Notta Brainとは|会議データを資料・ナレッジに変えるAIエージェントの仕組み・料金・活用法【2026年最新】
「Notta Brain(ノッタ・ブレイン)」は、AI議事録サービス「Notta」を運営するNotta株式会社が2026年1月30日に正式リリースした”音声ファースト”のAIエージェントです。会議の録音データや社内資料を横断的に分析し、要約だけでなくPowerPointやWord、インフォグラフィックといった「使える成果物」まで自動生成する点が、従来の文字起こし・要約ツールとの決定的な違いです。本記事では、Notta Brainの機能・仕組み・料金体系から、ChatGPTなど汎用AIとの使い分け、ビジネス導入時の設計・セキュリティ上の留意点までを、導入を検討する情報システム・企画部門の担当者目線で整理します。
目次
まとめ:Notta Brainは「会議データの資産化」を担うAIエージェント
結論から述べると、Notta Brainは単なる文字起こしの延長ではなく、蓄積された会議データを社内ナレッジとして再利用し、資料という成果物に変換するための業務基盤です。導入判断にあたって押さえるべき要点は次の3つです。
- 位置づけ:Nottaで文字起こしした会議録や、画像・Word・Excel・PowerPointなどの資料を横断分析し、PowerPoint資料・Word文書・インフォグラフィックを自動生成するAIワークスペース。「第二の脳」をコンセプトに掲げる。
- 料金:Notta本体(文字起こし)とは別課金。フリープラン(毎月1,000クレジット)と、プレミアムプラン(月額1,980円・税込/毎月8,000クレジット)、法人向けプランがある。AI機能の利用ごとにクレジットを消費する。
- 適性:会議が多く、議事録が「作って終わり」になりがちな組織ほど効果が大きい。一方で、社内データを扱うため、アクセス権限とガバナンス設計を前提にした導入が望ましい。
以降では、機能・仕組み・料金・他ツールとの違い・活用・セキュリティの順に詳しく解説します。
Notta Brainの基礎知識
Notta Brainとは何か
Notta Brainは、これまでの文字起こし機能に加え、複数の議事録を横断的に分析・要約し、ユーザーの「第二の脳」として業務を支援するAIワークスペースです。チャット形式でAIに指示を出すことで、過去の会議データの参照・分析、アップロードした資料の分析、Web上の最新情報の取得、そして成果物の生成までを一つの画面で完結できます。単に音声を文字に変える従来型ツールと異なり、テキストから文脈を理解し、自動でナレッジ化を行う点が特徴です。
リリースの経緯とNotta本体との関係
Notta Brainは、2025年12月に開始されたベータ版を経て、2026年1月30日に正式版がリリースされました。前身は「AI Chat」と呼ばれていた機能で、正式リリースにあたりベータ版のフィードバックを反映し、機能が強化・追加されています。運営元のNotta株式会社は東京都千代田区に本社を置き、98.86%以上の高精度な文字起こしと58言語対応をうたう音声AIプラットフォーム「Notta」を展開しています。Notta Brainはこのエコシステムに組み込まれた付加機能であり、Nottaに保存されたデータを再アップロードせずに直接参照できる点が強みです。
Notta本体・Notta Memoとの位置づけ
Nottaのエコシステムは、リアルタイムで音声をテキスト化する文字起こし基盤(Notta本体)、名刺サイズのAIボイスレコーダー「Notta Memo」、そして本記事の主題であるNotta Brainという三層で捉えると整理しやすくなります。文字起こし基盤が「記録」、Notta Memoが「収集」、Notta Brainが「分析と成果物化」を担う構成です。Nottaの利用経験がない方やアカウントを持たない方でもNotta Brainを利用できるとされていますが、真価を発揮するのは社内の会議データが蓄積されている環境です。
Notta Brainでできること
複数会議を横断した分析・要約
Notta Brainは、複数の会議記録を横断して分析し、重複する議論や解決済みの課題を判別できます。チャット欄で「@」を入力して対象のフォルダーや録音データ、PDFを指定し、「決定事項をまとめて」「重要な結論だけ抽出して」といった指示を出すと、複数の議事録を開き直さずに要点を取得できます。過去の決定プロセスを尋ねれば、新しくチームに参加したメンバーでも経緯を即座に把握でき、オンボーディング時間の短縮につながります。
資料・インフォグラフィックの自動生成
Notta Brainの中核的な価値は、会話データから成果物を生成する点にあります。「この会議内容を元にプレゼン資料の構成案を作って」と指示すればスライドのたたき台が、要約フレーズを指定すればインフォグラフィックが生成されます。正式版では、画像・Word・Excel・PowerPointファイルを入力として取り込む「マルチ入力」と、PowerPointやWord形式で出力する「生成出力」に対応しました。要約という文章にとどまらず、共有しやすい視覚的な成果物まで一気通貫で用意できることが、読み手の理解スピードを高めます。
Web情報との組み合わせ
チャット入力欄のインターネット機能をオンにすると、Notta内のデータに加えて、Web上の最新の公開情報を組み合わせて回答を生成できます。たとえば業界の最新ニュースと社内の会議データを掛け合わせた分析や、商談で明らかになった課題を背景にしたマーケティング戦略のヒント抽出など、社内データ単独では得られない示唆を引き出せます。なお、外部ネットワーク情報へのアクセスを許可するかどうかは、ユーザーの設定に基づいて制御されます。
Notta Brainの仕組み
私的データを安全な環境で分析する設計
Notta Brainは、公開情報を学習した汎用チャットAIとは設計思想が異なります。会議録音や社内文書といった「自社の私的データ」を、外部に学習させない環境で分析することを目的に作られています。生成される回答はアップロードされた文書内の情報に基づくため、ソース資料に存在しない事実を作り出すリスクを抑えられるとされています。社内の会議録という、検索エンジンには載らない一次情報を扱える点が、汎用AIとの本質的な差です。この「自社データを根拠に検索・回答する」考え方は、検索拡張生成(RAG)の発想と共通しており、AIエージェントとRAGの関係についてはエージェンティックRAGの解説記事もあわせて参照すると理解が深まります。
タスクに応じたマルチモデルの使い分け
Notta Brainは単一のモデルで処理するのではなく、複数のモデルをタスクに応じて使い分け、処理内容に最も適したモデルを適用するとされています。要約・質問応答・資料生成といった性質の異なるタスクごとに最適なモデルを選ぶことで、品質と効率の両立を図る構成です。企業データを自然言語で検索・分析するAIエージェントの一般的なアーキテクチャはOCI Generative AI Agentsの解説でも整理しており、エンタープライズでの設計思想の共通点が見えてきます。
呼び出し方とカスタマイズ
正式版では、検索画面・すべてのノート・ノート詳細画面など、Notta内のさまざまな場所からNotta Brainを呼び出せるようになりました。さらに、あらかじめ設定した業種や職業に基づいて回答するようカスタマイズできるため、業務文脈に沿った出力を得やすくなっています。Web版とアプリ版があり、マルチ入力やPowerPoint形式の生成出力といった高度な機能はWeb版で対応する形です。
料金プランとクレジットの考え方
プラン構成と価格
Notta Brainの料金は、Notta本体(文字起こし)のプランとは別枠で用意されています。フリープランのほか、プレミアムプラン(月額1,980円・税込、年額18,920円)と、要問い合わせの法人向けプランがあります。重要なのは、Nottaの有料プランを契約してもNotta Brainの追加クレジットが自動で付与されるわけではないという点です。AIクレジットの追加や上限解除を希望する場合は、別途Notta Brainのプランを購入する必要があります。
クレジット制の仕組み
Notta Brainの各AI機能は、利用するたびにクレジットを消費します。フリープランでは毎月1,000クレジット、プレミアムプランでは毎月8,000クレジットが付与されます。クレジットは結果が正常に出力された場合にのみ消費される仕様で、機能ごとに消費量が異なります。たとえばAIによる通常のテキスト回答は0クレジット、ナレッジベースへの問い合わせ(Q&A)は1回あたり100クレジットといった形です。会議分析やAI検索を頻繁に使う組織では、月間の付与クレジット量を運用設計の前提に置くことが欠かせません。
契約・購入時の注意点
料金面で実務上注意したいのが、購入チャネルの制限とバンドルの扱いです。Notta Brainをアプリ版で単独購入することはできず、アプリではNottaのアドオンとしてのみ購入できます。一方で、Nottaのサブスクリプションと一緒に購入すると、Brain部分に10%のバンドル割引が自動的に適用されます。ただしバンドル契約の場合、Notta BrainだけをNotta本体と切り離して個別に解約することはできず、解約手続きを行うと両方の自動更新が同時に停止される点には留意が必要です。
従来の文字起こし・汎用AIとの違い
文字起こし・要約ツールとの違い
従来の文字起こしツールは、音声をテキスト化し、必要に応じて要約を作るところまでが守備範囲でした。Nottaの文字起こし基盤も、Whisperに代表される音声認識技術を背景に高精度なテキスト化を提供します(音声認識の技術的な仕組みはWhisperによる文字起こしの解説を参照)。Notta Brainはその先に踏み込み、出力された議事録を「読む対象」から「分析・再加工する対象」へと変えます。文章としての要約で止まらず、スライドやレポートという成果物まで生成する点が決定的な違いです。
ChatGPTなど汎用AIとの違い
ChatGPTのような汎用AIはインターネット上の公開情報を学習しているため、社内会議の内容そのものを把握しているわけではありません。Notta Brainは、社内の会議録や文書という私的データを安全な環境で分析することに特化しており、アップロードした資料を都度貼り付ける手間なく、蓄積データを直接参照できます。汎用AIで会議内容を扱う場合は、毎回テキストを貼り付け、情報漏えいリスクにも配慮する必要がありますが、Notta Brainはこの前提自体が異なります。
資料自動生成型AIエージェントとの位置づけ
近年は、指示一つでリサーチから資料作成までを自動実行する汎用的なAIエージェントも登場しています。たとえばGensparkのような次世代AIエージェントは、Web全体を対象に調査・要約・資料化を担います。これに対しNotta Brainは、対象を「自社の会議・音声データ」に絞り込み、会話を起点とする点に独自性があります。広く外部情報を集めたいのか、自社の議論を資産化したいのか、目的によって両者は使い分けるべき関係にあります。
ビジネス活用シーンと導入設計
会議ナレッジの資産化
最も効果が見込めるのが、定例会議や商談の蓄積データをナレッジとして活用するシーンです。「@定例会 重要な結論だけを抽出して」といった指示で過去の議論を即座に振り返れるため、議事録が一度きりの記録で終わらず、検索・再利用可能な資産へと変わります。社内に散在する知識をエージェントが参照しやすい形で整える発想は、AIエージェント向け知識フォーマットOKFの解説とも通じる、これからの業務情報設計のテーマです。
資料作成のゼロイチ削減とオンボーディング
会議内容を元にしたプレゼン構成案やレポートのたたき台を自動生成できるため、ゼロから資料を作る時間を削減し、本質的な業務に集中できます。また、過去の経緯や文脈を即座に把握できることから、新メンバーの立ち上げ時間を短縮する効果も期待できます。関連する会議をリンク集として集約し、外部パートナーへの経緯共有を簡略化したという活用例も報告されています。
導入を成功させるための前提整備
効果を引き出すには、まず会議録を継続的にNottaへ蓄積する運用を定着させることが前提となります。そのうえで、どの会議データを誰が参照できるかというアクセス権限の設計と、クレジット消費を踏まえた利用ルールの整備が重要です。小さく試して効果を確認し、段階的に対象部門を広げるPoC型の導入が、現場の混乱を避けやすい進め方といえます。
セキュリティとガバナンス上の留意点
提供元が公表するセキュリティ設計
Notta Brainは、最小権限の原則を徹底し、アクセスできる情報をユーザーが明示的に許可したものやワークスペース内で公開された会議・ファイルに限定すると説明しています。加えて、不適切・有害・無関係なコンテンツの生成を防ぐAIガードレール(AI Guardrails)を組み込み、設計から開発・テスト・リリースまでの全段階にセキュリティを組み込むDevSecOpsの体制を取るとされています。また、お客様の情報をAIの学習に使用しないことも明示されています。
企業側で確認すべきガバナンス観点
提供元のセキュリティ体制に加え、利用企業側でも生成AI特有のリスクへの備えが求められます。生成AIシステムには、プロンプトインジェクションやガードレール回避といった攻撃手法が知られており、こうした脆弱性を体系的に検証する考え方は生成AIのRed Teamingに関する解説で整理しています。Notta Brainを業務利用する際は、機密度の高い会議データの取り扱い基準を社内で定め、アクセス権限の棚卸しと併せて運用ルールに落とし込むことが望ましいでしょう。
導入前のチェックリスト
導入判断の前に、少なくとも次の点を確認しておくと安心です。第一に、扱う会議データの機密区分と、外部Web検索機能を有効化する範囲。第二に、誰がどのフォルダーを参照・分析できるかという権限設計。第三に、無料プランや短期トライアルを用いた効果検証の計画です。これらを整理したうえで、自社のガバナンス要件と照らし合わせて採否を判断するのが現実的です。
よくある質問(FAQ)
Notta Brainの料金はいくらですか?
フリープランは毎月1,000クレジットが付与され無料で利用できます。プレミアムプランは月額1,980円(税込)・年額18,920円で、毎月8,000クレジットが付与されます。法人向けプランは要問い合わせです。いずれもNotta本体(文字起こし)の料金とは別枠での課金となります。
Notta本体の有料プランに入ればNotta Brainも使い放題ですか?
いいえ。Notta Brainは文字起こし機能とは別の付加機能で、Nottaのプレミアムやビジネスプランを契約してもNotta BrainのAIクレジットが自動で付与されるわけではありません。AIクレジットの追加や上限解除には、別途Notta Brainのプラン購入が必要です。
Nottaのアカウントがなくても使えますか?
Nottaの利用経験がない方やアカウントを持たない方でも、Notta Brainを利用できるとされています。ただし、Notta Brainの強みは保存済みの会議データを直接参照できる点にあるため、Nottaで会議録を蓄積している環境のほうが効果を実感しやすくなります。
入力した会議データはAIの学習に使われますか?
Notta Brainは、お客様の情報をAIの学習に使用しないと明示しています。アクセスできる情報も、ユーザーが明示的に許可したものやワークスペース内で公開されたものに限定する最小権限の設計が取られています。詳細は提供元の最新のプライバシーポリシーを確認してください。
ChatGPTと何が違うのですか?
ChatGPTは公開情報を学習した汎用AIで、社内の会議内容そのものは把握していません。Notta Brainは社内の会議録や文書といった私的データを安全な環境で分析することに特化しており、蓄積データを再アップロードせず直接参照できる点が大きな違いです。