ライブ配信の収入は、給与と違って誰も税金を精算してくれません。プラットフォームが換金時に所得税を天引きしていても、それは前払いにすぎず、1年分をまとめて計算し直すのは自分の確定申告です。
この記事は令和8年分(2026年1月〜12月の収入、申告は2027年2月16日〜3月15日)の数値で書いています。令和8年度の税制改正で基礎控除や給与所得控除が変わったため、「所得48万円まで」「58万円まで」といった前年までの説明はそのままでは使えません。
まとめ:ライバーの確定申告で最初に押さえる要点
- 専業ライバーの基礎控除は、令和8年分では合計所得489万円以下なら104万円です。申告義務は、社会保険料控除なども差し引いて計算した税額で判定します。
- 年末調整済みの給与を1か所から受ける会社員は、原則として配信を含む給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は残ります。
- Pocochaは換金申請額(税抜)の10.21%を源泉徴収し、インボイス未登録ならさらに1.82%を減額して振り込みます。売上は振込額ではなく、天引き前の金額で計上します。
- Pococha・IRIAMは個人向けの支払調書を発行しません。Pocochaは退会すると換金履歴も見られなくなるため、年に一度は履歴を保存してください。
- インボイス未登録の減額は、仕入税額控除の経過措置が令和8年10月1日に80%から70%へ下がるのに合わせ、17LIVEとIRIAMが見直しを告知しています。
- 源泉徴収された税金は、所得が少なければ確定申告で戻ります。ただし、20万円以下の副業所得も申告に含めるため、会社員は還付になるとは限りません。
- 開業届の期限は令和8年から「確定申告期限まで」に緩和されましたが、青色申告の承認申請は原則その年の3月15日までで、その年の1月16日以後に開業した場合は開業から2か月以内です。
ライバーの確定申告が必要となる所得と条件(令和8年分)
申告が必要かどうかは、配信の収入を「給与」で受け取るか「報酬」で受け取るか、そして本業か副業かで決まります。多くのライバーはプラットフォームや事務所から報酬を受け取る個人事業の形なので、まずはそちらの基準から確認します。
専業ライバーの基礎控除104万円と申告義務の判定
令和8・9年分の基礎控除は、合計所得金額が489万円以下なら104万円です(租税特別措置法41条の16の2による上乗せ後の額)。報酬として受け取る配信収入には給与所得控除がないため、経費を引いた所得がこの104万円を超えるあたりから所得税が生じ始めます。ただし104万円は基礎控除だけを考えた目安です。実際の申告義務は、社会保険料控除なども差し引いて計算した税額で判定し、還付申告になる場合は原則として申告義務がありません。
よく見かける「年収178万円まで非課税」は、給与所得控除の最低保障74万円を含んだ給与の数字です。事務所と雇用契約を結んで給与明細が出るライバーならこの基準ですが、報酬型のライバーに当てはめると74万円分ずれます。青色申告特別控除65万円を使える人なら、控除前の所得で169万円(104万円+65万円)が同じ目安になります。
会社員の副業ライバーは20万円ルール
所得税法121条1項1号は、給与を1か所から受けて年末調整が済んでいる人について、給与と退職所得以外の所得が20万円以下なら確定申告を不要としています。副業ライバーの場合、配信の収入ではなく、経費を引いた所得で20万円を判定します。収入30万円でも、機材や通信費で12万円の経費があれば所得18万円なので、ほかに給与以外の所得がなければ申告不要です。
ただし20万円ルールは所得税だけの規定です。住民税には同じ免除がなく、所得が1円でもあれば市区町村への申告が必要です。また、医療費控除やふるさと納税(6団体以上)で確定申告をする年は、20万円以下の配信所得も含めて申告しなければなりません。副業の所得区分と20万円の数え方は副業の雑所得はいくらから確定申告?20万円ルールと控除・事業所得の区分【令和8年分】で詳しく扱っています。
主婦・学生ライバーが扶養を外れる所得62万円
配偶者控除や親の扶養控除の対象から外れるかどうかは、ライバー本人の合計所得金額が62万円を超えるかで決まります(令和8年分。改正前は58万円)。報酬型の配信収入なら、経費を引いた所得62万円が境目です。配偶者の合計所得が62万円超133万円以下なら、控除を受ける側の合計所得が1,000万円以下で、生計を一にするなどの要件を満たす場合に、配偶者特別控除の対象になります。
19歳以上23歳未満の学生ライバーは、所得が62万円を超えても123万円以下なら親は特定親族特別控除を受けられます。本人側では、合計所得89万円以下で勤労学生控除が使えます。配信収入は自分の勤労による事業所得・雑所得なので対象になり得ますが、それ以外の所得が10万円を超えると外れます。健康保険の扶養は税とは別制度です。年末時点で19歳以上23歳未満の人は、被保険者の配偶者を除き年間収入150万円未満が収入要件となります。事業収入から控除できる経費などは加入先に確認してください。税と社会保険の境目をまとめて確認するなら年収の壁【2026年最新】178万円・136万円・130万円の一覧と手取りの分岐点が早見表になっています。
申告義務のないライバーの還付条件
申告義務がなくても、源泉徴収税額が年間の所得税額を上回れば、還付申告で差額を取り戻せます。Pocochaのように換金時に10.21%を源泉徴収するプラットフォームでは、年間の所得が基礎控除以下でも税金は引かれたままです。所得税がゼロになる人は、確定申告(還付申告)をすれば引かれた全額が戻ります。
たとえば年間で税抜60万円を換金した専業ライバーは、約6万1千円を源泉徴収されています。経費を引いた所得が104万円以下なら納める所得税はゼロなので、この6万円余りはすべて還付の対象です。申告義務のない人の還付申告は、原則として翌年1月1日から5年間提出できます。ただし、青色申告特別控除55万円・65万円を受けるには、還付申告でも確定申告期限までの提出が必要です。
投げ銭・ダイヤ換金の収入計上額と集計資料
売上の集計では、振込額と源泉徴収前の報酬額を区別してください。振込額をそのまま売上にすると、源泉徴収分だけ過少申告になり、差し引かれた税金の精算もできません。
プラットフォーム経由の投げ銭と所得税の扱い
視聴者は、プラットフォームからコインなどのアイテムを購入してライバーに贈ります。ライバーが実際にお金を受け取る相手は視聴者ではなく、利用規約に基づいて報酬を支払うプラットフォーム(事務所所属なら事務所)です。このため投げ銭は贈与税の対象ではなく、ライバーの事業所得または雑所得の収入になります。「ファンからのプレゼントだから110万円まで非課税」という理解は、プラットフォーム経由の投げ銭には当てはまりません。
プラットフォームを通さずに、ファンから直接現金や物品を受け取った場合は別の検討になります。この場合の源泉徴収と贈与税の境目は、同じく不特定多数のファンから収入を得るアイドルの確定申告|令和8年分の申告ラインと源泉10.21%・職業欄で条文ごとに整理しています。
配信売上の計上額と計上時期
源泉徴収前の報酬額と、収入を計上する年は分けて確認します。原則として収入を得る権利が確定した年に計上するため、換金履歴だけでなく年末の未換金報酬も確認してください。具体的な確定時期は各社の契約・規約によります。現金主義の特例を適用する場合は扱いが異なります。
Pocochaの公式ヘルプによると、ダイヤは1ダイヤ=1円(税込)で換金でき、換金申請額(税抜)に対して次の源泉徴収がかかります。
| 換金申請額(税抜) | 源泉徴収税額 |
|---|---|
| 100万円以下 | 換金申請額×10.21% |
| 100万円超 | (換金申請額−100万円)×20.42%+102,100円 |
さらに、インボイスの登録番号をPocochaに登録していないフリーライバーは、2025年4月以降の換金申請から申請額の1.82%が減額されます(源泉徴収は別に発生)。10万ダイヤ(10万円・税込)を換金すると、税抜9万909円に対する源泉徴収が約9,280円、インボイス未登録の減額が1,820円で、振込額は9万円を下回ります。
申告では、源泉徴収された約9,280円を売上から差し引きません。売上に含めたうえで、確定申告書の「源泉徴収税額」欄に記入して精算します。インボイス未登録による減額分は受け取っていない金額なので売上から除く(または手数料として経費にする)処理になります。
ダイヤをアプリ内のコインに交換した分は源泉徴収されませんが、所得税法36条1項は金銭以外の経済的な利益も収入金額に含めるため、コイン交換分を収入から外してよいとは言えません。ドットマネーとの交換分についてPocochaは「ドットマネーのご利用分も対象」と明記しています。
プラットフォーム別の源泉徴収と収入明細の取り方
源泉徴収の有無と、収入の証明に使う明細の場所はプラットフォームごとに違います。各社の公式ヘルプで確認できた範囲をまとめると次のとおりです(2026年9月時点)。
| プラットフォーム | 源泉徴収 | 収入の明細 |
|---|---|---|
| Pococha | 換金申請額(税抜)×10.21% | PocochaWEBの[交換/換金履歴] |
| 17LIVE | 引き出し金額÷1.1×10.21% | 支払通知書(翌月1日発行) |
| IRIAM | 換金額×10.21% | アプリの「入金履歴」 |
| ふわっち | 公式ヘルプに記載なし | ポイント履歴(過去36か月・Excel出力可) |
| SHOWROOM | 公式ヘルプに記載なし | 分配金(評価ポイント1点=1円・支払条件あり) |
| TikTok LIVE | 公式ヘルプに記載なし | プロフィール→残高→LIVEの報酬 |
出典:Pococha「ダイヤを換金する際の源泉徴収税の計算方法」、17LIVE「報酬の引き出し」FAQ、IRIAM「源泉徴収税の計算方法」、ふわっちヘルプ「ふわっちポイントで得た所得の確定申告について」、SHOWROOMライブストリーミング配信ガイドライン、TikTokヘルプ「ダイヤモンド」(いずれも2026年9月確認)。
源泉徴収をする3社は、いずれも100万円を超える部分に20.42%をかけます。基準になる金額は、Pococha・17LIVEが税抜の源泉徴収対象額、IRIAMが公式ヘルプに示す換金対象額です。「記載なし」は源泉徴収をしないという意味ではないので、振込額と報酬額の差を明細で確かめてください。
表のとおり、Pocochaは「個人向けの源泉徴収票や支払調書などは、原則、Pocochaでは発行しておりません」、IRIAMも「支払調書などの書類や証明書については、IRIAMでは発行しておりません」と案内しています。17LIVEの支払通知書は例外的に、引き出した収益・消費税・源泉徴収額・振込額の合計が1枚にまとまっています。Pocochaのヘルプには「Pocochaを退会すると、[交換/換金履歴]は確認できなくなります」とも書かれています。
退会前に履歴を保存していないと、翌年の確定申告で収入と源泉徴収額を確認する資料が不足するおそれがあります。年末と退会前には履歴の画面を保存し、換金ごとに「換金申請額・源泉徴収額・減額分・振込額」の4つを表計算ソフトに転記しておくのが確実です。この履歴は電子で受け取った取引情報にあたり、個人事業者でも電子帳簿保存法の電子取引データとして保存の対象になります。保存期間の考え方は個人事業主の帳簿の保存期間は7年と5年に分かれる|電子帳簿保存法と令和9年分の改正にまとめています。
事務所所属ライバーは事務所の支払明細が基準
事務所に所属している場合、プラットフォームからの報酬はいったん事務所に入り、マネジメント料を差し引いた額がライバーに支払われるのが一般的です。このとき売上に計上するのは、事務所との契約上ライバーが受け取る報酬額です。事務所が源泉徴収をしているかどうかは事務所ごとに違うので、支払明細で「報酬額・源泉徴収額・振込額」を確認してください。
会社員が副業として事務所に所属する場合も、事務所との契約はたいてい業務委託です。給与ではないので勤務先の年末調整には含まれず、20万円ルールの判定対象になります。事務所の募集要項に「確定申告のサポートあり」とあっても、申告の義務と責任はライバー本人にあります。
ライバーの事業所得・雑所得の判断基準
配信の所得は、事業所得か雑所得(業務に係る雑所得)のどちらかで申告します。区分によって使える制度が変わり、青色申告特別控除と、赤字を給与所得などと相殺する損益通算は事業所得でしか使えません。
判定の基準は所得税基本通達35-2です。社会通念上事業と称するに至る程度かどうかで判断し、注書きで「帳簿書類の保存がない場合(その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除く。)には、業務に係る雑所得」に該当するとしています。「収入300万円以下なら雑所得」と紹介されることがありますが、判定の基本は社会通念上事業と認められるかどうかです。帳簿書類の保存は重要な判断材料ですが、それだけで事業所得になるわけではありません。
専業・副業という名称だけで所得区分は決まりません。継続性、営利性、活動規模などから社会通念上事業と認められ、帳簿書類も保存している場合は、事業所得として申告します。会社員が空き時間に配信し、帳簿もつけていなければ、業務に係る雑所得として申告するのが通常です。副業でも毎日配信し、事務所と契約し、帳簿も整えているなら事業所得として申告する余地があります。
ライバーの経費になるもの・ならないもの
必要経費にできるのは、配信の収入を得るために直接かかった費用です。判断が分かれやすいのは、私生活と兼用するものです。
配信機材・スマホの取得価額別の経費処理
リングライト、マイク、スマホスタンドなど取得価額10万円未満の機材は、業務に使い始めた年に取得価額を必要経費に算入できます。10万円以上20万円未満は一括償却資産として3年で均等に経費化でき、それ以上は耐用年数に応じた減価償却です。青色申告なら少額減価償却資産の特例があり、令和8年4月1日から令和11年3月31日までに取得した40万円未満の資産は、一定の要件の下で、年300万円を限度に業務に使い始めた年の必要経費に算入できます(令和8年3月31日までの取得分は30万円未満)。配信用に30万円台のパソコンを買う場合、青色か白色かで初年度の経費が大きく変わります。
配信にも私用にも使うスマホやパソコンは、使用時間などの合理的な割合で按分します。配信専用に2台目を用意すれば按分の説明は不要になります。
衣装・美容代・家賃は「明らかに区分できる」部分だけ
所得税法施行令96条1号は、家事関連費のうち「主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合」の部分だけを必要経費としています。配信のためだけに着る衣装やコスプレ衣装は説明が立ちますが、普段着と兼用する服は、配信業務に必要な部分を客観的な記録で明らかに区分できなければ、経費にできません。美容院代・化粧品代も同じで、配信直前の撮影用ヘアセットは説明が立ち、日常の手入れは家事費です。
自宅で配信している場合の家賃・電気代・通信費は、配信に使う部屋の面積割合や配信時間の割合で按分します。按分の根拠(間取り図と配信スケジュール)を残しておけば、税務調査で説明できます。
事務所のマネジメント料と他ライバーへの投げ銭
事務所から総額の報酬明細を受け取り、そこからマネジメント料が差し引かれている場合は、報酬総額を売上に、マネジメント料を経費に計上します。はじめから手取り額だけの契約なら、手取りが売上になり、マネジメント料は別に計上しません。二重に差し引かないよう、契約書で報酬の定義を確認してください。
他のライバーへの投げ銭は、コラボ配信の返礼や相互応援など、自分の配信の集客と結びつけて説明できるものに限って経費になり得ます。好きな配信者への応援は私的な支出です。どの配信で誰に、何のために贈ったかをメモしておかないと、後から区別できません。経費と所得控除で税金の減り方がどう違うかは個人事業主の経費と控除の違い|1万円で減る税金と令和8年分の所得控除16種で比較しています。
インボイス未登録で振込額が減る仕組みと登録の判断
インボイスの登録は義務ではありません。ただし未登録のままだと、プラットフォームや事務所は支払った報酬の消費税を全額は差し引けないため、その負担を報酬の減額という形でライバーに求めることがあります。Pocochaの1.82%減額がこの例です。
1.82%という数字には根拠があります。税込報酬に含まれる消費税は110分の10(約9.09%)で、免税事業者からの仕入れについて支払側が控除できるのは、令和8年9月30日までの経過措置で80%です。控除できない20%分が、9.09%×20%=約1.82%にあたります。
この経過措置は令和8年10月1日から2年間、控除割合が70%に下がります(国税庁「インボイス制度の見直し」)。支払側が負担する割合は30%に増え、同じ計算なら報酬の約2.73%です。17LIVEはすでに、免税事業者の認証ライバーについて2026年10月1日以降に発生した報酬から、税込110万円の報酬なら消費税10万円のうち3万円を差し引くと公表しています。IRIAMも2026年10月1日から換金時の振込額を変更すると告知しました。Pocochaは現時点で1.82%のままですが「今後も制度の内容に応じて変更が発生する可能性がございます」としています。
登録すると減額はなくなりますが、課税事業者として消費税の申告と納税が必要になります。負担を軽くする特例は2段階で、売上税額の2割を納める2割特例は個人事業者なら令和8年分まで、令和9年分・令和10年分は3割を納める3割特例に切り替わります。年間の報酬が1,000万円以下で、登録しなければ消費税を納めずに済む人は、減額分と消費税の負担を比べて判断してください。たとえば税込報酬330万円(うち消費税30万円)なら、未登録の減額は令和8年10月以降の率で約9万円、登録して3割特例を使えば納税額は9万円です。差がほとんどない水準なので、事務作業の手間も含めて決めることになります。
ライバーの確定申告のやり方(令和8年分)
申告の流れは、収入と経費の集計、申告書の作成、提出と納税の3段階です。配信者特有の注意点を順に確認します。
開業届と青色申告承認申請の期限は別々
所得税法229条は、令和8年1月1日から開業届の期限を「その事実があつた日の属する年分の所得税に係る確定申告期限まで」としています。それまでの「開業から1か月以内」より緩和されました。令和8年中に配信を事業として始めたなら、開業届の期限は2027年3月15日です。
一方、青色申告承認申請書の期限(所得税法144条)は変わっていません。その年の3月15日まで、1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内です。開業届と一緒に出そうとして確定申告期限まで待つと、青色申告が間に合わなくなります。青色申告を選ぶなら承認申請だけ先に出してください。
職業欄と屋号の書き方
国税庁の確定申告書等作成コーナーは、職業欄について個人事業者は「事業の内容を具体的に入力します(青果小売業、自動車板金塗装業など)」と案内しています。例示が業種名なので、「動画配信業」「ライブ配信業」のように事業の内容が伝わる書き方にします。屋号欄には配信者名を書いても構いません。
提出期間とe-Taxでの青色申告65万円
令和8年分の確定申告期間は2027年2月16日から3月15日までです。用意するのは、プラットフォームの換金履歴(または事務所の支払明細)、経費の領収書とクレジットカード明細、帳簿、マイナンバーカード、還付先の口座情報です。
青色申告特別控除は、複式簿記で55万円、さらにe-Taxで申告するか優良な電子帳簿の保存を満たすと65万円です(令和8年分)。令和9年分以後は複式簿記で65万円、優良な電子帳簿なら75万円に上がりますが、65万円の適用にもe-Taxでの送信が必要になります。紙で提出する前提なら控除額が下がる点に注意してください。画面ごとの入力手順は個人事業主の確定申告のやり方|令和8年分の期限と基礎控除104万円で追っています。
副業ライバーの住民税の納付方法と勤務先への通知
副業が勤務先に知られる経路の一つに、住民税額の変化があります。確定申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」で、給与以外の所得に係る住民税を「自分で納付」(普通徴収)にすると、配信分の住民税は勤務先の給与天引きに合算されず、自宅に届く納付書で払う形になります。ただし最終的に普通徴収にするかどうかは市区町村の運用によるため、提出後に通知書で確認してください。
税理士に依頼するかの判断基準
換金履歴を整理して会計ソフトに入力できるなら、ライバーの確定申告は自分でできる範囲です。一方、複数のプラットフォームと事務所から収入があり源泉徴収の有無がばらばら、インボイス登録をして消費税の申告も必要、過去の年分を申告していない、といった条件が重なる場合は税理士への依頼を検討する価値があります。無申告の年がある場合は、国税通則法66条によって調査通知前後で加算税の扱いが変わるため、過去年分の収入資料をそろえて早めに相談してください。税理士報酬と税額・加算税は分けて見積もりを確認します。
ライバーの無申告が把握される経路と加算税
支払側の記録と配信収入の照合
Pocochaは個人に支払調書を渡していませんが、同社のヘルプには「前年の換金申請履歴を元に確定申告をしたが、市役所や税務署から『支払調書と額面が合わない』という指摘を受けました」という質問が載っています。本人に届かなくても、支払側の記録が行政側で突き合わされることを示しています。換金時に源泉徴収されている以上、税務署には「源泉徴収された記録があるのに申告がない人」として把握される材料が残ります。
気づいた時点で変わる無申告加算税
国税通則法66条による基本税率は次のとおりです。表の金額は収入ではなく納付すべき税額を指します。「期限内申告の意思あり」による不適用には、1か月以内の自主申告に加え、原則として法定納期限までの全額納付と、過去5年間の加算税・不適用歴に関する条件を満たす必要があります。
| 申告した時点 | 無申告加算税 | 根拠 |
|---|---|---|
| 期限から1か月以内(期限内申告の意思あり) | なし | 通則法66条9項 |
| 調査通知の前に自主的に申告 | 5% | 通則法66条8項 |
| 調査通知後・更正の予知前 | 10%(50万円超300万円以下15%・300万円超25%) | 通則法66条1項〜3項 |
| 調査で指摘されてから | 15%(50万円超20%・300万円超30%) | 通則法66条1項〜3項 |
収入を隠すなどの仮装・隠蔽があれば、無申告加算税に代えて重加算税40%です(通則法68条2項)。これに延滞税が加わり、令和8年中は納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、それ以後が年9.1%です。申告していない年があると気づいたら、調査の連絡を待たずに期限後申告をしてください。調査通知前の自主申告の基本税率は5%です。調査後との税率差は納付税額の区分によって異なり、繰り返しの無申告などでは加重措置もあります。
よくある質問
ライバーは確定申告しないとバレますか?
把握される可能性は高いと考えてください。Pocochaのように換金時に源泉徴収をするプラットフォームでは支払側に記録が残り、同社のヘルプには税務署などから「支払調書と額面が合わない」と指摘された場合の質問も載っています。調査通知の前に自主的に申告すれば、無申告加算税の基本税率は5%です。
副業ライバーの収入が20万円以下なら何もしなくていいですか?
年末調整済みの給与を1か所から受け、給与収入が2,000万円以下で、配信を含む給与・退職所得以外の所得の合計が20万円以下などの条件を満たせば、原則として所得税の確定申告は不要です。ただし、住民税の申告は別途確認が必要です。20万円は収入ではなく経費を引いた所得で判定します。医療費控除などで確定申告をする年は、20万円以下の配信所得も含めて申告します。
主婦ライバーはいくらまで扶養に入れますか?
税の配偶者控除は、ライバー本人の合計所得金額62万円以下が条件です(令和8年分)。報酬型の配信収入なら、経費を引いた所得62万円が目安です。健康保険の被扶養者(年収130万円未満)は別の基準なので、加入先の健康保険に確認してください。
投げ銭に贈与税はかかりますか?
プラットフォーム経由の投げ銭は、プラットフォームがライバーに支払う報酬なので所得税の対象です。贈与税の基礎控除110万円の対象にはなりません。
ライバーに開業届は必要ですか?
配信を事業として行うなら提出します。令和8年からは期限が確定申告期限までに緩和されました。青色申告承認申請書は、原則として適用を受ける年の3月15日までに提出します。その年の1月16日以後に開業した場合は、開業から2か月以内です。