ジョブシャドウイングは、学生や生徒が社員に半日から1日同行し、仕事ぶりを観察するプログラムです。作業には手を出しません。この「手を出さない」という一点が、労働基準法上の扱いも、企業側の準備の重さも大きく変えます。ここでは用語の意味だけでなく、産学協議会の4類型でどこに位置づくのか、無報酬で受け入れて労働基準法上の問題が生じないのはどこまでか、日本の自治体が実際にどの規模で回しているのかを、一次資料に当たって整理します。
まとめ:ジョブシャドウイングの要点
- 定義:社員1名に学生1名が付き、半日程度その仕事を観察する。学生は就業しない。
- 制度上の位置:大学生等向けの4類型では、情報提供・PRを目的とすればタイプ1、働くことへの理解を深める教育を目的とすればタイプ2として整理する。「インターンシップ」と名乗れるのはタイプ3・4だけで、タイプ1・2で取得した学生情報は採用活動に使えない。
- 労働者性:見学や体験的なもので業務の指揮命令を受けないなら、労働基準法第9条の労働者に該当しない(平成9年9月18日付け基発第636号)。作業を伴う場合も、利益の帰属や使用従属関係など、個々の実態から判断する。
- 実施規模の実測:静岡県牧之原市は令和5年度から令和7年度にかけて、年度ごとの受入企業数は26〜39社、参加学生数は117〜226名で推移している。
- 需要の所在:公立中学2年生の職場体験実施率は79.9%まで戻った一方、公立高校普通科で在学中にインターンシップを体験した生徒は15.0%にとどまる(令和6年度)。半日で成立するジョブシャドウイングは、この普通科の空白に効く。
ジョブシャドウイングの定義と「観察に徹する」範囲
shadow は影を意味し、影のように付いて回ることからこの名前が付いています。ジュニア・アチーブメント日本が高校2年生向けに運営する「JA Job Shadow」は、プログラムを「社員1名に生徒1名が『影』のごとくついてまわり『働く人』を観察するキャリア教育プログラム」と説明しています。1対1で半日を過ごす形が原型です。
範囲の線引きは、実施主体の説明が明快です。静岡県牧之原市は事業案内で「学生が実際に就業することはなく、働いている人を『観る』機会です」と明記しています。電話を取らせない、資料を作らせない、荷物を運ばせない。観察者は職場に存在するだけで、成果物を出しません。この線を引いておくことが、後述する労働者性と機密管理の両方で効いてきます。
日本語表記はジョブシャドウ、ジョブシャドーイング、ジョブシャドウイングが混在します。ジュニア・アチーブメント日本のプログラム名は「ジョブシャドウ」、自治体事業は「ジョブシャドウイング」を使う例が多く、どれも同じものを指します。なお単に「シャドーイング」と言うと語学学習の復唱訓練を指すため、社内文書では職場観察の意味だと分かる語を添えるほうが安全です。
発祥は米国です。米国政府刊行物として公開されている実施ガイド「How To Have a Successful Job Shadow Day」は、よくある質問への回答としてこう記しています。「Groundhog Job Shadow Day was first conducted by the Boston Private Industry Council in 1996 as part of its school-to-work effort(グラウンドホッグ・ジョブシャドウデイは、1996年にボストン民間産業協議会が学校から職業への移行施策の一環として初めて実施した)」。1997年に BellSouth の後援で南東部へ広がり、1998年に全米規模の連合が組まれます。連合には America’s Promise、Junior Achievement、米国労働省が加わり、同ガイドでは、開始以来の累計参加者が400万人を超えたと説明されています。Junior Achievement USA は現在も「JA Job Shadow」を9年生から12年生向けの現行プログラムとして提供しており、45分授業6回と職場訪問2回で構成されています。
日本語で実施事例を確認できる資料の一つが、リクルートワークス研究所が2004年12月7日に公表した杉田万起・村田弘美「JOB SHADOWING 職業体験ジョブシャドウイングの事例」です。同レポートは米国の学校から職業への移行全米事務局(National School-to-Work Office)の用語集を引き、ジョブシャドウイングを「中学校高学年から高校低学年を対象としたキャリア探索活動の一種で、生徒が企業の職場で従業員に密着し、特定の職種や業種について学ぶこと」と紹介しています。この用語集が対象の中心に置いているのは中学生から高校低学年で、国内では小学生から大学生まで事業ごとに幅があります。対象年齢は募集要項で個別に確認してください。
インターンシップ・職場体験との制度上の線引き
大学生等向け4類型と目的別の位置づけ
2022年の三省合意改正以降、日本で「インターンシップ」と呼べる範囲は絞られました。採用と大学教育の未来に関する産学協議会の2024年度報告書は、学生のキャリア形成支援活動を4類型に整理し、タイプ1の就業体験を「なし」、タイプ2を「任意」、タイプ3・4を「必須」と定めています。大学生等向けのジョブシャドウイングは、情報提供・PRが目的ならタイプ1、キャリア教育が目的ならタイプ2として整理できます。企業単独の教育プログラムもタイプ2に含まれ、高校の活動にはこの枠組みをそのまま適用できません。
| 類型 | 目的 | 就業体験 | 参加期間 | 学生情報の採用活動への活用 |
|---|---|---|---|---|
| タイプ1 オープン・カンパニー | 情報提供・PR | なし | 超短期(単日) | 不可 |
| タイプ2 キャリア教育 | 働くことへの理解 | 任意 | プログラムにより異なる | 不可 |
| タイプ3 汎用的能力・専門活用型 | 能力の見極め・評価材料 | 必須 | 5日以上/2週間以上 | 採用活動開始以降に限り可 |
| タイプ4 高度専門型(試行) | 実践力向上・評価材料 | 必須 | 2カ月以上/2週間以上 | 採用活動開始以降に限り可 |
この表から、受け入れる企業の実務上の制約が2つ出てきます。1つは名称です。産学協議会は2019年度に「『ワンデー・インターンシップ』という名称を使用しない(ワンデーはインターンシップではない)」ことで合意しており、半日の職場観察を募集要項や社内の稟議で「1dayインターンシップ」と書くのは、この合意にも4類型の定義にも反します。もう1つは参加者情報の扱いです。タイプ1・2は「不可」と明記されており、当日の観察メモや社員の所感を選考資料に回すことはできません。ただし、高校生の採用については、この大学生等向けの整理から結論を出さず、高校新卒者の採用ルールと学校・主催者の方針を別途確認する必要があります。採用に近い体験を設けたいなら、タイプ3の5要件を満たす必要があります。参加期間の半分超を職場での就業体験に充てること、社員が指導しインターンシップ終了後にフィードバックすること、汎用的能力活用型は5日間以上・専門活用型は2週間以上であること、原則として学部3・4年または修士1・2年の長期休暇期間に実施すること(大学正課および博士課程は長期休暇に限定されません)、そして募集要項等で9項目を情報開示することの5つです。類型ごとの要件の細部は、法科大学院の正規科目として運用されているエクスターンシップの記事で条文レベルまで扱っています。
中学校の職場体験との違いは「働くかどうか」と日数
中学校の職場体験は、店や事業所で実際に仕事をします。国立教育政策研究所の令和6年度職場体験・インターンシップ実施状況等結果によれば、公立中学2年生の職場体験は9,272校中7,407校で実施され、実施率は前年度より3.7ポイント高い79.9%でした。ただし実施校7,407校のうち5日以上実施したのは738校(10.0%)で、前年度から0.5ポイント下がっています。新型コロナウイルス感染症拡大前の令和元年度は実施率88.0%、5日以上が13.2%でしたから、実施率は戻りつつある一方で日数は戻っていません。
| 区分 | 令和6年度 | 前年度比 | 令和元年度 |
|---|---|---|---|
| 公立中学2年 職場体験の実施率 | 79.9% | +3.7pt | 88.0% |
| うち5日以上の実施校 | 10.0% | -0.5pt | 13.2% |
| 公立高校 インターンシップ実施率 | 75.2% | +2.1pt | 85.0% |
| 在学中に体験した生徒(普通科) | 15.0% | +2.4pt | 記載なし |
| 在学中に体験した生徒(職業学科) | 60.1% | +9.8pt | 記載なし |
高校側の数字は、ジョブシャドウイングの出番がどこにあるかをはっきり示します。公立高校(全日制・定時制)のインターンシップ実施率は75.2%ですが、学科別に生徒単位で見ると、在学中に1回でも体験した生徒は全体で25.7%、普通科では15.0%しかいません。職業に関する学科の60.1%と比べて4分の1です。裏返せば普通科の生徒の85%は、この集計でインターンシップの体験者として数えられていません(数えているのはインターンシップで、職場見学や企業訪問は含みません)。体験日数は「2から3日」が52.8%と最多です。半日で完結し、作業の指導が要らないジョブシャドウイングは、この空白に置ける数少ない選択肢になります。
自治体・NPOによる国内の実施事例と規模
企業が高校生を受け入れる際は、学校との窓口、移動手段、安全管理の分担を決める必要があります。自治体やNPOを介した募集も選択肢になります。実際に継続している事例は、自治体かNPOが企業と学校の間に立つ形に寄っています。
静岡県牧之原市の「おかえりプロジェクト」は、地元就職支援の交流事業としてジョブシャドウイングを毎年実施しており、受入企業数と参加学生数を年度ごとに公開しています。
| 年度 | 受入企業 | 参加学生 | 1社あたり(概算) |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 39社 | 226名 | 約5.8名 |
| 令和6年度 | 31社 | 117名 | 約3.8名 |
| 令和7年度 | 26社 | 122名 | 約4.7名 |
1社あたりの数字は公開値から求めた平均で、企業別の受入人数や担当社員の負担を示すものではありません。令和6年9月10日の回は、相良高等学校の1年生を中心とする学生約120名が、市役所を含む32社に分かれて訪問しています(上の表の企業数は市の注記によれば「実際に学生の受入れ(参加)があった企業数」で、協力企業の総数とは一致しません)。内訳は製造業16社(小売業や建設業との併記を含む)、建設業5社、福祉・介護3社で、残りは倉庫業、農業、自動車教習所、協同組合、行政です。スズキ相良工場のような大規模事業所と従業員数十名の建設会社が同じ枠組みに並んでいます。令和8年度は11月11日の開催予定で、対象は高校生、大学生、短期大学生、専門学校生としています。
自治体事業の規模は一様ではありません。焼津市が事務局を務める志太3市連携UIJターン就職促進協議会の成果説明書では、夏季のジョブシャドウイングが参加企業4社と3市で学生15人、冬季が2社と1市で学生3人でした。埼玉県が公表した平成28年度の高校生ジョブシャドウィングは、36高校から153人が参加し、23の企業・団体と県庁が協力しています。宮崎県は令和5年度に都城工業高校で全4回実施したと報告しました。数名規模から200名規模まで振れ幅が大きいため、他地域の数字を自社の受け入れ計画の前提には使えません。
NPOが運営する例では、高校生と大学1・2年生を対象とするNPO法人JUKEが、企業訪問の前にバリューチェーンやビジネスモデル・キャンバスを使って訪問先を分析させる事前学習を組み込み、事前勉強会と事後報告会には社会人ボランティアが20名以上参加すると説明しています。同法人サイトには延べ参加者1,294人、プログラム実施27件、受入企業70社と掲載されていますが、集計対象期間は明示されていません。ジュニア・アチーブメント日本の「JA Job Shadow」は、事前学習として企業社員と同法人スタッフが学校に出向いて会社説明を行い、事後は生徒が対応社員へお礼状を書く流れです。同法人は「随時、学校からのお申し込みを受け付けているプログラムではありません。支援企業とのマッチングにより実施を決定しております」と明記しており、企業側が協賛して初めて枠が生まれる設計になっています。
受け入れを検討する企業がまず当たるべきは、学校ではなく、地元自治体の商工担当課かこうしたNPOです。牧之原市の事例では商工企業課が窓口で、企業が担う準備と、市・学校が担う日程調整や学生の受入先調整の範囲は、申込み時に確認してください。
半日プログラムの組み立て方
設計の変数は多くありません。観察対象の社員をどう選ぶか、事前に何を仕込むか、質問の時間をどこに置くか、終わったあと何を書かせるかの4つです。
観察対象の社員は、1対1にするか複数名で1人を囲むかで性格が変わります。ジュニア・アチーブメント日本は社員1名に生徒1名を原則としており、社員は「担当生徒とともに過ごしながら、自身の経験を語る」役割を負います。実務を止めずに語り続けられる社員は限られるため、受け入れ人数は社員の頭数ではなく、この役割を担える社員の数で決まります。
事前学習は学校側の時間との兼ね合いで決まります。国立教育政策研究所の同じ調査では、公立高校がインターンシップの事前指導にかける時間は「1から5時間」が68.8%、事後指導も「1から5時間」が66.9%で最多でした。この数字は実施された指導時間の分布であり、各校が確保できる時間の上限ではありません。事前資料の分量は、学校と学習目標・授業時間を確認して決めてください。ジュニア・アチーブメント日本の形では、企業の社員が学校に出向いて会社説明をする回が事前学習そのものになっています。
時間配分の手掛かりになるのが、リクルートワークス研究所のレポートが記録した日本の初期事例です。2004年3月3日、沖縄県キャリアセンターの企画で県立南風原高等学校2年生39名が沖縄県庁の商工労働部と観光リゾート局を訪れ、秘書職や人事職、部長職の職員を観察しました。試験実施のため観察50分、質疑応答約10分の実質1時間という構成です。事前には受け入れ担当者が自分の業務内容、当日に生徒が学べる内容、生徒へのメッセージを書いた「プレゼンシート」を用意し、生徒向けの事前説明会を45分かけて実施しています。観察する社員に書かせる1枚と、生徒側への45分。ただし、この事例では実施時間の短さや会話時間の不足も課題として報告されており、事前準備に加えて観察・対話・事後学習の時間を確保する必要があります。
質問の時間は、業務を中断できない場面では区切って確保し、観察中の短い確認が可能な場面も担当社員と決めておきます。観察中の学生は口を挟めず、疑問を溜め込むためです。事後の言語化は、お礼状でも報告書でもかまいませんが、書かせる相手を「対応した社員個人」にすると内容が具体的になります。
なお、参加した学生に企業の実情が伝わりすぎることを恐れる必要はありません。入社前に良い面も悪い面も含めた情報を伝える手法はRJP(Realistic Job Preview)として研究されており、入社後のリアリティショックと早期離職を抑える方向に働きます。半日の観察では把握できない繁忙期の負荷や評価制度もあるため、観察できた範囲と補足説明が必要な範囲を分けて伝えてください。
社内ジョブシャドウイングの労働時間該当性
同じ手法は、新入社員や異動者の立ち上げにも使われます。配属前の新人が先輩社員に数日同行し、業務の流れと関係者を把握してから自分の担当を持つ形です。業務の前提知識を共有している社員同士なら説明を絞れますが、新入社員や異動者には、担当業務や用語の説明が必要です。
ただし、学生向けとの決定的な違いは、社内の観察者がすでに労働者だという点です。学生のジョブシャドウイングは後述のとおり労働者性が生じない形で成立しますが、自社の社員が業務上の指示や参加義務に基づいて先輩に同行する時間は、成果物を出していなくても労働時間です。「研修だから」「見ているだけだから」という理由で所定労働時間の外に置いたり、残業代の対象外にしたりする扱いはできません。受け入れ側の社員も、通常業務をこなしながら解説する分の負荷がかかります。同行日数を決めるときは、観察する側とされる側の両方の工数を見込んでください。
無報酬で受け入れるときの労働者性・機密・安全
ジョブシャドウイングを無報酬で実施できる根拠は、厚生労働省労働基準局が令和7年3月時点でまとめた「労働基準法における労働者性の関連通達」に収録された、平成9年9月18日付け基発第636号にあります。同通達はインターンシップにおける学生の労働者性について、次のように述べています。
「インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者に該当しないものであるが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生との間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられ、また、この判断は、個々の実態に即して行う必要がある」
見学・観察が中心で、業務上の指揮命令などによる使用従属関係が認められず、労働者に該当しない場合には、労働基準法上の賃金支払い義務は生じません。危ういのは当日の善意です。手が空いた学生に「ちょっとこれ手伝って」と作業を振り、その成果が会社に帰属し、指示に従わせた瞬間に、使用従属関係の側へ近づきます。通達自身が「個々の実態に即して行う必要がある」と釘を刺しているとおり、名目がジョブシャドウイングであることは判断の根拠になりません。現場の社員には、観察プログラムとして作業を依頼しないことに加え、機密情報の開示範囲と危険区域への立入りの禁止も事前に共有します。この通達は判断にあたり、昭和57年2月19日付け基発第121号「商船大学及び商船高等専門学校の実習生の労働者性について」の参照も指示しています。
機密管理は、インターンシップより難しい面があります。作業をさせない代わりに、学生は執務席のすぐ後ろに半日座り、画面と書類と会話にさらされ続けるためです。秘密保持契約だけに頼らず、見せる情報と立入範囲を制限します。未成年者と契約する場合は、法定代理人の同意なども確認してください。観察する社員の席周辺だけでも、当日は顧客名が映る画面を閉じる、扱う案件を選ぶ、来客対応の時間帯は別室へ移す。これらを担当者向けの確認事項にまとめ、撮影・録音・SNS投稿の扱いや、情報が漏れた場合の連絡先も主催者と確認します。機密情報への接触を避けられない業務は観察対象から外してください。
安全面は受け入れ先の業種で決まります。牧之原市の令和6年9月の回では、訪問先32社のうち製造業が16社、建設業が5社と、現場を持つ事業所が過半を占めていました。工場や建設現場で観察させるなら、保護具の用意と立入可能区画の線引きが先で、これは当日ではなく参加表明の時点で決めておく項目です。保険の加入者や補償内容は事業ごとに異なるため、参加表明のときに補償の範囲を確認してください。
よくある質問
ジョブシャドウイングとインターンシップの違いは何ですか?
就業体験の有無です。ジョブシャドウイングは観察のみで作業をしないため、産学協議会の4類型ではタイプ1またはタイプ2に当たります。この4類型で「インターンシップ」に位置づけられるのはタイプ3・4です。参加期間の半分超の就業体験や社員による指導・フィードバックは、タイプ3に示された要件です。
ジョブシャドウイングは何日くらい実施しますか?
半日程度が標準です。牧之原市は事業案内で「半日程度の職業観察」と説明しており、産学協議会のタイプ1も参加期間を「超短期(単日)」としています。日数を延ばすほど、観察だけで間を持たせるのが難しくなります。
中学生も対象にできますか?
できます。日南市・串間市の「まちのジョブシャドウイング」は中高生を対象に、8時30分の待ち合わせから16時45分の振り返りまで1対1で密着する日程を組んでいます。名護市はさらに下の学年まで広げ、令和8年度は小学5・6年生を対象に大人1人へ子ども1から2人が付く形を9時30分から11時30分の2時間で13校に配置しました。同じ市が中学2年生には3日間の職場体験を別に用意しており、観察と就業体験を学年で切り分ける運用になっています。
参加した学生を採用選考で評価してもよいですか?
大学生等向けの4類型では、タイプ1・タイプ2で取得した学生情報の採用活動への利用は認められていません。高校生の活動については、この整理だけで判断せず、学校・主催者と採用ルールを確認してください。採用活動開始以降に限って活用が認められるのはタイプ3・4だけです。観察当日の社員の所感を選考資料に回す運用は避けてください。
報酬や交通費は支払う必要がありますか?
観察に徹し、業務の指揮命令を受けない形であれば、基発第636号の考え方により労働基準法第9条の労働者に該当しないため、賃金の支払い義務は生じません。交通費や昼食の扱いは、主催者・受入企業・学校の間で事前に確認してください。作業を伴う場合の労働者性は、利益の帰属や使用従属関係などの実態から判断します。