介護・医療

処遇改善加算とは?令和8年6月からの6区分と配分計算・実績報告の実務を解説

処遇改善加算とは?令和8年6月からの6区分と配分計算・実績報告の実務を解説

令和8年度の介護職員等処遇改善加算は、4月・5月と6月以降で加算区分そのものが入れ替わります。6月からは加算ⅠとⅡが「イ」「ロ」に分かれ、区分は4つから6つへ。ロを取れるかどうかは、ケアプランデータ連携システムの利用など生産性向上・協働化の取り組みで決まります。この記事では厚生労働省の老発0313第6号通知と加算率表をもとに、サービス類型別の加算率、月額賃金改善要件と年額440万円要件の判定手順、令和9年7月31日の実績報告期限から逆算した証跡の作り方を、人事給与・勤怠システム側の設計要件として整理しました。障害福祉サービスとの差分も併せて扱います。

まとめ:令和8年度処遇改善加算の6区分と配分計算で先に決める事項

処遇改善加算は、職員の賃金改善に充てることを条件に、1月あたりの総単位数へサービス類型別の加算率を乗じて算定します。令和8年度は期中改定が入り、4月・5月は従来の4区分(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ)、6月以降は6区分(Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳ)という二段構えになりました。訪問介護なら6月以降のⅠロが28.7%、Ⅰイが27.0%で、この1.7ポイントの差が生産性向上・協働化の取り組みの有無で決まります。

法人本部の実務でつまずくのは、加算額の計算式そのものではありません。事業所ごとに区分が違い、類型ごとに率も違い、4月・5月分と6月以降分で表が変わる状態で、「誰にいくら配ったか」を法人横断で証明する集計のほうです。処遇改善計画書は法人単位で一括作成できますが、実績報告では事業所別・区分別の内訳を求められます。

先に決めるべきものは3つあります。加算Ⅰロ・Ⅱロを狙うか(令和8年度特例要件の3経路のどれで満たすか)。月額賃金改善要件を満たす配分方法。そして実績報告に使う証跡をどのシステムから出すか。令和8年度分の実績報告期限は令和9年7月31日で、根拠資料は2年間保存する必要があります。

一本化から令和8年度期中改定に至る経緯と対象職員・対象サービスの拡大範囲

処遇改善加算という名前は同じでも、中身は数年おきに作り替えられてきました。

3加算の一本化から期中改定に至る経緯と月1.0万円・0.7万円の賃上げ幅

平成24年度に介護職員処遇改善加算が創設され、令和元年10月に特定処遇改善加算、令和4年10月にベースアップ等支援加算が加わりました。この3本が令和6年6月に一本化されたのが現在の介護職員等処遇改善加算です。令和8年度はさらに、令和9年度改定を待たない期中改定が実施されました。

厚生労働省の老発0313第6号通知は、賃上げの規模を具体的な金額で示しています。介護従事者を対象に幅広く月1.0万円(3.3%)、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員にはさらに月0.7万円(2.4%)の上乗せ。定期昇給0.2万円を含めると、介護職員については最大で月1.9万円(6.3%)の賃上げが実現する計算です。この0.7万円が、後述する加算Ⅰロ・Ⅱロの原資にあたります。

介護職員から介護従事者への対象拡大で配分対象名簿に生じる変更点

令和8年度改定では、加算の対象が「介護職員のみ」から「介護従事者」へ広がりました。賃金改善の配分先を管理している事業者にとっては、名簿の作り直しが発生します。

通知は、賃金改善の対象となる賃金の範囲を基本給・手当・賞与等(退職手当を除く)とし、賃金改善に伴う法定福利費の事業主負担増加分を含めてよいとしています。職種間の配分は事業者の判断で柔軟に認められますが、無制限ではありません。一部の職員に集中させることや、同一法人内の一部の事業所だけに集中させることは、職務の内容や勤務の実態に見合わない著しく偏った配分として禁じられています。

令和8年4月・5月と6月以降で分かれる加算区分とサービス類型別加算率の実額

加算率の表は1枚ではありません。適用期間とサービス群で5つに分かれています。この構造を理解しないまま単年度の率だけを拾うと、4月・5月分の請求が合わなくなります。

4月・5月の4区分と6月以降の6区分に分かれる二段構えの適用関係

令和8年4月と5月は、令和7年度と同じⅠからⅣまでの4区分が続きます。6月以降は表が別紙1表1-2から1-5に切り替わり、加算Ⅰが「Ⅰイ」「Ⅰロ」に、加算Ⅱが「Ⅱイ」「Ⅱロ」に分割されて6区分になります。ⅢとⅣは分割されません。

算定の基礎になるのは、基本サービス費に処遇改善加算以外の加減算を加えた1月あたりの総単位数です。ここへ加算区分とサービス類型別の加算率を乗じる形です。区分支給限度基準額の算定対象からは除外されます。介護ソフト側では4月・5月と6月以降で率テーブルの切り替えが要り、国保連への請求データを生成する介護請求ソフトの改定対応時期が実務上の制約になります。

訪問介護28.7%から介護医療院6.2%まで開くサービス類型別の加算率

加算率はサービス類型ごとに大きく開きます。人件費比率の違いを反映しているためで、訪問系が高く、施設系・医療系が低い並びです。令和8年6月以降の主な類型を抜き出すと次のようになります。

サービス類型 Ⅰイ Ⅰロ Ⅱイ Ⅱロ Ⅲ Ⅳ
訪問介護 27.0% 28.7% 24.9% 26.6% 20.7% 17.0%
通所介護 11.1% 12.0% 10.9% 11.8% 9.9% 8.3%
認知症対応型共同生活介護 21.0% 22.8% 20.2% 22.0% 17.9% 14.9%
介護老人福祉施設 16.3% 17.6% 15.9% 17.2% 13.6% 11.3%
介護老人保健施設 9.0% 9.7% 8.6% 9.3% 6.9% 5.9%
介護医療院 6.2% 6.6% 5.8% 6.2% 4.7% 4.0%

訪問介護のⅠイとⅠロの差は1.7ポイント、介護医療院では0.4ポイントにとどまります。同じ「ロを取る」選択でも、原資の増え方は類型で4倍以上違うわけです。多機能型では小規模多機能型居宅介護がⅠイ17.1%・Ⅰロ18.6%、看護小規模多機能型居宅介護がⅠイ16.8%・Ⅰロ17.7%と、隣接する類型でも率が揃いません。

訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援に新設された加算率2.1%の位置づけ

令和8年4月・5月の時点では、訪問看護・訪問リハ・福祉用具貸与・特定福祉用具販売・居宅療養管理指導・居宅介護支援・介護予防支援が算定対象外です。このうち訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援・介護予防支援には、令和8年6月から加算が新設され、加算率は一律2.1%と定められました。

2.1%は訪問介護の10分の1以下ですが、これまで加算の枠外だった事業所が初めて計画書と実績報告書の提出義務を負う点の影響のほうが大きくなります。要件も他類型とは別建てで、令和8年度特例要件を満たすか、処遇改善加算Ⅳの取得に準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱと職場環境等要件)を満たすかのいずれかです。訪問看護ステーションでは医療保険と介護保険で請求経路が分かれる構造があるため、介護保険分の総単位数だけを抽出して加算額を出す集計が新たに要ります。

加算Ⅰロ・Ⅱロを分ける令和8年度特例要件とシステム導入で満たす3つの経路

令和8年度の改定でシステム部門が制度側の話に巻き込まれるのは、加算率の上乗せ分が生産性向上・協働化の取り組みと直結しているためです。

ケアプランデータ連携システム・生産性向上推進体制加算・連携推進法人の3択

令和8年度特例要件は、次の3つのいずれかを満たすことで成立します。

  • ケアプランデータ連携システム(厚生労働省が同等の機能とセキュリティを有すると認めたシステムを含む)を利用していること
  • 生産性向上推進体制加算ⅠまたはⅡを算定していること
  • 所属する法人が社会福祉連携推進法人に所属していること

どれを選べるかはサービス類型で決まっています。ケアプランデータ連携システムの経路は別紙1表1-2・表1-3の類型、生産性向上推進体制加算の経路は表1-3・表1-4の類型に限られ、表1-3だけが両方を選べる位置です。連携システムの利用料と周辺の介護ソフト側の対応費用は別問題で、補助の対象がシステム本体ではなく介護ソフトと端末側にある構造を先に押さえておくと、投資判断がぶれません。

誓約による先行取得と令和9年3月末までの実施を追う進捗管理の設計

通知は、申請時点で要件を満たしていない事業所にも道を残しています。ケアプランデータ連携システムへ加入し利用することを誓約すれば、申請時点から要件を満たす扱いです。生産性向上推進体制加算も算定の誓約で同様に扱われます。

ただし誓約は先送りではありません。令和9年3月末までに実際に利用または算定し、実績報告書で実績を報告する義務がつきます。しかも特例要件を満たす事業所に限っては、キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ・Ⅳや職場環境等要件も令和9年3月末までの対応を誓約する扱いが認められています。複数の誓約が同時に走り、期限が同じ日に集中する構造です。誓約した項目・担当・期限・証跡の置き場所を一覧で持たないと、実績報告の直前に未実施が見つかります。着手順序の考え方は介護DXを制度対応から逆算する進め方と重なります。

月額賃金改善要件と年額440万円要件を人事給与システムで判定する設計

加算額が決まった後、配分の側にも数値要件が入ります。給与計算のロジックに落とさないと毎月の判定が属人化します。

加算Ⅳ相当額の2分の1以上を基本給等に充てる月額賃金改善要件の計算順

月額賃金改善要件は、処遇改善加算Ⅳの加算額の2分の1以上を、基本給または決まって毎月支払われる手当(基本給等)の改善に充てることを求めます。Ⅳ以外の区分を算定する事業所でも、判定の基準になるのは「仮にⅣを算定した場合に見込まれる加算額」の2分の1です。実際に算定している区分の加算額ではありません。

計算の順序は、総単位数を出す、Ⅳの加算率を乗じて仮の加算額を出す、その2分の1を基本給等の改善額と比較する、という3段です。この要件のために賃金総額を新たに増やす必要はない、と通知は明言しています。手当や一時金で行っている賃金改善の一部を減額し、その分を基本給等へ付け替える方法でも要件を満たせます。ただし新規に基本給等を引き上げるなら、賃金表の改訂による一律の引き上げ(ベースアップ)で行うのが基本です。

経験・技能のある介護職員1人以上を年額440万円以上とする判定の例外

キャリアパス要件Ⅳは、経験・技能のある介護職員のうち1人以上について、賃金改善後の賃金見込額が年額440万円以上であることを求めます。ここでいう経験・技能のある介護職員は、介護福祉士の資格を持ち、所属する法人等での勤続年数10年以上を基本としつつ、他法人での経験や業務・技能を踏まえて事業者の裁量で設定できます。

例外も明記されています。小規模事業所等で職種間の賃金バランスに配慮が必要な場合、職員全体や地域の賃金水準が低く直ちに440万円まで引き上げるのが困難な場合、規程整備に一定期間を要する場合は、合理的な説明があればこの限りではありません。判定に必要なのは資格情報・勤続年数・年額賃金見込額の3項目で、資格と等級を連動させて管理できる医療・介護向けの人事評価システムを使っていれば、この抽出は既存データで済みます。

総単位数に加算率を乗じた原資を職種横断で配分するときの偏りの基準

配分計算そのものは単純です。難しいのは、配分結果が「著しく偏った配分」に当たらないと説明できる形にすること。

実務では、職員区分ごとの1人あたり配分額と事業所ごとの配分総額を並べた表を毎月出しておくと説明が早くなります。加算区分が事業所によって違う法人ほど、配分額の差が構造的に生じるためです。訪問介護の事業所(Ⅰロで28.7%)と通所介護の事業所(Ⅰロで12.0%)を併設していれば、同じ職位でも原資の厚みが2倍以上違い、一律配分にすると原資の薄い側で加算額を超える賃金改善が要ります。

実績報告書の提出期限から逆算する賃金台帳・勤怠データの証跡と保管期間

加算は取って終わりではありません。返還や取消の対象になるのは要件を満たさない状態で算定を続けた場合で、証跡の不足がその入口になります。

令和9年7月31日の提出期限から逆算する月次締めと国保連通知の突合

実績報告書は、各事業年度における最終の加算の支払があった月の翌々月の末日までに提出します。令和8年度分は令和9年3月分の支払が令和9年5月であるため、通常は令和9年7月31日が期限です。計画書と実績報告書は根拠資料と併せて2年間保存します。別紙様式3-1・3-2は令和8年度介護報酬改定についてに掲載され、令和8年6月以降の算定に係る様式である点に注意が要ります。

実績報告書の様式は、国民健康保険団体連合会から送付される「介護職員処遇改善加算等総額のお知らせ」と「介護職員処遇改善加算等内訳のお知らせ」に基づいて加算総額を記入する構成です。実績値の正は請求側ではなく支払側の通知にあります。月次で自社の見込額と国保連通知の実額を突合しておかないと、7月の締めで差異の原因を1年分さかのぼることになりかねません。返戻や査定が起きた月は特に差が出ます。

賃金水準を引き下げていないことを示す就業規則・労働保険書類の保管

通知が保管を求めているのは、労働基準法第89条に規定する就業規則等(キャリアパス要件Ⅰの賃金体系や要件Ⅲの昇給の仕組みを別規程にしている場合はそれらを含む)と、労働保険への加入が確認できる書類です。都道府県知事等から求めがあれば速やかに提示しなければなりません。

実績報告書では、加算以外の部分で賃金水準を下げていないことも示します。事業の継続を図るために賃金水準を引き下げたうえで賃金改善を行うなら、別紙様式5の特別事情届出書が別途必要です。証跡の実体は給与明細と勤務記録で、夜勤・シフト・常勤換算を含めて出勤実績を追える介護施設向けの勤怠管理システムがあれば、この提示要求に月次で応えられます。

障害福祉サービスの処遇改善加算で介護と異なる上乗せ率・新規対象の範囲

介護と障害福祉の両方を運営する法人では、同じ「処遇改善加算」でも数値が揃いません。上乗せ額の見積もりから食い違います。

上乗せが月0.3万円・1.0%にとどまる障害福祉と介護の原資規模の差

厚生労働省社会・援護局とこども家庭庁支援局が示した令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項では、障害福祉従事者を対象に月1.0万円(3.3%)の賃上げという水準は介護と同じです。異なるのは上乗せ分で、生産性向上や協働化に取り組む事業者の福祉・介護職員に対する上乗せは月0.3万円(1.0%)にとどまります。介護の月0.7万円(2.4%)の半分以下です。最大月1.9万円(6.3%)という着地は同じでも、加算で賄われる部分の厚みが違います。

令和8年度特例要件の中身も別です。障害福祉では、職場環境等要件の生産性向上の取り組みを5以上(⑱と㉑が必須)実施するか社会福祉連携推進法人に所属すること、加えて加算Ⅱロ相当額の2分の1以上を月給賃金で配分することが要件です。ケアプランデータ連携システムの経路はありません。施行はいずれも令和8年6月です。

居宅介護45.6%から就労継続支援B型10.9%まで開く障害福祉の加算率

障害福祉の加算率は介護よりさらに幅があります。居宅介護がⅠイ44.6%・Ⅰロ45.6%、重度訪問介護がⅠイ37.2%・Ⅰロ38.2%と訪問系が突出する一方、生活介護はⅠイ9.3%・Ⅰロ9.7%、就労継続支援B型はⅠイ10.5%・Ⅰロ10.9%です。児童系では放課後等デイサービスがⅠイ15.5%・Ⅰロ16.1%、福祉型障害児入所施設がⅠイ30.5%・Ⅰロ32.0%となっています。

令和8年6月からは、これまで対象外だった計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援に加算が新設され、加算率は一律5.1%です。介護側で居宅介護支援に2.1%が新設されたのと同じ構図ですが、率は倍以上です。制度が別建てで動く以上、障害福祉ソフトが介護ソフトと分かれている理由はここにも現れます。両方を1つのマスタで管理する設計にすると、報酬改定のたびに条件分岐が増えていきます。

配分計算をシステム化する判断が立つ事業者の条件と表計算で足りる規模

ここまでの要件を全部システムに載せる必要はありません。規模と構成によっては表計算のほうが速くて正確です。

システム化の判断が立つのは事業所数と加算区分が混在する法人という条件

配分計算と実績報告の集計を作り込む価値があるのは、次の2条件が重なる法人です。ひとつは事業所数が概ね5以上で、サービス類型が3種類以上に分かれていること。もうひとつは、事業所ごとに算定する加算区分が揃っていないことです。この2つが重なると、率テーブル・原資・配分ルール・証跡の組み合わせが事業所数だけ生まれ、改定のたびにシートを作り直すことになります。

逆にいえば、単一類型で全事業所が同じ区分を算定している法人は、事業所が10あってもシステム化の効果は薄いままです。判断の軸は事業所の数ではなく、組み合わせの数だと考えてください。作り込む場合も、給与計算パッケージを置き換えるのではなく、勤怠・賃金・国保連通知の3データを突合して配分表と実績報告用の内訳を出す部分だけを切り出すのが現実的です。勤怠管理システムの開発を起点に、既存の給与システムとの連携範囲を先に確定させると、投資額が読めます。

表計算のままで足りる小規模事業者と、それでも破綻する2つの失敗パターン

常時雇用する職員が10人未満で単一事業所という規模なら、システム化は過剰です。通知も、労働法規上の就業規則の作成義務がない事業所は、就業規則の代わりに内規等の整備・周知でキャリアパス要件Ⅰ・Ⅲを満たせるとしています。1法人1事業所のような小規模事業者は、職場環境等要件の生産性向上区分も㉔の取り組みだけで足ります。この規模で配分計算のシステムを入れる判断はしません。

ただし、表計算のまま破綻するパターンが2つあります。第一に、誓約で加算Ⅰロ・Ⅱロを先行取得したのに、令和9年3月末までの実施状況を誰も追っていない場合。実績報告で未実施が判明すれば上乗せ分の返還対象になります。第二に、返戻や区分変更の影響を年度末にまとめて確認する運用です。どちらもシステムの有無ではなく期限と担当を決めていないことが原因なので、まず一覧表を作るところから始めてください。

よくある質問

処遇改善加算の実務でよく調べられる論点を、令和8年度の通知に沿って5つ挙げます。

処遇改善加算の新しい区分はいつから適用されますか?

加算ⅠとⅡが「イ」「ロ」に分かれる6区分は、令和8年6月以降の算定分から適用されます。4月と5月は従来どおりⅠからⅣまでの4区分です。体制届出の期日は令和8年4月1日ですが、計画書の提出期日が4月15日であることを踏まえ、都道府県知事等の判断で体制届出も4月15日としてよいとされています。6月から新たに対象となるサービスのみの事業者は、計画書の提出期日が6月15日です。

処遇改善加算の計算方法はどう求めればよいですか?

基本サービス費に処遇改善加算以外の加減算を加えた1月あたりの総単位数に、加算区分とサービス類型別の加算率を乗じます。訪問介護で総単位数が100万単位、令和8年6月以降に加算Ⅰロを算定するなら、100万単位に28.7%を乗じた28万7,000単位が加算分です。区分支給限度基準額の算定対象からは除外されるため、限度額管理には含めません。

処遇改善加算は介護職員以外の職員にも配分できますか?

できます。令和8年度改定で対象が介護職員から介護従事者へ広がり、職種間配分は事業者の判断で柔軟に認められています。対象となる賃金は基本給・手当・賞与等で、退職手当は含みません。ただし一部の職員や一部の事業所に集中させるなど、職務の内容や勤務の実態に見合わない著しく偏った配分は禁じられています。

加算Ⅰロを算定するにはケアプランデータ連携システムが必須ですか?

必須ではありません。令和8年度特例要件は、ケアプランデータ連携システムの利用、生産性向上推進体制加算ⅠまたはⅡの算定、社会福祉連携推進法人への所属の3つのいずれかで満たせます。ただし選べる経路はサービス類型で決まっており、ケアプランデータ連携システムの経路は別紙1表1-2・表1-3の類型、生産性向上推進体制加算の経路は表1-3・表1-4の類型に限られる点に注意してください。申請時点で未利用でも、加入と利用を誓約すれば要件を満たす扱いになります。

訪問看護でも処遇改善加算を算定できますか?

令和8年6月から算定できます。訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援・介護予防支援は4月・5月時点では対象外で、6月から新設され加算率は一律2.1%です。要件は他の類型とは別建てで、令和8年度特例要件を満たすか、加算Ⅳの取得に準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱと職場環境等要件)のいずれかになります。医療保険の訪問看護は対象外なので、介護保険分の総単位数だけを算定基礎にします。

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