アンチグラビティ(Google Antigravity)とは、Googleが提供するエージェントファースト(AIエージェント主導)のAI開発プラットフォームです。自然な言葉で「こういうアプリを作って」と指示すると、AIエージェントが計画・コード生成・実行・動作確認までを自律的に進めます。2025年11月の登場後も更新が速く、2026年5月のGoogle I/O 2026では大型アップデート「Antigravity 2.0」が発表されました。10月にはClaude Opus 5.5/Sonnet 5.5が選べるようになり、10月20日には企業向けの「Antigravity Enterprise Gateway」が一般提供(GA)になっています。この記事では、概要・特徴・対応モデル・料金・使い方・日本語化・2.0に加え、10月の続報と企業で導入するときの判断材料までを、2026年10月24日時点の公式情報をもとに整理します。
まとめ:アンチグラビティは無料で試せて企業はEnterprise Gatewayで統制できる
結論から先にお伝えします。アンチグラビティは「人がコードを書く道具」ではなく「AIエージェントに開発を任せる場」へと発想を変えたツールで、Googleアカウントがあれば無料で試せます。まず押さえるべき要点は次の6つです。
- 正体:GoogleのエージェントファーストなAI開発プラットフォーム(VS Codeライクなエディタを基盤としたAI IDE)。
- できること:自然言語の指示から、計画立案・コーディング・ブラウザでの動作確認までをAIが自律実行。
- 対応モデル:Gemini 3.8 Flashを全プラン共通の軸に、上位プランではGemini 4 ArgonやClaude Opus 5.5/Sonnet 5.5も選べるマルチモデル構成。Claude 4.6系とGPT-OSS-120bは2026年11月2日に外れる予定です。
- 料金:Antigravity自体は無料。課金はGoogleの個人向けサブスク(AI Plus/Pro/Ultra)に紐づく形。
- 最新動向:2026年5月に「Antigravity 2.0」を発表。デスクトップアプリ/CLI/SDK/Managed Agentsの4構成へ拡張し、アプリは10月22日時点でv2.26.0まで進んでいます。
- 企業利用:2026年10月20日にAntigravity Enterprise GatewayがGA。社内ゲートウェイ経由で通信を検査・監査でき、個人のGoogleアカウントでのサインインが不要になります。ただし課金は従量制に切り替わります。
以下では、アンチグラビティの基本から、主な特徴・対応モデル・料金プラン・始め方と日本語化・2.0の変更点・Enterprise Gateway・メリットと課題・採用の判断まで順に解説します。
アンチグラビティ(Google Antigravity)とは?基本をわかりやすく解説
アンチグラビティ(Google Antigravity)は、2025年11月にGoogleが発表したAI開発プラットフォームです。見た目はVS Codeに近い統合開発環境(IDE)ですが、内部の設計思想が大きく異なります。従来のIDEが「人がコードを書くのを補助する」ものだったのに対し、アンチグラビティは「AIエージェントが主役となって開発を進め、人は指示と監督に回る」という、いわゆるエージェントファーストの発想で作られています。
ここでいうエージェントとは、単に補完候補を出すAIではなく、エディタ・ターミナル・ブラウザを自分で操作しながら、タスクを計画・実行・検証まで一気通貫で進める能動的なAIのことです。たとえば「ログイン機能を追加して」と頼むと、実装計画を立て、コードを書き、必要に応じてブラウザを開いて実際に動作を確認する、という流れをAIが自律的にこなします。CursorやWindsurfといった既存のAIコードエディタと比べても、AIの自律性の高さが際立つのが特徴です。各ツールの違いはCursorとAntigravityの違いを比較|料金・商用利用・どっちを選ぶかでも詳しく整理しています。
Googleが提供している点も普及を後押ししています。ChromeやGmailのように長くサービスを維持してきた実績があるため「業務に組み込んでも突然終了するリスクが低い」という安心感があり、Googleアカウント一つで誰でも無料から始められる手軽さも相まって、エンジニアだけでなく企画・マーケティング職など非エンジニアにも広がっています。一方で、Google自身が開発者向けツールを整理している点には注意が必要です。IDE向けのGemini Code Assistは法人版も販売終了が決まっており、移行先としてAntigravityが案内されています。経緯はGemini Code Assistは終了する?法人版も2026年10月9日に販売終了、更新期限とAntigravity移行で解説しています。
アンチグラビティの主な特徴とAIエージェントに任せられる開発作業の範囲
アンチグラビティが注目される理由は、AIエージェントを軸にした独自機能にあります。代表的な特徴を整理します。
Editor ViewとManager Viewの2画面の使い分け
アンチグラビティには2つの操作画面があります。Editor View(エディタビュー)は従来のIDEに近く、自分でコードを書きながらAIの補助を受ける画面です。Manager View(マネージャービュー)は複数のAIエージェントへ指示を出し、進捗をまとめて管理する「ミッションコントロール」のような役割を担います。「人がコードを書くモード」と「AIに任せるモード」を画面ごとに分けている点が、常に人間が主導する他ツールとの大きな違いです。
Artifactsによる実装計画・動作確認の可視化とレビューの仕組み
エージェントは作業の過程で、実装計画・タスクリスト・スクリーンショット・動作確認の記録といった成果物(Artifacts)を自動生成します。これにより「AIが何をやったかわからない」「本当に動いているのか不安」という状態を防ぐための仕組みです。計画書にはコメントを付けてフィードバックでき、AIはそれを以降の作業に反映します。人がコントロールを手放さずにAIへ任せられる仕組みです。9月下旬の更新では、計画を先にレビューしてから実行に移る/planコマンドも加わりました。
ブラウザ連携によるWebアプリの自動動作確認と実行ポリシーの条件
アンチグラビティは、専用のブラウザ拡張と連携して、エージェント自身がブラウザを操作し、作ったWebアプリの動作確認まで行えます。フォームを作れば自分で入力テストを実行し、エラーがあれば修正して再テストする、という一連の流れを自動化できます。これはCursorやWindsurfにはない差別化ポイントで、フロントエンド開発の負荷を大きく減らせます(利用にはブラウザ/JavaScript/ターミナルの自動実行ポリシー許可などの前提があります)。
マルチエージェントによる並列作業とAgent Skillsでの社内ルール共有
複数のAIエージェントを同時並行で動かせるため、「バグ修正と新機能追加を同時に進める」といった作業が可能です。さらにAgent Skillsでは、コードの命名規則や社内APIの使い方などチーム固有のルールを日本語で伝えるだけでAIに覚えさせられ、属人化しない開発体制づくりにも役立ちます。サブエージェントの呼び出し方やSKILL.mdの書き方はAntigravityのマルチエージェントの使い方|サブエージェント・/boost・Skills(SKILL.md)の設定で手順を追って説明しています。なお、Googleの画像生成AI「Nano Banana」も統合されており、アイコンなどの素材生成も環境内で完結する構成です。
アンチグラビティの対応AIモデルとClaude 5.5を使えるプラン
アンチグラビティは特定のモデルに縛られないマルチモデル構成です。タスクの重さに応じてモデルを使い分けられるのが強みで、複雑な処理には高性能モデル、軽い修正には高速モデル、というように切り替えて利用枠を節約できます。Antigravity公式のモデル一覧(2026年10月24日時点)で確認できる主な選択肢は次のとおりです。
| 提供元 | モデル | 使えるプラン |
|---|---|---|
| Gemini 3.8 Flash | 全プラン(Free・Plus含む) | |
| Gemini 4 Argon | Pro・Ultra・Enterprise | |
| Gemini旧世代3モデル(本文参照) | Enterpriseのみ | |
| Anthropic | Claude Opus/Sonnet各5.5 | 有料Pro・Ultra・Enterprise |
| Anthropic | Claude Opus/Sonnet各4.6 | Free・Plus・Pro(11月2日削除予定) |
| OpenAI | GPT-OSS-120b | Enterprise以外(11月2日削除予定) |
表のGemini旧世代3モデルは、Gemini 3.7 Flash/3.6 Flash/3.1 Proです。Claudeの表記は、Claude Opus 5.5/Sonnet 5.5とClaude Opus 4.6/Sonnet 4.6を指します。
モデルの名称やバージョンはアップデートが非常に速く、2025年の登場時に中心だったGemini 3 Proから、3.1 Pro、3.5 Flash、3.8 Flashへと世代交代が続いています。Gemini 4 Argonは公式一覧上、Antigravity IDEでは選べない扱いです。実際に選べるモデルは時期によって変わるため、最新の対応状況は公式ドキュメントで確認するのが確実です。コアモデルの詳細はGemini 3.1 Pro Previewとは?3 Proとの違い・4 Argonとの比較とAPIの使い方、Claude側の開発環境はClaude Code 2.1.0の変更点|context: forkの仕組みと現行仕様との違いもあわせてご覧ください。
Claude Opus 5.5とSonnet 5.5が選べる条件と旧モデルの終了日
Anthropicの最新世代であるClaude Opus 5.5とClaude Sonnet 5.5は、公式モデル一覧ではProの有料契約(トライアルを除く)・Ultra・Enterpriseで選べる扱いです。Free・Plusでは選べません。10月上旬には海外メディアがメニューへの追加を先行して報じましたが、当時の変更履歴には記載がなく、提供条件はこのモデル一覧で確かめるのが確実です。
もう1つの経路が、自社のGoogle Cloudプロジェクトを使う構成です。Antigravityの変更履歴のv2.24.0(2026年10月15日)によると、Vertex AI経由でAntigravityを使う場合は他社モデルがモデル選択から外れる一方、Application Default Credentials(ADC)でサインインしていればClaude Opus 5.5とClaude Sonnet 5.5が表示されます。前提として、そのプロジェクトでClaudeモデルへのアクセス権が必要です。Google Cloudのリリースノートでも、同じ10月15日にGemini EnterpriseアプリでClaude Opus 5.5/Sonnet 5.5を利用者に開放できるようになったと告知されています。
反対に、Claude Opus 4.6/Sonnet 4.6とGPT-OSS-120bは、公式モデル一覧に「2026年11月2日に削除」と明記されています。Free・Plusで4.6系を使っている場合、11月2日以降はGemini 3.8 Flashへ切り替えるか、Proの有料契約で5.5系へ移る必要があります。Rules and Workflowsやチームの手順書でモデル名を指定しているなら、この日までに書き換えておきましょう。Claudeを主軸に開発するならAnthropic純正のClaude Codeと比べて選ぶ手もあります。
アンチグラビティの料金プランと無料・有料で異なる利用枠や対応モデル
アンチグラビティの料金は少し独特で、Antigravity自体の利用料金は無料です。課金が発生するのはGoogleの個人向けサブスクリプションに加入する場合で、Antigravity専用の有料プランは存在しません。プランの違いは主に「利用できる量と頻度(利用枠)」にありますが、前章のとおりClaude 5.5系やGemini 4 Argonのように上位プランでしか選べないモデルもあります。なお料金は改定が続いており、2026年6月の改定でGoogle AI Plusが1,200円から725円へ値下げ(ストレージも200GB→400GBに倍増)、Google AI Ultraは最上位が旧36,400円から32,000円へ値下げされ、月14,500円の階層も加わりました。以下は2026年6月時点の代表的なプランです。
| プラン | 月額(税込目安) | 主な位置づけ |
|---|---|---|
| 無料(Individual) | 0円 | お試し・スポット利用 |
| Google AI Plus | 725円 | 無料とProの中間(ストレージ400GB) |
| Google AI Pro | 2,900円 | 個人の継続開発・Claude 5.5系 |
| Google AI Ultra | 14,500円 / 32,000円 | チーム・高頻度利用(2階層・20TB/30TB) |
無料プランでもAgent ManagerやArtifactsなどのコア機能と、Gemini 3.8 Flashへのアクセスは利用できます。違いは利用枠のリセット頻度や優先アクセス、選べるモデル、付随するストレージ容量などです。なお、利用枠の具体的な数値は公開されておらず、予告なく変更されることもあります(過去には無料枠の大幅削減やクレジット制導入が事前通知なく行われた経緯があります)。上記の料金・プラン構成も改定が頻繁なため、最新の金額・利用枠は必ず公式サイトで確認してください。
企業でGemini Enterpriseを契約している場合は、シート単位のサブスクリプション枠でAntigravityを使うか、後述のEnterprise Gatewayで従量課金にするかを選ぶことになります。両者は同時に使えないため、料金の比較はこの章の個人向けプランとは別に考える必要があります。
アンチグラビティの始め方・使い方と画面やAI出力の日本語化設定
導入はシンプルで、基本的な始め方は次の流れです。
- ①ダウンロード:公式サイトからWindows・macOS・Linux向けのアプリを入手します。
- ②サインイン:起動後、Googleアカウントでサインインします(無料のIndividualプランで開始可能)。
- ③設定の引き継ぎ:VS Codeを使っている場合は、初回起動時に拡張機能や設定をインポートできます。
- ④ビューの選択:自分でコードを書くならEditor View、AIに任せるならManager Viewを使い分けます。
- ⑤指示を出す:プロンプト欄に「こういうアプリを作って」と入力すると、エージェントが計画から実行・動作確認まで進めます。
メニューやAIの出力を日本語にしたい場合は、設定する場所は2か所です。1つはエディタUIの日本語化で、VS Code向けの日本語Language Pack拡張の導入が必要です。もう1つはAIエージェントの出力を日本語に統一する設定で、AIチャットパネルのCustomizations内にある「Rules and Workflows」で「常に日本語で回答する」といったルールを与えます。なお、UIが英語のままでも、内蔵のGemini系モデルは日本語理解に優れているため、日本語の指示は問題なく通ります。
ターミナル中心で作業する場合は、デスクトップアプリの代わりにAntigravity CLI(コマンド名agy)から始める方法もあります。Linuxサーバーへの導入やSSH先での実行モード、CIで使うときの終了コードはAntigravity CLI(agy)の使い方|Linux導入・自動承認・無料枠とCIの終了コードにまとめています。
Antigravity 2.0で何が変わった?(2026年5月の大型更新と10月までの改良)
2026年5月のGoogle I/O 2026で、アンチグラビティは大型アップデート「Antigravity 2.0」を発表しました。最大の変化は、単独のIDEから「開発プラットフォーム」へと位置づけが広がった点です。2.0では、デスクトップアプリに加えて、ターミナルから使うCLI、自動化に組み込むSDK、エージェントをAPI経由で運用するManaged Agents(Agent API)という複数の構成要素が提供され、複数エージェントの並列実行やタスクのバックグラウンド自動実行が強化されました。
あわせて、ターミナル向けの後継ツールとしてAntigravity CLIが一般提供され、従来のGemini CLIは2026年6月18日をもって個人向けの提供を終了し、Antigravity CLIへ移行する流れになりました(組織向けライセンスや有料APIキー経由の利用は継続)。Gemini CLIからの移行や終了の詳細はGemini CLIは終了した?個人向け停止後も使える条件とAntigravity CLI移行手順を、2.0の変更点の全体像はAntigravity 2.0で変わった点とIDEとの違い|エディタの戻し方・WSL対応・料金をあわせてご覧ください。
2.0以降も、アプリは週に1〜2回のペースで更新されています。公式の変更履歴から、9月〜10月の主な追加を挙げます。
| 版(公開日) | 主な変更 |
|---|---|
| v2.14.0(9月15日) | 統合ターミナルとGit管理(対象は本文参照) |
| v2.16.0(9月22日) | WSL対応・Officeファイルの添付 |
| v2.17.0(9月22日) | 計画レビューの/planコマンド |
| v2.21.1(10月7日) | 会話の全文検索・Automationsへの名称変更 |
| v2.24.0(10月15日) | /compact・ADCでClaude 5.5 |
| v2.26.0(10月22日) | 通知設定・権限プロンプトの表示改善 |
v2.14.0の統合ターミナルとGit管理は、Enterprise/Businessが対象です。
Antigravity Enterprise Gatewayとは?10月20日GAの設定と課金
2026年10月20日のGoogle Cloudリリースノートで、Gemini Enterpriseの機能として「Antigravity Enterprise Gateway」の一般提供(GA)が告知されました。Antigravityのアプリ・CLI・IDE拡張から出るモデル推論リクエストを、Googleへ送る前に社内の集中ゲートウェイへ通す仕組みです。これまで企業利用で課題だった「通信の中身が見えない」「開発者ごとに個人のGoogleアカウントでサインインさせる必要がある」という2点を解消します。
社内ゲートウェイ経由で変わる認証・通信監査と従量課金への切り替え
Enterprise Gatewayの構成ガイドによると、開発者の端末はGoogleへ直接つながらず、社内ゲートウェイが発行するAPIキーで認証します。ゲートウェイは中央のGoogle Cloudサービスアカウント(roles/aiplatform.userを付与)で推論リクエストを転送するため、通信の検査・監査ログの取得・ネットワーク送信ポリシーの適用を社内で一元化できます。
見落としやすいのが課金です。ゲートウェイ経由の推論はGemini Enterprise Agent Platform上の従量課金になり、Gemini Enterpriseのシート単位サブスクリプションに含まれる月間枠は消費しません。また、ゲートウェイとGoogleアカウントでのサインインは同時に使えず、サブスクリプション枠を使いたい場合はゲートウェイを無効にする必要があります。シート契約済みの企業がゲートウェイを入れると、枠が余ったまま従量の請求が別に発生する点に注意してください。Agent Platform側の料金体系はVertex AI Agent Builderとは?現在の名称・料金・作り方で整理しています。
対応する版と配布する設定ファイルadmin_settings.jsonの書き方
ゲートウェイ経由で使えるのは、Antigravityアプリ2.15.0以降(macOS・Windows・Linux)、Antigravity CLI(agy)1.2.15以降(macOS・Linux)、VS Code・Visual Studio・JetBrains IDE・Zed向けの拡張です。Web版のAntigravityはゲートウェイに対応せず、Googleアカウントでの対話サインインが必要です。
端末への設定は、MDM(Jamf・Microsoft Intune・Ansibleなど)でadmin_settings.jsonを配布して行います。配置先はmacOSが/Library/Application Support/Antigravity/、Linuxが/etc/antigravity/、Windowsが%ProgramData%\Antigravity\です。構成ガイドの例をもとにした設定は次のとおりです(URL・キー・証明書パスは自社の値に置き換えます)。
{
"gateway": {
"enabled": true,
"url": "https://gateway.example.com",
"apiKey": "GATEWAY_API_KEY",
"wireProtocol": "genai",
"customHeaders": {
"X-Cost-Center": "Platform-Engineering"
}
},
"caCertPath": "/etc/ssl/certs/corp-root-ca.pem",
"models": {
"defaultModelId": "gemini-3.8-flash",
"list": [
{ "modelId": "gemini-3.8-flash" },
{ "modelId": "gemini-3.7-flash" },
{ "modelId": "gemini-3.1-pro-preview" }
]
}
}
models.listに並べたモデルだけが開発者の選択肢に出るため、承認済みモデルの制限もこのファイルで行えます。設定の優先順位はadmin_settings.jsonが最上位で、次に端末の環境変数AGY_LLM_GATEWAY_*、最後に利用者の~/.antigravity/settings.jsonです。共有キーを配らず開発者ごとにキーを発行したい場合は、apiKeyをファイルから外し、各端末でAGY_LLM_GATEWAY_API_KEYを設定します。配布後はAntigravityを再起動し、CLIなら次のコマンドでGoogleのサインイン画面が出ずに応答が流れるかを確かめます。
agy -p "Explain binary search in Go"
端末側の接続方法の詳細はConnect Antigravity to an Enterprise Gatewayにまとまっています。
構築前に確認したい制限:Cloud Run IAMとAPIキーの平文保存
構成ガイドには、設計段階で確認すべき制限がいくつか書かれています。
- 認証レイヤーとの衝突:AntigravityはAPIキーを
Authorizationヘッダーで送るため、Cloud Run IAMの呼び出し元チェックやIdentity-Aware Proxyの背後に置くとキーが拒否されます。 - 長時間の応答:ストリーミング応答が途切れないよう、ゲートウェイは少なくとも60分のリクエストを許可する必要があります。
- プロトコル:既定は
genaiで、openai形式も選べますが、JetBrains IDEとZedが使うACPサーバーはgenaiのみ対応です。 - キーの保管:APIキーは端末に平文で置かれるため、ゲートウェイを社内ネットワークに限定し、定期的にローテーションすることが推奨されています。
- 課金の帰属:開発者が書き換えられるヘッダーは信頼できないため、監査や部門別の費用按分はゲートウェイ側の認証情報で行います。帰属を確かめるにはData Access監査ログの有効化が必要です。
ゲートウェイ本体はCloud Run・Envoy・LiteLLM・Apigeeなどから選べますが、上の制限を満たす設計が前提です。社内の認証基盤や既存のプロキシとどう組み合わせるかで工数が変わるため、PoCの段階でネットワークと監査の担当者を巻き込んでおくと手戻りを防げます。
アンチグラビティのメリットと課題(導入前に知っておきたい点)
アンチグラビティは強力な一方、課題もあります。導入を検討する前に両面を押さえておきましょう。
| 観点 | メリット | 課題・注意点 |
|---|---|---|
| 生産性 | 計画から検証まで自律実行・並列化 | 処理が遅い場面がある |
| 利用枠 | 無料から始められる | 残り枠が見えにくく制限が変動 |
| 透明性 | Artifactsで作業を可視化 | 生成コードの品質保証は人の確認が必要 |
| 企業利用 | Enterprise Gatewayで通信を監査 | ゲートウェイ経由は従量課金 |
| モデル | GeminiとClaudeを切り替え可能 | 旧モデルが短期間で外れる |
特に、ゼロから新しいものを作る・プロトタイプを素早く検証する・複数タスクを並行する、といった用途で力を発揮します。逆に、既存の大規模システムを細かく修正するような作業は不得意な面があります。また無料プランではコードやチャット内容が学習に使われる可能性があるため、導入時の同意画面やデータ収集(テレメトリ)設定をオフにできる場合はオフにし、機密情報を扱う場合はデータの取り扱いポリシーを確認したうえで利用するのが安全です。
企業の開発チームでアンチグラビティを採用する条件と見送るべき場面の判断
ここまでの情報を踏まえ、企業の開発チームが本格導入するかどうかの判断基準を条件付きで示します。
採用してよい条件は次の3つがそろう場合です。1つ目は、新規開発やプロトタイプなど、AIエージェントに任せやすい作業の割合が大きいこと。2つ目は、機密コードを扱うならGemini EnterpriseとEnterprise Gatewayで通信と監査を社内に寄せられること。3つ目は、生成されたコードをレビューする担当とテストの仕組みが既にあることです。この3つがそろえば、Artifactsとゲートウェイの監査ログで「AIが何をしたか」を後から追えるため、導入の説明責任も果たせます。
見送るか範囲を絞るべき場面もはっきりしています。社外への送信が一切認められないコードを扱う案件、レビュー体制がなく生成コードがそのまま本番に入る運用、利用量の予測が立たず従量課金の上限を決められない組織では、全面導入は避けて、個人のPoCや社外公開しても問題のないリポジトリに限るのが妥当です。また、モデルの入れ替わりが速いため、特定のモデルに依存した手順書を組むと11月2日のような終了日に作業が止まります。モデル名は設定ファイル側で差し替えられるようにしておきましょう。
AIエージェントを開発体制に組み込む際の社内ゲートウェイ設計や、生成コードのレビュー・テストの仕組みづくりは、自社だけで進めると時間がかかりがちです。一創の生成AI開発・AI受託開発では、要件整理から生成AIを組み込んだシステムの実装・運用までを支援しています。
よくある質問
アンチグラビティ(Google Antigravity)とは何ですか?無料で使えますか?
Googleが提供するエージェントファーストのAI開発プラットフォームです。VS Codeライクなエディタを基盤に、AIエージェントが計画・コーディング・動作確認までを自律的に進めます。Googleアカウントがあれば無料(Individualプラン)で始められ、利用枠や選べるモデルを広げたい場合にGoogle AI Plus/Pro/Ultraへ加入する形です。利用枠は予告なく変わることがあるため、最新は公式で確認してください。
AntigravityでClaude Opus 5.5やSonnet 5.5は使えますか?
使えます。2026年10月24日時点の公式モデル一覧では、Proの有料契約(トライアルを除く)・Ultra・Enterpriseが対象で、Free・Plusでは選べません。自社のGoogle Cloudプロジェクトを使う構成では、v2.24.0(10月15日)以降、ADCでサインインしていればモデル選択に表示されます。なお、Claude Opus 4.6/Sonnet 4.6とGPT-OSS-120bは2026年11月2日に削除予定です。
Antigravity Enterprise Gatewayを使うと料金はどうなりますか?
ゲートウェイ経由の推論は、Gemini Enterprise Agent Platform上の従量課金として請求され、Gemini Enterpriseのシート単位の月間枠は消費しません。ゲートウェイとGoogleアカウントでのサインインは同時に使えないため、シート枠を使いたい場合はゲートウェイを無効にします。2026年10月20日に一般提供になった機能です。
日本語で使えますか?
使えます。メニューはVS Code向けの日本語Language Packで日本語化でき、AIエージェントの出力は「Rules and Workflows」で日本語に統一できます。UIが英語のままでも、内蔵モデルは日本語の指示を問題なく理解できる設計です。
CursorやClaude Codeとの違いは何ですか?
Cursorは「人が主導して効率化する」設計で安定志向、アンチグラビティは「AIが主役、人は監督」というエージェントファースト設計で自律性が高いのが違いです。Claude CodeはAnthropic純正のCLI中心のツールで、ターミナル操作に慣れた開発者向けです。アンチグラビティでもClaude 5.5系を選べるため、モデルではなく作業の進め方で選ぶのが判断の軸になります。
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