LeetCode(リートコード)は、アルゴリズムとデータ構造の問題を解いてコードを提出すると自動で判定してくれる、英語のコーディング問題集サイトです。米国のテック企業のコーディング面接で出る形式に近いため、面接対策の定番になっています。2026年9月27日に公式APIで数えた問題数は4,060問で、そのうち無料で解けるのは3,276問でした。この記事では、中身の内訳、登録から最初の1問を提出するまでの使い方、日本語対応の実情、Premiumを買うべき条件、Study Planとコンテストの回し方、AtCoderとの違いを順に説明します。
まとめ:LeetCodeの中身と始め方の要点
- LeetCodeは面接対策向けのコーディング問題集。2026年9月時点で4,060問(Easy 966/Medium 2,117/Hard 977)
- Premium限定は784問で、残り3,276問(約81%)は無料で提出・判定まで使える
- Premiumは月35ドル/年159ドル。企業別の出題タグと限定問題が要る段階まで買わなくてよい
- 画面は英語のみで日本語UIは無い。問題文はブラウザ翻訳で読み、入出力例で意味を確かめる
- 最初はTwo Sum(問題1)、次に公式Study Planの「LeetCode 75」を上から解くのが迷わない順番
- 日本企業の選考や日本語の解説を重視するならAtCoder、英語の面接対策ならLeetCodeと使い分ける
以下、数字の根拠と具体的な手順を章ごとに示します。
LeetCodeの問題数と種類:難易度別の内訳とPremium限定の割合
難易度別の問題数と無料で解ける範囲
公式サイトの問題一覧(Problemset)を支えるGraphQL APIから、2026年9月27日に難易度別の総数とPremium限定の件数を取得しました。
| 難易度 | 全問題 | Premium限定 | 無料 |
|---|---|---|---|
| Easy | 966 | 129 | 837 |
| Medium | 2,117 | 461 | 1,656 |
| Hard | 977 | 194 | 783 |
| 合計 | 4,060 | 784 | 3,276 |
Mediumが全体の半分強を占めます。Easyだけを解き続けると問題の大半に触れないまま終わるので、形式に慣れたら早めにMediumへ移ります。コンテストで出題された問題が一覧に加わっていくため、総数は増え続けます。
アルゴリズム以外のカテゴリ:SQL・pandas・JavaScript
問題の大半はアルゴリズム(3,642問)ですが、ほかに次のカテゴリがあります。
- Database(323問):問題ごとに対応するSQL方言で、データの検索・集計・更新などを行う
- pandas(338問):Pythonのpandasでデータ加工する。Database問題の多くがpandasでも解ける
- JavaScript(67問):クロージャやPromiseなどJavaScript固有の仕様を問う
- Concurrency(9問)・Shell(4問):並行処理とBashの小問
データ分析職の選考でSQLのテストがある人は、Databaseカテゴリだけを解く使い方もできます。
LeetCodeの使い方:登録から最初の1問を提出するまで
アカウント登録とTwo Sumの提出手順
- leetcode.com の「Register」からアカウントを作る。GoogleやGitHubのアカウントでも登録できる
- 上部メニューの「Problems」で問題一覧を開き、Difficultyを「Easy」で絞り込む
- 問題1の「Two Sum」を開く。右側のエディタ上部で使う言語を選ぶ
- 関数の中身だけを書く。入出力の読み書きはLeetCode側が用意しているので書かなくてよい
- 「Run」でサンプルや自分で追加したテストケースを試し、通ったら「Submit」で採点用のテストケースによる判定を受ける
AtCoderなどの競技プログラミングでは標準入力の読み取りから自分で書きますが、LeetCodeのアルゴリズム問題では、用意された関数やクラスのテンプレートを完成させる形式が中心です。面接のホワイトボードで関数を書く状況に合わせた作りで、ここが最初に戸惑いやすい違いです。
判定結果の読み方とつまずきやすい表示
提出すると、結果は次のような英語の短い表示で返ります。
| 表示 | 意味 | まず疑う点 |
|---|---|---|
| Accepted | 正解 | 時間・空間計算量を説明できるか |
| Wrong Answer | 出力が誤り | 表示された失敗ケースの境界値 |
| Time Limit Exceeded | 時間切れ | 入力上限・計算量・無限ループ |
| Runtime Error | 実行時エラー | 空配列・範囲外アクセス |
| Compile Error | 文法エラー | 言語の選択ミス |
Wrong Answerのときは、どの入力で落ちたかが表示されます。答えを見に行く前に、その入力を手で追ってみると原因の多くは見つかります。Two Sumは提出4,068万件に対し正解2,357万件(正解率57.9%)で、最初の1問でも提出の4割強は不正解になっています。
LeetCodeの日本語対応:英語の問題文を読む現実的な方法
leetcode.com の画面と問題文は英語で、日本語の表示は用意されていません。中国語圏向けには中国版の「力扣」(leetcode.cn)が別に運営されており、公式ヘルプはleetcode.comのアカウントと中国版のアカウントを別アカウントとして扱うと明記しています。英語での面接対策を目的にするなら、英語の問題文を読める leetcode.com を選びます。
問題文を読むときは、ブラウザの翻訳機能でページごと日本語にするのが手早い方法です。ただし機械翻訳は「subarray(連続する部分配列)」と「subsequence(連続しなくてよい部分列)」のような区別を落としがちで、ここを取り違えると解法そのものが変わります。翻訳で大意をつかんだら、Example(入出力例)とConstraints(入力の範囲)だけは原文で確認します。Constraintsの「1 <= nums.length <= 10^5」のような上限は、許される計算量を決める情報です。英語で面接を受ける予定なら、subarrayやsubsequenceなどの頻出語を原文のまま理解できるように練習します。
LeetCodeの無料版とPremiumの違い:料金と買うべき条件
無料版で使える3,276問と主な機能
無料プランでも、Premium限定を除く3,276問の提出・自動判定、Study Plan、Daily Question、コンテストへの参加、ユーザー投稿の解法(Solutions)とDiscussの閲覧まで使えます。公式解説(Editorial)は一部だけがPremium限定で、残りは無料で読めます。基礎固めからMediumの頻出パターンまでは無料の範囲で足ります。
Premiumの料金と追加される機能
LeetCodeの料金APIが米国向けに返す価格は、2026年9月27日時点で月額プラン35ドル、年額プラン159ドルです。年額は月あたり約13.25ドルで、月額を12か月払うより約62%安くなります。表示価格は地域によって変わることがあるので、購入前にLeetCode Premiumの公式料金ページで確認してください。
公式の購入ページが挙げるPremiumの主な追加機能は次のとおりです。
- 企業別の問題:企業名で問題を並べ替え、その企業向けの模擬面接(Interview Simulations)を受けられる
- Premium限定の問題と解説:784問の限定問題と、限定のEditorial・Exploreコンテンツ
- 開発補助:エディタの自動補完(Autocomplete)とデバッガー
- 判定の優先:提出を優先キューで判定する「Lightning Judge」
- AIの追加枠:AIアシスタント「Ask Leet」の月500クレジット追加と、1日最大30回の解答分析
このうち面接対策で効くのは上の2つです。残りは便利機能で、なくても学習は進みます。
Premiumを買うべき時期と見送ってよい条件
Premiumを買うのは、受ける企業が決まり、面接まで1〜3か月を切った段階です。企業別の出題タグで直近の傾向を絞り込めることが、Premiumに払う主な理由になります。プランは使う期間で選び、利用予定が1〜3か月なら、月額プランの総額は35〜105ドルで、年額159ドルより安くなります。継続して5か月以上使う予定なら、年額プランの方が割安です。
逆に、まだEasyを安定して解けない段階や、日本企業の選考が中心の場合は買う必要はありません。無料の3,276問とLeetCode 75・Top Interview 150だけで、面接頻出パターンは一通り練習できます。「Premiumを買えば受かる」ものではなく、限定問題を解く前に無料問題で手が動く状態になっていることが前提です。
LeetCodeで使えるプログラミング言語と面接向けの選び方
アルゴリズム問題で選べる言語は19種類です(Two Sumの言語選択肢で確認)。C++、Java、Python3、Python(2系)、JavaScript、TypeScript、C#、C、Go、Kotlin、Swift、Rust、Ruby、PHP、Dart、Scala、Elixir、Erlang、Racketが並びます。公式ヘルプの環境一覧(2026年3月2日更新)では、Python3が3.14、Javaが25、C++がclang 19(C++23)、JavaScriptがNode.js 22.14.0です。Database問題はMySQL・MS SQL Server・PostgreSQL・Oracleの4方言、pandas問題はPython、Shell問題はBashです。
面接対策なら、本番の面接で使う予定の言語で解くのが原則です。そのうえで迷うならPython3を選びます。辞書・集合・ソートが標準で揃っていて記述量が少なく、面接の制限時間内に書き切りやすいためです。「Python」と「Python3」は別の選択肢で、前者は2系なので選び間違えないようにします。実行時間の順位だけを目標にせず、解法の計算量とコードの正しさを説明できることを優先します。評価項目や使用可能な言語は、応募先の案内で確認してください。
LeetCodeの勉強法:Study Planの順番と解けないときの手順
公式Study Planの問題数と使い分け
| Study Plan | 問題数 | 公式の想定期間・対象 |
|---|---|---|
| LeetCode 75 | 75 | 準備期間1〜3か月 |
| Top Interview 150 | 150 | 準備期間3か月以上 |
| SQL 50 | 50 | SQLの基礎〜中級・1か月 |
| 30 Days of JavaScript | 35(30日分+追加5問) | JavaScriptの言語仕様 |
| Introduction to Pandas | 15 | pandasの基本操作 |
いずれも無料プランで取り組めます(一覧はLeetCode公式のStudy Planページ)。面接まで3か月を切っているならLeetCode 75、それ以上あるならLeetCode 75の後にTop Interview 150へ進みます。LeetCode 75は配列・文字列(9問)から始まり、二分探索、動的計画法(1次元4問・多次元4問)、グラフのDFS・BFSまでを分野ごとに並べています。4,060問から自分で選ぶより、この順番をそのまま辿る方が分野の抜けが出ません。
LeetCodeで解けない問題への対処:30分を目安にした解説確認と復習
1問に何時間もかけるのは効率が悪いので、次の順で打ち切ります。
- 15分考えて方針が立たなければ、問題ページの「Hint」と「Topics」タグを見る
- 30分で解けなければ「Editorial」(公式解説)か「Solutions」(ユーザー投稿の解法)を読む
- 解説を閉じて自分で書き直し、提出して通るまでやる
- 数日後に同じ問題を白紙から解き直す
4つ目の解き直しを省くと、解説を読んで分かった気になっただけで終わります。LeetCodeはパターン(二つのポインタ、スライディングウィンドウ、二分探索など)の反復練習の場なので、解けた数より「同じパターンを見て手が動くか」で進み具合を測ります。探索や再帰の基礎が不安なら、二分探索と線形探索の実装と計算量やフィボナッチ数列の再帰とメモ化で先に計算量の考え方を押さえておくとMediumに入ったときに詰まりにくくなります。
LeetCodeのコンテストとDaily Question:開催日時と習慣化の仕組み
Weekly・Biweekly Contestの日本時間と形式
コンテストは毎週のWeekly Contestと隔週のBiweekly Contestの2種類です。公式APIで直近回の開始時刻を確認すると、Weekly Contest 521は2026年9月27日(日)11時30分、Biweekly Contest 192は9月26日(土)23時30分(いずれも日本時間)の開始で、制限時間はどちらも90分でした。各回4問で、成績に応じてコンテストレーティングが上下します。
日曜午前のWeeklyは日本から参加しやすい時間帯です。面接は時間制限の中で解く場なので、普段の練習では身につかない「40分で1問を書き切る」感覚を試すのにコンテストは向いています。
Daily Questionのリセット時刻とLeetCoins
毎日1問が指定されるDaily Questionは、UTCの0時(日本時間の午前9時)に切り替わります。日本時間の午前0時を過ぎても同じ問題に取り組めますが、翌朝9時を過ぎると次の問題へ切り替わります。解くと連続日数(ストリーク)が伸び、Premium限定でない日次問題1問につき10 LeetCoinsが貯まります。月の全問を解くと月間バッジがもらえます。解き忘れた日は、Time Travel Ticketを使って同じ暦年のうちに埋め合わせることができ、使えるのは月3枚までです。
LeetCodeとAtCoderの違い:出題形式・言語・評価のされ方
| 項目 | LeetCode | AtCoder |
|---|---|---|
| 主な用途 | 英語圏の面接対策 | 競技プログラミング |
| 解答形式 | 関数を完成させる | 標準入出力を自分で書く |
| 問題文の言語 | 英語 | 日本語と英語 |
| 料金 | 無料+Premium | 無料 |
| 実力の示し方 | 解いた問題の傾向 | レーティングの色 |
外資系や海外企業のコーディング面接を受けるならLeetCodeが本命です。出題の形式も、企業別の傾向を調べる手段もLeetCodeに集まっています。日本企業の選考でアルゴリズム力を示したい、日本語の解説で学びたいという場合はAtCoderの方が向いています。AtCoderはレーティングの色で実力を示せるのに対し、LeetCodeは解いた問題の傾向やコンテストレーティングで示すことになります。
コーディング面接とLeetCodeの限界:生成AI時代の対策の変化
オンライン面接でのAI不正と対面面接への回帰
2025年3月のCNBCの報道によると、米コロンビア大学の学生だったChungin(Roy)Lee氏は、画面上の問題をAIに解かせる自作ツールでオンラインのコーディング面接を通過し、Amazon・Meta・TikTokからインターンの内定を得たと公言しました。同氏はそのツールを「Interview Coder」として事業化したと報じられています。同じ記事は、GoogleのSundar Pichai CEOが2025年2月の社内タウンホールで、採用担当者に対面面接へ戻すことを検討するよう提案したと伝えています。
ここから言えるのは、LeetCodeの問題の答えを暗記しても、面接で評価される部分は伸びないということです。ホワイトボード形式や補助ツールを使えない面接に備え、補完やAIに頼らず、方針を口で説明しながら書く練習も行います。練習の段階から、書く前に「入力の上限が10^5だからO(n log n)以内」のように計算量を声に出して決める習慣をつけておくと、形式が変わっても通用します。
LeetCodeで身につかない実務スキル
LeetCodeが鍛えるのは、制約の明確な小さな問題を速く正確に解く力です。既存コードを読んで直す、要件の曖昧さを詰める、テストや設計を考えるといった実務の比重が大きい力は、ほとんど鍛えられません。そのため、LeetCodeだけに時間を注ぐのは得策ではありません。面接でアルゴリズム問題が出ると分かっているときに集中して使い、それ以外の時期は実際に何かを作る時間に回すのが釣り合いの取れた配分です。
よくある質問
LeetCodeは無料で使えますか?
使えます。2026年9月時点の4,060問のうち3,276問は無料プランで提出・判定まで行えます。Premiumが必要なのは784問の限定問題と、企業別の出題タグなどの追加機能です。
LeetCode Premiumの料金はいくらですか?
2026年9月27日時点で、米国向けの価格は月額35ドル、年額159ドルです。年額は月あたり約13.25ドルになります。地域によって表示価格が異なる場合があるので、購入前に公式の料金ページで確認してください。
LeetCodeは日本語で使えますか?
画面も問題文も英語で、日本語表示はありません。問題文はブラウザの翻訳で大意をつかみ、入出力例と制約(Constraints)は原文で確認するのが実用的な読み方です。
LeetCodeは初心者でも使えますか?
変数・ループ・条件分岐・配列を使ったプログラムが書けるなら、Easyの966問から始められます。それらがまだ書けない段階では、Easyでも手が止まります。先にFizzBuzz問題程度を自力で書けるようにしてから始めると挫折しにくくなります。
LeetCodeとAtCoderはどちらから始めればよいですか?
英語での面接を受ける予定があるならLeetCode、日本語で基礎から学びたいならAtCoderから始めます。どちらも無料で始められるので、LeetCodeのEasyとAtCoderのA・B問題を数問ずつ解いて、続けやすい方を選ぶ方法もあります。