Gemini 3.1 Pro Preview(モデルID gemini-3.1-pro-preview)は、Googleが2026年2月19日に公開したGemini 3系列の上位モデルです。2026年10月24日時点でもプレビューのままで、正式版(GA)の予定は示されていません。その間に、10月13日には次世代の gemini-4-argon(Gemini 4 Argon)がGAになりました。この記事では、3 Pro Previewから何が変わったか、APIで呼ぶときの設定と落とし穴、そして3.1 Pro Previewを使い続けるかArgonへ移るかの判断基準を扱います。月額プランやAPI単価の詳細はGemini 3.1 Proの料金|有料プランの月額・利用上限とAPI単価【2026年9月】にまとめています。
まとめ:Gemini 3.1 Pro Previewの要点
- 入力は最大1,048,576トークン、出力は最大65,536トークン。知識のカットオフは2025年1月。API料金は20万トークン以下なら100万トークンあたり入力2ドル・出力12ドル
- 3 Proからの変更点は、エージェント・コーディング性能、思考のトークン効率、
thinking_levelへのmedium追加の3つ。ARC-AGI-2は31.1%から77.1%に上がったが、MMMU-Proと100万トークンの長文検索は横ばい - 停止日は未発表だが、2026年10月のモデル一覧では紹介欄から外れ、モデルページの開発者向けドキュメントへのリンクもGemini 4 Argonのガイドを指している
- Gemini 4 Argonは11月30日までの導入価格が入力2ドル・出力10ドルで、出力は3.1 Proより安い。12月1日からは入力4ドル・出力20ドルに上がる。明示的なコンテキストキャッシュが使えず、
temperatureは無視される - 関数呼び出しでは、モデルが返した
thoughtSignatureを次のリクエストで返さないと400エラーになる。応答をそのまま履歴に積むか、Interactions APIのprevious_interaction_idで会話をつなげば自分で扱わずに済む - APIに無料枠はなく、課金を設定したプロジェクトでだけ呼べる。Google AI Studioの画面上では無料で試せる
Gemini 3.1 Pro Previewの仕様と提供状況(2026年10月時点)
Gemini APIの廃止予定表では、gemini-3.1-pro-preview の停止日は今も「No shutdown date announced」です。Google Cloud側(Gemini Enterprise Agent Platform、旧Vertex AI)でも公開プレビューのままで、リージョンはglobalだけです。一方で扱いは変わり始めています。Gemini APIのモデル一覧では、Gemini 3のStable欄・Preview欄の紹介カードから3.1 Proが外れ、全モデルの一覧表にだけ残っています。モデルページの「Documentation」欄にある「Gemini 3 Developer Guide」のリンク先も、Gemini 4 Argonのガイド(What’s new in Gemini 4 Argon)に変わりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデルID | gemini-3.1-pro-preview |
| 別エンドポイント | gemini-3.1-pro-preview-customtools |
| 公開日 | 2026年2月19日 |
| 段階 | Preview(停止日は未発表) |
| 入力上限 | 1,048,576トークン |
| 出力上限 | 65,536トークン |
| 入力 | テキスト・画像・動画・音声・PDF |
| 出力 | テキストのみ |
| 知識カットオフ | 2025年1月 |
| API料金(20万以下) | 入力$2・出力$12(100万トークンあたり) |
| API料金(20万超) | 入力$4・出力$18(100万トークンあたり) |
使える機能は、関数呼び出し、Google検索とGoogleマップによるグラウンディング、コード実行、URL context、構造化出力、コンテキストキャッシュです。Batch・Flex・Priorityの各推論方式にも対応します。一方で、音声生成・画像生成・Live APIには対応していません。File searchはAI Studioでのみ使えます。100万トークンがどれくらいの分量かはコンテキストウィンドウとは?トークン上限の数え方と有効長・溢れ対策を実装者向けに解説で数え方を説明しています。
Gemini 3 Pro Previewからの違い
Gemini 3 Pro Preview(gemini-3-pro-preview)は、2025年11月18日に公開されたGemini 3系列の最初のモデルです。DeepMindのモデルカードは、3.1 Proを「Gemini 3 Proをベースにしている」と説明し、アーキテクチャや学習データは3 Proのカードを参照させています。つまり別系統の新モデルではなく、3 Proの改良版です。
Googleが挙げる変更点は3つ
Google Cloudのモデルページは、品質の改善点を次の3つにまとめています。
- ソフトウェアエンジニアリングとエージェント動作の改善(金融や表計算アプリなどの領域を含む)
- 思考のトークン効率の改善
thinking_levelにMEDIUMを追加(3 Proはlowとhighのみ)
もう1つの違いが、公開と同時に用意された別エンドポイント gemini-3.1-pro-preview-customtools です。bashと自前のツール(view_file や search_code など)を併用するエージェント向けで、標準エンドポイントのモデルが自前のツールを無視してbashに頼る場合に切り替えます。ただし公式は、ツールを使わない用途では品質が揺れる可能性があると注記しています。料金は標準エンドポイントと同じです。Google Cloudではプロビジョンド スループットに対応していません。
公式ベンチマークで見る3 Proとの差
DeepMindがGemini 3.1 Proのモデルカードに載せた2026年2月時点の結果から、両モデルを比べられる項目を抜き出しました。いずれもThinking(High)での値です。
| ベンチマーク | 測る能力 | 3.1 Pro | 3 Pro |
|---|---|---|---|
| ARC-AGI-2 | 未知の規則を解く抽象推論 | 77.1% | 31.1% |
| BrowseComp | 検索エージェント | 85.9% | 59.2% |
| APEX-Agents | 長時間の専門業務 | 33.5% | 18.4% |
| MCP Atlas | MCPでの多段ワークフロー | 69.2% | 54.1% |
| Terminal-Bench 2.0 | ターミナル操作のコーディング | 68.5% | 56.9% |
| SWE-Bench Pro | 多様なコーディング課題 | 54.2% | 43.3% |
| SWE-Bench Verified | コーディング(1回試行) | 80.6% | 76.2% |
| Humanity’s Last Exam | 学術推論(ツールなし) | 44.4% | 37.5% |
| GPQA Diamond | 科学知識 | 94.3% | 91.9% |
| MMMU-Pro | マルチモーダル理解 | 80.5% | 81.0% |
| MRCR v2 1M | 100万トークンでの長文検索 | 26.3% | 26.3% |
伸びが大きいのは、ツールを連続して呼ぶエージェント系(BrowseComp・APEX-Agents・MCP Atlas)と抽象推論です。画像とテキストを用いた理解・推論の評価(MMMU-Pro)のスコアはわずかに下がり、長文検索のMRCR v2(8-needle・100万トークン条件)は両モデルとも26.3%で同点です。100万トークン級の文書から特定の箇所を拾う用途では、公式の数字に改善が示されていないため、3.1 Proへ切り替える前に自社の文書と質問で精度を測ってください。
旧ID gemini-3-pro-preview は3.1へ転送済み
Gemini APIのchangelogによると、3 Pro Previewの停止は2026年2月26日に告知され、3月9日に停止しました。停止後、gemini-3-pro-preview へのリクエストは gemini-3.1-pro-preview へ転送されます。旧IDのまま動いているコードは、エラーにならずに3.1のモデルで応答しています。応答の傾向が急に変わったら、まずこの転送を疑ってください。ログやコスト集計でモデルを区別したいなら、IDを3.1に書き換えて明示しておくほうが追跡しやすくなります。Gemini 3系列全体の位置づけはGemini 3とは?Google最新AIモデルの特徴・ラインアップ・料金と3.1への進化で整理しています。
Gemini 4 Argonとの違いと移行の判断
Gemini 4 Argon(gemini-4-argon)は2026年10月13日にGemini APIでGAになりました。Argonのモデルカードは「前のモデルの改変やファインチューニングではない」新しいフロンティアモデルだと説明しています。3.1 Proが3 Proの改良版だったのとは位置づけが違います。仕様の差はGemini 4 Argonの移行ガイドとモデルページから拾えます。
| 項目 | 3.1 Pro Preview | 4 Argon |
|---|---|---|
| 段階 | Preview | GA(Stable) |
| トークン上限 | 入力1,048,576+出力65,536 | 入出力の合計で1,048,576 |
| 1回の出力 | 最大65,536 | 既定65,536・long decodeで最大約100万 |
| thinking_levelの既定 | high | medium |
| 入力単価(20万以下) | $2 | $2(11月30日まで)→$4 |
| 出力単価(20万以下) | $12 | $10(11月30日まで)→$20 |
| 明示的キャッシュ | 対応 | 非対応(暗黙のみ) |
| temperature | 1.0を推奨 | 指定しても無視 |
| 知識カットオフ | 2025年1月 | 2026年3月 |
| Agent Platformの場所 | globalのみ | global・us・eu・europe-west2・asia-southeast1 |
どちらもAPIの無料枠はなく、Argonの料金表には20万トークンでの単価の区分がありません。
3.1 ProとArgonの料金比較:導入価格終了前後の差
入力5万トークン、思考を含む出力8,000トークンのリクエストで、同じトークン数を使ったと仮定して計算します。3.1 Pro Previewは1回約0.196ドルです。Argonは11月30日までなら約0.18ドルで少し安く、12月1日以降は約0.36ドルとほぼ倍になります。ただし実際のトークン数は同じになりません。移行ガイドは、Argonが従来モデルより多くの出力枠を思考に使うことがあると書いています。max_output_tokens を32,768未満にしているなら32,768以上に上げるよう勧めているほどです。費用の比較は、自社のプロンプトで usage の思考トークンを両方のモデルで測ってから行ってください。
移行で書き換えるコード
- モデルIDを
gemini-4-argonに変える。既定の思考がhighからmediumに下がるので、3.1 Proでhighに頼っていた処理は3段階すべてで評価し直す cachedContents(caches.create)で長い共通プロンプトを使い回している場合は、その呼び出しを外す。Argonは4,096トークン以上のプロンプトで暗黙キャッシュが効き、ヒットした入力は95%引きになるtemperature・top_p・top_kを消す。指定しても無視される- 難しい問題では応答に数分かかることがあるため、HTTPクライアントのタイムアウトを15分以上にするか、バックグラウンド実行を使う
新しく作る処理はArgonから始めるのが妥当です。Argonは退役予定(Agent Platformでは「2027年10月13日以降」)が示されたGA版で、停止日もGA時期も未定のプレビュー版より運用の見通しが立ちます。3.1 Pro Previewに残す理由になるのは、明示的キャッシュで費用を抑えている大量処理と、評価を済ませて安定稼働している本番パイプラインです。後者も、3 Pro Previewは停止の告知から11日で止まった前例があるので、Argonでの評価を今のうちに済ませておくべきです。性能差については、Argonのモデルカードは他社モデルとのベンチマークを載せていますが、3.1 Proとの比較は安全性評価に限られています。「Argonのほうが必ず賢い」と決めつけず、自社の評価データで比べてください。
thinking_level・temperature・media_resolutionの設定
thinking_levelはlow・medium・highの3段階
thinkingのガイドのモデル別の表では、3.1 Pro Previewの思考は既定でオン(high)で、選べる値は low・medium・high です。Gemini 3の開発者ガイド(2026年10月時点で非推奨の表示付き)は、この値を「トークン数の保証ではなく、思考量の相対的な上限」と説明しています。
| 値 | 3.1 Pro | 向く処理 |
|---|---|---|
| minimal | 非対応 | 他モデルで対応(モデル別仕様を参照) |
| low | 対応 | 単純な指示、チャット、大量処理 |
| medium | 対応 | 多くのタスクで速度と精度の均衡 |
| high | 対応(既定) | 難しい推論。最初の出力までが長くなる |
max という値はありません。Python SDK(google-genai 2.33.0)の列挙型 ThinkingLevel も、MINIMAL・LOW・MEDIUM・HIGH の4段階です(未指定を表す THINKING_LEVEL_UNSPECIFIED を除く)。旧来の thinking_budget は後方互換のため残っていますが、thinking_level と同じリクエストで両方を指定すると400エラーになります。OpenAI互換エンドポイントでは、reasoning_effort が thinking_level に自動で対応づけられます。
from google import genai
from google.genai import types
client = genai.Client() # 環境変数 GEMINI_API_KEY を読む
response = client.models.generate_content(
model="gemini-3.1-pro-preview",
contents="データベースのインデックス設計で確認すべき点を3つ挙げて",
config=types.GenerateContentConfig(
thinking_config=types.ThinkingConfig(thinking_level="medium"),
),
)
print(response.text)
print(response.usage_metadata.thoughts_token_count) # 思考トークン数(出力として課金)
思考トークンは出力トークンとして課金され、入力が20万トークン以下なら100万トークンあたり12ドル、20万超なら18ドルです。high のまま大量に流すと、思考の分だけ請求額が増えます。まず medium で評価データを流し、正答率が足りない処理だけ high に上げる順番にすると、費用の増え方を抑えられます。
temperatureの既定値1.0と変更時のリスク
Gemini 3の開発者ガイドは、Gemini 3系列のすべてのモデルについて temperature を既定の1.0に保つことを強く推奨しています。1.0未満にすると、ループや性能低下といった予期しない挙動が、特に数学や複雑な推論で起きうるためです。2.5系で出力を安定させるために temperature=0 を書いていたコードは、この値を消してから移行します。消しておけば、後でArgonへ移るときにも同じ書き換えが要りません。
media_resolutionの既定値と推奨値
media_resolution は、画像1枚または動画1フレームに割り当てるトークンの上限です。指定しなければ、画像は1,120、PDFは1ページ560、動画は1フレーム70トークンが既定です。PDFで low・medium・high を指定した場合は、この画像処理分にページのネイティブテキストのトークンが加わります。
| 入力 | 推奨値 | 上限トークン |
|---|---|---|
| 画像 | media_resolution_high | 1,120 |
| media_resolution_medium | 560 | |
| 動画(一般) | low または medium | 70/フレーム |
| 動画(文字が多い) | media_resolution_high | 280/フレーム |
PDFは medium で品質が頭打ちになり、high に上げてもOCRの結果はほとんど変わらないと公式は説明しています。media_resolution_ultra_high は個々のメディアパートにだけ指定でき、リクエスト全体(generation_config)には使えません。SDK 2.33.0でも、リクエスト全体に指定する列挙型 MediaResolution に ULTRA_HIGH はありません。
Thought signaturesで400エラーを出さない実装
Gemini 3系列は、推論の文脈を次のリクエストへ引き継ぐために、応答のパートに暗号化された thoughtSignature を付けて返します。関数呼び出しでは検証が厳格で、現在のターンの各ステップで最初の functionCall パートに署名が無いと、リクエストが400エラーで失敗します。エラーメッセージは「Function call FC1 in the 1. content block is missing a thought_signature」のような形です。
- 並列の関数呼び出しでは、署名は最初の
functionCallにだけ付く。返すときは「FC1+署名、FC2、FR1、FR2」の順に並べる。「FC1、FR1、FC2、FR2」と交互に並べると400になる - 通常のテキスト会話では署名欠落によるブロッキングエラーはないが、署名を省くと推論や回答の品質が低下する可能性がある
- ストリーミングでは、署名が空のテキストパートとして最後のチャンクに届くことがある。
finish_reasonが返るまで読み切る
generateContentで署名を落とさない書き方
公式のThought signaturesガイドは、Google Gen AI SDKでモデルの完全なレスポンスを履歴に追加すれば署名は自動で処理され、自分で扱う必要があるのはREST APIを直接使う場合と、パーツを手動で抜き出して履歴を組む場合だけだと説明しています。落とし穴は、履歴を自前のデータ構造に保存し、関数名と引数だけから組み直す実装です。Python SDK(google-genai 2.33.0)の Part.from_function_call は引数が name と args だけで、署名を渡す口がありません。ローカルの模擬サーバーに送信内容を記録させると、応答の Content を積んだ2回目のリクエストには thoughtSignature が入り、from_function_call で組み直したリクエストには入っていませんでした。
from google import genai
from google.genai import types
client = genai.Client()
MODEL = "gemini-3.1-pro-preview"
tool = types.Tool(function_declarations=[types.FunctionDeclaration(
name="get_weather", description="都市の天気を返す",
parameters=types.Schema(type="OBJECT",
properties={"city": types.Schema(type="STRING")}, required=["city"]))])
cfg = types.GenerateContentConfig(tools=[tool])
user = types.Content(role="user", parts=[types.Part(text="東京の天気は?")])
r1 = client.models.generate_content(model=MODEL, contents=[user], config=cfg)
if not r1.function_calls: # 関数を呼ばずに回答した場合
raise SystemExit(r1.text)
if len(r1.function_calls) != 1:
raise SystemExit("この例は関数呼び出し1件のみ対応しています")
call = r1.function_calls[0]
result = types.Content(role="user", parts=[
types.Part(function_response=types.FunctionResponse(
id=call.id, name=call.name,
response={"result": "晴れ(説明用のダミーデータ)"}))])
# NG:名前と引数だけで組み直すと thoughtSignature が落ち、400エラーになる
# bad = types.Content(role="model", parts=[types.Part.from_function_call(name=call.name, args=call.args)])
# OK:モデルの応答(Content)をそのまま履歴に積む
history = [user, r1.candidates[0].content, result]
r2 = client.models.generate_content(model=MODEL, contents=history, config=cfg)
print(r2.text)
ほかのモデル(2.5系など)で作った会話履歴を持ち込む場合や、クライアント側で実行した関数呼び出しを履歴に差し込む場合は、有効な署名がありません。この場合に限り、公式FAQは署名欄にダミー文字列 context_engineering_is_the_way_to_go または skip_thought_signature_validator を入れて検証を飛ばす方法を示しています。ただし、自前の関数呼び出しを差し込むこと自体を強く非推奨としています。関数呼び出しの仕組みそのものはFunction Callingとは|仕組みとOpenAI APIでの実装をコードで解説で説明しています。
Interactions APIによる会話状態と署名のサーバー管理
公式ドキュメントのコード例は、2026年10月時点で client.interactions.create(Interactions API)が中心になっています。thinkingのガイドによると、store を有効にしたまま次のターンで previous_interaction_id を渡せば、思考と署名を含む会話の状態をサーバーが管理するので、署名について何もする必要はありません。store は既定で有効です。
from google import genai
client = genai.Client()
MODEL = "gemini-3.1-pro-preview"
first = client.interactions.create(
model=MODEL,
input="このSQLが遅い原因を挙げて: SELECT * FROM orders WHERE note LIKE '%返品%'",
generation_config={"thinking_level": "medium"},
)
print(first.output_text)
# 2ターン目:前回のIDを渡すだけで、署名を含む履歴はサーバー側に残っている
second = client.interactions.create(
model=MODEL,
input="インデックスで改善できる書き方に直して",
previous_interaction_id=first.id,
generation_config={"thinking_level": "medium"},
)
print(second.output_text)
模擬サーバーでは、2回目のリクエストが v1beta/interactions へ previous_interaction_id だけを付けて送られることを確認しました。Interactions APIの概要ページによると、このAPIは2026年6月にGAとなり、新規プロジェクトに推奨されています。generateContent はレガシー扱いですが、引き続きサポートされます。旧URLの説明ページにはベータ表記が残っているので、読み比べるときは概要ページを正としてください。Batch API・明示的キャッシュ・Pythonの自動関数呼び出しはまだ使えません。保存された会話は有料ティアで55日間残り、AI Studioで7・14・28日に縮められます。store=False にすると保存されませんが、previous_interaction_id も使えなくなり、履歴と署名を自分で送り返す形に戻ります。Interactions APIの全体像はGemini APIとは?できること・料金・始め方とInteractions APIの最小コード【2026年10月】で扱っています。
利用ティアとレート制限
レート制限のページによると、制限はAPIキーではなくプロジェクト単位で、日次の上限(RPD)は太平洋時間の午前0時にリセットされます。モデルごとの具体的なRPMやTPMは公開表になく、AI Studioのプロジェクト画面で確認する仕組みです。プレビューモデルは制限がより厳しくなることがある、と公式は明記しています。
| ティア | 昇格条件 | 請求上限 | 支出上限(10分) | Batch待機トークン |
|---|---|---|---|---|
| Free | —(3.1 Pro Previewは不可) | — | — | — |
| Tier 1 | 課金アカウントを紐づけ | $250 | $10 | 500万 |
| Tier 2 | 支払い$100+初回支払いから3日 | $2,000 | $50 | 5億 |
| Tier 3 | 支払い$1,000+初回支払いから30日 | $20,000〜$100,000超 | $200 | 10億 |
見落としやすいのは支出ベースの制限です。直近10分間の支出で判定し、超えると 429 RESOURCE_EXHAUSTED が返ります。適用されるかどうかは請求履歴やアカウントの状態で変わります。Tier 1で適用された場合、3.1 Proの出力単価12ドルで割ると、10分間で約83万出力トークン(思考トークンを含む)が上限の目安です。20万トークンを超える入力は単価が4ドルになるため、90万トークンのPDF群を投げると入力だけで1回3.6ドルかかり、10分以内に3回送れば上限を超えます。長文を大量に処理するなら、Tier 2へ上げたうえでAI Studioに表示される実際の上限を確認してください。
利用経路とプレビュー版の扱い
| 経路 | 2026年10月時点の条件 |
|---|---|
| Gemini API | 課金設定が必須(無料枠なし) |
| Google AI Studio | 画面上の試用は無料 |
| Agent Platform(旧Vertex AI) | 公開プレビュー・リージョンはglobalのみ |
| Geminiアプリ | 10月13日からPro・Ultra向けに4 Argonを展開 |
| Gemini CLI | 無料・AI Pro/Ultra経由は6月18日に終了 |
Geminiアプリでは、2026年10月13日のリリースノートで、Google AI ProとUltraの契約者向けにGemini 4 Argonの全世界展開が告知されました。アプリで使うモデルとAPIのモデルIDは別に管理されているので、アプリの表示が変わってもAPIの gemini-3.1-pro-preview はそのまま呼べます。Gemini CLIは、無料枠とGoogle AI Pro/Ultra経由の利用が2026年6月18日に終了し、移行先はAntigravity CLIです。有料のAPIキーで使う場合は、そのキーのGemini API従量課金として請求されます。経緯はGemini CLIは終了した?個人向け停止後も使える条件とAntigravity CLI移行手順、エージェント開発環境側はAntigravity 2.0で変わった点とIDEとの違い|エディタの戻し方・WSL対応・料金を参照してください。
経路によって条件が違います。Gemini APIの説明は、プレビューモデルを本番に使えるとしたうえで、停止は少なくとも2週間前に告知するとしています。ただし前例の3 Pro Previewは、告知から停止まで11日でした。Agent Platform側はGoogle CloudのPre-GA規約が適用され、事前通知なしの変更・停止があり得て、SLAの対象外です。Googleのドキュメントで別途示されない限りデータ処理条件も適用されず、個人データや規制対象のデータは扱わないよう求めています。Argonが出た今の判断は次のとおりです。
- 3.1 Pro Previewを使い続けてよい:評価済みで安定して動いている本番処理と、明示的キャッシュで長い共通プロンプトを安く使い回している大量処理。モデルIDを設定ファイルに出し、changelogを監視できる体制が前提
- Argonへ移す:新しく作る処理、64Kトークンを超える出力が要る処理、推論の場所をusやeuのリージョンに置きたい処理。ただしArgonにも東京リージョン(asia-northeast1)は無く、国内限定の要件は満たせない
- Flash系と比べてから決める:画像理解が中心の処理。3 Proから3.1 Proへの改善がMMMU-Proに表れていないため、同じ画像でFlash系と精度・応答時間・費用を比べる
Gemini APIとAgent Platformのどちらで呼ぶかは、データの所在地やSLAの要件で決まります。違いはVertex AIとGemini APIの違い:認証・SLA・データ所在地・料金を比較【2026年10月】で比べています。モデル選定から業務への組み込みまでまとめて相談したい場合は、当社の生成AI導入支援で評価データの設計から支援しています。Flash系の現行モデルとの比較はGemini 3.8 Flashとは?3.7からの差分・料金・移行コードを実装目線で解説【2026年9月】にまとめています。
よくある質問
Gemini 3.1 Pro PreviewとGemini 3.1 Proは別のモデルですか?
同じモデルです。Geminiアプリなどでは「3.1 Pro」と表示され、APIやGoogle Cloudではプレビュー段階のため、モデルIDに -preview が付いています。GA版のIDは発表されていません。
Gemini 3.1 Pro Previewのコンテキストウィンドウは何トークンですか?
入力が1,048,576トークン、出力が65,536トークンです。200万トークンには対応していません。20万トークンを超える入力は、100万トークンあたりの単価が入力4ドル・出力18ドルに上がります。
Gemini 3.1 Pro Previewは無料で使えますか?
Google AI Studioの画面上では無料で試せます。Gemini APIには無料枠がなく、課金アカウントを紐づけたプロジェクト(Tier 1以上)でなければ呼び出せません。
Gemini 3.1 Deep ThinkとGemini 3.1 Proの違いは何ですか?
Deep Thinkは、3.1 Proを基盤にした専門推論モードです。GeminiアプリではGoogle AI Ultraの契約者が使え、Gemini APIでは選ばれた研究者・エンジニア・企業向けのEarly Access扱いです。一般のAPIで選べる thinking_level の設定とは別枠の提供です。Deep Thinkの仕組みはGemini Deep Thinkとは?3.1 Deep Thinkの性能・使い方・対象プランと上限【2026年10月】で解説しています。
Gemini 3.1 Pro Previewはいつ正式版(GA)になりますか?
2026年10月24日時点で、GAの予定は発表されていません。Gemini APIの廃止予定表でも停止日は未定です。Googleの上位モデルとしてGAになったのは、10月13日公開のGemini 4 Argon(gemini-4-argon)です。GA版で運用したい場合は、Argonへの移行を検討してください。