ディスプレイ広告とリスティング広告の違いは?比較表と予算の使い分け

ディスプレイ広告とリスティング広告の違いは?比較表と予算の使い分け

ディスプレイ広告とリスティング広告を分けるのは、広告が表示されるきっかけです。リスティング広告は検索した語に反応して検索結果に出て、ディスプレイ広告は閲覧中のサイトやアプリの広告枠に出ます。この記事では、表示条件・課金・ターゲティング・評価指標など8項目の比較表で両者を並べ、Google広告とLINEヤフーの管理画面でどの種別に当たるかを対応づけます。そのうえで、予算規模ごとの配分の順番と、両方を併用して成果を取り切る設定、比較評価で判断を誤る失敗パターンまでを、公式ヘルプの記載をもとに整理しました。

まとめ:ディスプレイ広告とリスティング広告の違いと予算を振り分ける順番

リスティング広告は「すでに探している人」に、ディスプレイ広告は「まだ探していない人」に届く広告です。クリック単価はリスティング広告が高く、ディスプレイ広告は低く出やすい一方、クリック後に問い合わせへ至る割合は逆になります。単価の安さだけでディスプレイ広告を選ぶと、獲得単価で負けます。

始める順番は、商材が検索されているかで決まります。指名検索や比較検索がある事業はリスティング広告から始め、検索で取り切れない層をディスプレイ広告で広げる。検索そのものが少ない新しい商材は、ディスプレイ広告で認知を作る側から始めます。併用するなら、ディスプレイ広告で接触した人を検索広告で取り切る設計にし、評価は獲得単価ではなく両方を合わせた成果で行ってください。

ディスプレイ広告とリスティング広告の違いを表示条件と課金の8項目で比較

まず、広告が出る瞬間と費用が発生する瞬間を揃えて並べます。ここが曖昧なまま代理店の提案を受けると、見積もりの妥当性を判断できません。

検索結果に出るリスティング広告と広告枠に出るディスプレイ広告の表示条件

リスティング広告は、検索窓に打ち込まれた語をきっかけに表示されます。Google広告ヘルプの検索ネットワークの説明では、広告は検索結果の上または下に表示されると定めています。広告主が指定するのは「どの語で検索されたときに出すか」で、検索されなければ1回も表示されません。

ディスプレイ広告は、閲覧中のページやアプリに用意された広告枠に表示されます。Googleのディスプレイネットワークの説明によれば、配信先は3,500万のウェブサイトやアプリに及び、購入サイクルの比較的早い段階でユーザーの関心を引けるとされています。指定するのは語ではなく「誰に」「どの面に」です。

つまり違いの根本は、需要が言語化されているかどうか。各媒体の定義と仕組みそのものは、リスティング広告の仕組みと運用の始め方とディスプレイ広告の掲載面と課金方式で個別に扱っています。本記事は2つを比べて使い分けを決める側に絞ります。

8項目の比較表で見る課金方式・ターゲティング・クリエイティブの差

発注側が判断に使う項目に絞って並べると、次のとおりです。

比較項目 リスティング広告 ディスプレイ広告
表示のきっかけ 検索された語 閲覧者の属性や閲覧中の面
表示される場所 検索結果ページ サイトやアプリの広告枠
接触する層 比較や購入を始めた層 まだ探していない層
主な課金方式 クリック課金 クリック課金と表示課金
クリック単価の傾向 高く出やすい 低く出やすい
主な素材 テキスト中心 画像と動画が中心
成果が出るまで 短い 長い
主な評価指標 獲得単価と件数 到達と再訪と後日の成果

課金方式は媒体の公表内容で確認できます。LINEヤフーの検索広告はクリックされた場合のみ費用が発生するクリック課金型で、同社のディスプレイ広告(運用型)はクリック課金・友だち追加課金、動画再生課金、ビューアブルインプレッション課金の3区分を公表しています。表示に対して払う選択肢があるのはディスプレイ広告側だけです。

素材の準備工数も見落とされがちな差です。リスティング広告は見出しと説明文の文章だけで始められますが、ディスプレイ広告は比率違いの画像を複数そろえる必要があり、制作の外注費が別に発生します。

同じクリック課金でも1件あたりの獲得単価が別物になる理由と試算例

クリック単価だけを見るとディスプレイ広告のほうが割安に見えます。ところが成果1件あたりで比べると、結果はしばしば逆転します。次は説明のための仮の数値です。

仮の条件 リスティング広告 ディスプレイ広告
クリック単価 300円 60円
問い合わせ率 3.0% 0.3%
獲得単価 10,000円 20,000円

単価は5分の1でも、問い合わせ率が10分の1なら獲得単価は2倍です。クリック単価の計算方法と、単価がどう決まるかはクリック単価の計算式とクリック課金の仕組みで解説しています。比較の物差しは常に「成果1件あたり」に置いてください。

ただし、この表はディスプレイ広告が劣るという結論ではありません。広告を見た人が後日に社名で検索して問い合わせる経路は、この試算の外側に残っています。数え方については4章で扱います。

Google広告とLINEヤフーの管理画面で両者が当たるキャンペーン種別

「リスティング広告」「ディスプレイ広告」は通称で、管理画面にはその名前のボタンがありません。発注書や社内の稟議で混乱しないよう、実際の種別名に置き換えておきます。

Google広告の検索キャンペーンとデマンドジェネレーションへの移行の区分

Google広告でリスティング広告に当たるのは「検索」キャンペーンです。ディスプレイ広告はこれまで「ディスプレイ」キャンペーンで配信してきましたが、ここが変わりつつあります。移行に関する公式ヘルプでは、2026年6月に移行ツールの段階的なリリースを始め、今後は新規のディスプレイ広告キャンペーンをデマンドジェネレーション内でのみ作成できるようにすると説明しています。移行したキャンペーンは元に戻せません。

比較の観点で効いてくるのは、移行後に個別クリック単価や入札単価調整が使えなくなる点です。ディスプレイ広告側は自動入札が前提になり、検索キャンペーン側で手動の単価管理を続ける運用と、管理の考え方が分かれていきます。移行の進め方そのものはディスプレイ広告の解説記事の移行判断の章にまとめました。

LINEヤフーの検索広告とディスプレイ広告(運用型)の掲載面と課金の差

LINEヤフーでは、管理画面の名称がそのまま「検索広告」と「ディスプレイ広告」です。検索広告はYahoo! JAPANの検索結果ページにテキスト広告を出し、ディスプレイ広告(運用型)はLINEのトークリストやLINE NEWS、Yahoo! JAPANのトップページやYahoo!ニュースといった同社サービスの面に出ます。

媒体の選び分けで見るべき数値は、同社が公表する「LINEヤフーのサービスのみ利用しているユーザー26.4%」です。Google側のディスプレイ広告だけでは、この層に届きません。検索広告はGoogleと LINEヤフーで利用者層が重なりやすいのに対し、ディスプレイ広告は配信面がまったく違うため、媒体を足す意味はディスプレイ広告側のほうが大きくなります。

両方に配信するP-MAXを入れたときに検索キャンペーンとの境界が変わる仕組み

比較を難しくしているのが、P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーンです。P-MAXの公式ヘルプでは、1つのキャンペーンでYouTube、ディスプレイ、検索、Discover、Gmail、マップなどすべてのGoogle広告のインベントリに配信できるとしています。つまりP-MAXの中ではリスティング広告とディスプレイ広告の区別が消えます。

境界のルールも書かれています。検索語句が完全一致キーワードと一致する場合は、完全一致キーワードを含む検索キャンペーンによる配信がP-MAXよりも優先されます。逆に言えば、完全一致で押さえていない語はP-MAXによる配信の対象です。

実務上の結論は明確です。社名や主力サービス名など成果に直結する語は、検索キャンペーンの完全一致で持ち続けてください。P-MAXに全部を任せると、検索で取れていた成果とディスプレイ面で生まれた成果が1つの数字に混ざり、どちらが効いたのかを後から分解できなくなります。

目的と事業条件から決めるリスティング広告とディスプレイ広告の使い分け

どちらが優れているかではなく、自社の商材がいまどの段階の需要を持っているかで決めます。条件を示して言い切ります。

指名検索と比較検索が既にある事業はリスティング広告から始める判断基準

次のいずれかに当てはまるなら、リスティング広告から始めてください。社名やサービス名での検索が月に数十件以上ある事業。「〇〇 費用」「〇〇 比較」のように、商材カテゴリ名と検討語の組み合わせが検索されている事業。受託開発やシステム導入のようなBtoBの商材の多くは、この条件を満たします。

理由は、成果の有無を短期間で判断できるからです。検索した語ごとに問い合わせが何件出たかが見えるため、1〜2か月で採算の線を引けます。ディスプレイ広告から始めると、成果が後日の検索経由で現れるぶん、同じ期間では判断材料がそろいません。

見送る場面もあります。検索ボリュームが小さく、出稿しても月の表示回数が数百回に届かない語しかない場合は、リスティング広告に予算を積んでも消化されません。この場合は次のh3の条件に移ります。

検索されていない新しい商材でディスプレイ広告を先に出すべき事業の条件

ディスプレイ広告を先に出すのは、商材カテゴリ自体がまだ知られておらず、検索窓に打たれる語が存在しない場合です。新しい仕組みのサービスや、従来の呼び名が定着していない製品がこれに当たります。検索広告を出しても表示回数が伸びないため、閲覧中の面で存在を知らせる側から始めるしかありません。

もう1つは、検討期間が長く、比較のためにサイトを何度も訪れる商材です。訪問者を再び呼び戻す配信はディスプレイ広告の得意分野で、初回の訪問だけで問い合わせに至らない商材ほど効きます。逆に、購入単価が数千円で1回の訪問で購入が完結する商材では、ディスプレイ広告を先に出す理由はありません。

月額予算の規模別に両者へ予算を配分する順番と追加するタイミングの目安

予算の規模で配分の順番を決めておくと、追加の判断で迷いません。次は検索需要がある事業を前提にした目安です。

  1. 月20万円未満:リスティング広告に集中する。ディスプレイ広告は再訪者向けの配信だけに絞り、全体の1〜2割に留める
  2. 月20万〜50万円:リスティング広告で取れる語の表示回数が頭打ちになった時点で、ディスプレイ広告の新規向け配信を足す
  3. 月50万円以上:ディスプレイ広告を媒体別に分け、LINEヤフーの面も加える。検索側は完全一致の語を検索キャンペーンで持ち続ける

追加の合図は「予算を上げても表示回数が増えない」状態です。リスティング広告は検索された回数より多くは表示されないため、この上限に当たったら、それ以上の予算は検索側では使い切れません。そこで初めてディスプレイ広告に回す、という順番が予算を無駄にしない進め方です。

両者を併用して成果を取り切る設定と比較評価で判断を誤る失敗パターン

併用で成果が出るかどうかは、2つの広告をつなぐ設定と、成果の数え方で決まります。

ディスプレイ広告で接触した人を検索広告で取り切る再訪セグメントの設定

併用の要は、サイト訪問者のリストを検索広告にも使うことです。Google広告の検索広告向けデータセグメントのヘルプでは、サイトの訪問者を記録したリストを検索キャンペーンに追加し、その人が検索したときだけ入札単価を上げる設定ができると説明しています。例として、過去30日以内の訪問者の入札単価を25%引き上げる方法が挙げられています。

条件は2つあります。リストが1,000件以上の記録を集めるまで検索広告では使えないこと、そしてリストへの登録期間は最長540日であることです。小規模なサイトでは1,000件に届くまで数か月かかるため、ディスプレイ広告でサイトへの訪問を増やすことが、そのまま検索広告側の設定を使える状態にする手段になります。

ディスプレイ広告側で訪問者を追いかける配信の設定条件と費用は、リターゲティング広告の媒体別の設定条件で扱っています。

獲得単価だけで両者を比べてディスプレイ広告を止めてしまう評価の失敗

最も多い失敗は、管理画面の獲得単価を並べて「ディスプレイ広告は効率が悪い」と結論づけ、停止することです。停止して1〜2か月後に、リスティング広告の社名検索からの問い合わせが減る。原因はディスプレイ広告で接触していた人が、後日に検索して問い合わせていた経路が途切れたことにあります。

この経路は、クリックを伴わない成果として別に数えないと見えません。広告表示後に発生した成果の数え方はビュースルーコンバージョンとの違いと計測期間で解説しています。停止の判断をする前に、配信を止めた地域と続けた地域で社名検索の件数を比べる方法もあり、その考え方は広告の増分効果を測るインクリメンタリティの手法にまとめました。

判断基準を1つ挙げるなら、両方の広告と社名検索からの問い合わせを合算した件数です。ディスプレイ広告を止めて合算が減るなら、管理画面の獲得単価が高くても止めるべきではありません。

計測タグとフォーム完了計測を両方の広告で共通にするサイト側の実装

比較が成り立つ前提は、両方の広告で同じ成果を同じ方法で数えていることです。リスティング広告はGoogleのタグ、ディスプレイ広告はLINEヤフーのタグと媒体ごとに別々の計測を入れると、問い合わせ1件が双方で重複して計上され、合計が実数を超えます。

実装で押さえる作業は次のとおりです。

  • 全ページに各媒体のタグを入れ、訪問者リストの蓄積を配信開始前から始める
  • 問い合わせ完了を1つの定義に揃え、完了ページが無いフォームは送信完了の時点で計測する
  • 媒体の管理画面とは別に、自社のアクセス解析で流入元別の問い合わせ件数を集計する

フォームが外部サービスで動いていて完了画面が自社ドメインの外にある場合は、タグが発火せず成果が0件のまま計上されません。広告の設定より先にここを直す必要があり、多くの場合は制作会社への依頼になります。計測の実装から配信後の評価設計まで一体で進めたい場合は、Webマーケティング戦略の実行支援で相談を受けています。

よくある質問

ディスプレイ広告とリスティング広告を比べて検討する段階で、よく寄せられる質問をまとめました。

リスティング広告とディスプレイ広告はどちらが費用対効果が高いですか?

検索されている商材であれば、問い合わせ1件あたりの費用はリスティング広告のほうが低く出るのが一般的です。ただし、それは管理画面に表示される直接の成果だけを見た場合の話です。ディスプレイ広告で接触した人が後日に社名で検索して問い合わせる経路は、リスティング広告側の成果として計上されます。両方を配信しているなら、片方の獲得単価ではなく、2つの広告と社名検索からの問い合わせを合算した件数で費用対効果を判断してください。

ディスプレイ広告をリスティング広告に含めて呼ぶことはありますか?

あります。本来のリスティング広告は検索結果に出る検索連動型広告を指しますが、運用型広告全般を指す「リスティング」という呼び方は、代理店や社内用語でも使われる表現です。この呼び方のまま発注すると、検索広告の見積もりを依頼したつもりがディスプレイ広告の費用まで含まれていた、という食い違いが起きます。提案書や見積書では、Google広告なら「検索キャンペーン」、LINEヤフーなら「検索広告」と管理画面の種別名で書いてもらうと確実です。

検索キャンペーンでディスプレイ面にも広告が出ることはありますか?

Google広告の検索キャンペーンには、ディスプレイネットワークを配信先に含めるかどうかの設定があります。含めたままにすると、検索広告の予算の一部がディスプレイ面で消化され、検索広告の成果を正しく評価できなくなります。リスティング広告とディスプレイ広告を分けて評価したいなら、検索キャンペーンでは検索ネットワークだけを配信先にし、ディスプレイ広告は別のキャンペーンで管理してください。P-MAXを使っている場合も同じ理由で、検索キャンペーンとの役割分担を決めておきます。

月数万円の少額予算ならどちらか一方に絞るべきですか?

絞ってください。検索されている商材ならリスティング広告に集中させます。少額のまま2つに分けると、どちらも配信量が足りず、機械側の入札調整が進まないまま期間だけが過ぎます。例外として、サイトの訪問者に再度広告を出す配信は、母集団が自社を知っているぶん少額でも反応が出やすい配信です。予算の1〜2割をここに割くのは合理的な選択になります。新規向けのディスプレイ広告は、検索広告の表示回数が頭打ちになってから足してください。

BtoBの問い合わせ獲得にはどちらが向いていますか?

入口はリスティング広告です。BtoBの商材は「〇〇 開発 費用」「〇〇 比較」のように検討語と組み合わせて検索されることが多く、検索した語ごとの問い合わせ件数で採算を判断できます。一方で、BtoBは社内の稟議を経るため検討期間が数週間から数か月に及び、その間に何度もサイトを訪れるのが特徴です。この再訪をつなぎ止める役割でディスプレイ広告を組み合わせると、検索広告だけの場合より取りこぼしが減ります。

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