温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)は、温室効果ガスを相当程度多く排出する事業者に、毎年度の排出量を算定して国へ報告することを義務づけ、国がその結果を集計・公表する仕組みを定めた法律です。この仕組みは「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」、略してSHK制度と呼ばれます。この記事では、対象ガスと報告から公表までの流れ、省エネ法との違いを整理したうえで、令和7年度報告から変わった直接排出と間接排出の区分や基礎排出係数の扱いが、社内の請求データやシステムに何を求めるかまでを受託開発の目線で解説します。
まとめ:温対法の報告は省エネ法と一体で考え、直接と間接の区分から逆算する
温対法対応で最初に押さえるべきは、エネルギー起源CO2の報告が省エネ法の定期報告書と一体になっている点です。原油換算1,500キロリットル以上という基準は省エネ法の特定事業者と同じで、省エネ法の定期報告書でCO2を報告すれば温対法の報告とみなされます。温対法の対象企業の多くは、すでに省エネ法の報告をしている企業でもあるということです。別の業務として二重に組み立てる必要はありません。
次に効くのが令和7年度報告からの変更です。事業者単位のエネルギー起源CO2は、燃料の使用に伴う直接排出と、他人から供給された電気・熱の使用に伴う間接排出を分けて報告するようになりました。一方で特定事業所単位の別紙は合算のまま。社内のデータは、燃料・電気・熱を分けて持ち、事業者単位と事業所単位の両方の粒度で出せる形にしておく必要があります。
電気の排出係数も、電力会社が調達した非化石証書などを織り込んだ「基礎排出係数(非化石電源調整済)」へ切り替わりました。係数は電力契約のメニューごとに違います。拠点が少なく契約が単純なら表計算のままで足り、拠点と契約が増えた段階で集計の仕組みを作る、という線引きが投資判断の軸です。
温対法と算定・報告・公表制度の全体像|対象ガスと報告から公表までの流れ
温対法は国・地方公共団体・事業者・国民の役割を定めた枠組みの法律で、事業者に直接の義務を課す中心がSHK制度です。まず制度の骨格を確認します。
平成10年制定の温対法と平成18年4月に始まった算定・報告・公表制度の目的
環境省の温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル(Ver6.1)第I編によれば、温対法は京都議定書の採択を受けて平成10年に制定されました。京都議定書が発効した平成17年の改正でSHK制度が導入され、平成18年4月から施行されています。
制度の狙いは、排出者自らが排出量を算定して自社の排出実態を認識し、自主的な取組の基盤をつくること。あわせて排出量の情報を可視化し、国民や事業者全般の取組を促すことも目的に掲げられています。削減を強制するのではなく、算定と開示を通じて行動を促す設計です。
報告対象はエネルギー起源CO2を含む7種類で代替フロン等4ガスは暦年で集計
環境省の制度概要のページに掲載されている対象ガスは次のとおりです。
- 二酸化炭素(CO2):エネルギー起源と非エネルギー起源に分かれる
- メタン(CH4)
- 一酸化二窒素(N2O)
- ハイドロフルオロカーボン類(HFC)
- パーフルオロカーボン類(PFC)
- 六ふっ化硫黄(SF6)
- 三ふっ化窒素(NF3)
見落としやすいのが算定対象期間の違いです。HFC・PFC・SF6・NF3の代替フロン等4ガスは暦年(1月〜12月)、それ以外のガスは年度(4月〜翌3月)で集計します。代替フロン等を扱う事業者は、集計の締めを2系統持つことになります。
事業所管大臣への報告から全件公表までの流れと令和4年度報告からの変化
特定排出者は、毎年度、事業者ごとの排出量を事業所管大臣へ報告します。事業所管大臣は報告内容を環境大臣と経済産業大臣に通知し、両大臣が集計して公表する流れです。公表は、基礎排出量を事業者別・業種別に、調整後温室効果ガス排出量を事業者別に、特定事業所の基礎排出量を都道府県別に集計する形で行われます。
大きく変わったのが令和3年の法改正(令和4年4月施行)です。令和4年度に報告する令和3年度排出量から、報告された排出量は開示請求の手続きを経ずにすべて公表されるようになりました。環境省の集計結果のページによると、令和2年度分まではPDFとExcelで集計結果を掲載し、令和3年度実績以降は電子報告システム(EEGS)から公表しています。取引先や投資家が自社の排出量を見られる状態が前提になった、と受け止めるべき変化です。
情報が公になることで権利利益が害されるおそれがある場合は、報告の際に保護を請求できます。事業所管大臣が審査し、認められれば逆算されない形で通知される仕組みです。逆に、排出量の増減の理由などを説明したい場合は、様式第2で関連情報を任意に提出でき、排出量と一緒に公表されます。
温対法の対象になる事業者の判定|1,500kl・3,000トン・21人の3つの基準
報告義務を負う「特定排出者」は、特定事業所排出者と特定輸送排出者の2つに分かれます。どちらに当たるかで期限も変わります。
特定事業所排出者の要件と特定事業所の排出量を内訳として報告する条件
エネルギー起源CO2については、全事業所のエネルギー使用量の合計が原油換算で年間1,500キロリットル以上の事業者が対象です。これは省エネ法の特定事業者・特定連鎖化事業者と同じ基準になっています。
それ以外のガスは、2つの条件を両方満たす事業者が対象です。ガスの種類ごとに排出量の合計がCO2換算3,000トン以上であること、そして事業者全体で常時使用する従業員が21人以上であること。メタンは3,000トン未満でもN2Oが3,000トン以上なら、N2Oだけを報告するという判定になります。判定には政省令で定められた算定方法と排出係数を使うため、自社独自の係数で計算した値では判断できません。算定式の考え方はCO2排出量の計算方法を活動量と排出係数から整理した記事で詳しく扱っています。
さらに、1,500キロリットル以上、またはガスごとに3,000トン以上となる事業所を持っている場合は、その事業所(特定事業所)の排出量も内訳として報告します。フランチャイズチェーンは、加盟店を含めたチェーン単位で算定するのが原則です。
特定輸送排出者の要件と報告期限が6月末日になる輸送事業者・荷主の区分
特定輸送排出者は、省エネ法の特定貨物輸送事業者・特定旅客輸送事業者・特定航空輸送事業者・特定荷主などが該当します。認定管理統括荷主などは貨物輸送量が年間3,000万トンキロ以上、貨客輸送事業者は輸送能力の合計が300両以上といった基準です。
期限が違う点に注意してください。特定事業所排出者の報告期限は毎年度7月末日ですが、特定輸送排出者は毎年度6月末日です。工場を持つメーカーが特定荷主にも該当する場合、6月と7月に2つの締切が来ます。年間の作業計画では、輸送分の算定を1か月前倒しで終わらせる段取りが要ります。
温対法と省エネ法の違い|物差し・報告書・罰則を表で切り分ける要点
温対法と省エネ法は、対象基準の一部が同じで報告書も連動しているため、混同されやすい法律です。違いは「何を物差しにするか」に集約されます。
温室効果ガス排出量とエネルギー使用量という物差しの違いを表で比較
主な違いを表にまとめました。省エネ法側の数値は資源エネルギー庁の資料に基づきます。
| 項目 | 温対法(SHK制度) | 省エネ法 |
|---|---|---|
| 物差し | 温室効果ガスの排出量 | エネルギーの使用量と原単位 |
| 対象の基準 | 1,500kl以上/ガス別3,000t以上 | 原油換算1,500kl以上 |
| 対象 | CO2を含む7種類のガス | 燃料・熱・電気 |
| 主な報告書 | 温対法の報告書(様式第1) | 定期報告書・中長期計画書 |
| 期限 | 7月末日(輸送は6月末日) | 翌年度7月末日 |
| 未報告の罰則 | 20万円以下の過料 | 50万円以下の罰金 |
| 結果の扱い | 国が集計し全件公表 | 行政の指導・助言・指示の材料 |
実務上の違いで大きいのは、省エネ法が原単位の年平均1%低減という目標を持つのに対し、SHK制度の義務は算定と報告で、報告者に削減の数値目標を課す仕組みは制度概要に含まれていない点です。ガスごとの基準があるため、エネルギー使用量が1,500キロリットル未満でも、メタンやHFCを多く出す廃棄物処理業や化学工業は温対法だけの対象になることがあります。
省エネ法の定期報告書でCO2を報告すると温対法の報告とみなされる仕組み
エネルギー起源CO2の基準が省エネ法と同じであるため、報告の負担に配慮して、省エネ法の定期報告書でエネルギー起源CO2を報告した場合は温対法の報告とみなされます。報告書の使い分けは次の3パターンです。
- エネルギー起源CO2だけが対象:省エネ法の定期報告書で報告する
- それ以外のガスだけが対象:温対法の報告書で報告する
- 両方が対象:省エネ法の定期報告書に温対法の報告書を添付する
報告書の作成と提出は、省エネ法・温対法・フロン法の電子報告システムであるEEGSで行うのが標準です。EEGS上で2つの報告書は連動しており、温対法側の情報が未入力だと省エネ法の定期報告書も提出できない仕様になっています。前年度データの取り込みが報告書全体の上書きになる点も含め、提出時の注意点は省エネ法の定期報告と中長期計画をデータ収集の要件へ翻訳した記事にまとめました。
令和7年度・令和8年度報告からの変更点|直接と間接の区分と基礎排出係数
SHK制度は毎年のように算定方法が見直されています。上位の解説記事に多い「2024年の改正ポイント」から、さらに2回の変更が入っている点に注意が必要です。
令和7年度報告から事業者単位のエネルギー起源CO2を直接と間接に分けて報告
環境省の令和7年度報告からの変更点の資料によると、令和7年4月1日施行の改正で、令和7年度報告(令和6年度実績)から報告様式が変わりました。それまでのエネルギー起源CO2は、燃料由来と電気・熱由来を合算した1つの値でした。改正後は様式第1の第1表で「①燃料の使用に伴うエネルギー起源CO2(直接排出)」と「③他人から供給された電気及び熱の使用に伴うエネルギー起源CO2(間接排出)」に分けて記載します。
ここで押さえておきたいのが、区分が求められるのは特定排出者単位の報告だけで、特定事業所単位の報告(様式第1別紙)は合算値のままという点です。同じ年度の報告で、事業者全体は分けて、事業所ごとは合算で出す。社内の集計を合算値で持っていると第1表が埋まらず、区分値だけで持っていると別紙のために足し直す処理が要ります。燃料・電気・熱を分けて持ち、出力時に集約するのが手戻りのない形です。
基礎排出係数(非化石電源調整済)への切り替えと証書を差し引く量の上限
同じ改正で、電気と熱の基礎排出量の計算方法も変わりました。電気事業者が調達した非化石証書・グリーン証書・再エネ由来J-クレジットの環境価値を反映した「基礎排出係数(非化石電源調整済)」を使って算定します。あわせて、自社で取得した非化石証書やグリーン電力証書、再エネ電力由来J-クレジットの無効化量と移転量も、基礎排出量の計算に反映させることになりました。それまでは調整後排出量にだけ反映していたものです。
差し引ける量には上限があります。非化石電源CO2削減相当量、グリーン電力証書の無効化量、再エネ電力由来J-クレジットの無効化量の合計は、他人から供給された電気の使用に伴うCO2排出量を超えられません。熱についても同様の上限があります。電力会社の係数に織り込まれた証書は自社で報告する必要がなく、使った係数を報告すれば足ります。
環境省の算定方法・排出係数一覧のページでは、令和7年度報告から電気の基礎排出係数もメニュー別に公表されています。同じ電力会社でも、再エネメニューと標準メニューでは係数が違う。拠点ごとにどのメニューで契約しているかが、そのまま報告値に効く構造です。
令和8年度報告の廃熱の係数0と令和9年度報告からの森林等炭素蓄積変化量
令和8年4月1日施行の改正は2点です。環境省の令和8年度報告からの変更点の資料によれば、1点目は清掃工場などで廃棄物を焼却した際の廃熱の扱いです。これまでは販売者側で焼却の排出量を計上し、購入者側でも産業用蒸気の係数などを掛けて計上していました。改正後は販売者側だけが計上し、購入者側は係数0として計上不要になります。令和8年度報告(令和7年度実績)から適用です。
2点目は森林等炭素蓄積変化量で、森林や木材を使った固定資産を持つ事業者が、炭素蓄積の変化量を調整後排出量の調整に任意で使えるようになりました。こちらは令和9年度報告(令和8年度実績)からです。熱の購入先が清掃工場かどうかを請求データで判別できるようにしておくことが、1点目に対応するための前提になります。
報告データを社内システムで作るときの要件|請求データの分け方とXML様式
ここからは、ここまでの制度要件を社内データの設計に置き換えます。報告書の数字はすべて、請求書・契約・設備台帳のどこかから来ています。
請求データを燃料・電気・熱の3系統で保持しないと第1表が埋まらない理由
直接排出と間接排出の区分は、データの持ち方でいえば「燃料の請求」と「電気・熱の請求」を分けて保持することを意味します。都市ガスやLPガス、重油は燃料、電力会社と熱供給事業者からの請求は間接排出の側です。令和6年4月施行の改正で、都市ガスと熱も電気と同じく事業者ごとの排出係数を使うことになったため、燃料側でも「どのガス会社から買ったか」を保持する必要があります。
実装上の落とし穴は、会計システムの勘定科目に寄せて集計しているケースです。水道光熱費という1つの科目に電気・ガス・熱が混在していると、金額は取れても使用量と供給元が取れません。経理の仕訳とは別に、請求書単位で「拠点・供給元・エネルギー種別・使用量・単位・対象月」を持つ明細テーブルを用意するのが基本形です。
電力メニュー別の係数と証書の量を契約単位で紐づける台帳の持ち方
基礎排出係数がメニュー別になったことで、拠点と係数を直接つなぐ設計は破綻します。年度の途中で再エネメニューへ切り替えた拠点では、同じ年度の中で係数が2つ存在するためです。台帳は「拠点・電力契約・契約メニュー・適用期間」を持ち、係数は年度ごとに公表される一覧から契約メニューへ当てる構造にします。
証書の側も同じです。自社で取得した非化石証書やJ-クレジットの無効化量は、どの年度の報告に使ったかを記録しておかないと、上限の判定も翌年度以降の重複計上の防止もできません。排出量の管理を専用ツールに寄せるか自社で組むかの判断は、CO2排出量管理システムの機能範囲と自社開発の分岐を整理した記事で扱っています。
環境省のXML構造定義書から読み取れる日付・空タグ・排出量の型の規則
環境省のマニュアル・様式のページには、報告書の様式と並んで「令和8年度 XML構造定義書」がExcelで公開されています。EEGSで扱う報告書のXMLについて、タグ名・必須かどうか・出現回数・文字種を項目ごとに定めた資料です。2026年10月9日時点の版を確認したところ、社内集計の出力仕様に効く規則として次のものがありました。
| 項目 | 定義書の規則 | 社内データ側で決めること |
|---|---|---|
| 文字コード | UTF-8 | 帳票出力の文字コードを統一 |
| 日付 | 西暦8桁(yyyymmdd)固定 | 和暦で持つ場合の変換 |
| 年度 | 西暦4桁固定 | 暦年ガスとの年度の対応 |
| 値なし | 未使用等は「N/A」で空タグと区別 | 未入力とゼロと対象外の区別 |
| 排出量 | t-CO2単位の0以上の整数 | 端数処理の位置(明細か合計か) |
| 算定方法 | 実測等の独自算定を使ったかのフラグ | 拠点ごとの算定方法の記録 |
実務で最も揉めるのは「値なし」の扱いです。定義書は空タグと「N/A」を区別しており、社内データでも未入力・ゼロ・対象外を別の状態として持たないと、正しく出し分けられません。端数処理も、明細ごとに丸めるか合計してから丸めるかで報告値がずれることがあり、社内でルールを決めて記録しておく必要があります。定義書には前年度との差分表のシートも付いており、毎年度この差分を確認する手順を運用に組み込むことが、様式変更への追随漏れを防ぐ対策です。社内集計からXMLを組み立てて取り込む構成を検討する場合も、この定義書が仕様書の役割を果たします。
どこまでシステム化するか|拠点数と電力契約の数で決める温対法対応の範囲
ここまでの要件をすべて作り込む必要はありません。判断の軸は、拠点数と電力・ガス・熱の契約数の2つです。
表計算ソフトとEEGSへの手入力のままで足りる事業者の条件と注意点
拠点が5か所未満で、電力契約がメニュー切り替えのない数本、対象ガスがエネルギー起源CO2だけという事業者なら、表計算ソフトで年次集計してEEGSへ手入力する運用で足ります。報告は年1回で、入力元も電力とガスの請求書に限られるため、集計基盤を先に作るのは過剰な投資です。
この規模でも、集計ファイルの保存場所と、使った係数の出典と版は記録しておきます。排出量は全件公表されるため、数年後に前年比の増減を問われたときに計算を再現できないと説明に窮します。
集計基盤とダッシュボードを作る側へ切り替える判断の目安になる3つの条件
次のいずれかに当てはまるなら、集計の仕組みを作る側に回ります。第一に、拠点が10か所を超え、拠点ごとに電力契約のメニューや切り替え時期が異なる場合。係数の当て間違いが起きやすく、手作業の確認が拠点数に比例して増えます。第二に、非化石証書やJ-クレジットを継続的に購入している場合。無効化量の年度管理と上限判定は、表計算では追跡が難しくなります。第三に、直接排出が年間10万トンを超えるなど、排出量取引制度(GX-ETS)の対象になる規模の場合です。こちらは算定の確認を受ける制度で、GX-ETSの対象判定と算定データの要件をまとめた記事のとおり、温対法より厳密なデータの管理が求められます。
仕組みを作る場合、報告値の出どころを拠点・契約・月まで辿れるダッシュボードを先に設計すると、社内確認と外部からの照会に同じ画面で答えられます。拠点別・ガス別・直接と間接別の推移を1画面に並べる構成は、BIツール導入支援で扱う要件とほぼ同じ。自動収集の対象は請求データと係数に絞り、報告者の名称や事業分類のように年に1回しか変わらない項目は台帳で持てば足ります。
よくある質問
温対法と算定・報告・公表制度について、実務担当者から挙がりやすい質問をまとめました。
温対法の報告対象になるかどうかは、どう判断すればよいですか?
エネルギー起源CO2と、それ以外のガスで基準が分かれます。エネルギー起源CO2は、全事業所のエネルギー使用量の合計が原油換算で年間1,500キロリットル以上なら対象です。それ以外のガスは、ガスの種類ごとにCO2換算3,000トン以上で、かつ事業者全体で常時使用する従業員が21人以上なら対象になります。
温対法の報告期限はいつですか?
特定事業所排出者は毎年度7月末日まで、特定輸送排出者は毎年度6月末日までです。工場を持つ事業者が特定荷主にも該当する場合は、2つの期限が1か月違いで来ます。算定対象期間はガスによって異なり、HFC・PFC・SF6・NF3の4ガスは暦年、それ以外は年度で集計します。
省エネ法の定期報告をしていれば、温対法の報告は不要ですか?
エネルギー起源CO2だけが対象なら、省エネ法の定期報告書でCO2を報告すれば温対法の報告とみなされるため、別の報告書は要りません。メタンやHFCなど他のガスも基準を超える場合は、温対法の報告書を作成し、省エネ法の定期報告書に添付して提出します。EEGSでは両者が連動しており、温対法側が未入力だと定期報告書を提出できない点にも注意してください。
温対法の報告をしなかった場合、どうなりますか?
報告をしなかった場合や虚偽の報告をした場合は、20万円以下の過料が科されます。省エネ法の定期報告を怠った場合は50万円以下の罰金で、こちらのほうが重い扱いです。エネルギー起源CO2を省エネ法の定期報告書で報告する事業者は、温対法の期限と同じ7月末日に1回で出すことになるため、締切の管理は1本にまとめられます。
報告した排出量は、どこで公表されますか?
令和3年度実績以降の排出量は、開示請求の手続きなしにすべて公表され、電子報告システムEEGSから閲覧できます。令和2年度分までの集計結果の掲載先は環境省の制度ウェブサイトで、掲載形式はPDFとExcelです。法律の条文そのものはe-Gov法令検索の地球温暖化対策の推進に関する法律で確認できます。公表は、事業者別・業種別の基礎排出量、事業者別の調整後排出量、都道府県別の特定事業所の排出量という単位です。
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