クラウドCTIは、交換機やサーバーを社内に置かず、パソコンとインターネット回線があれば着信ポップアップや通話録音を使い始められる形態です。設備を持たない利点がある一方で、通話の品質は社内の回線と担当者の端末に左右され、事業者側が止まれば窓口も停止する仕組みです。この記事では、クラウド型CTIの仕組みと利点を確認したうえで、回線品質・在宅対応・既存PBXとの併存・障害時と録音データという4つの制約を、公式ドキュメントの基準値を使って導入前に確かめる方法を整理します。クラウド型を見送るべき条件も示します。
まとめ:クラウドCTIは回線と在宅端末とPBXの3条件を測ってから契約する
クラウドCTIの利点は、設備の調達が要らず、席数を月単位で増減でき、在宅や別拠点の担当者も同じ画面で受電できることです。ただし、その利点が出るのは、音声を運ぶ回線と担当者の端末が基準を満たしている場合に限られます。
契約前に確かめるのは3点です。1つ目は回線で、Amazon Connectの公式ドキュメントでは1通話あたり上り下り54Kbps、平均遅延300ミリ秒以下が目安として示されています。2つ目は在宅の端末と、VPNを音声に通すかどうかの社内規程です。3つ目は既存PBXをいつまで残すかで、代表番号と内線の扱いを決めてから併存期間を区切ります。稼働率99.99%の約束は月4.3分程度の停止を許す水準なので、事業者側の障害時に窓口をどう案内するかも先に決めておきます。
クラウドCTIの仕組みと利点:交換機能を事業者側に置くことで変わる4つの点
クラウド型とオンプレミス型の違いを費用と選定条件で比べた整理はCTIとは?電話とシステムを連携する仕組みと機能・CRM連携の前提を解説にあります。ここでは、制約を理解するのに必要な範囲で、音声がどこを通るかを確認します。
音声の通り道:担当者のブラウザから事業者の音声基盤までのつながり方
クラウドCTIでは、電話網からの着信をまず事業者の音声基盤が受けます。音声はそこからインターネットを経由して、担当者のパソコンのブラウザやソフトフォンに届きます。顧客情報のポップアップは、着信と同時に事業者側からCRMへ発信者番号を渡して表示する仕組みです。
社内に交換機が無いため、音声の品質を決める区間は「事業者の音声基盤から担当者の端末まで」です。この区間の大半は、自社の社内ネットワークと契約しているインターネット回線、そして担当者の自宅回線です。事業者を変えても、この区間が細ければ音質は改善しません。
利点が出る4つの場面:設備調達・席数の増減・拠点分散・機能の更新
利点を実務の順に並べると、次のようになります。
- 設備調達:交換機やサーバーを買わないため、契約から利用開始までが数日から数週間で済む製品が多い
- 席数の増減:繁忙期だけ席を足し、閑散期に減らす契約にできる製品がある
- 拠点分散と在宅:拠点や自宅の担当者も、同じ着信ルールと同じ顧客画面で受電できる
- 機能の更新:通話の文字起こしや要約などの機能が、事業者側の更新で追加される
実務で効くのは上の2つです。席数が年間を通じて一定で、全員が同じ事務所にいる窓口では、下の2つの利点はほとんど出ません。費用の面での比べ方はCTIの費用:初期・月額・通話料の内訳と3年総額の試算、席数課金の分岐点で試算しています。
回線品質の制約:1通話54Kbpsと遅延300ミリ秒を基準に社内回線を測る
クラウドCTIの音質の問題が起きる場所は、多くの場合、自社側のネットワークです。Amazon Connectのネットワークのトラブルシューティングも、通話品質と切断の第一の原因はネットワークだと書いています。基準値を持って測れば、契約前に問題を見つけられます。
必要な帯域の計算:同時通話10本で540Kbps、他の業務通信と分けて見積もる
Amazon Connectの担当者端末の要件は、音声の1対1通話に上り下りそれぞれ54Kbpsを挙げています。同時に10本の通話があれば540Kbps、30本なら約1.6Mbpsです。
数字だけを見ると、一般的な光回線には十分に収まります。問題になるのは、同じ回線をオンライン会議・クラウドストレージの同期・OSの更新と共有している場合です。同じページも、OSや他のアプリケーションの分の帯域とCPUを別に見込むよう注意しています。昼休み明けの更新配信や大容量ファイルの送信と受電のピークが重なる時間帯に、音声が途切れる例が典型です。ルーターで音声の通信を優先する設定ができるかを、情報システムの担当者に確認してください。同時通話数の見積もり方はCTI比較の4軸:同時通話数・PBX方式・CRM連携の深さ・IVRでタイプ別に選ぶで扱っています。
遅延の確認方法:平均300ミリ秒以下を担当者の席と自宅で測る手順
同じトラブルシューティングのページは、Endpoint Test Utilityで測った平均遅延が300ミリ秒を超えないことを目安とし、超えると音質の問題が起きうると説明しています。遅延が大きいとパケットの損失も増えます。
- 試験用のアカウントを発行してもらい、担当者が実際に座る席のパソコンで接続試験を行う
- 在宅勤務の担当者には、自宅の回線と業務用パソコンの組み合わせで同じ試験をしてもらう
- 受電の多い時間帯に同じ試験をもう一度行い、空いている時間帯との差を見る
大事なのは、情報システム部門の席ではなく、受電する担当者の席で測ることです。測定結果は製品を選ぶ前の段階で集めておくと、試用期間を回線の問題の切り分けに使わずに済みます。
音質が落ちる原因の切り分け:Wi-Fi・VPN・ファイアウォールのポート設定
測定で問題が出たときは、次の順に疑います。最初はWi-Fiです。Amazon Connectのドキュメントは、可能な限り無線ではなく有線のEthernetを使うよう推奨しています。無線は干渉と混雑で揺らぎとパケット損失が出やすいからです。
次はVPNで、暗号化のトンネルが遅延を増やし音声を劣化させると書かれています。3つ目はファイアウォールです。必要なポートが閉じていると、無音や片方向だけの通話、切断が起きます。Amazon Connectの場合はUDP 3478とTCP 443、WebSocketの通信を許可する必要があります。他の製品でも、必要なポートと通信先は導入資料に載っているので、契約前に社内のファイアウォールの設定と照らし合わせてください。
在宅対応の条件:端末の要件・VPNの扱い・情報管理のルールを先にそろえる
在宅で受電できることは、クラウドCTIを選ぶ理由として最もよく挙がります。ただし、在宅の担当者が使う端末と回線は会社の管理が届きにくく、事務所と同じ品質と管理水準を保つには条件をそろえる必要があります。
在宅の端末要件:メモリ2GB・CPU2GHzは画面単体の最低値にすぎない
Amazon Connectの担当者端末の要件は、通話画面だけを動かす場合の最低値としてメモリ2GB、CPU 2GHzを挙げ、OSや他のアプリケーションの分は別に見込むよう書いています。実際の担当者はCRMの画面、社内チャット、ウイルス対策ソフトを同時に開くため、この値で端末を選ぶと処理が詰まって音声が途切れます。
ヘッドセットはUSB接続が推奨されています。同じページは、スマートフォンなどモバイル端末のブラウザでは通話画面を使えないとも明記しています。他社製品にはスマートフォン用アプリを用意しているものもありますが、在宅での受電をスマートフォンで済ませる運用を考えているなら、対応の有無を製品ごとに確かめてください。
音声をVPNに通すかの判断:社内規程とスプリットトンネルの調整
在宅勤務の端末は、社内のVPNを経由してインターネットに出る設定になっていることが多いです。この場合、音声もVPNの装置を通るため、遅延が増えるうえ、在宅の担当者が増えるほどVPN装置の負荷が上がります。
対処としては、CTI事業者の通信先だけをVPNから外して直接インターネットに出す、いわゆるスプリットトンネルの設定があります。ただし、これは社内のセキュリティ規程の変更を伴います。情報システム部門と、どの通信先を外すか、外した通信をどう記録するかを合意してから在宅受電を始めてください。規程の変更が通らない場合は、在宅の席数をVPN装置の余力の範囲に抑えるのが現実的です。
在宅受電の情報管理:総務省ガイドライン第5版とチェックリストの使い方
在宅で顧客の個人情報を画面に表示する以上、事務所とは異なる管理が必要です。総務省のテレワークにおけるセキュリティ確保のページには、テレワークセキュリティガイドライン第5版(2021年5月)と、中小企業等の担当者向けのチェックリスト第3版(2022年5月)が掲載されています。
規程を一から作るより、チェックリストの項目を在宅受電の運用に当てはめていくほうが早く進みます。CTI特有の論点として、家族に通話や画面が見聞きされない場所の確保、通話録音の再生を在宅で許すかどうか、顧客情報の画面を印刷・撮影しない取り決めの3つは、チェックリストに加えて自社で決めておく必要があります。
既存PBXとの併存:番号・内線・転送の扱いで移行期間の構成を決める
クラウドCTIを入れても、既存のPBXを同じ日に撤去できる会社は多くありません。総務や営業の内線はPBXに残し、窓口の席だけを先にクラウドへ移す期間が生まれます。この期間の構成を決めておかないと、電話の取り次ぎで混乱が起きます。
併存の典型構成:代表番号はPBXに残し、窓口の席だけをクラウドへ移す
最も多いのは、代表番号と内線はPBXに残し、問い合わせ窓口の専用番号だけをクラウドCTIで受ける構成です。窓口の番号を新しく取得するか、既存の番号をクラウドCTIの事業者へ移すかで手続きが変わります。番号の移行の条件と切替日の決め方はCTI導入の手順:回線と番号の見直しからCRM連携・現場定着まで4工程で進めるで扱っています。
代表番号に来た問い合わせを窓口へ回す場合、PBXからクラウドCTIの番号へ外線で転送するのが一般的です。この転送は外線発信の扱いになるため、PBX側の契約で通話料が発生します。転送の件数が多い会社では、代表番号の音声ガイダンスで窓口の番号を案内し、直接かけ直してもらう運用のほうが通話料を抑えられます。
取り次ぎで起きる問題:窓口から社内の担当者へ回すときの番号と履歴
窓口で受けた電話を、PBX側にいる営業や技術の担当者へ取り次ぐ場面も起きます。クラウドCTIとPBXの間に内線のつながりが無い場合、取り次ぎは外線での転送になり、受けた側のPBXには顧客の番号ではなく窓口の番号が表示されることがあります。
さらに、取り次いだ後の通話はクラウドCTIの通話履歴とCRMに残りません。顧客対応の記録をCRMに一本化したいなら、取り次ぎの頻度が高い部署から順にクラウド側へ移すか、取り次ぎ時に担当者がCRMへ記録を残す運用を決めてください。CTIとPBXの間に内線のつながりを持たせる接続方式(CTIリンク・SIP・API)の違いは、CTIとPBXの接続方式:連携装置・CSTA/TAPI・SIP・APIの違いとIP-PBXへ寄せる設計で整理しています。PBXごとクラウドへ寄せる場合の比べ方はクラウドPBXとは?仕組み・料金相場と従来PBXとの違い、企業の導入判断まで解説【2026年版】にまとめています。
併存期間を区切る目安:PBXの保守期限から逆算して終わりの日を決める
併存の期間は、始める前に終わりの日を決めます。決めないまま進めると、2つの電話の仕組みの保守費を払い続けることになります。終わりの日の基準になるのは、既存PBXの保守契約の期限と、リース契約の残期間です。
保守期限まで2年を切っているなら、その期限を併存の終了日に置き、残りの部署をクラウドPBXかクラウドCTIへ移す計画を立てます。入れ替えから数年しか経っていないPBXなら、窓口だけクラウドへ移した状態を長く続ける前提で、取り次ぎの運用ルールを固めるほうが合理的です。
障害時と録音データの制約:稼働率99.99%の意味と個人データの扱いを確かめる
クラウドCTIでは、事業者側の障害と、録音や通話履歴を事業者のサーバーに置くことの2点が、オンプレミス型には無い制約になります。いずれも契約書と約款で確かめられます。
稼働率99.99%は月に約4.3分の停止まで:停止の定義とクレジットの段階
Amazon Connectのサービスレベル契約(2026年4月28日更新)は、リージョンごとの月間稼働率99.99%以上を約束しています。30日の月で換算すると、許される停止は約4.3分です。停止の定義は、5分間の区間で着信と発信のすべてのフローが実行できない状態とされています。
| 月間稼働率 | 30日の月での停止時間 | 返還されるクレジット |
|---|---|---|
| 99.99%未満〜99.0%以上 | 約4.3分超〜約7.2時間 | 5% |
| 99.0%未満〜95.0%以上 | 約7.2時間超〜約36時間 | 15% |
| 95.0%未満 | 約36時間超 | 100% |
表から分かるのは、停止しても返ってくるのは利用料の一部だという点です。窓口が半日止まったときの機会損失は補償されません。国内の製品でも、稼働率の数値と、停止の定義、計画メンテナンスの扱いを契約前に書面で確かめてください。稼働率の約束を数値で示していない製品は、その時点で比較表に注記を付けます。
事業者の障害時に窓口を止めない代替手段:転送先と音声ガイダンス
停止をゼロにはできないので、止まったときの案内を決めておきます。代表的な手段は2つです。1つ目の手段として、着信を責任者の携帯電話や別の番号へ転送する設定を、事業者側で切り替えられるようにしておきます。もう1つは、障害中であることと復旧後の連絡方法を伝える音声ガイダンスを、あらかじめ録音して登録しておくことです。
どちらも、事業者の音声基盤が電話網からの着信を受けられる状態であることが前提です。音声基盤そのものが止まった場合に備えるなら、番号の着信先を通信事業者側で切り替えられる契約かどうかも確認します。自動音声で着信を振り分ける仕組みの選び方はIVRとは?自動音声応答の仕組み・種類と構築形態の選び方を解説で扱っています。
録音と通話履歴のクラウド保存:個人情報保護委員会Q7-53の判断基準
通話録音に含まれるのは、顧客の氏名や住所、契約内容です。それを事業者のサーバーに置くことが個人データの第三者提供や委託にあたるかについて、個人情報保護委員会のFAQ(Q7-53)は、クラウドサービスの事業者が個人データを取り扱うこととなっているかどうかが判断の基準だとしています。契約で事業者がサーバー上の個人データを取り扱わない旨を定め、アクセス制御を行っている場合が例に挙がっています。
CTIの場合、文字起こしや通話の分析を事業者側の機能で行うと、事業者が音声の中身を処理することになります。この場合は取り扱わない前提が成り立つかを、約款のデータ利用条項で確かめてください。成り立たないなら委託として扱い、事業者の監督と、録音の保存期間・削除の手順を契約に入れます。
クラウドCTIを選ぶ条件と見送る条件:席数・拠点・業務ルールで判断する
ここまでの制約を踏まえて、クラウド型で進めてよい場合と、見送るか後回しにする場合を分けます。
クラウド型で進めてよい条件:席数の変動・在宅の担当者・保守期限の接近
次のどれかに当てはまり、かつ前述の回線の測定で遅延が300ミリ秒を下回っているなら、クラウド型で進めてください。繁忙期と閑散期で席数が2割以上動く。在宅や別拠点の担当者が受電する。既存PBXの保守期限まで2年を切っている。この3つのどれにも当てはまらない窓口では、クラウド型の利点がほとんど出ません。
席数が10未満で、着信ポップアップと通話履歴の記録で業務が回るなら、製品の標準機能とオプションの範囲で済ませ、作り込みはしない判断が妥当です。
クラウド型を見送る条件:回線の制約・音声の社外保存の禁止・取り次ぎの多さ
見送るべきなのは、次の場面です。担当者の席で測った遅延が恒常的に300ミリ秒を超え、回線の増強や配線の変更が予算や建物の事情でできない場合。取引先との契約や社内規程で、通話の録音を社外のサーバーに置くことが禁じられている場合。窓口で受けた電話の多くをPBX側の部署へ取り次いでいて、窓口だけをクラウドへ移すと取り次ぎの通話料と記録の欠落が増える場合です。
最後の場合は、CTIより先にPBXの更改計画を立て、PBXごとクラウドへ寄せる時期に合わせてCTIを入れるほうが、二度手間になりません。
CRM連携を作り込む場合は連携部分だけを受託開発に回すシステム構成
着信時に契約の状態や未入金を判定して担当を振り分ける、通話の結果で後続の業務の流れを変えるといった処理は、製品の設定だけでは表現できないことがあります。その場合も、CTIそのものを作るのではなく、クラウドCTIの製品を使い、CRMとの連携部分だけを開発する構成が費用と保守の両面で有利です。CRM側に持たせる応対履歴の設計はコールセンター向けCRMとは?CTI連携と応対履歴管理の機能・選び方【2026年版】で詳しく扱っています。
CRMがSalesforceの場合、従来の接続方式であるOpen CTIは、SalesforceのOpen CTI Developer Guide(Version 68.0・Winter ’27)で2028年2月の提供終了が予定されているため、新しく作る連携はその後の方式を前提に設計します。Salesforce側の画面や通話結果の書き戻し処理の開発は、Salesforce導入支援サービス・Apex開発として受託でも対応しています。
よくある質問
クラウドCTIを検討している担当者から寄せられる質問に、導入前の確認の観点で答えます。
クラウドCTIとクラウドPBXは何が違いますか?
クラウドPBXは、内線・外線の発着信や転送といった電話の交換機能をクラウドで提供するものです。クラウドCTIは、電話とCRMなどの業務システムをつなぎ、着信時の顧客情報の表示や通話録音、通話履歴の記録を提供するものです。製品によっては両方の機能を1つの契約で持っています。社内全体の電話を置き換えるならクラウドPBX、問い合わせ窓口の業務を効率化するならクラウドCTIが出発点になります。
クラウドCTIは何席くらいから導入する意味がありますか?
席数だけで決まるものではありません。2〜3席でも、在宅の担当者がいる、着信のたびに顧客を手で検索していて取りこぼしがある、といった場合は効果が出ます。逆に、席数が数名で着信の大半を同じ担当者が受けている窓口は、CTIより先にCRMの顧客データを整えるほうが効果が大きくなります。費用面の分岐点は席数課金とプラン課金の比較で判断してください。
在宅の担当者はスマートフォンで受電できますか?
スマートフォンで受電できるかどうかは、製品の仕様次第です。Amazon Connectの通話画面は、モバイル端末のブラウザに対応していないと公式ドキュメントに明記されています。他社の製品にはスマートフォン用アプリを提供するものがあります。ただし、スマートフォンの画面では顧客情報と入力欄を同時に扱いにくいため、受電と記録を同じ人が行う窓口では、パソコンとUSBヘッドセットの組み合わせを基本にするのが無難です。
インターネット回線が切れたら電話はどうなりますか?
担当者の端末側の回線が切れた場合、その担当者は受電できなくなりますが、事業者の音声基盤は着信を受け続けます。待ち呼として保留されるか、他の担当者に振り分けられるかは製品の設定次第です。事務所の回線が1本しかない場合は、全員が同時に受電できなくなるため、モバイル回線の予備や、障害時に携帯電話へ転送する設定を用意しておきます。
オンプレミスのCTIからクラウドへ移行するとき何に注意すべきですか?
3つあります。既存の電話番号を移せるかどうか、過去の通話録音と通話履歴をどこに残すか、CRMとの接続を作り直す範囲です。録音は移行先へ移せない場合が多いため、旧システムの保存期間が終わるまで閲覧手段を残すかを決めます。CRMとの接続は、着信ポップアップに出す項目と書き戻す項目の一覧を作ってから、移行先の製品で同じことができるかを照合してください。
関連記事
- CTIとは?電話とシステムを連携する仕組みと機能・CRM連携の前提を解説:クラウド型とオンプレミス型の費用構造と選定条件の違いを比較しています。
- CTI比較の4軸:同時通話数・PBX方式・CRM連携の深さ・IVRでタイプ別に選ぶ:同時通話数の見積もりと、PBX方式ごとの比較表の作り方を示しています。
- CTIの費用:初期・月額・通話料の内訳と3年総額の試算、席数課金の分岐点:クラウドCTIの3年総額を公開料金の実額で試算しています。
- CTI導入の手順:回線と番号の見直しからCRM連携・現場定着まで4工程で進める:番号の移行とCRM連携の試験を含む導入工程を扱っています。
- クラウドPBXとは?仕組み・料金相場と従来PBXとの違い、企業の導入判断まで解説【2026年版】:PBXごとクラウドへ寄せる場合の判断を扱っています。