特別控除は令和9年分から65万円にe-Taxが必須になる
- 令和8年分の申告期間は2027年2月16日(火)〜3月15日(月)
モデルは個人事業主か:事務所との契約で変わる所得区分と売上
モデルの所得区分は、職業名ではなく事務所やクライアントとの契約の形で決まります。年明けに届く書類が「給与所得の源泉徴収票」なら給与、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」や支払明細なら報酬として扱われています。契約の形ごとの違いは次のとおりです。
| 契約の形 | 所得区分 | 源泉徴収する人 | 売上に書く金額 |
|---|---|---|---|
| 事務所と雇用契約(月給・時給) | 給与所得 | 事務所 | 給与として年末調整 |
| 事務所が撮影の契約当事者で、モデルへの報酬を別に定める | 事業所得・雑所得 | 事務所 | 事務所から受ける報酬(源泉前) |
| エージェント契約(クライアントから直接受領) | 事業所得・雑所得 | クライアント | 報酬の総額(手数料は経費) |
| フリーで企業と直接契約 | 事業所得・雑所得 | クライアント | 報酬の総額 |
| 個人カメラマン・個人主催の撮影会 | 事業所得・雑所得 | 原則なし | 受け取った謝礼 |
事務所自身がクライアントと撮影の契約を結んで10万円を受け取り、事務所とモデルの契約で定めた報酬6万円を支払う形なら、モデルの売上は6万円で、源泉徴収されるのも6万円×10.21%=6,126円です。事務所の取り分は売上に入っていないので、経費に計上すると二重に引くことになります。エージェント契約でクライアントから10万円を受け取り、エージェントに手数料を払う形なら、売上は10万円、手数料は支払手数料として経費です。フリーランスのモデルの「収入」は、どちらの形でも源泉徴収される前の金額で数えます。
契約書が業務委託でも、撮影の可否を自分で選べず、拘束時間に応じて報酬が決まる働き方なら、労働者と判断される余地があります。判断基準は芸能人はなぜ個人事業主なのか|労働者性の判断基準と個人事業税がかからない理由で解説しています。
事業所得と雑所得の分かれ目と赤字の扱い
報酬が事業所得か雑所得かは、所得税基本通達35-2で判断します。モデル活動に相応の時間を割いて継続し、帳簿書類を保存していれば事業所得になり得ます。帳簿書類を保存していない場合は、収入金額が300万円を超え事業と認められる事実がある場合を除き、業務に係る雑所得です。
差が出るのは赤字の年です。宣材写真やレッスン代がかさんで赤字になったとき、事業所得なら会社員やアルバイトの給与所得と損益通算でき、青色申告なら翌年以後3年間繰り越せます。雑所得の赤字は他の所得と通算できず、その年で切り捨てです。
確定申告が必要になる所得ライン(令和8年分)
モデル報酬だけで活動する人は所得104万円が目安
申告が必要かどうかは、受け取った報酬の額ではなく所得で決まります。報酬の合計から衣装代や交通費などの経費を引き、青色申告なら特別控除も引いた金額が所得です。令和8・9年分の基礎控除は合計所得金額489万円以下で104万円なので、ほかに所得控除がない単身者なら、所得104万円超が課税の目安になります。よく聞く「178万円」は基礎控除104万円に給与所得控除74万円を足した給与だけの人の数字で、報酬には給与所得控除がないため当てはまりません。
所得税法120条1項のかっこ書きにより、源泉徴収された税額を差し引ききれず還付になる人には申告義務がありません。ただし、払いすぎた源泉徴収税額は申告しなければ戻りません。所得が104万円以下の年や経費が多い年は、申告したほうが得です。
会社員・アルバイトの副業モデルは20万円と住民税の申告
会社員やアルバイトとして1か所から給与を受け、年末調整を済ませている人は、所得税法121条1項1号により、給与以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の申告は不要です。判定するのはモデル報酬の合計ではなく、経費を引いた所得です。この免除は所得税だけで、住民税にはありません。所得税の申告をしない場合も、市区町村へ住民税の申告をします。源泉徴収された分の還付を受けたいときは、20万円以下のモデルの所得も含めて確定申告をします。副業の区分と20万円ルールの細部は副業の雑所得はいくらから確定申告?20万円ルールと控除・事業所得の区分【令和8年分】で扱っています。
副業を勤務先に知られたくない人が気にするのは住民税です。確定申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」で、給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法を「自分で納付」にすると、モデルの所得の分は給与天引きでなく自宅に届く納付書で払う形にできます。対象は事業所得や雑所得の分だけで、撮影スタジオのアルバイトのように雇用契約で受け取る給与は勤務先の天引きに合算されます。最終的な扱いは市区町村が決めるので、確実を期すなら住所地の市区町村に確認してください。
学生モデル・扶養内で活動する人の判定ライン
学生モデルが確かめる線は3本あります。1本目は本人の税金です。所得税は、ほかに所得控除がなければ学生でも所得104万円以下で課税されません。勤労学生控除(所得税法2条1項32号)は事業所得や雑所得も対象ですが、令和8年分から合計所得金額89万円以下が要件なので、所得税の非課税ラインは104万円のまま広がりません。住民税は所得税より低い所得で課税が始まり、単身なら所得45万円を超えると所得割がかかります(均等割の非課税ラインは地域により異なります)。
2本目は親の扶養控除です。16歳以上の子は合計所得金額62万円以下なら親の扶養親族になり、19歳以上23歳未満は62万円を超えても123万円以下なら親が特定親族特別控除を段階的に受けられます。報酬には給与所得控除がないので、アルバイトの給与年収136万円とは違い、報酬から経費を引いた所得62万円で判定します。3本目は健康保険の被扶養者で、年間収入130万円未満(19歳以上23歳未満は令和7年10月以降150万円未満)が原則です。税と違い、事業収入をどう数えるかは加入している健康保険で異なります。各ラインの一覧は年収の壁【2026年最新】178万円・136万円・130万円の一覧と手取りの分岐点にあります。
モデル報酬の源泉徴収10.21%と還付の仕組み
源泉徴収の根拠は所得税法204条1項4号と施行令320条3項
所得税法204条1項4号は、職業野球の選手や競馬の騎手と並べて「モデル」の業務に関する報酬を源泉徴収の対象にしています。所得税法施行令320条3項は、このモデルに「雑誌、広告その他の印刷物にその容姿を掲載させて報酬を受ける者を含む」と定めています。雑誌のスナップ、カタログ、チラシやポスターの被写体の報酬は、法人や従業員を雇う個人事業者から受け取れば源泉徴収の対象です。テレビCMやショーへの出演料は所得税法204条1項5号の出演報酬に当たることがありますが、税率は同じです。
税率は所得税法205条1号により10%で、復興特別所得税を加えて10.21%です。同じ相手から1回に支払われる金額が100万円を超えると、超えた部分だけが20.42%になります。判定は年間合計ではなく1回の支払ごとです。令和9年からは防衛特別所得税(1%)が加わり、復興特別所得税は1.1%に下がりますが、合計は2.1%のままなので10.21%は変わりません。
| 1回の支払額 | 源泉徴収税額 | 計算 |
|---|---|---|
| 2万円(スナップ撮影) | 2,042円 | 2万円×10.21% |
| 10万円(カタログ1日) | 10,210円 | 10万円×10.21% |
| 100万円 | 102,100円 | 100万円×10.21% |
| 150万円(広告契約を一括払い) | 204,200円 | (150万円-100万円)×20.42%+102,100円 |
源泉徴収の対象は原則として消費税込みの支払額全部です。ただし、請求書で報酬と消費税額を明確に区分していれば、支払者は消費税を除いた報酬額だけを対象にしても差し支えないとされています(国税庁タックスアンサーNo.6929)。請求書は税額を分けて書いておくと、源泉徴収される額が小さくなります。
撮影会・個人カメラマンの謝礼が源泉徴収されない理由
所得税法204条2項2号により、給与を支払っていない個人(常時2人以下の家事使用人だけに給与を払う人を含む)からの報酬は源泉徴収されません。従業員を雇っていない個人カメラマンの作品撮りや、給与を払っていない個人が主催する撮影会の謝礼がこれに当たります。撮影会でも、運営が法人や従業員を雇う事業者なら源泉徴収の対象です。
源泉徴収されない収入は、確定申告で所得税をまとめて納めることになります。撮影会の比重が大きいモデルは、入金のたびに所得税と翌年の住民税の分を取り分けておくと、3月の納付と6月以降の住民税で資金が詰まりません。SNSのPR投稿の報酬は、契約内容によって源泉徴収の有無が分かれるので、支払明細で確認して集計します。
源泉徴収税額が還付されるときの計算例
還付額は「源泉徴収された税額の合計-確定申告で計算した所得税額」です。単身で報酬だけのモデルが、事務所から年間300万円(1回100万円以下)を受け取り306,300円を源泉徴収されたとします。経費が80万円、青色申告特別控除が65万円、国民年金と国民健康保険の保険料が合計40万円なら、所得は155万円、課税所得は155万円-104万円-40万円=11万円です。所得税は11万円×5%=5,500円、復興特別所得税115円を加えて5,615円なので、306,300円-5,615円=300,685円が戻ります。所得税額がゼロになった後は、経費や控除を増やしても還付額は増えません。
支払調書が届かないときの売上と源泉徴収税額の集め方
支払調書は支払者が税務署に出す書類で、モデル本人に写しを渡す義務はありません。届かない取引先があっても申告の要否は変わりません。売上は原則として報酬を受け取る権利が確定した年に計上します。12月中に契約上の役務提供が完了し、報酬を受け取る権利が確定していれば、翌年1月の入金でも12月の属する年の売上です。ただし、要件を満たして現金主義を適用する場合は取扱いが異なります。取引先ごとに「撮影日・源泉前の報酬・源泉徴収税額・振込額」を一覧にしておけば、申告書の源泉徴収税額の欄をそのまま埋められます。メールで受け取った支払明細や請求書のPDFは、電子帳簿保存法の電子取引データとして、令和6年1月以後は電子データのまま保存します。
モデルの経費:衣装・美容・宣材写真の線引き
必要経費になるのは、モデルの報酬を得るために直接必要な支出です。所得税法施行令96条1号は、私生活と業務の両方に関わる支出について、主たる部分が業務に必要で、その部分を明らかに区分できる場合の必要経費算入を認めています。なお、所得税基本通達45-2では、業務上必要な部分が50%以下でも、その部分を明らかに区分できれば必要経費に算入して差し支えないとされています。主な費目の扱いは次のとおりです。
| 支出 | 扱い | 勘定科目の例 |
|---|---|---|
| 撮影で指定された衣装・靴・小物 | 経費 | 消耗品費 |
| 宣材写真・コンポジットカードの撮影と印刷 | 経費 | 広告宣伝費 |
| 撮影現場・オーディションへの交通費 | 経費 | 旅費交通費 |
| ウォーキング・ポージングのレッスン料 | 経費 | 研修費 |
| エージェントへの手数料(総額で売上計上した場合) | 経費 | 支払手数料 |
| 撮影の指定に合わせたヘアカット・カラー | 記録があれば経費 | 消耗品費・外注費 |
| 普段も着る服・日常の美容院やネイル | 原則経費にならない | - |
| ジム・エステ・脱毛・美容医療 | 原則経費にならない | - |
衣装・美容・ジム代を経費にできる条件
国税庁タックスアンサーNo.2210に沿って、業務遂行上直接必要だった部分を取引記録などで明らかに区分できるかを確認します。撮影の指示書やクライアントのメールで指定された衣装を買い、撮影の後は私服として着ていないなら経費にできます。私服と兼用する服は、業務で使う部分を明らかに区分できなければ経費になりません。美容院やネイルも、撮影日の前に指定どおりの髪色や長さに整えた記録があれば説明がつきますが、日常の身だしなみは家事費です。ネイルモデルやハンドモデルのケア用品も同じ考え方で、案件の指定で買い撮影に使った分と、日常のケアを分けて記録します。
ジムやエステ、脱毛は、体型や肌の維持という私生活の目的と重なるため、原則として経費になりません。「モデルだから美容代は全部経費」と一括計上せず、業務上必要な支出と日常の美容代を区分してください。経費と所得控除の違いや経費の考え方の全体は個人事業主の経費と控除の違い|1万円で減る税金と令和8年分の所得控除16種にまとめています。
交通費・宿泊費と取引先が負担した旅費
地方ロケの交通費や宿泊費を自分で払い、報酬とは別にクライアントから実費を受け取る場合、受け取った実費も報酬に含めて源泉徴収されるのが原則です。国税庁タックスアンサーNo.2792は、車代や交通費の名目でも実態が報酬と同じなら源泉徴収の対象になるとしています。この場合は、受け取った実費を売上に入れ、払った交通費・宿泊費を経費にします。クライアントが交通機関やホテルに直接支払い、その額が通常必要な範囲なら報酬に含めなくてよいとされ(所得税基本通達204-4)、モデルの売上にも経費にも入れません。
開業届と青色申告:令和8年からの期限と令和9年分の控除額
開業届と青色申告承認申請の提出期限の違い
所得税法229条の改正で、令和8年1月1日以後に事業を始めた人は、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)をその年分の確定申告期限までに出せばよくなりました。それまでの「開業から1か月以内」ではありません。一方、青色申告承認申請書は所得税法144条で、青色申告をしたい年の3月15日まで(1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内)に出す必要があり、こちらは変わっていません。開業届を後回しにできても、青色申告を使いたい年は承認申請を先に出します。開業届を出していなくても、所得があれば申告義務は生じます。
青色申告特別控除は令和9年分から65万円にe-Taxが必須
租税特別措置法25条の2の改正により、令和9年分以後は55万円の区分がなくなり、65万円はe-Taxでの提出が必須要件になります。紙で申告しているモデルは、令和9年分から控除額が10万円に下がる可能性があります。
| 記帳と提出の方法 | 令和8年分 | 令和9年分以後 |
|---|---|---|
| 複式簿記・期限内申告・紙で提出 | 55万円(優良な電子帳簿等の要件充足で65万円) | 10万円 |
| 複式簿記・期限内申告・e-Taxで提出 | 65万円 | 65万円 |
| 上記に加えて優良な電子帳簿などの要件 | 65万円 | 75万円 |
| 簡易な記帳 | 10万円 | 10万円(前々年分の収入1,000万円超は不可) |
インボイス登録:クライアントや事務所から求められたときの判断
取引先の広告代理店や事務所が一般課税で消費税を計算している場合、免税事業者のモデルへの支払は、仕入税額控除の一部が使えません。令和8年度税制改正により、免税事業者からの仕入れに認められる控除割合は令和8年10月から2年間70%、令和10年10月から2年間50%、令和12年10月から1年間30%と段階的に下がります。税込11万円の報酬なら、取引先が控除できない額は11万円×10/110×30%=3,000円です。登録を求められたり、報酬の引下げを打診されたりする根拠はこの差額です。
インボイス登録を機に課税事業者になった個人は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下などの要件を満たせば、令和8年分まで2割特例(売上税額の2割を納税)を選べます。令和9年分と令和10年分は3割特例です。税抜の報酬が年200万円なら、売上税額20万円に対し、令和8年分の納税額は4万円、令和9年分は6万円です。簡易課税を選ぶとモデル業はサービス業の第5種事業(みなし仕入率50%)で10万円になるため、3割特例のほうが負担は軽くなります。売上が1,000万円を超えた場合は個人事業主が売上1000万円を超えたら消費税はいくら?納税開始は2年後・2割特例は令和8年分までで解説しています。
モデルの確定申告のやり方と期限
令和8年分の確定申告は、2027年2月16日(火)から3月15日(月)までです。還付申告は2027年1月1日から5年間出せるので、源泉徴収されたまま申告していない過去の年分があれば、さかのぼって還付を受けられます(55万円・65万円の青色申告特別控除は期限内申告が要件)。準備から提出までの流れは次のとおりです。
- 支払明細・支払調書・入金記録を集め、取引先ごとに源泉前の報酬と源泉徴収税額を合計する
- 帳簿から売上と経費を集計し、事業所得は青色申告決算書か収支内訳書を作る
- 国民年金・国民健康保険の保険料など、所得控除の証明書をそろえる
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーか会計ソフトで申告書を作り、源泉徴収税額を入力する
- マイナンバーカードでe-Tax送信し、納税額があれば3月15日までに納付する
確定申告書の職業欄は、国税庁の作成コーナーが個人事業者に事業の内容を具体的に書くよう求めているので、「モデル業」と業種がわかる書き方にします。手順の全体は個人事業主の確定申告のやり方|令和8年分の期限と基礎控除104万円で扱っています。
確定申告をしないとどうなるか:加算税と延滞税
申告が必要なのに期限までに出さないと、無申告加算税と延滞税がかかります。国税通則法66条の無申告加算税は、本税に対して原則15%(50万円超の部分は20%、300万円超の部分は30%)です。税務署から調査の通知を受ける前に自分から申告すれば5%に軽くなり、法定申告期限から1か月以内に申告し、期限内に申告する意思があったと認められ、納付すべき税額を法定納期限までに全額納付していれば、課されません。令和8年中の延滞税の割合は、納期限の翌日から2か月以内が年2.8%、それ以後が年9.1%です。令和8年分の所得税の申告期限は令和9年なので、実際の延滞税は延滞する期間に適用される年の割合で確認します。副業モデルが「どうせ少額だから」と放置しても、支払者が税務署に出す支払調書で、税務署は一定額を超える支払を把握できます。源泉徴収されている人は申告すれば還付になることも多いので、遅れても早めに出すほうが有利です。計算例は追徴課税とは?加算税・延滞税の税率と本税50万円の計算例【令和8年】にあります。
申告後に届く住民税・国民健康保険・個人事業税
令和8年分の確定申告の内容は市区町村に送られ、2027年6月以降に納める住民税(所得割はおおむね10%)と、令和9年度の国民健康保険料の計算に使われます。確定申告をした人は、住民税の申告を別に出す必要はありません。国民健康保険料は前年の所得から自治体ごとの料率で決まり、経費の計上漏れはそのまま保険料に響きます。保険料の目安は個人事業主の国民健康保険はいくら?令和8年度の早見表と安くする方法で確認できます。
前年分の所得税の予定納税基準額が15万円以上になると、税務署から予定納税の通知が届き、7月と11月にそれぞれ3分の1ずつ前払いします。源泉徴収の少ない撮影会中心のモデルほど、この通知が届きやすくなります。個人事業税は、地方税法72条の2に基づく法定業種(東京都の一覧で70業種)に「モデル業」の名称はありません。ただし、神奈川県は名称が列挙されていない事業でも、仕事の完成を目的とする契約による収入・資本的経営・計画や遂行の独立性・危険負担の4要件をすべて満たせば「請負業」として課税するとしています。課税されるかは都道府県が契約と業務の実態から判断するので、事業規模が大きくなったら都道府県税事務所に確認してください。
よくある質問
モデル代は源泉徴収されますか?
法人や従業員を雇う事業者から受け取るモデルの報酬は、所得税法204条1項4号により10.21%(1回100万円超の部分は20.42%)が源泉徴収されます。給与等を支払っていない個人カメラマンや個人主催者から受け取るモデル報酬は、原則として源泉徴収されません。
モデルは個人事業主ですか?
事務所と雇用契約を結んで給与を受けているなら給与所得者です。マネジメント契約やエージェント契約、企業との直接契約で報酬を受けているなら、個人事業主として事業所得か雑所得で申告します。帳簿書類を保存せず活動している場合は、原則として雑所得になります。
副業のモデル収入は会社に知られますか?
勤務先に伝わる経路は主に住民税です。確定申告書第二表で、給与・公的年金等以外の所得に係る住民税を「自分で納付」にすると、モデルの所得の分は給与天引きから外せます。モデルの仕事を雇用契約のアルバイトとして受けている場合は対象外です。
学生モデルはいくらまで親の扶養に入れますか?
所得税の扶養控除は、16歳以上の子の合計所得金額が62万円以下なら対象です。報酬には給与所得控除がないので、報酬から経費を引いた所得で判定します。健康保険の被扶養者は年間収入130万円未満(19歳以上23歳未満は150万円未満)が原則で、別の基準です。
撮影会の謝礼も確定申告に含めますか?
含めます。源泉徴収されていない謝礼も、事務所経由の報酬と同じくモデルの売上です。撮影会の謝礼だけでも、経費を引いた所得が基礎控除などを上回れば申告が必要で、会社員の副業なら給与以外の所得の合計が20万円を超えるかで判定します。