GitHub Copilotは、GitHubが提供するAIコーディング支援サービスです。エディタでのコード補完、コードについての質問に答えるチャット、作業を任せられるエージェントまでを1つの契約で使えます。「CopilotのAIエンジンは何か」という問いへの2026年10月時点の答えは、1つのモデルではなく、補完は補完専用のモデル、チャットとエージェントはOpenAI・Anthropic・Google・Microsoft・Moonshot AI・xAIの6社のモデルから選ぶ構成です。この記事では、エンジン、できること、使える場所、6つの料金プラン、契約前に知っておきたい注意点を、GitHub公式ドキュメントで確認した内容をもとに整理します。
まとめ:GitHub Copilotの要点
- 何か:GitHub(Microsoft傘下)のAIコーディング支援。補完・Copilot Chat・エージェントモード・Copilot cloud agent・コードレビュー・Copilot CLIをまとめたサービスです。
- エンジン:2021年の公開時はOpenAI Codex 1本でしたが、今は機能ごとに別のモデルが動きます。チャットとエージェントは6社のモデルを切り替えられます。
- 料金:Free(無料)、Pro(月10ドル)、Pro+(月39ドル)、Max(月100ドル)、Business(1席月19ドル)、Enterprise(1席月39ドル)の6プランで、ほかに学生向けの無料プランStudentがあります。2026年6月1日からは、チャットやエージェントの利用量をGitHub AI Credits(1クレジット=0.01ドル)で数えます。有料プランのコード補完はクレジットを消費せず、無制限です。
- 注意点:Free・Pro・Pro+・Maxでは、2026年4月24日から対話データが既定でモデルの学習に使われます(オプトアウト可)。GitHub Enterprise Serverだけで運用している組織は、GitHub.com側でライセンスを割り当てる追加の構成が必要です。
GitHub Copilotとは:GitHubが提供するAIコーディング支援
GitHub Copilotは、入力中のコードやリポジトリの内容を読み取り、続きのコード、質問への回答、変更の提案を返すサービスです。GitHub公式の「GitHub Copilotについて」は、機能を4つに分けて説明しています。作業中に提案を返す「支援(Assistive)」、目標を伝えると複数の手順を自分で進める「エージェント(Agentic)」、指示ファイルやエージェントスキルで振る舞いを変える「カスタマイズ」、他社のエージェントやMCPサーバーと組み合わせる「外部のAIエージェント・モデル・ツール」です。
ほかのAIツールとの違いは、GitHubの中に組み込まれている点です。issueをエージェントに割り当て、プルリクエストで受け取り、Copilotにレビューさせてマージするまでを、同じリポジトリの中で進められます。
Microsoft Copilotとの違い
「Copilot」という名前の製品はMicrosoftにも複数あります。Windowsや個人向けアプリのMicrosoft Copilot、Word・Excel・Teamsで動くMicrosoft 365 Copilotは、文書作成や業務の支援が目的です。一方のGitHub Copilotはソフトウェア開発専用で、契約もGitHubのアカウントに紐づきます。Microsoft 365 Copilotのライセンスを持っていてもGitHub Copilotは使えず、その逆も同じです。社内で「Copilotを導入したい」という話が出たら、まずどちらの製品の話なのかを確認してください。
CopilotのAIエンジンの変遷
Copilotのエンジンは、この5年で次のように変わりました。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2021年6月29日 | テクニカルプレビュー公開(OpenAI Codex) |
| 2022年6月21日 | 個人向けに一般提供 |
| 2024年10月29日 | ChatでClaude・Geminiなどを選べると発表 |
| 2024年12月18日 | 無料のCopilot Freeを開始 |
| 2026年3月25日 | 対話データを学習に使う方針を発表(4月24日から) |
| 2026年6月1日 | AI Creditsによる従量課金へ移行・Max追加 |
「CopilotはCodexで動いている」という説明は、2022年ごろまでの話です。古い解説記事を読むときは、この前提が今も書かれていないかを確かめてください。
GitHub CopilotのAIエンジン:機能ごとに異なるモデル
Copilotのエンジンを1つの名前で答えることはできません。使うモデルが、補完とチャット・エージェントで分かれているためです。
コード補完のモデル
入力中に灰色の文字で出るインライン補完は、チャット用とは別の、補完専用に調整されたモデルで動きます。2025年には、GPT-4.1をもとにした補完モデル「GPT-4.1 Copilot」が全プランで使われていました(2025年10月17日のchangelog)。そのGPT-4.1は、2026年6月1日にコード補完を含むCopilotの全機能から廃止されています。2026年10月時点の公式ドキュメントは、後継となる既定の補完モデルの名前を明記していません。代わりのモデルがあれば、VS Codeではコマンドパレットの「GitHub Copilot: Change Completions Model」で切り替えられます。補完モデルを変えても、次編集提案(Next Edit Suggestions)とCopilot Chatのモデルは変わりません。補完モデルの変遷と設定方法はGitHub CopilotのGPT-4oはいつ終了?GPT-4.1・GPT-5系への移行とモデル設定で詳しく扱っています。
Copilot Chat・エージェントで選べるモデル
Copilot Chatやエージェントでは、モデルピッカーで使うモデルを選びます。GitHub公式の対応モデル一覧には、2026年10月11日時点で次の6社のモデルが並んでいます。
| 提供元 | 主なモデル(2026年10月11日時点) |
|---|---|
| OpenAI | GPT-5.3-Codex、GPT-5.6 Sol、GPT-6 Sol、GPT-6.1 Sol |
| Anthropic | Claude Sonnet 5.5、Claude Opus 5.5、Claude Haiku 5.5 |
| Gemini 3.8 Flash | |
| Microsoft | MAI-Code-1.1-Flash |
| Moonshot AI | Kimi K3 |
| xAI | Grok 4.6、Grok 4.7 |
モデルピッカーでは、用途に応じてモデルを自動で選ぶ「Auto」も選べます。既定のモデルは利用先によって異なり、たとえばCopilot CLIの既定はClaude Sonnet 5.5です。FreeとStudentはAutoだけで、Proは一部のモデル、Pro+とBusinessはプレミアムモデルまで選べます。ClaudeをCopilotで使う手順はGitHub CopilotでClaudeを使う方法|モデル切替・エージェント・料金にまとめています。
モデルが入れ替わる頻度
対応モデルは月単位で入れ替わります。公式の退役履歴によると、2026年9月1日にClaude Opus 4.5・4.6とGemini 3.1 Pro、10月2日にClaude Opus 4.7、Gemini 3.5 Flash・3.6 Flash、Kimi K2.7 Codeが提供を終えました。社内手順書にモデル名を書くと数か月で古くなるため、用途と系統だけを書き、モデル名は公式の一覧を参照させてください。
GitHub Copilotでできること:補完からクラウドエージェントまで
Copilotの機能は、人がどこまで手を動かすかで並べると全体像をつかみやすくなります。
| 機能 | 何をするか | Free |
|---|---|---|
| コード補完・次編集提案 | 入力の続きと次に直す箇所を提案 | 月2,000回まで |
| Copilot Chat | コードの説明・テスト生成・質問への回答 | あり |
| エージェントモード | 複数ファイルの編集とコマンド実行を自走 | あり |
| Copilot cloud agent | issueからプルリクエストを非同期に作成 | なし |
| Copilotコードレビュー | プルリクエストにレビューコメント | VS Codeの選択範囲のみ |
| Copilot CLI | ターミナルで動くエージェント | あり |
エージェントモードは、エディタの中で変更すべきファイルを自分で探し、編集してテストを走らせ、結果を見て直すところまで繰り返します。操作の詳細はGitHub Copilotエージェントモードの使い方|Ask・Edit・Agentの違いと有効化・料金【2026年版】で解説しています。
Copilot cloud agent(旧称:Copilot coding agent)は、GitHub上でissueを割り当てると、GitHub Actions上の一時的な開発環境でコードを書いてテストを走らせ、プルリクエストとして返します。1回の作業は1リポジトリ・1ブランチ・1プルリクエストまでで、実行時間は最大59分です。エディタの前で待つ必要がないため、小さな不具合修正や依存関係の更新をまとめて任せる使い方に向いています。種類ごとの違いはCoding Agent(コーディングエージェント)とは?仕組み・3つの型と主要ツールの選び方【2026年9月】で比較しています。
コードレビューは2026年6月1日から、AI CreditsとあわせてGitHub Actionsの実行時間も消費するようになりました。依頼方法と料金の考え方はGitHub Copilotのコードレビュー|依頼方法・自動化・日本語化と料金を参照してください。
GitHub Copilotを使える場所
GitHub公式の「Copilotを使える場所」が挙げている利用先は次のとおりです。プランや指示ファイル、接続したMCPサーバーの設定は、対応している場所の間で共通して使えます。
- IDE:VS Code、Visual Studio、JetBrains IDE、Eclipse、Xcode。補完・チャット・エージェントを使う中心の場所です。
- GitHub.com:インストール不要。リポジトリやissue、プルリクエストについて質問したり、エージェントに作業を割り当てたりできます。
- Copilot CLI:ターミナルで動くエージェントです。詳しくはGitHub Copilot CLIのAutopilotとは|使い方・止まる条件・料金と導入手順【2026年9月】で扱っています。
- GitHub Copilot app:複数のリポジトリにまたがるエージェントの作業をまとめて管理する専用アプリです(2026年5月にテクニカルプレビュー開始)。
- GitHub Mobile・GitHub Desktop:外出先でのチャット、コミットメッセージの生成に使えます。
GitHub Copilotの料金:6プランとAI Credits
料金はGitHub公式のプラン一覧で確認できます。2026年10月11日時点の内容は次のとおりです。
| プラン | 月額 | 月のAI Credits | 選べるモデル |
|---|---|---|---|
| Free | 無料 | 一定量(補完は月2,000回) | Autoのみ |
| Pro | 10ドル | 1,500(基本1,000+変動500) | 一部のモデル |
| Pro+ | 39ドル | 7,000(基本3,900+変動3,100) | プレミアムモデル |
| Max | 100ドル | 20,000(基本10,000+変動10,000) | プレミアムモデル優先 |
| Business | 1席19ドル | 1人1,900(組織で共有) | プレミアムモデル |
| Enterprise | 1席39ドル | 1人3,900(組織で共有) | プレミアムモデル優先 |
課金の仕組みは、2026年4月27日のGitHub公式ブログが告知したとおり、6月1日に「プレミアムリクエスト」の回数制からAI Creditsへ切り替わりました(Pro・Pro+の年払い契約は、満了までプレミアムリクエスト制が続きます)。チャットやエージェントは、入力・出力・キャッシュのトークン量をモデルごとの単価で計算してクレジットを消費します。一方、有料プランのコード補完と次編集提案はクレジットを消費せず、無制限です。個人プランのクレジットは毎月1日0時(UTC)にリセットされ、余った分は翌月に繰り越せません。BusinessとEnterpriseは、席ごとのクレジットが組織全体のプールにまとめられ、超過分は1クレジット0.01ドルで請求されます。
BusinessとEnterpriseをクレジットカードやPayPalで支払っている組織は、2026年10月1日から、割り当てた席の料金を請求サイクルの初めに前払いする方式に変わりました(GitHub changelog 2026-09-03)。席を外しても日割りの返金はありません。プランごとのクレジットの減り方と、Billing APIで使用量を集計する方法はGitHub Copilotの料金(pricing)|AI Credits移行後のプラン比較とBilling APIでの使用量集計【2026年10月】で扱っています。
GitHub Copilotの始め方
サーバーの準備は要りません。Freeで試してから有料プランへ移る流れが無駄がありません。
- GitHubアカウントを用意し、Copilotの設定ページでCopilot Freeを有効にします。組織のライセンスがある場合は、同じページから組織にアクセスを申請します。
- エディタに公式の拡張機能を入れ、GitHubアカウントでサインインします。VS Codeの場合の手順はVS CodeでGitHub Copilotを使うには?導入手順・使い方・料金を解説【2026年9月版】で説明しています。
- サインインすると補完がすぐに有効になります。チャットはエディタのサイドバーから開き、日本語で質問すれば日本語で答えます。
- 補完の上限(月2,000回)や、Autoでは物足りない場面が増えたら、Pro以上を検討します。
GitHub Copilotの欠点と注意点
導入前に決めておきたいのは、データの扱いと提供範囲、それに生成されたコードの誤りや脆弱性をレビューとテストで確かめる運用です。ここでは前の2つを中心に整理します。
個人プランの対話データの学習利用とオプトアウト
GitHubブログの2026年3月26日の告知によると、2026年4月24日から、Copilot Free・Pro・Pro+の対話データは、オプトアウトしない限りAIモデルの学習と改善に使われます(公式ドキュメントではMaxも対象)。対象は入力・出力・コードスニペット・カーソル周辺のコード・ファイル名やリポジトリ構造などです。Copilotを使っている間に処理されたプライベートリポジトリのコードも含まれます。BusinessとEnterpriseは対象外で、有料Organizationのメンバーや外部コラボレーターであるユーザーのデータも学習から外れます。個人契約で業務コードを扱う場合は、Copilotの設定で「Allow GitHub to use my data for AI model training」を「Disabled」にしてください。
公開コードと一致する提案とファイルの除外
Copilotの提案が、GitHub上の公開コードとそのまま一致することがあります。全プランで「公開コードに一致する提案をブロックする」設定を使えます。GitHubの料金ページのFAQによると、この設定は65語彙素(平均150文字)以上が公開コードと一致または近似する提案を表示しない仕組みです。ただしポリシーの適用範囲の一覧では、ブロックが効くのはIDEの提案で、Copilot cloud agentと他社のエージェントは一致を注記するだけです。ライセンスの扱いを気にする開発ではオンにしておきます。
特定のファイルやリポジトリをCopilotに読ませない「コンテンツ除外」は、BusinessとEnterpriseだけの機能で、個人プランでは使えません。また公式ドキュメントによると、コンテンツ除外はVS CodeなどのCopilot ChatのEditモード・Agentモードには現在適用されません。Businessを契約しても、エージェントに機密ファイルを読ませない運用は別に決めておく必要があります。
GitHub Enterprise Serverでの利用条件
公式のプラン一覧には「GitHub Enterprise Serverでは現在利用できない」とあります。ただしGHES向けの公式ドキュメントによると、GitHub EnterpriseのライセンスにはGitHub.com(またはGHE.com)のエンタープライズアカウントが付いており、そこでCopilotのライセンスを割り当てれば、開発者は手元にチェックアウトしたコードでIDEのCopilotを使えます。使えないのは、GHES上のリポジトリを直接操作するCopilot cloud agentなど、GitHub.comにリポジトリがあることを前提にした機能です。代わりの構成はGitHub Copilotはオンプレミスで使える?GHES非対応の代替構成とデータの扱い・料金【2026年版】で検討しています。
GitHub Copilotを選ぶべき場面・避けるべき場面
選ぶべきなのは、コードがGitHubにあり、issueとプルリクエストで作業が回っているチームです。cloud agentにissueを割り当ててプルリクエストで受け取る流れが、普段のレビュー手順にそのまま乗ります。Businessなら1席19ドルでコンテンツ除外と組織ポリシーが付き、対話データも学習に使われません。業務で使うなら、個人のProを経費で配るよりBusinessを選ぶべきです。
避けるべきなのは、次のような場合です。
- リポジトリをGitHub Enterprise Serverやほかのホスティングに置いたまま、Copilot cloud agentにissueからプルリクエストまで任せたい。cloud agentはGitHub.com上のリポジトリが前提です。
- 特定のモデルを長期間固定する必要がある。Copilotのモデルは数か月単位で退役します。ほかのサービスを選ぶ場合も、モデルを指定できるかだけでなく、提供期間と退役の告知方針を確認してください。
- 補完が月2,000回以内に収まり、チャットもFreeの枠で足りる個人開発。この場合は有料プランを契約する理由がありません。
エディタごとAIに合わせて乗り換える選択肢と比べたい場合は、CursorとGitHub Copilotの違いとは?料金・機能・使い分けを比較【2026年最新】を参照してください。社内の開発プロセスにAIをどう組み込むかの設計から相談したい場合は、生成AI開発・AI受託開発のご案内も用意しています。
よくある質問(FAQ)
GitHub CopilotのAIエンジンは何ですか?
1つではありません。インラインのコード補完は補完専用に調整されたモデルで動き、Copilot Chatとエージェントでは、OpenAI・Anthropic・Google・Microsoft・Moonshot AI・xAIのモデルから選べます。登場時のOpenAI Codex 1本という説明は古くなっています。
GitHub Copilotは無料で使えますか?
使えます。Copilot Freeは、コード補完が月2,000回まで、チャットとエージェントは一定量のAI Creditsの範囲で使え、モデルはAutoに限られます。料金ページのFAQは、チャットの上限を月50リクエストと説明しています。学生向けのCopilot Studentも無料で、補完は無制限です。
GitHub Copilotと普通のCopilotの違いは何ですか?
GitHub CopilotはGitHubが提供するソフトウェア開発専用のサービスです。WindowsのMicrosoft CopilotやMicrosoft 365 Copilotは、文書作成や業務の支援を目的にした別の製品で、契約も別です。
GitHub Copilot Businessの料金はいくらですか?
1席あたり月19ドルで、1人あたり月1,900クレジットが付き、組織全体で共有されます。管理者が追加利用を許可している場合、超えた分は1クレジット0.01ドルで請求されます。追加利用を許可していない場合や予算の上限に達した場合は、クレジットを使う機能が止まります。コード補完と次編集提案はクレジットを消費しません。
GitHub Copilotの欠点は何ですか?
主に3つあります。個人プランでは対話データが既定で学習に使われること、コンテンツ除外がBusinessとEnterpriseに限られること、GitHub Enterprise Serverだけで運用している組織は追加の構成が要ることです。提案のコードが公開コードと一致する可能性もあるため、ブロック設定をオンにし、提案はレビューしてから取り込んでください。