フレーミング効果とは、論理的に同じ内容でも、それを利益の側から述べるか損失の側から述べるかによって、人の判断や選択が変わる現象です。1981年にエイモス・トベルスキーとダニエル・カーネマンが『Science』誌で報告しました。日本語の解説記事の多くは「ポジティブ表現とネガティブ表現」という一つの括りで説明しますが、研究上は効果の出方が異なる3つの型に分かれます。型を混ぜたまま実務に持ち込むと、効かない場面に効く手法を当ててしまいます。ここでは原典の数値、36ラボ6,271人による追試の結果、効果が消える条件までを一次資料で確認します。
まとめ:フレーミング効果の要点
フレーミング効果は、同じ事実を正負どちらの表現で提示するかで選択が変わる現象で、原典はトベルスキーとカーネマンの1981年論文です。600人が死ぬと予想される疫病への対策を尋ねた「アジア病問題」では、「200人が助かる」と示された群(152人)の72%が確実な案を選んだのに対し、「400人が死ぬ」と示された群(155人)で確実な案を選んだのは22%でした。
効果は3つの型に分かれます。選択肢全体を正負で記述するリスク選択フレーミング、対象の一属性だけをラベルし直す属性フレーミング、同じ行動を促すのに得と損のどちらを強調するかを変える目標フレーミングです(Levin, Schneider & Gaeth, 1998)。型ごとに効く条件が違います。
再現性については、心理学の他の古典と事情が異なります。36ラボ6,271人による大規模追試で再現に成功しており、出版バイアスを補正したメタ分析も同程度の効果量を報告しています。ただし属性フレーミングは受け手に実際に体験させると弱まり、極端な水準では消えます。以下、原典の数値、3類型、追試データ、混同されやすい概念の切り分けを順に見ていきます。
アジア病問題で示された原典データ
設問文と実際の選択率
トベルスキーとカーネマンは1981年、『Science』211巻4481号453〜458ページに「The Framing of Decisions and the Psychology of Choice」を発表しました。ここで用いられたのが、後に「アジア病問題」と呼ばれる設問です。回答者は、600人が死亡すると予想される疫病の流行に備える状況を想像するよう求められます。
第1群(152人)には、生存者数で記述された2案が示されました。プログラムAは「200人が助かる」、プログラムBは「3分の1の確率で600人全員が助かり、3分の2の確率で誰も助からない」です。この群では72%が確実なプログラムAを選びました。第2群(155人)には、死者数で記述された2案が示されました。プログラムCは「400人が死ぬ」、プログラムDは「3分の1の確率で誰も死なず、3分の2の確率で600人が死ぬ」です。この群で確実なプログラムCを選んだのは22%にとどまりました。
プログラムAとプログラムCは、600人のうち200人が生存し400人が死亡するという同一の帰結を、生存側から述べるか死亡側から述べるかの違いしかありません。それでも確実な案の選択率は50ポイント開きました。
プロスペクト理論による説明と「フレーミング現象」という呼び方
この逆転を説明するのが、同じ2人が1979年に提唱したプロスペクト理論です。人は絶対的な水準ではなく参照点からの変化で結果を評価し、利益の領域ではリスクを避け、損失の領域ではリスクを取る傾向を示します。生存者数で記述されると「200人が助かる」は利益として符号化されるためリスク回避が働き、死者数で記述されると「400人が死ぬ」は損失として符号化されるためリスク追求が働きます。理論そのものの構造はプロスペクト理論とは何か?1979年に提唱され、ノーベル賞受賞にも繋がった非合理な意思決定モデルを解説で扱っています。
日本語では「フレーミング現象」「フレーム効果」という呼び方も使われますが、指す対象は同じです。学術的には、正負どちらの語調(valence)で記述するかが判断を変えるという意味で「valence framing effects」と総称されます。
3類型で変わる効果の出方
アーウィン・レヴィンらは1998年、『Organizational Behavior and Human Decision Processes』76巻2号149〜188ページで「All Frames Are Not Created Equal」と題する類型論を示しました。文献ごとに結果が食い違って見えるのは、研究によって「何を」フレーミングしているかが違うためだ、というのが彼らの主張です。区別の軸は、(1)何が枠づけられるか、(2)何に影響するか、(3)効果をどう測るか、の3点でした。
| 型 | 枠づける対象 | 影響する先 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| リスク選択フレーミング | リスク水準の異なる選択肢の集合 | リスク選好 | アジア病問題 |
| 属性フレーミング | 対象の単一の属性 | 対象の評価 | 75%赤身/25%脂肪 |
| 目標フレーミング | ある行動の帰結 | 行動の採用率 | 乳房自己触診の勧奨 |
レヴィンらは結論部で、型をまたぐと結果が割れる一方で「型の内部では結果に相当の一貫性がある」と述べています。実務で使い分けるべき単位は、ポジティブとネガティブではなく、この3つの型です。
リスク選択フレーミング
選択肢の集合全体が正負いずれかで記述され、リスクの高い選択肢が選ばれる頻度を条件間で比べる型です。レヴィンらの要約では、正の枠は負の枠に比べてリスク回避的な反応を強めるという「選択のシフト」が典型的に生じるとされます。ただし論文は、必ずしも選好の完全な逆転が起きるわけではない点を明示しています。アジア病問題のような多数派の入れ替わりは、この型で観察されうる最も強い形であって、標準的な帰結ではありません。
属性フレーミング
対象の属性ひとつだけをラベルし直す型で、3類型のうち最も単純な形です。アーウィン・レヴィンとゲイリー・ゲイスは1988年、『Journal of Consumer Research』15巻3号374〜378ページで、同一の挽き肉を「75%赤身」と表示した場合と「25%脂肪」と表示した場合の評価を比べました。回答者は「75%赤身」表示のほうを好意的に評価しています。
この研究には、販促の設計上より重要な第2の知見があります。実際に肉を試食させると、表示による評価差が縮小したのです。論文はこれを平均化モデルで説明し、診断性の高い直接経験が情報フレーミングの影響を薄めると述べています。
目標フレーミング
同じ行動を促す際に、実行して得られる利益を強調するか、実行しないことで生じる損失を強調するかを変える型です。2条件がいずれも同じ行動を促す点が、他の2類型との決定的な違いになります。ベス・メイヤロウィッツとシェリー・チェイキンは1987年、乳房自己触診について「実施する女性は早期に腫瘍を発見できる可能性が高まる」と伝えた場合よりも、「実施しない女性は早期に腫瘍を発見できる可能性が低くなる」と伝えた場合のほうが、実施率が高まることを示しました。
ただしレヴィンらが収録した目標フレーミング研究の一覧を読むと、結果の記載は「損失フレームの影響が大きい、あるいは効果なし」という形式で並んでいます。ブロックとケラーの1995年の研究では、自己効力感が低い場合や発見型の行動では負の枠が態度と意図に強く効いた一方、自己効力感が高い場合や予防型の行動ではフレーミング効果が認められませんでした。損失を強調すれば常に説得力が増すわけではなく、受け手が「自分にできる」と感じているかどうかで結果が変わります。
再現性の実測:フレーミング効果は追試に成功した古典
心理学の古典的知見は、2010年代以降の再現性検証で多くが縮小または消失しました。フレーミング効果はその流れの例外に当たります。
36ラボ6,271人による大規模追試の数値
リチャード・クラインらは2014年、『Social Psychology』45巻3号142〜152ページで「Many Labs」計画の結果を報告しました。13の古典的・現代的知見を36のサンプルで同時に追試したもので、アジア病問題も対象です。追試では「アメリカ合衆国」を各調査国に置き換え、設問から「アジアの」という語を削っています。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 原典の効果量 | d=1.13(95%CI 0.89〜1.37) |
| 追試の効果量(重み付け) | d=0.60(99%CI 0.53〜0.67) |
| 追試の効果量(中央値) | d=0.58 |
| 追試の総サンプル数 | 6,271人/36ラボ |
| p<.05で同方向のラボ | 86%(31ラボ) |
| p<.05で逆方向のラボ | 0%(0ラボ) |
| ラボ間の異質性 | Q(35)=37.01、p=.37 |
効果量は原典の約半分に縮みましたが、方向が逆転したラボは1つもありません。注目すべきは異質性です。Q統計量は有意にならず(p=.37)、アメリカ・ヨーロッパ・アジアにまたがる36の標本の間で、効果の大きさに意味のあるばらつきは検出されませんでした。「国や世代でフレーミングへの反応が違う」という説明をこの追試データは支持していません。文化差を前提にメッセージを作り分ける前に、まず型の選択が正しいかを見直すほうが実利があります。
出版バイアスを補正したメタ分析
アントン・キューバーガーは1998年、『Organizational Behavior and Human Decision Processes』75巻1号23〜55ページで、136本の論文・のべ約3万人・230の効果量を対象としたメタ分析を行い、全体の効果は「小から中程度」と結論しました。報告された値はd=0.31です。
アレクサンダー・シュタイガーとキューバーガー自身は2018年、『Zeitschrift für Psychologie』226巻1号45〜55ページで、このデータをp-curve法により再解析しました。有意なp値の分布から出版バイアスを補正した結果、補正後の効果量はd=0.52となり、1998年の報告値より高くなっています。抄録は、p-curve分析が「信頼できるフレーミング効果が存在し、激しいp-hackingの証拠はない」ことを示すと述べ、Many Labsのd=0.60と「驚くほど近い」と評しています。さらに2016年に公開されたリスクフレーミング実験を対象に新たなメタ分析を行い、やはりd=0.56という同程度の値を得たうえで、「フレーミング効果は信頼でき、極めて頑健である。そこに再現性の危機はない」と結んでいます。
争点は効果の存在ではなく説明の仕方だ、という整理です。実務側の含意は明快で、フレーミングは「使えるが原典の印象ほど劇的ではない」水準の道具として見積もるのが妥当です。72%対22%を期待値として販促の目標に置くべきではありません。
フレーミング効果が弱まる・消える条件
効果があることと、いつでも効くことは別です。一次文献から取り出せる「効かない条件」は次の4つです。
- 受け手が対象を直接経験できる場合。挽き肉の実験では、試食させると表示による評価差が縮みました(Levin & Gaeth, 1988)。
- 属性の水準が極端な場合。レヴィンらは、賭けの評価に対するフレーミング効果が勝率の中間水準で顕著になり、極端な水準では弱まると報告しています。ビーチらの1996年の研究では、重要な属性を多く欠いたトースターはどちらの枠でも大多数に拒否され、フレーミング効果が現れませんでした。
- 受け手の自己効力感が高い場合、および予防型の行動を促す場合。この条件では目標フレーミングの効果が確認されていません(Block & Keller, 1995)。
- 選好の完全な逆転を期待する場合。典型的に起きるのは選択のシフトであり、逆転は保証されていません(Levin, Schneider & Gaeth, 1998)。
ここから導かれる実務判断を言い切ります。試着・試食・無料トライアルなど直接経験を提供している商材では、表示の言い換えに投資しても回収しにくいということです。属性フレーミングが効くのは、受け手が数値や表示に頼るしかない比較検討の初期段階に限られます。
メディア報道のフレーミングと印象操作
「フレーミング」は、意思決定研究とは別にコミュニケーション研究でも中心的な概念として使われます。両者を同じものとして説明する日本語記事がありますが、系統が異なります。
ロバート・エントマンは1993年、『Journal of Communication』43巻4号51〜58ページで、フレーミングを「知覚された現実のいくつかの側面を選び出し、コミュニケーションのテクストの中でそれらをより顕著にすることで、記述された対象について特定の問題定義、因果的解釈、道徳的評価、あるいは対処の推奨を促すこと」と定義しました。エントマンはこの働きの本質を「選択」と「顕著性」の2点に置いています。
意思決定研究のフレーミング効果が、論理的に等価な2つの記述の間の差を扱うのに対し、報道のフレーミングは何を書き何を書かないかという選択そのものを扱います。「日本が勝った」と「アメリカが負けた」という2つの見出しは前者に近く、ある争点を経済問題として報じるか人権問題として報じるかは後者です。世間で「印象操作」と呼ばれる現象の多くは、後者、つまり何を顕著にするかの選択に当たります。
この区別は受け手の側でも役に立ちます。同じ出来事の複数媒体の記事を並べ、数値の記述方向(生存率か死亡率か)が違うのか、取り上げる論点の集合そのものが違うのかを見分ければ、どちらの水準で印象が作られているかが判別できます。後者は他の媒体を読まない限り補えません。
フレーミング効果と混同されやすい4つの概念
マーケティングや行政の事例紹介でフレーミング効果の実例として挙げられているものには、別の現象が混ざっています。代表的な4つを切り分けます。
デフォルト効果
臓器提供の同意率が国によって大きく違う事例は、フレーミング効果の例として頻繁に紹介されますが、これはデフォルト効果です。エリック・ジョンソンとダニエル・ゴールドスタインは2003年、『Science』302巻5649号1338〜1339ページで、提供を希望する人が手続きする方式(オプトイン)の国と、希望しない人が手続きする方式(オプトアウト)の国を比較し、オプトアウト方式の国の登録率が平均して約6倍高いことを示しました。差を生んでいるのは表現ではなく、何もしなかった場合にどちらの状態になるかという初期設定です。文面を変えずに初期設定だけを動かしても差が出るため、フレーミング効果とは別の機構です。
社会規範ナッジ
英国歳入関税庁が督促状の文面を変えて納税率を上げた事例も、フレーミング効果として紹介されがちです。マイケル・ホールズワースらは2017年、『Journal of Public Economics』148巻14〜31ページで、20万人を超える行政データを用いた自然実地実験を報告しました。効いたのは「あなたの地域の大多数の人は期限内に納めています」といった社会規範のメッセージで、実際に他者がどうしているかを述べる記述的規範のほうが、どうすべきかを述べる命令的規範より効果的でした。これは新しい情報を追加する介入であり、同一内容を言い換える操作ではありません。
リフレーミング
「飽きっぽい」を「好奇心が旺盛」と捉え直すような技法はリフレーミングと呼ばれ、1974年の家族療法の文献に由来します。フレーミング効果が「送り手が受け手の判断を動かす現象」であるのに対し、リフレーミングは主に「本人または支援者が意味づけを変える介入」です。狙う相手も測る指標も異なります。技法としての手順はリフレーミングとは?捉え直す意味と言い換え一覧・原典1974年の定義とやり方で整理しています。
アンカリング効果
「通常価格2万円のところ1万円」という表示が安く感じられるのはアンカリング効果です。先に提示された数値が判断の基準点になり、その後の見積もりがその近辺に引き寄せられます。フレーミング効果は同一の情報を正負どちらの側から記述するかの問題で、参照する数値を新たに与えるわけではありません。価格表示の設計では両者が同時に働くことが多いため、効果を検証する際は片方ずつ切り分けて試す必要があります。基準点が動く仕組みはアンカリング効果とは?意味と心理学的な仕組み・具体例・対策をわかりやすく解説で解説しています。
価格・ポイント表示に関する日本語の実証データ
日本語で査読を経た実証研究として、寺地一浩と近勝彦による「ポイントによる消費者行動の研究:ポイント付与におけるフレーミング効果の実証分析」があります(『行動経済学』第4巻85〜89ページ、2011年)。
調査は2011年8月にインターネットで実施されました。予備調査1,000名をポイントを貯めている業種数で低度・中度・高度の3層に分け、性別と年代を統制してA群180名・B群180名の計360名(平均44.7歳、男性50.6%)を抽出しています。A群には「商品代のポイント5%分」、B群には「ポイント5倍」を提示し、購買意欲を5件法で尋ねました。通常は100円で1ポイントが付く設定なので、1万円の買い物ならどちらも500ポイントで完全に同額です。
結果は、3つのポイント層すべてと全体平均で「ポイント5倍」のほうが購買意欲が高く、被験者間2要因分散分析で1%水準の有意差が出ました。ポイント層区分も有意で(F=7.598、自由度2、p=.001)、交互作用は有意ではありませんでした(F=1.061、自由度2、p=.347)。テューキーのHSD検定では、高度ポイント層が低度層(差.347、p=.001)とも中度層(差.225、p=.034)とも有意に異なりました。著者らは、「5倍」は通常付与を基準とした倍率として具体的に想起されやすく、「5%」は商品代の20分の1という抽象的な比率にとどまるため、と解釈しています。
同論文は、小嶋外弘『価格の心理』(ダイヤモンド社、1986年)の調査結果も紹介しています。それによると、単価が安い商品では割引率の表示が、価格の高い商品では割引金額の表示が効果的で、一流ブランドの値下げでは比率表示、二流以下のブランドでは金額表示が有利とされています。原著を直接確認したものではなく、寺地・近論文を経由した引用である点は付記しておきます。
3段階の価格帯を並べて中位を選ばせる設計は、フレーミングではなく極端回避性という別の機構で説明されます。価格帯の組み方は松竹梅の法則とは?極端回避性の原典データと3段階価格の設計手順にまとめています。
よくある質問
フレーミング効果の具体例は?
原典の例はアジア病問題で、「200人が助かる」と示すと72%が確実な案を選び、「400人が死ぬ」と示すと22%に下がりました。身近な例としては、同じ挽き肉の「75%赤身」と「25%脂肪」という表示があり、前者のほうが好意的に評価されます。手術の説明で生存率を伝えるか死亡率を伝えるかも同じ構造です。
フレーミング効果とアンカリング効果の違いは何ですか?
フレーミング効果は、論理的に等価な内容を正負どちらの側から記述するかで判断が変わる現象です。アンカリング効果は、先に提示された数値が基準点となって後続の判断がその近くに引き寄せられる現象で、新しい数値情報を与える点が異なります。「10人中9人が満足」と「10人中1人が不満」の差がフレーミングです。価格表示では両者が同時に働くため、検証は片方ずつ切り分けて行います。
フレーミング効果は誰が提唱しましたか?
エイモス・トベルスキーとダニエル・カーネマンが、1981年に『Science』211巻4481号453〜458ページで発表した論文で示しました。理論的な土台は同じ2人が1979年に発表したプロスペクト理論です。カーネマンは2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。
フレーミング効果とリフレーミングは同じですか?
別の概念です。フレーミング効果は、送り手の記述の仕方によって受け手の判断が変わるという意思決定研究上の現象を指します。リフレーミングは1974年の家族療法に由来する技法で、本人や支援者が出来事の意味づけを捉え直す介入を指します。名称が似ているだけで、研究の系統も測定する対象も異なります。
フレーミング効果は再現性が確認されていますか?
確認されています。36ラボ6,271人による2014年の大規模追試では、86%に当たる31ラボで有意な効果が同じ方向に出て、逆方向に有意となったラボはありませんでした。効果量は原典のd=1.13からd=0.60へ縮んでいます。出版バイアスをp-curve法で補正した2018年の再解析でもd=0.52が得られ、著者らは「そこに再現性の危機はない」と結論しています。
フレーミング効果を使うメリットは?
提供する中身そのものを変えずに、表示や説明の方向を変えるだけで判断を動かせる点です。追試での効果量はd=0.60程度で、価格や仕様の変更に比べれば影響は小さいものの、実装にかかる費用はほぼありません。ただし受け手が現物を試せる場面では効果が縮むため、比較検討の初期段階や、数値でしか伝えられない情報に絞って使うのが現実的です。