Adalo(アダロ)とは?料金・使い方・できないこと・脆弱性を実務目線で解説【2026年最新】

Adalo(アダロ)は、プログラミングなしでiOS/Android/Webアプリを作れる米国発のノーコードツールです。2018年頃にモバイルアプリ特化で始まり、現在はWebアプリやPWAにも対応します。ドラッグ&ドロップでの画面設計と、スプレッドシート感覚のデータベース(コレクション)が中核で、アイデアはあるがコードを書けない個人・非エンジニアが最短でアプリを形にするのに向きます。一方で複雑なロジックや高速処理は苦手で、UIとドキュメントは英語のみ。加えて2026年7月にはデータベースAPIの重大な脆弱性(VU#849433)が公表されており、機微情報の扱いには注意が要ります。本記事では料金・始め方・できないこと・事例・Bubbleとの違いまで、判断に必要な事実を整理します。

まとめ:Adaloが向く人・向かない人と最初の判断軸

  • 向くケース:MVPやプロトタイプを数日〜数週間で作りたい、フォーム・一覧・ログイン・課金といった標準機能で足りる、iOS/Android両対応をノーコードで済ませたい。
  • 向かないケース:独自アルゴリズムや大量データの高速処理、PC画面前提の作り込んだ業務システム、機微な個人情報を大量に保持するサービス。
  • 料金(2026年):無料プランは公開アプリ0(テスト用)。アプリを公開するなら年払い月額$36のStarter以上、外部API連携はProfessional以上。旧Businessプランは廃止。
  • 要注意:日本語UI非対応、英語ドキュメント前提。データベースAPIの脆弱性(VU#849433 / CVE-2026-10706・CVE-2026-10708)が未修正のため、パスワードや決済情報などはAdaloのコレクションに置かない設計にする。

ノーコードとローコードの線引きから迷う場合は、ノーコードのできること・限界を実務目線で整理した解説を先に読むと、Adaloが自社要件に合うか判断しやすくなります。

Adaloの基本:モバイル特化のノーコード開発プラットフォーム

Adaloの特徴は「モバイルアプリ開発への特化」です。BubbleやAppSheetなど汎用ノーコードが多い中、AdaloはiOS/Androidのネイティブアプリをそのまま各ストアに公開できる点で立ち位置が明確です。開発から公開までブラウザ上のクラウドエディタで完結し、ソフトのインストールやサーバー構築は不要です。

作れるもの:ネイティブアプリ・Webアプリ・PWAをひとつのプロジェクトから

1つのプロジェクトからネイティブアプリとWebアプリを同時に出力でき、レスポンシブ対応で画面サイズに応じてレイアウトが調整されます。PWAとして公開すればストア審査を経ずブラウザから配信でき、ホーム画面追加でネイティブに近い体験も提供できます。ただし設計思想がモバイルファーストのため、PC主体で細部を作り込むWebサービスには制約が残ります。

開発の仕組み:ドラッグ&ドロップのUIと「コレクション」というデータベース

画面はコンポーネント(ボタン、テキスト、フォーム、リストなど)をドラッグ&ドロップで配置し、各コンポーネントにアクション(タップ時の画面遷移やデータ保存)を設定して挙動を作ります。データはコレクションと呼ぶデータベースに定義し、テキスト・数値・日付・画像・リレーションなどの型をスプレッドシート感覚で追加します。SQLやサーバー処理を書く必要はありません。プッシュ通知・位置情報・カメラ連携といった端末機能も設定で有効化できます。

Adaloでできること・できないこと

できること:標準機能でカバーできる範囲

フォーム入力、一覧・詳細表示、キーワード検索、ユーザー登録/ログイン/パスワードリセット、プッシュ通知、Stripe連携によるアプリ内課金・サブスクリプションなど、多くのアプリに共通する機能はコンポーネントの配置と設定だけで実装できます。ToDo管理、簡易SNS、EC商品カタログ、予約、マッチング系といった標準的なアプリはAdalo単体で構築可能です。ZapierやXano(External Collections)と組み合わせれば、外部データベースや自動化との連携で機能を拡張できます。

できないこと・不得手な領域

Adaloは用意された機能の組み合わせで作るため、独自の複雑なロジックや任意コードの埋め込みはできません。大量データや高速レスポンスが要るリアルタイム性の高いサービスでは描画・処理の遅延が出やすく、内部チューニングの余地も乏しいです。3DゲームやVR、iOSウィジェット、PC大画面前提の作り込んだ業務アプリも不得手です。こうした要件では、拡張性の高いBubbleや従来型開発、あるいは用途次第でWix Harmonyのようなビジュアル設計のノーコードを検討します。ノーコードとローコードの線引きはローコードとノーコード開発の違いの観点で整理すると判断が付きやすくなります。

日本語対応:管理画面・ドキュメントは英語のみ

管理画面・公式ドキュメント・フォーラムは英語のみです。設定項目や専門用語が英語表記のため、有志の日本語解説を併用しながら進める前提になります。問い合わせも英語です。学習コストと情報収集の手間はデメリットとして見込んでおきます。

Adaloの料金プラン(2026年最新)

Adaloは無料プランと3つの有料プランを提供します。年払いにすると月払いより約2割安くなります。以前あったBusinessプランは廃止され、公開プランの最上位はTeamです(別枠でエンタープライズ向けのAdalo Blueがあります)。数値は改定されやすいため、契約前に公式の料金ページで最新を確認してください。

プラン 月額(年払い) 月額(月払い) 公開アプリ この階層で解禁される主な機能
Free $0 $0 0(テスト用のみ) Ada AIアシスタント、1アプリ500レコードで試作
Starter $36 $45 1 App Store/Google Play・Web公開
Professional $52 $65 2 外部API・カスタムアクション
Team $160 $200 5 複数エディタ・優先レンダリング・大容量

判断の軸はシンプルです。試作だけなら無料ストア公開するなら最低Starter外部システム連携が要るならProfessional以上。データ容量はプランごとにチーム単位で拡大します(目安として5GB→25GB→125GB)。Ada AIアシスタント(プロンプトからの画面生成・編集、ベータ)は無料プランを含む全プランで使えます。

Adaloの始め方:登録から公開までの流れ

アカウント作成からアプリ公開までは、次の順で進みます。各ステップでコード編集は発生しません。

  1. アカウント作成:公式サイトの「Sign Up」からメール・パスワードを登録し、確認メールで認証。登録は無料でカード情報も不要。
  2. プロジェクト作成:「Mobile App」か「Desktop Web App」を選び、テンプレート(ゼロから作るなら「Blank」)とアプリ名・テーマカラーを設定。
  3. データベース設計:「Add Collection」でコレクションを作り、「Add Property」で項目と型(テキスト・数値・日付・画像・リレーション等)を追加。
  4. 画面構築:「+」からコンポーネントを配置し、右側パネルでテキスト・色・アクションを設定。画面を追加してボタンで遷移をつなぐ。
  5. プレビューと公開:「Preview」で挙動を確認し、問題なければビルドしてストア提出、またはWeb/PWAとしてデプロイ(独自ドメイン設定も可)。

【要注意】データベースAPIの脆弱性(VU#849433)

2026年7月、CERT/CCがAdaloのデータベースAPIに関する脆弱性ノートVU#849433を公表しました(CVE-2026-10706=全ユーザーレコードの過剰開示、CVE-2026-10708=長寿命JWTの再利用、の2件)。これはAdaloを使うなら必ず把握しておくべき事項です。

  • 内容:V1/V2いずれのアプリでも、データベースAPIがユーザーレコード全体(メールアドレス、UUID、カスタム項目など)を過剰に返し、認可制御が不十分なため、認証済みユーザーが他のAdaloアプリのユーザーデータまで取得できるとされています。
  • 要因:ワイルドカードなCORS、有効期限の長いJWT(約20日)、トークン失効の仕組みがないことが重なり、単一トークンでの継続的・自動的なデータ収集を許してしまう構造です。
  • 影響範囲:100万を超えるアプリが対象と報告されています。
  • 対応状況:Adaloは問題を認識していますが、公表時点で修正パッチは提供されていません。コレクションのデータは露出しうる前提で、パスワード・決済情報・本人確認情報などの機微データはAdaloに保存しない設計が推奨されます。

実運用では、機微情報はStripeなどの外部サービス側に保持し、Adaloには最小限の識別子だけを置く、といった切り分けが現実的です。公式のセキュリティアナウンスとVU#849433の最新ステータスは、導入前に必ず確認してください。

Adaloで作られたアプリ・開発事例

Adaloは国内外でMVP開発に使われ、実サービスとして運用される事例が複数あります。

  • Union(全国大学生向けSNS):講義情報や就活情報を共有する学生SNS。学生チームがノーコードで開発し、国内でも大規模なAdalo製アプリのひとつとして知られます。
  • SmartDish(モバイルオーダー):来店前に注文・決済を済ませて待ち時間を減らす飲食店向けアプリ。公式発表によれば基盤開発と改善検証を合わせ約2か月で構築されており、迅速なノーコード開発の例です。
  • 偉人の習慣:歴史上の偉人の習慣を紹介し、自分の日課に取り入れられる自己啓発系アプリ。コンテンツ主体のアイデアをコードなしで形にした事例です。

いずれもエンジニア専任がいない体制でも短期間でリリースに至っており、「まずMVPを出して市場で検証する」用途とAdaloの相性の良さを示しています。公式の「Made in Adalo」では、世界中のユーザーがマッチング・EC・スポーツ管理など多様なアプリを公開しています。

AdaloとBubbleの違い:どちらを選ぶか

ノーコードでよく比較されるのがBubbleです。方向性がはっきり異なります。

観点 Adalo Bubble
得意領域 モバイルアプリ(iOS/Android) Webアプリ
学習コスト 低い・すぐ作れる 高い・習熟が必要
カスタマイズ性 提供機能の範囲内 プラグイン/JS埋め込みで高自由度
ストア公開 標準で対応 外部ラッピングが必要

目安は「素早くモバイルアプリを形にするならAdalo、作り込んだWebサービスや高度なカスタマイズが要るならBubble」。要件の8割を最短で満たしたいならAdalo、100%近くまで詰めたいならBubble、という住み分けです。プロジェクトの要件と手持ちスキルで選ぶのが失敗しない選び方です。

よくある質問(FAQ)

Adaloは日本語に対応していますか?

管理画面・公式ドキュメントは英語のみで、日本語UIには対応していません。操作自体は視覚的ですが、設定項目やトラブル対応は英語での情報収集が前提になります。

無料プランだけでどこまでできますか?

無料プランはテスト用アプリを無制限に作れますが、公開アプリは0で1アプリ500レコードまでです。ストアやWebへ公開するには年払い月額$36のStarter以上へのアップグレードが必要です。

Adaloで収益化(課金・決済)はできますか?

Stripe連携でアプリ内課金やサブスクリプションを実装できます。決済情報そのものはStripe側で扱い、脆弱性(VU#849433)を踏まえてAdaloのコレクションには機微情報を保存しない設計が安全です。

マッチングアプリは作れますか?

ユーザー登録・プロフィール・一覧・チャット・位置情報といった構成要素はAdaloの標準機能で実装でき、マッチング系アプリの構築は可能です。ただし大量ユーザーの高速処理や高度なレコメンドには不向きです。

Adaloにログインできない/稼働状況を確認したいときは?

ログインは公式サイト(adalo.com)から行います。サービスの障害・稼働状況はAdaloのステータスページで確認でき、エディタが開けないときはまずそちらと自身のブラウザ・回線を確認します。

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