業務システム

TwilioとSalesforceの連携方法|5方式の選び方と問い合わせ履歴を自動で残す実装

なぜSalesforceを導入する必要があるのか

TwilioとSalesforceをつなぐ主な構成は、Twilioが連携用に提供する3つのパッケージ・統合と、ConversationRelayやApexで自前に組む2つの、計5方式に整理できます(本記事による分類です)。どれを選ぶかで、扱えるチャネルと問い合わせ履歴が残る場所が変わります。この記事では、2026年9月にTwilioが追加したSMS・WhatsAppのSalesforce Omni-Channel連携を含めて5方式を一次情報で切り分け、Twilio Conversational AI(ConversationRelay)で受けた会話をSalesforceへ自動で残す実装まで具体的に示します。

まとめ

SMSを営業担当が送るだけなら管理パッケージ「Twilio for Salesforce」(1シート月額15ドル)、音声・Webチャット・SMS・WhatsAppをFlexの画面ごとSalesforceに載せるならTwilio Flex CTI connector、Salesforce標準の通話レコードとMessaging Sessionに履歴を残すならSalesforce Partner Contact Center(Salesforce側の名称はSalesforce Voice with Partner Telephony)を選びます。AIに一次応対させるならConversationRelayの自前実装、既存の業務処理からSMSを1通送るだけならApexからMessages APIを直接呼ぶのが最短です。

選定で先に効くのは規制要件です。Partner Contact Center連携はHIPAA適格でもPCI準拠でもないと明記されており、HIPAAやPCIの適用対象となる業務(米国の医療情報やカード会員データを扱うワークフロー)には使えません。ConversationRelayはBAA締結などの条件付きで両方に載せられます。また方式2が依存するSalesforce Open CTIは2028年2月28日に廃止予定で、2022年前後の記事が前提にしていたTwilio Frontlineは2026年9月30日に提供を終了しました。

連携方式の選び方|チャネルと履歴の保存先で決まる5方式

判断の軸は2つです。扱うチャネル(SMSだけか、音声もか、WhatsAppもか)と、問い合わせ履歴をSalesforceのどのレコードに置きたいか。この2点で候補を2〜3方式に絞り、残りはSalesforceのエディション、規制要件、開発体制で決めます。

比較軸 1 管理パッケージ 2 Flex CTI 3 Partner Contact Center 4 ConversationRelay 5 Apex自前連携
チャネル SMS 音声・チャット・SMS・WhatsApp 音声+SMS・WhatsApp 音声(AI応対) APIで扱える全て
履歴の置き場所 パッケージのメッセージ 活動ログ 通話レコード・Messaging Session 自前で設計 自前で設計
Salesforce UI Lightning・Classic(Visualforce) Classic・Lightning Lightning UI非依存 UI非依存
主な費用 15ドル/シート/月+通信費 Flex+通信費 Salesforceアドオン+Flex+通信費 通信費+AI従量 通信費+開発工数
提供期限 記載なし Open CTI廃止の2028年2月28日まで 記載なし 記載なし なし
HIPAA・PCI docsに記載なし docsに記載なし 非対応と明記 条件付きで対応 構成次第

見落としやすいのは「提供期限」と「Salesforce UI」の行です。Classicのまま運用している組織でも、方式1はVisualforceコンポーネントとして埋め込めます(SMS InboxはLightningのユーティリティバーが無いためVisualforceページでの表示)。ただし方式2は2028年2月28日のOpen CTI廃止で動かなくなるため、長く使う前提なら最初から外して考えてください。HIPAA・PCIの「記載なし」は非対応の明記ではなく、本記事が確認した公式ドキュメントに記述が無いという意味なので、規制業務に載せるならTwilioに個別確認してください。

方式1|Twilio for SalesforceでSMSを送受信する条件と費用

Twilio for SalesforceはAppExchangeで配布される管理パッケージで、1対1のSMS送信コンポーネント、受信箱にあたるSMS Inbox、一斉送信の3つを持ちます。料金は30日間の無料トライアルのあと「$15 / seat per month」で、SMSの通信料は別にかかります。

SMS専用・Enterprise/Unlimited限定という対応範囲

公式FAQは「Twilio for Salesforce supports only SMS and doesn’t support WhatsApp.」と明記し、対応エディションもEnterpriseとUnlimitedに限っています(EssentialとProfessionalは非対応)。WhatsAppを送りたい、あるいはProfessional Editionのまま使いたい場合、この方式は候補から外れます。

ライセンスが要るユーザーとFlowの実行ユーザー

シートライセンスが要るのはパッケージの機能を使うユーザーだけです。ただし自動送信では数え方が変わります。FAQによると、Lightningフローは既定でユーザーモードで動くため、フローを起動する全ユーザーにライセンスが必要です。「ケースを作った担当者全員がフロー経由でSMSを送る」設計にすると、送信担当でない人の分までシート費が発生します。

APIコール消費とPublic Betaのままの版

パッケージは送信1通につきAPIを1回呼び、加えて取引先責任者などのレコードを開いている間は15秒ごと、組織全体では15分ごとに新着を取りに行きます。ベータ期間に入手した無制限版はこの呼び出しが自組織のAPI上限に算入され、セキュリティレビューを通過したAppExchange版は「’Ohana’ status」で算入されません。日次上限に余裕が無い組織では、どちらの版かが採否を分けます。

ドキュメントのトップは現在もPublic Betaと表示し、「Beta products are not covered by a Twilio SLA.」としています。変更履歴の最新はバージョン4.159.2(2026年5月にAppExchangeセキュリティレビュー承認)で、全DML操作にCRUDと項目レベルセキュリティを強制する修正が入りました。サポートは最新版だけが対象です。古い解説にあるProcess Builderでの自動送信は、バージョン4.154で「Migrated all workflow & processbuilders to flow」とフローへ移されました。Salesforce自体もProcess Builderとワークフロールールのサポートを2025年12月31日に終えているので、新規の設計はフローで組み、送信にはパッケージの「Twilio Send SMS Message」アクションを使います。

方式2|Twilio Flex CTI connectorでFlexの画面をSalesforceに載せる構成

「twilio cti」で探している構成がこれです。コンタクトセンター基盤のTwilio FlexをSalesforceの画面に埋め込み、音声、Webチャット、SMS、WhatsAppを1画面で受けます。既定の機能はクリック発信、着信時のレコード表示(screen pop)と検索、コンテキスト切り替え、活動履歴の記録、SSOです。公式ガイドは「Both Salesforce Classic and Lightning Experience integrations are supported.」とし、ClassicとLightningの両方に対応します。

新規導入で最初に確認すべきは期限です。同じガイドの冒頭は「Salesforce Open CTI is scheduled for retirement on February 28, 2028.」とし、Open CTIを使う実装はFlex連携も含めてその日以降動かなくなると明記しています。移行先は担当営業に相談するよう案内されているだけなので、これから組むなら方式3を先に検討し、方式2を選ぶ場合は2028年2月までの移行計画を最初から予算に入れてください。

履歴はSalesforceの活動ログとして残り、通話レコードに文字起こしを紐づける設計ではありません。発信時は該当の電話番号のレコードを先に開いてから発信しないと活動ログが正しいレコードに紐づかない、と公式が注意しているので、オペレーターの操作手順にこの順序を入れてください。CTIそのものの仕組みはCTIとは?電話とシステムを連携する仕組みと機能・CRM連携の前提を解説で扱っています。

方式3|Salesforce Partner Contact CenterでTwilioを電話・メッセージ基盤にする構成

電話とメッセージの応対をSalesforce標準の画面で完結させ、通話レコードやMessaging Sessionとして履歴を残す構成です。名称が資料ごとに違うので固定しておきます。Twilioのセットアップガイドは2026年10月8日の更新で表記を「Salesforce Partner Contact Center」に改め、Salesforce側の開発者ガイドは「Salesforce Voice with Partner Telephony」(旧Service Cloud Voice for Partner Telephony)を使っています。

SSO・Flexアカウントという前提条件

前提はFlexアカウントと、SalesforceおよびFlexの双方へのシングルサインオン(SalesforceかOkta、またはSAML 2.0対応のIdP)です。IdPの用意が無い組織はここが最初の待ち行列になります。機能はTaskRouterでの着信振り分け、クリック発信、Studioで組むIVR、Conversation Intelligence(classic)によるリアルタイム文字起こし、通話録音の再生、スーパーバイザーのモニタと割り込み、外部番号への転送です。通話の文字起こしはTwilio ConsoleのConversation Intelligence(classic)のTranscriptsに入り、Language Operatorsなどで分析したい場合は、ガイドが指定する固有名「scv-intelligence-service」でIntelligence Serviceを作ります。

BYOC CCaaSパッケージによるSMS・WhatsAppの追加

Twilioは2026年9月17日の変更履歴でこの統合が「now supports WhatsApp and SMS, alongside existing support for Voice」になったと告知し、BYOC CCaaSのセットアップガイドにSalesforce Messagingのチャネルとして載せる手順を置いています。「Twilio BYOC CCaaS」管理パッケージを入れると、Messaging設定の「Bring Your Own Channel」にTwilioのSMSとWhatsAppが現れ、会話はTaskRouterで振り分けられてエージェントのOmni-Channelウィジェットに届きます。音声とメッセージは同じプレゼンス・スキル・キャパシティの仕組みで同時に扱えます。これまで「音声はSalesforceの通話レコード、SMSは管理パッケージ側」と分かれていた履歴を、Salesforce標準のオブジェクトに寄せられるのが最大の変化です。

条件は3つあります。Salesforce側の開発者ガイドが求めるDigital Engagement SKUとPartner Messagingアドオンのライセンス、1ユーザーが同時に所属できるコンタクトセンターは1つという制約、そしてメッセージの転送がTwilio Console側で既定オフになっている点です。既存のコールセンター設定にユーザーが入ったままだと所属を外す作業が先に要ります。

HIPAA・PCIの対象業務では使えない除外規定

ガイドの冒頭は「Twilio for Salesforce Partner Contact Center is not a HIPAA Eligible Service or PCI compliant」と述べ、HIPAAやPCIの対象ワークフローで使うべきでないとしています。米国のPCI DSSの対象となるカード会員データを通話で受ける受付や、HIPAAの対象となる医療情報を扱う窓口ではこの方式を採れません。方式4へ切り替えるか、決済を通話の外へ出す業務設計が要ります。

Salesforce側とTwilio側に分かれる費用

費用はSalesforceのVoiceアドオン(SMS・WhatsAppも載せるならDigital Engagement系のアドオン)と、Twilio側のFlex利用料・電話番号の月額・通話とメッセージの従量課金の合算です。Salesforceのライセンス価格は改定があるため見積書で確認してください。Twilio側の単価はFlex、Voice、Messagingの公式料金ページで個別に確認します。認証用のVerifyは別体系の課金で、その違いはTwilio Verifyとは|SMS・音声認証の実装手順と日本向け料金で整理しています。

方式4|ConversationRelayでAI応対を組む構成

「Twilio Conversational AIをSalesforceにつなぐ」で実際に使う部品がConversationRelayです。TwiMLのConnect動詞の配下に置き、音声認識・音声合成・セッション管理をTwilioに任せて、対話の判断だけを自前のWebSocketサーバーで処理します。

<Response>
  <Connect>
    <ConversationRelay url="wss://relay.example.co.jp/voice" language="ja-JP" />
  </Connect>
</Response>

接続先はwss:のWebSocketです。TwiMLリファレンスの既定値は言語がen-US、音声合成がElevenLabs、音声認識がDeepgram(それ以前から使っているアカウントはGoogle)なので、日本語で応対するにはlanguage(またはttsLanguageとtranscriptionLanguage)でja-JPを指定します。選べる音声合成はGoogle・Amazon・ElevenLabs、音声認識はGoogle・Deepgramで、自動言語判定(multi)を使うと音声認識はDeepgram、音声合成はElevenLabsに固定されます。

規制要件ではこの方式が有利です。リファレンスは「Conversation Relay is a HIPAA Eligible Service when configured properly」とし、HIPAA用途ではTwilioとのBAA締結を求めています。PCIは「not all providers are guaranteed to be PCI compliant」とされ、プロバイダの選定とwelcomeGreetingなどにカード情報を載せない設計が前提です。条件付きでも両方に載せられる点が方式3との分かれ目になります。音声をAIへ渡す他の経路との比較はTwilio APIで音声をAIに渡す4ルート|選定基準と日本語の制約を参照してください。

方式5|ApexからTwilio APIを直接呼ぶ自前連携

「商談が受注になったら顧客にSMSを1通送る」程度なら、パッケージを入れずにApexからMessages APIを呼ぶ構成が候補になります。シート費がかからない代わりに、受信の取り込みと履歴の保存は自分で作り、保守も自社で持ちます。社内にApexを保守できる体制があるときだけ選んでください。対象はEnterprise以上で、Professional EditionはカスタムApexを動かせない(AppExchangeのセキュリティレビューを通った管理パッケージのApexは除く)ため、この方式は使えません。

指定ログイン情報でMessages APIを呼ぶApexコード

送信先はMessage resourceの「POST https://api.twilio.com/2010-04-01/Accounts/{AccountSid}/Messages.json」で、本文はフォーム形式です。必須はToで、送信元はFromかMessagingServiceSidのどちらかを渡します。TwilioのAPIはHTTP Basic認証で、ユーザー名にAPIキーのSID、パスワードにAPIキーのシークレットを使います。これを外部ログイン情報(External Credential)に持たせ、https://api.twilio.com を指す指定ログイン情報(Named Credential)「Twilio_API」に紐づけ、実行ユーザーに外部ログイン情報のプリンシパルへのアクセス権を付与しておけば、コードに秘密を書かずに済みます。フローから呼べるようにInvocableMethodにしておくと、管理者がフロービルダーで送信条件を組めます。

public with sharing class TwilioSmsAction {
    public class TwilioException extends Exception {}

    public class Request {
        @InvocableVariable(required=true) public String toNumber;   // E.164形式 例: +819012345678
        @InvocableVariable(required=true) public String body;
    }

    @InvocableMethod(label='Twilio SMSを送信' callout=true)
    public static void send(List<Request> requests) {
        for (Request r : requests) {
            HttpRequest req = new HttpRequest();
            // Twilio_API = https://api.twilio.com を指す指定ログイン情報
            req.setEndpoint('callout:Twilio_API/2010-04-01/Accounts/ACxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx/Messages.json');
            req.setMethod('POST');
            req.setHeader('Content-Type', 'application/x-www-form-urlencoded');
            req.setBody('To=' + EncodingUtil.urlEncode(r.toNumber, 'UTF-8')
                + '&MessagingServiceSid=MGxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx'
                + '&Body=' + EncodingUtil.urlEncode(r.body, 'UTF-8'));
            HttpResponse res = new Http().send(req);
            if (res.getStatusCode() != 201) {
                throw new TwilioException(res.getStatusCode() + ' ' + res.getBody());
            }
        }
    }
}

Twilioは送信を受け付けると201を返すため、それ以外を例外にしています。201は配信完了ではないので、問い合わせ履歴に残すならレスポンスのMessage SID(SMで始まる識別子)を活動などに保存し、StatusCallbackで届くdeliveredやundeliveredで状態を更新します。1トランザクションのコールアウト数には上限があるので、一斉送信には向きません。レコードトリガーフローから呼ぶ場合は、保存処理と同じトランザクションでコールアウトできないため非同期パスに置きます。Bodyは最大1,600文字ですが、日本語(UCS-2)は1通70文字までで、超えると1セグメント67文字ずつに分割され、セグメント数ぶん課金されます。宣言的な設定とApexの線引きはSalesforce開発とは?宣言的な設定とApex・LWCの線引きとリリース管理で整理しています。

受信Webhookの署名検証とTwilio Functionsでの中継

受信側は判断が要ります。TwilioはX-Twilio-SignatureヘッダーでWebhookに署名し(Auth Tokenを鍵にしたHMAC-SHA1)、検証はSDKのライブラリを使うよう求め「Don’t implement your own signature validation.」とまで書いています。ApexにはTwilioの公式SDKが無いため、Salesforceのサイトに公開したApex RESTで直接受けると、この推奨に反して署名検証を自作することになります。

そこで、受信はTwilio Functionsを「Protected」で公開して受け、そこからSalesforceのAPIへ書き込む中継構成を勧めます。Protectedの関数は有効なX-Twilio-Signatureが付いたリクエストしか受け付けないので、検証をTwilio側に任せられます。受信の頻度が低く要件が「受信SMSからリードを作る」程度なら、ZapierやYoomなどのiPaaSのテンプレートでも足ります。Salesforceへの書き込みで消費するAPIコールの設計はSalesforceのシステム連携とは?API方式の選定とコール上限の設計を実装目線で解説を参照してください。Apexやフローの実装まで含めて外部に任せたい場合は、Salesforce導入支援サービス・Apex開発で相談を受けています。

問い合わせ履歴を自動で残す実装|文字起こしと通話レコードの紐づけ

「問い合わせ履歴を自動で残す」の中身は、通話中の文字起こしをSalesforceの通話レコードへ送り続ける処理です。Salesforceの開発者ガイドはこの用途にCreate Transcript API(1通話ずつ)とCreate Transcripts in Bulk API(まとめて送る)を用意しています。

Create Transcript APIのエンドポイントと必須項目

パスのvendorCallKeyがテレフォニー側の通話識別子で、通話レコードとの紐づけキーです。

POST https://{MyDomain}.my.salesforce-scrt.com/telephony/v1/voiceCalls/{vendorCallKey}/messages
Authorization: Bearer <JWT>
Content-Type: application/json
Telephony-Provider-Name: Twilio

{
  "participantId": "0055g00000ABCDEAAA",
  "messageId": "CA0f9d2e1b-0007",
  "startTime": 1760245200000,
  "endTime": 1760245204200,
  "content": "お問い合わせありがとうございます",
  "senderType": "HUMAN_AGENT"
}

必須ヘッダーは3つで、AuthorizationとContent-Typeに加えてカスタムヘッダーのTelephony-Provider-Nameを落とすとリクエストが通りません。必須ボディはparticipantId、messageId、startTime、endTime、content、senderTypeの6項目です。senderTypeがHUMAN_AGENTのとき、participantIdは005で始まる担当者のSalesforceユーザーID(15桁か18桁)を入れ、END_USERのときは「{vendorCallKey}END_USER」の形式にします。例の時刻とIDは固定値なので、試すときは実際の発話時刻(会話時間内)と実在するユーザーIDに差し替えてください。時刻はUnixエポックからのミリ秒(int64)、senderTypeはEND_USER、EXTERNAL_USER、HUMAN_AGENT、SUPERVISOR、VIRTUAL_AGENTの5値、messageIdは会話内で一意かつ1024バイト以内という制約があります。

転送通話のキーと画面表示の条件

転送された通話では、子通話ではなく親通話(parentVoiceCall)のvendorCallKeyを使うと明記されています。誤ると転送以降の発話が別レコードに散り、履歴が途中で切れます。画面に出すには、Lightningアプリケーションビルダーで通話レコードページにEnhanced Conversationコンポーネントを置きます。このコンポーネントはテレフォニー側が文字起こしに対応している場合だけ追加するものとされ、Twilio構成では方式3のConversation Intelligence(classic)がその役割です。送った内容は担当者の画面にリアルタイムに表示されますが、保存は非同期なので、画面に出たことを保存完了の確認には使えません。

ConversationRelayの会話をSalesforceへ残す2つの経路

ConversationRelayにはSalesforceへ書き戻す機能がありません。TwiMLリファレンスにSalesforce連携の記述は無く、逆にPartner Contact CenterのセットアップガイドにもConversationRelayは出てきません。両者を結ぶ公式手順が無い以上、保存は実装側の責務です。

経路は2つです。Twilioをパートナーテレフォニーとして構成し、WebSocketサーバーが受け取った発話をCreate Transcript APIへ送って通話レコードに紐づける方法(vendorCallKeyの払い出しとmessageIdの採番は自前設計)と、会話を自前のストアに持ち、通話終了後に要約と全文をSalesforceのケースや活動へAPIで書き込む方法です。応対中の画面連携が要るなら前者、AI応対だけで完結する窓口なら後者を選びます。後者は方式5の書き込み経路をそのまま使えます。

日本で導入するときの契約とSMSの制約

日本で最初の販売代理店だったKDDIウェブコミュニケーションズは2023年5月1日にTwilioの提供を終え、以降はソフトバンクが国内の取り扱いを2023年10月16日に始めています。Twilioと直接契約する場合、現行の利用規約では日本に所在する顧客の契約主体はTwilio Japan合同会社です。日本語の保守サポートや国内の販売店経由の商流を求めるなら、ソフトバンク経由も候補になります。両社の提供体制の比較はVonageとTwilio比較|CPaaS選定で見る料金・提供体制・SMS制約にあります。

SMSは配信経路で条件が変わります。Twilioの日本向けガイドラインでは、国際ゲートウェイは登録不要で英数字のSender IDも使え、国内ゲートウェイは営業経由の申し込みと登録が要り、Sender IDの承認まで5週間かかるとされています。本文に電話番号を書けない、KDDI宛てに5セグメントを超えると遅延しうる、といった制約もあるため、方式1・3・5のどれでSMSを送るにしても、文面テンプレートと立ち上げの日程に先に織り込んでください。

Frontline前提の旧手順からの移行|2026年9月30日で提供終了

古い連携手順の例に、2022年12月公開のTwilioブログ「Twilio Conversations for Salesforce」があります。そこで紹介されたパッケージは「This package is currently designed to work with Twilio Frontline.」と明記するFrontline前提の実装です。Frontlineは2023年2月9日に新規販売を止め、2026年9月30日に提供を終了しました。Twilioが移行先として最初に挙げるのはTwilio Flexで、Salesforce連携ならOpen CTIの期限がある方式2より方式3が受け皿になります。モバイル中心の用途にはSpokePhone、Quo(旧OpenPhone)、Fastcallのパートナー製品が挙げられています。

よくある質問

SalesforceからWhatsAppメッセージを送れますか?

方式によります。管理パッケージのTwilio for SalesforceはWhatsApp非対応です。Salesforce標準のMessagingで扱いたいなら、方式3のPartner Contact CenterにTwilio BYOC CCaaSパッケージを加えます(Digital EngagementとPartner Messagingアドオンのライセンスが必要)。Flexの画面で受けてよいなら方式2(Open CTI廃止の2028年2月28日まで)、送信だけならApexからMessages APIの宛先に「whatsapp:+81…」形式を指定する方式5でも送れます。

Twilio for Salesforceの料金はいくらですか?

30日間の無料トライアルのあと、1シートあたり月額15ドルで毎月末日に請求され、SMSの通信料は別にかかります。フローで自動送信する場合は、Lightningフローが既定で起動ユーザーの権限で動くため、フローを起動する全ユーザーにシートが要ります。非営利団体向けにはTwilio.orgの割引プログラムがあります。

Professional EditionのSalesforceでもTwilioと連携できますか?

管理パッケージのTwilio for Salesforceは使えません。公式FAQが対応をEnterpriseとUnlimitedに限り、EssentialとProfessionalは非対応と明記しています。Professional EditionはカスタムApexも動かせないため、方式5も対象外です。残る選択肢は、Twilio Functionsなど外部の処理からSalesforceのAPIへ書き込む構成ですが、Professional EditionのAPI利用可否は契約内容で確認が必要です。多くの場合は、エディションのアップグレード費用を含めて方式を比べることになります。

通話の文字起こしをSalesforceに自動保存するには何が必要ですか?

方式3のPartner Contact Center構成で、テレフォニー側からCreate Transcript APIへ発話を送ります。Twilio構成ではConversation Intelligence(classic)がリアルタイム文字起こしを担い、分析機能も使うならscv-intelligence-serviceという名前のIntelligence Serviceを作ります。Salesforce側は通話レコードページにEnhanced Conversationコンポーネントを置けば、担当者の画面にリアルタイムで表示されます。

ConversationRelayで応対した会話はSalesforceに自動保存されますか?

されません。ConversationRelayにSalesforceへの書き戻し機能は無く、Partner Contact Centerのガイド側にもConversationRelayの記述はありません。保存するには、WebSocketサーバーからCreate Transcript APIへ発話を送って通話レコードに紐づけるか、会話を自前で保持して通話終了後にケースや活動へAPIで書き込む実装が必要です。

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