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業務委託にストックオプションは付与できる?社外高度人材の要件・課税・手続き

業務委託にストックオプションは付与できる?社外高度人材の要件・課税・手続き

業務委託で関わるエンジニアや弁護士、営業支援の外部人材にも、ストックオプションは付与できます。会社法は新株予約権を誰に割り当てるかを制限していないからです。ただし、税制適格(権利行使時に課税されない扱い)になるのは、会社が経済産業大臣の認定を受け、その認定計画に載った「社外高度人材」に付与した場合だけです。認定がなければ税制非適格となりますが、課税は取得方法によって異なります。業務の対価として無償で付与される譲渡制限付きのものは、原則として行使益が事業所得か雑所得となり、適正な時価で購入する有償型は行使時に課税されません。

本記事では、付与する会社側と受け取る業務委託者側の両方に向けて、租税特別措置法29条の2、経済産業省の手引き、国税庁の通達とQ&Aに沿って、要件・課税・手続きと、社外高度人材にだけ課される行使の条件を整理します。ストックオプション全体の仕組みはストックオプションとは?仕組み・税制適格の要件と税金・会計処理をわかりやすく解説【2026年】で扱っています。

まとめ:業務委託へのストックオプション付与の要点

  • 付与そのもの:会社法上は業務委託先にも付与できます。非公開会社は株主総会の特別決議で募集事項を決め、割当契約を結び、2週間以内に新株予約権の登記をします。
  • 税制適格の条件:業務委託者が税制適格の対象になるのは「社外高度人材」として認定計画に載った場合だけです。会社は設立10年未満・非上場・VC等から出資を受けていることなどが必要で、人材は国家資格保有者やエンジニアなど9類型のいずれかに当てはまる必要があります。
  • 非適格の課税:業務の対価として無償で付与された譲渡制限付きの税制非適格SOでは、業務委託者の行使益は原則として事業所得または雑所得です(所得税基本通達23〜35共-6)。総合課税なので、所得が大きいと住民税と合わせて最高55.945%になります。
  • 手続きの順番:認定は付与の契約より前に受けなければなりません。標準処理期間は約45日で、1つの計画で認定できる人材は1人です。
  • 社外高度人材だけの条件:2年以上続く業務委託契約で国内のみで活用すること、行使は貢献業務が終わった後に行うこと、行使まで国内の居住者であり続けることが求められます。将来雇用する予定の人には、業務委託の段階でこの制度を使わない方が安全です。

以下、会社法と税制の2段階で付与の可否を確認したうえで、課税、要件、手続き、設計上の判断の順に説明します。

業務委託先にストックオプションを付与できるか:会社法と税制の2段階

「業務委託にストックオプションを付与できるか」という問いは、会社法上付与できるかと、税制適格として扱えるかの2つに分けると混乱しません。前者はほぼ常に「できる」、後者は「認定を受けた場合だけできる」が答えです。

会社法上の付与手続きと決議の要件

会社法238条1項は、新株予約権を引き受ける者の募集について、内容と数、金銭の払込みを要しない場合はその旨、割当日などの募集事項を定めるよう求めていますが、割当先を役員・従業員に限っていません。業務委託先や外部アドバイザーも割当先にできます。

募集事項は原則として株主総会で決め(238条2項)、その決議は特別決議です(309条2項6号)。公開会社では取締役会で決められますが、特に有利な条件での発行にあたる場合は株主総会が必要です(240条1項)。発行後は登記事項に変更が生じるため、2週間以内に本店所在地で変更登記をします(915条1項)。スタートアップの多くは株式譲渡制限会社なので、株主総会の特別決議→割当契約→登記の順になります。

会社法上の新株予約権とストックオプションの関係は、新株予約権とストックオプションの定義の違いと包含関係の全体像で整理しています。

税制適格の対象者に業務委託者が含まれる条件

税制適格の根拠である租税特別措置法29条の2第1項は、対象者を2つに分けています。1つは付与会社とその子会社等の「取締役、執行役若しくは使用人」(取締役等)、もう1つは、それ以外の個人のうち、中小企業等経営強化法の認定計画に従って事業に従事する社外高度人材(特定従事者)です。

つまり、業務委託者は雇用関係にないので「取締役等」には入らず、税制適格を受ける道は特定従事者になることだけです。どちらの区分でも、付与決議の日に大口株主とその特別関係者に当たる人は対象から外れます。

業務委託先に付与したストックオプションの課税

業務委託者が受け取るストックオプションの課税は、税制適格か、無償の税制非適格か、時価で買う有償型かで変わります。会社側が費用を損金にできるかどうかも連動します。

種類 付与時 権利行使時 株式売却時 会社の損金
税制適格(社外高度人材) 課税なし 課税なし 譲渡所得 20.315% 不可
税制非適格(無償) 課税なし 事業所得または雑所得 譲渡所得 20.315% 行使時に可
有償型(時価で取得) 課税なし 課税なし 譲渡所得 20.315% 対象外

譲渡所得の20.315%は、所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%の合計です。税制非適格の行使益は総合課税なので、所得税の最高税率45%に復興特別所得税と住民税10%が加わり、最高55.945%になります。

無償の税制非適格SOの所得区分:事業所得・雑所得

業務委託者への税制非適格ストックオプションを、従業員と同じ「給与所得」で説明している解説がありますが、これは誤りです。所得税基本通達23〜35共-6は、雇用契約またはこれに類する関係に基づいて与えられた場合を給与所得とし、権利を与えられた者の営む業務に関連して与えられた場合を事業所得または雑所得としています。同通達の注記は、特定従事者に付与したが措置法29条の2が適用されなかった場合(雇用関係にない場合に限る)もこの区分になると明記しています。

国税庁の「ストックオプションに対する課税(Q&A)」(令和6年11月最終改訂)も、請負契約その他これに類する契約に基づき役務提供の対価として付与されたストックオプションの経済的利益は事業所得または雑所得になると注記し、あわせて「所得税法第204条に規定する報酬料金等に該当する場合には、源泉徴収の対象」としています。弁護士・税理士・デザイナーなど204条1項に列挙された業務の報酬に当たる場合は、会社が源泉徴収を検討する必要があるということです。

給与所得でないことの実務上の差は、年末調整では処理されず、受け取った側が行使した年の確定申告で申告する点です。事業所得になるか雑所得になるかは、その人が受託業務を事業として営んでいるかで分かれます。

会社側の損金算入と個人の課税事由の関係

法人税法54条の2第1項は、役務提供の対価として交付した譲渡制限付きの新株予約権について、個人に給与所得その他政令で定める所得の課税事由が生じた日に費用を計上するとしています。その政令(法人税法施行令111条の3第2項)が定める所得は、給与所得・事業所得・退職所得・雑所得です。

このため、業務委託者が税制非適格のストックオプションを行使して事業所得または雑所得が生じれば、会社はその日に損金算入できます。反対に、税制適格で個人に行使時の課税が生じない場合は、会社も損金にできません(同条2項)。受け取る側の節税と会社側の損金は、どちらか一方しか取れない関係です。

業務委託者に付与する有償型・信託型の課税と費用

認定を受けられない会社が業務委託者に渡す手段として、有償ストックオプションがあります。国税庁Q&Aの問2は、適正な時価で有償取得したストックオプションには経済的利益が発生しないため取得時に課税されず、行使時の値上がり益も認識しない(所得税法施行令109条1項1号)とし、株式を売ったときの譲渡益だけを課税対象としています。受け取る側が時価相当額を払い込む負担と、時価の算定に評価会社の費用がかかる点が、税制適格との違いです。

信託型ストックオプションは、同じQ&Aの問3で、実質的には会社が役職員に付与し役職員に金銭負担がないとして、行使時の経済的利益を給与所得とする見解が示されました。これは税制非適格の信託型についての説明です。同Q&Aの問12は一定の要件を満たす税制適格の信託型も示しており、信託型というだけで行使時課税の有無は決まりません。業務委託者に役務提供の対価として付与された場合は、Q&Aの注記どおり事業所得または雑所得に区分されます。経緯と代替策は信託型ストックオプションとは?仕組みと給与課税リスク・代替策【令和6年度改正対応】で解説しています。

社外高度人材の9類型と付与する会社の要件

認定を受けられるかどうかは、会社の要件、人材の要件、人材の専門性と貢献内容の関連性の3点で判断されます。経済産業省の社外高度人材に対するストックオプション税制のページと計画策定の手引きの内容を、要件ごとにまとめます。

付与する会社の要件:設立10年未満・非上場・VC等の出資

申請できるのは「新規中小企業者等」に当たる株式会社で、設立5年未満なら中小企業者等であること、設立5年以上10年未満なら試験研究費等が収入金額の5%を超えるか、ソフトウェアの開発や情報ネットワークの構築などの業務に従事する常勤従業員が、全常勤従業員の2%を超えることが条件です。中小企業者等の範囲は、制度概要資料では資本金10億円以下または従業員2,000人以下とされています。

そのうえで、ベンチャーキャピタル等から投資と指導を受けていること、上場していないこと、大規模法人グループに属していないこと(資本金5億円超などの大規模法人とその関係会社が発行済株式の2分の1超を持つ会社などは不可)が求められます(社外高度人材活用新事業分野開拓に関する命令5条)。

令和6年度税制改正では、VC等が最初に株式を取得した時点で会社が「資本金5億円未満かつ従業員900人以下」であることという要件が廃止されました。一方で、VC等から出資を受けていない会社と、設立10年以上の会社は、今も申請できません。自己資金や融資だけで成長している会社は、この制度を前提に設計を組まないことです。

社外高度人材に当たる9類型と確認書類

社外高度人材は次の9類型のいずれかに当てはまる必要があり、それぞれ確認書類を申請時に提出します。令和6年4月1日施行の改正で、国家資格保有者などに求めていた実務経験年数の要件が削られ、大学の教授・准教授や一定の非上場会社の役員経験者などが対象に加わりました。

類型 主な要件 想定される人材
①国家資格 業務独占・名称独占の資格を保有 弁護士・公認会計士
②博士 博士の学位を保有 研究者
③高度専門職 高度専門職の在留資格で在留 海外の専門人材
④教授・准教授 大学の教授・准教授の職にある 大学教員
⑤役員・重要な使用人の経験 上場会社等か一定の非上場会社で1年以上 取締役・執行役員経験者
⑥人材育成事業 国等の先端人材育成事業に選定・従事 未踏・異能vation出身者
⑦開発 過去10年で2年以上+売上高等の基準 エンジニア・デザイナー
⑧販売 過去10年で2年以上+売上高の基準 営業従事者
⑨資金調達 過去10年で2年以上+資本金等の基準 資金調達の支援者

⑤の「一定の非上場会社」は、VC等から投資と指導を受けている非上場会社に限られます。国家資格や博士号のないフリーランスのエンジニアでも、⑥や⑦のほか、⑤の役員・重要な使用人としての経験など、本人が要件を満たす類型で申請できます。⑦は、計画開始日から遡って10年間に国内の機関で製品・役務の開発に2年以上従事し、たとえば非上場の機関で開発した製品・役務の売上高が従事期間中に100%以上増え、終了時点で2億円以上になったことなどの数値基準を満たす必要があります。⑧の販売類型も同様に、担当した製品・役務の売上高が100%以上増えて2億円以上になったこと等が基準です。⑨は、資金調達に従事した期間に資本金等の額が100%以上増え、終了時点で1,000万円以上になったことが基準です。⑧・⑨の実績は国内の機関との契約に基づくもので、その機関が計画開始日から遡る10年間、継続して上場会社等でないことも必要です。

「腕のいいフリーランス」というだけでは該当しません。⑦〜⑨で申請するなら、数値基準を示す書類(開発した製品と従事期間を書いた書類など)を用意できるかを、契約交渉の前に確認してください。

専門性と貢献内容の関連性

3つ目の判断軸は、その人の専門性が会社の新事業にどう貢献するかです。制度概要資料では、製品・サービスの開発への貢献、事業拡大や販路拡大への貢献、成長期の組織拡大に伴うガバナンス体制構築等への貢献のいずれかを満たすこととされています。弁護士に営業支援を委託する場合も、契約交渉や取引条件の整備など、法律の専門性が計画の貢献内容にどう結び付くかを具体的に記載してください。

認定から付与・行使までの手続きの流れ

認定と付与の順番には制約があります。手引きのよくある質問は、課税の特例は認定された計画に沿って付与した場合に限り適用されるので、付与の契約より前に認定を受ける必要があるとしています。

  1. 事前確認:会社の要件(設立年数・VC等の出資・非上場)と、人材が9類型のどれに当たるかを確認する。
  2. 業務委託契約の締結:2年以上継続する契約とし、認定計画の期間内に国内で2年以上、人材を継続して活用する期間を確保する。計画期間は全ての権利行使の日まで継続させる。契約の開始日は、計画期間の開始日と同日かそれ以前で、新株予約権の付与決議日・付与日より前にする。申請時に未締結なら契約書案でもよい。
  3. 計画の申請:主たる事務所の所在地を管轄する地方経済産業局に、申請書(様式第一と別紙)、業務委託契約書の写し、要件を証する書類、本人の誓約書、住民票等、チェックシートを提出する。人材1人につき1計画。
  4. 認定:不備がなければ受理から概ね45日以内に認定される。計画期間の開始日は認定日より前にできない。
  5. 付与決議と割当契約:認定後、計画期間内に付与決議と付与を行う。割当契約には措置法29条の2第1項の要件(下記)を定める。
  6. 登記と調書:2週間以内に新株予約権の変更登記をし、付与した年の翌年1月31日までに「特定新株予約権の付与に関する調書」を税務署長に提出する。
  7. 毎年の報告:各事業年度終了後3か月以内に、国内のみで活用を続けていることと、人材が国内の居住者であることを経済産業局に報告する。
  8. 権利行使:貢献業務の終了後に行使する。行使時に本人は大口株主でなかったこと・居住者であり続けたこと等の誓約書を、会社は認定の取消しがなかったことの確認を残す。

割当契約に定める要件は、取締役等と共通の6つ(付与決議の日後2年経過から10年以内(設立5年未満の非上場会社等は15年以内)の行使、年間の権利行使価額1,200万円以下、契約時の時価以上の権利行使価額、譲渡禁止、募集事項に沿った株式交付、証券会社等への保管委託等、または所定の取決めに基づく発行会社による譲渡制限株式の管理)に、社外高度人材向けの2つ(国外転出する場合の会社への通知、認定取消しがあった場合の会社から本人への通知)が加わった8つです。権利行使価額の年間上限は、付与決議の日に設立5年未満の会社なら実質2,400万円、設立5年以上20年未満の非上場会社等なら実質3,600万円です(権利行使価額をそれぞれ2分の1、3分の1にして1,200万円と比べる仕組み)。

年間上限を1回の行使で超えると、超えた部分だけでなくその行使全体が非課税から外れます。行使価額の決め方はストックオプションの行使価格の決め方|上場・非上場と税制適格で変わる基準【2026年版】、取締役等にも共通する適格要件の詳細は税制適格ストックオプションとセーフハーバールール|非上場株の権利行使価額と1円SOの実務で扱っています。

社外高度人材にだけ課される行使の条件と認定取消し

社外高度人材向けの税制適格は、従業員向けと同じ制度に見えて、行使のタイミングと居住地に独自の縛りがあります。ここを知らずに割当契約を作ると、要件を満たしたつもりで非適格になります。

行使は貢献業務の終了後、国内居住を行使まで継続

手引きは、命令5条8号の解釈として、認定計画に従って付与した新株予約権の行使は社外高度人材による貢献業務の終了後に行うこととし、終了前に行使されないようにするよう求めています。あわせて、計画開始の日から全ての権利行使の日まで、貢献業務を日本国内のみで行い、かつ国内の居住者であり続けなければなりません。

ここから設計上の注意が1つ出てきます。従業員向けの割当契約によくある「退任・退職したら新株予約権は消滅する」という条項を、そのまま「業務委託契約が終了したら消滅する」と書き換えると、貢献業務の終了後に行使するという条件と両立せず、行使できる時期がなくなります。社外高度人材向けには、貢献業務を完了して契約が終わった場合は権利を残し、途中解約などの場合だけ消滅させる、といった書き分けが必要です。

国外転出時のみなし譲渡課税と相続時の適格対象

行使して取得した株式を持ったまま本人が国外転出すると、措置法29条の2第5項により、その時点で株式を譲渡したものとみなして課税されます(転出時の価額と行使日の価額のいずれか少ない額で計算)。海外移住の予定がある人材には、付与前にこの点を説明しておく必要があります。

また、取締役等には相続人が権利を承継して行使できる「権利承継相続人」の定めがありますが、条文上この扱いは取締役等に限られ、特定従事者には用意されていません。

認定が取り消される場面と非課税の喪失

措置法29条の2第1項は、新株予約権の行使の日以前に認定の取消しがあった計画を対象から除いています。取消しの前に行使していれば非課税のまま、行使前に取り消されれば非適格として扱われるということです。手引きのよくある質問が挙げる取消しの例は、会社の解散や事業の中止、新株予約権を付与しないことになった場合、人材が活用期間中に要件を満たさなくなった場合(事業から外れて独立する、申請会社と雇用関係になる等)です。人材の交代も変更認定の対象外で、既存の計画をいったん取り消して新しい計画を申請することになります。

社外高度人材制度を使うべき場面と避けるべき場面

ここまでの要件を踏まえると、業務委託先へのストックオプションは次のように振り分けられます。

社外高度人材制度を使うべきなのは、VC等から出資を受けた設立10年未満の非上場会社が、9類型に確実に当てはまる人材と2年以上の業務委託を組み、関与の終了後に行使してもらう設計で合意できる場合です。CTO候補の技術顧問や、上場準備を支える外部の専門家が典型です。社外の専門家を経営に関与させる際の契約の線引きは社外CFOとは|費用相場の決まり方・導入時期と契約前に確認する税理士法などの線引きも参考になります。

避けるべきなのは、次のような場合です。

  • 近いうちに正社員や役員として迎える予定の人:雇用関係になると認定取消しの事由に当たるため、業務委託の段階で付与せず、入社後に取締役等として税制適格のストックオプションを付与する方が確実です。
  • 計画開始時に国内居住者でない人、または行使までに国外転出する予定の人:計画開始から行使まで国内居住を継続する必要があるため、その予定のままでは要件を満たせません。
  • 短期のスポット案件:2年以上継続する業務委託契約が条件で、1件の認定に約45日かかります。
  • VC等の出資がない会社:申請できないため、有償型か、税制非適格と現金報酬の組み合わせで設計します。

業務の対価として無償で付与する譲渡制限付きの税制非適格SOでは、受け取る側は、株式を売却していなくても行使益について原則として事業所得または雑所得として課税されます。非上場株式は買い手の確保や譲渡承認などが必要となり、売却による納税資金の確保が難しい場合があるため、行使の時期を上場後に限る条件にするか、行使時の税額を事前に試算して示すことが、業務委託先との揉め事を防ぐ現実的な手当てです。税制非適格の課税の仕組みは税制非適格ストックオプションとは?課税2回の仕組みと税制適格との違い【令和6年度改正対応】で詳しく説明しています。役員・監査役など社内の立場ごとの扱いは監査役へのストックオプション付与の可否と会社法上の基本的な位置づけも参照してください。

業務委託のストックオプションに関するよくある質問

業務委託やフリーランスにストックオプションを付与できますか?

会社法上は付与できます。税制適格として扱えるのは、会社が社外高度人材活用新事業分野開拓計画の認定を受け、その計画に載った社外高度人材に付与した場合だけで、それ以外は税制非適格になります。

業務委託で受け取ったストックオプションは何所得になりますか?

業務の対価として無償で付与された譲渡制限付きの税制非適格SOでは、行使益は原則として事業所得または雑所得になります(所得税基本通達23〜35共-6)。適正な時価で購入する有償型には、行使時の課税はありません。給与所得ではないので年末調整では精算されず、確定申告が必要です。株式を売ったときの利益は、税制適格・非適格とも譲渡所得です。

フリーランスのエンジニアは社外高度人材に該当しますか?

国家資格や博士号がなくても、過去10年間に国内の機関で製品・役務の開発に2年以上従事し、売上高や試験研究費等の数値基準を満たせば該当します。未踏事業など国等の先端人材育成事業の出身者も対象です。開発実績の類型で申請する場合は数値基準を示す書類が必要ですが、人材育成事業の類型では選定・従事の実績を証明します。

社外高度人材の認定にはどのくらいの期間がかかりますか?

手引きでは、申請書に不備がなければ受理から概ね45日以内に認定されるとされています。不備があると照会や差戻しで長引くため、付与を予定する株主総会の日程から逆算して申請してください。

業務委託契約が終わったらストックオプションはどうなりますか?

割当契約の定め次第です。社外高度人材向けの税制適格では貢献業務の終了後に行使する決まりなので、契約終了と同時に消滅する条項にすると行使の機会がなくなります。例えば、貢献業務を完了した場合は行使権を残し、途中解約の場合の扱いは別に定める設計が考えられます。

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