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PaaSの例|主要サービス一覧と無料枠・提供状況で選ぶ【2026年10月時点】

PaaSの例|主要サービス一覧と無料枠・提供状況で選ぶ【2026年10月時点】

PaaSの例を探している人が知りたいのは、定義よりも「どのサービスが該当し、無料でどこまで動き、今から選んで大丈夫か」です。この記事では、Google Cloud・AWS・Microsoft Azure・独立系・国内のPaaSを提供事業者別に一覧にし、無料枠の止まり方(スリープやCPU時間の上限)、2026年までに起きた提供終了・改称、kintoneなどaPaaSの料金まで、2026年10月1日時点の公式情報で比較します。

まとめ:PaaSの代表例と2026年の選び方

PaaSの代表例は、Google CloudのApp EngineとCloud Run、AWSのElastic BeanstalkとECS Express Mode、AzureのApp ServiceとContainer Apps、独立系のHerokuとRender、国内のさくらのAppRunです。選び方の結論は次の3点です。

  • 新規でAWSのコンテナ公開基盤を選ぶなら、App RunnerではなくECS Express Mode。App Runnerは2026年4月30日に新規顧客の受付を終えています。
  • 無料枠で試すならCloud RunかContainer Apps。どちらも毎月200万リクエストの無料枠があり、CPU・メモリは別枠で計量され、超えた分は止まらずに従量課金へ移ります。
  • Azure App ServiceのF1とRenderのFreeは検証専用。F1はCPUが1日60分、Renderは15分無通信でスリープするため、本番には向きません。

業務アプリを画面設定で作るaPaaSなら、kintoneライトが1ユーザー月額1,000円(税抜)、最低10ユーザーで月額10,000円から始められます。以下、事業者別の一覧から順に根拠を示します。

PaaSの例を見分ける基準|IaaS・SaaSとの境界

あるサービスがPaaSかどうかは、アプリの実行基盤をどこまで事業者が管理するかで判断します。ただし、利用者が持ち込むコンテナ内のOSパッケージやランタイムの更新は、原則として利用者の責任です。仮想サーバーを借りてOSから自分で管理するのがIaaS、完成したアプリを使うだけなのがSaaSです。

区分 利用者が渡すもの OS更新 代表例
IaaS OSから上すべて 利用者 Amazon EC2、Compute Engine、Azure VM
PaaS コードまたはコンテナ 事業者 App Engine、Cloud Run、App Service
SaaS 設定とデータ 事業者 Microsoft 365、Salesforce Sales Cloud

混同が多いのはAmazon EC2で、これはIaaSです。同じAWSでも、コードを渡すとEC2やロードバランサーを自動で組むElastic BeanstalkがPaaSにあたります。PaaSでもアプリのコード、データ、アクセス権限の設定は利用者の責任として残ります。定義と仕組みはPaaSの仕組みと採用判断の解説、3モデルの管理範囲の違いはIaaS・PaaS・SaaSの比較表で詳しく扱っています。

主要PaaSの一覧|提供事業者別の代表例

同じPaaSでも、ソースコードを渡す従来型と、コンテナを渡すサーバーレス型に分かれます。2026年10月時点の主要サービスを一覧にすると次の通りです。

サービス 提供元 渡すもの 無料枠 状況
App Engine Google Cloud コード F1 28時間/日 提供中
Cloud Run Google Cloud コンテナ・コード 200万req/月 提供中
Cloud Run functions Google Cloud 関数 – 2024年改称
Elastic Beanstalk AWS コード 本体は無料 提供中
ECS Express Mode AWS コンテナ 本体は無料 2025年11月開始
App Runner AWS コンテナ・コード なし 新規受付終了
App Service Microsoft Azure コード・コンテナ F1プラン 提供中
Container Apps Microsoft Azure コンテナ 200万req/月 提供中
Heroku Salesforce コード なし(Eco $5〜) 保守中心へ移行
Render Render コード・コンテナ 750時間/月 提供中
さくらのAppRun さくらインターネット コンテナ なし(5円/時〜) 2025年12月正式

無料枠と単価は契約前に各社の料金ページで確認してください。Cloud Runでは、リクエスト・CPU・メモリに加え、通信やCloud Build、Artifact Registryなどの料金も別途確認が必要です。以下、事業者ごとに使い分けを整理します。

Google CloudのPaaS例|App Engine・Cloud Run・Cloud Run functions

App Engineは、app.yamlとコードを置いたディレクトリをgcloud app deployで送るだけで公開できる老舗のPaaSです。無料枠はスタンダード環境に限られ、F1インスタンスで1日28時間、B1インスタンスで1日9時間です。Cloud Runはコンテナを受け取るサーバーレス型で、リクエストベース課金なら毎月200万リクエスト、180,000 vCPU秒、360,000 GiB秒まで無料。ソースを渡した場合もDockerfileがあればそれで、無ければGoogle Cloudのbuildpacksが言語を判別してビルドします。

関数単位で動かすCloud Functionsは、2024年8月21日にCloud Run functionsへ改称されました。新規なら「コンテナにできるならCloud Run、app.yamlで完結する小さなWebアプリならApp Engine」と分ければ迷いません。Cloud Runの料金や制約はCloud Runの仕組み・料金の解説、改称の経緯はCloud Run functionsへの改称と採用判断にまとめています。

AWSのPaaS例|Elastic Beanstalk・ECS Express Mode・Lambda

Elastic Beanstalkは、Docker、Go、Java SE、Tomcat、.NET、Node.js、PHP、Python、Rubyのアプリを受け取り、EC2やロードバランサーを自動構成します。Beanstalk自体に追加料金はなく、作られたEC2などの料金だけを払います。詳しくはElastic Beanstalkの対応プラットフォームと料金を参照してください。

AWSのPaaSとして提供されてきたApp Runnerは、2026年4月30日に新規顧客の受付を終えました。既存顧客のサービスは動き続けますが、AWSは新機能を入れない方針で、移行先にAmazon ECS Express Modeを推奨しています。ECS Express Modeは2025年11月に提供が始まり、追加料金なしでFargate・ロードバランサー・オートスケールを1回の操作で用意します。ただしコンテナイメージが前提なので、ソースからデプロイしていたApp Runnerのサービスには、Dockerfileやbuildpacksなどでイメージを作成する工程が必要です。経緯はApp Runnerの新規受付停止と移行先、移行先の使い方はECS Express Modeの使い方と料金で解説しています。関数実行のLambdaは常時無料枠が毎月100万リクエストと400,000 GB秒です。

AzureのPaaS例|App Service・Container Apps・Functions

AzureでWebアプリやAPIの公開に使える代表的なPaaSがApp Serviceです。コードかコンテナで受け取り、無料のF1プランから始められます。ただしF1はCPUが1日60分、ストレージ1GBで、独自ドメインは設定できずazurewebsites.netのサブドメインのみ、SLAもありません。独自ドメインはWindowsのShared(D1)から設定できますが、独自ドメインでのTLS対応やLinuxでの利用にはBasic(B1)以上が必要です。価格レベルとデプロイスロットはApp Serviceの価格レベルとデプロイ手順にまとめています。

Container Appsはコンテナ向けのサーバーレス型で、従量課金プランならサブスクリプションごとに毎月180,000 vCPU秒、360,000 GiB秒、200万HTTPリクエストが無料です。Cloud Runとほぼ同じ枠なので、Azure上でコンテナを手軽に公開する第一候補になります(Container AppsとApp Service・AKSの違い)。関数実行はAzure Functions、データベースならAzure SQL DatabaseやCosmos DBもPaaSの例に含まれます。AKSはKubernetesの制御プレーンを任せるサービスで、ノードの管理は利用者に残る点でPaaSより一段IaaS寄りです。

独立系・国内のPaaS例|Heroku・Render・Railway・さくらのAppRun

Herokuはgit push heroku mainでデプロイできる手軽さで広まったSalesforce傘下のPaaSです。無料プランは2022年11月28日に終わり、現在はEco dynoが月5ドルでアカウント合計1,000時間(30分アクセスが無いとスリープ)、常時稼働のBasic dynoは1基あたり月額最大7ドルです。2026年2月6日には安定性とセキュリティを重視するsustaining engineeringへの移行を発表し、新規顧客へのEnterprise Account契約の提供をやめました(Herokuの料金プランと2026年の提供方針)。

Herokuの代替として選ばれるのがRenderとRailwayです。RenderはFreeのWebサービスを持ち、Railwayは使ったCPUとメモリの量で課金します(Railwayのデプロイ手順と料金の実額)。フロントエンドとNext.jsに特化したものではVercelもPaaSの例です(Vercelの仕組みと料金)。国内では、さくらインターネットのAppRun共用型が2025年12月9日に正式サービスになりました。0.5vCPU・1GiBで1時間5円(税込)からの従量課金で、無料枠はありません。データを国内事業者の基盤に置きたい場合の選択肢です(AppRunの共用型と専有型の違い)。

aPaaS(ローコード型PaaS)の例と料金比較

aPaaSは、業務アプリを画面設定中心で作るPaaSの一種です。コードを書いて動かす一般的なPaaSと違い、フォーム・一覧・承認フローを部品の組み合わせで作ります。業務アプリの作成基盤として比較できる代表的なサービスの公開価格は次の通りです。

サービス 1ユーザー月額(税抜) 最低ユーザー数
kintone ライト 1,000円 10
kintone スタンダード 1,800円 10
kintone ワイド 3,000円 1,000
Power Apps Premium 2,998円(年払い) –
Salesforce Platform Starter 3,000円(年契約) –
Salesforce Platform Plus 12,000円(年契約) –

10人規模ならkintoneスタンダードで月18,000円が下限です。Power Appsは2,000シート以上の契約で1ユーザー月額1,799円まで下がるため、Microsoft 365を全社で使う大企業ほど有利になります。顧客データがすでにSalesforceにあるならSalesforce Platformが連携の手間で勝ちます。ユーザー課金なので、100人ならkintoneスタンダードでも月18万円になります。利用者が多い業務では、従量課金のPaaSで作る開発費と5年総額で比べてください。選定基準はローコードツールの比較と選定基準で扱っています。

デプロイコマンドで比べるPaaSの例|「コードを渡すだけ」の中身

PaaSの違いは、公開までのコマンドを並べると具体的に見えます。以下は初期設定後に使う代表的なデプロイコマンドです。各CLIの導入・認証と対象アカウントの設定が前提で、App Engineではアプリの作成、Herokuではアプリの作成とherokuリモートの設定も必要です。Azureのmy-appは利用可能な一意の名前に置き換えてください。

# Google Cloud Run(Dockerfileが無ければbuildpacksでビルド)
gcloud run deploy my-app --source . --region asia-northeast1

# Google App Engine(app.yamlのあるディレクトリで実行)
gcloud app deploy

# Azure App Service(Free F1でプラン作成とデプロイを一度に)
az webapp up --sku F1 --name my-app

# AWS Elastic Beanstalk(初期設定のあと環境を作成)
eb init
eb create my-env

# Heroku(Gitリポジトリをそのまま送る)
git push heroku main

どれもサーバーの作成やOSの設定を書いていません。これがPaaSで「コードだけ渡す」の実体です。一方、ECS Express Modeはコンテナイメージをレジストリに置いてからaws ecs create-express-gateway-serviceで作る手順なので、ビルドの工程は利用者側に残ります。CIを持たない小さなチームなら、ソースから直接デプロイできるCloud Run・App Service・Herokuのほうが手数は少なくなります。

無料枠の制約比較|スリープ・CPU時間・カスタムドメイン

「無料で使えるPaaS」を比べるとき、見るべきは金額ではなく止まり方です。無料枠の上限に達したとき、またはアクセスが途切れたときの挙動は、サービスごとに大きく違います。

サービス 無料の範囲 止まり方・制約
Cloud Run 200万req・18万vCPU秒/月 0台まで縮退し、超過分は課金
Container Apps 200万req・18万vCPU秒/月 0台まで縮退し、超過分は課金
App Engine F1 28時間/日 スタンダード環境のみ
App Service F1 CPU 60分/日 独自ドメイン不可・SLAなし
Render Free ワークスペース合計750時間/月 15分無通信で休止・時間枠超過で翌月まで停止
Heroku Eco 有料 $5で1,000時間 30分無通信でスリープ

出典(2026年10月1日確認):Cloud Runの料金、Azure Container Appsの課金、App Engineの割り当て、App Serviceの制限、Render Free、Herokuの料金。

RenderのFreeは、HTTPリクエストもWebSocketのメッセージも15分届かないとスピンダウンし、次のアクセスで起き上がるまで約1分かかります。スピンダウンのたびにローカルファイルの変更も消え、無料のRender Postgresは作成から30日で失効します。App ServiceのF1も、CPUの1日60分を使い切った時点でその日のアプリが止まります。

F1とRender Freeは本番用途には勧めません。社外向けデモでは、CPU上限やスリープによる待機が要件に合うかを確認してください。初回応答時間に制約があるデモではRender Freeを避け、独自ドメインが必要な場合はApp Service F1を避けてください。無料で本番に近い形を作るなら、アクセスが無いときは0台まで縮退し、上限を超えても止まらずに課金へ移るCloud RunかContainer Appsが現実的です。課金を確実に止めたい検証用途では逆に、上限で止まるF1のほうが安全という見方もできます。

2024〜2026年の提供状況の変化|App Runner新規受付終了・Herokuの保守方針・Cloud Functionsの改称

PaaSは事業者の判断でサービスの位置づけが変わります。ここ2年で起きた主な変化は次の3つです。

日付 サービス 変化
2024年8月21日 Cloud Functions Cloud Run functionsへ改称
2026年2月6日 Heroku sustaining engineeringへ移行
2026年4月30日 AWS App Runner 新規顧客の受付を終了

出典(2026年10月1日確認):AWS App Runner availability change、An Update on Heroku、Cloud Run functions release notes。

3つの重さには差があります。Cloud Functionsの改称は名称の変更が中心で、提供が終わったわけではありません。Herokuは保守方針に沿う機能追加を続けると表明しています。2026年2月の発表では、既存・新規のクレジットカード払い利用について価格や利用方法を変更しないとしています。影響が大きいのはApp Runnerで、これまで使っていなかった利用者は新たに始められず、既存利用者にも新機能は来ません。2023〜2025年の記事でAWSのPaaS例としてApp Runnerを勧めているものは、2026年以降の新規案件には当てはまりません。

PaaSを選ぶときは、料金と機能に加えて「その事業者がそのサービスに投資を続けているか」を見てください。直近のリリースノートの更新頻度と、同じ事業者に後継サービスが出ていないかの2点で判断できます。コンテナで動かしておけば、App RunnerからECS Express Mode、Cloud RunからContainer Appsへの移行でもイメージを再利用できる場合がありますが、認証、環境変数、ネットワーク、データ接続、DNSなどの再設定と動作確認が必要です。

用途別のPaaSの選び方|PaaSを選ぶべきでない条件まで

迷ったら、既存の資産がどこにあるかで決めるのが最短です。

状況 第一候補
Dockerfileがある Cloud Run、Container Apps
Azure上でWebアプリやAPIをコードから公開 Azure App Service
AWSで新規にコンテナを公開 ECS Express Mode
AWSでコードのまま公開 Elastic Beanstalk
国内事業者の基盤に置きたい さくらのAppRun
業務アプリを画面設定で作る kintone、Power Apps

PaaSを選ぶべきでないのは、OSのカーネルパラメータ変更や独自の常駐エージェントの導入が必須の場合と、事業者管理のランタイムをサポート期間を超えて固定する必要がある場合です。持ち込みコンテナ内のミドルウェアは版を固定できる場合もありますが、その更新と脆弱性対応は利用者が担います。この条件に当たるなら、PaaSの制約を回避する作り込みに工数を取られるので、最初からIaaSかマネージドKubernetesを選んでください。3大クラウドの全体比較はAWS・Azure・Google Cloudの違いの比較が参考になります。

よくある質問

PaaSの代表的なサービスの例は何ですか?

Google CloudのApp EngineとCloud Run、AWSのElastic BeanstalkとECS Express Mode、Microsoft AzureのApp ServiceとContainer Appsが代表例です。独立系ではHerokuとRender、国内ではさくらのAppRunが挙がります。共通点は、アプリの実行基盤の管理を事業者に任せられることです。ただし、持ち込みコンテナ内のランタイムや依存ライブラリの更新は原則として利用者が担います。

AWSのEC2はPaaSですか?

いいえ、EC2は仮想サーバーを貸すIaaSです。OSのパッチ適用やミドルウェアの管理は利用者が行います。AWSでPaaSにあたるのは、コードを渡すとEC2などを自動構成するElastic Beanstalkや、コンテナを渡すECS Express Modeです。App Runnerも該当しますが、2026年4月30日から新規顧客は使えません。

AzureのPaaSサービスには何がありますか?

WebアプリとAPI向けのApp Service、コンテナ向けのContainer Apps、関数実行のAzure Functions、データベースのAzure SQL DatabaseとCosmos DBが代表例です。App Serviceは無料のF1プランから試せますが、CPUは1日60分までで独自ドメインは使えません。AKSはノード管理が利用者に残るため、PaaSより一段IaaS寄りです。

AWS App Runnerは今から使えますか?

新規顧客は使えません。AWSは2026年4月30日にApp Runnerの新規受付を終え、既存顧客のサービスは動き続けるものの新機能は追加しないとしています。これからAWSでコンテナを公開するなら、AWSが移行先として推奨するECS Express Modeを選んでください。Express Mode自体は追加料金なしで、作られたFargateなどの料金だけがかかります。

無料で使えるPaaSはありますか?

あります。Cloud RunとAzure Container Appsには毎月200万リクエストの無料枠がありますが、CPU・メモリなどの使用量によって別途料金が発生します。App EngineはF1で1日28時間まで、Azure App ServiceはF1プラン、Renderは月750時間のFreeプランがあります。ただしRenderは15分無通信でスリープし、F1はCPUが1日60分で止まるため、本番には向きません。Herokuは2022年11月28日に無料プランを終えています。

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