CHRO(Chief Human Resource Officer、最高人事責任者)は、経営陣の一員として人材戦略の策定と実行を担う責任者です。経済産業省の人材版伊藤レポート2.0がこう定義し、CHROの設置を人的資本経営の最初の一歩に位置づけました。一方で法律上の役職ではなく、日本の人事部『人事白書2025』でCHROが「いる」と答えた企業は約2割にとどまります。この記事では、CHROの定義と役割、人事部長やCEOとの線引き、設置率の数字を読むときの注意点、候補者の育て方までを一次資料に沿って整理します。
まとめ:CHROの定義・違い・設置状況の要点
- CHROは「経営陣の一員として人材戦略の策定と実行を担う責任者」(人材版伊藤レポート2.0)。社員や投資家との対話を主導する役割も含みます。
- 人事部長との違いは、人事制度の運用責任ではなく、経営戦略と連動した人材戦略とそのKPIに対してCEOとともに最終責任を負う点です。
- 会社法329条1項の「役員」は取締役・会計参与・監査役で、CHROという肩書きはここに含まれません。取締役や執行役を兼ねるかどうかで法的な責任が変わります。
- 設置率は「CHRO(もしくは人事担当役員)」と聞いた2022年度が35.1%、「CHRO」に絞った2023年が21.1%。設問の定義が違うため14ポイントの差から実際の増減は判断できず、他社比較では設問の文言まで確認が必要です。
- 人材戦略の第一の責任はCEOにあり、伊藤レポート2.0は「CHRO任せにすべきではない」と明記しています。肩書きを置く前に、役割の差を言語化して経営陣・取締役会と合意することが先です。
CHROの定義と会社法上の位置づけ
人材版伊藤レポート2.0による定義
国内の公的文書でCHROを定義しているのは、経済産業省「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~人材版伊藤レポート2.0~」(2022年5月)です。「経営戦略と人材戦略を連動させるための取組」の最初の項目「CHROの設置」に、次の一文があります。
「CHROとは、経営陣の一員として人材戦略の策定と実行を担う責任者であり、社員・投資家を含むステークホルダーとの対話を主導する人材を指す。」
ポイントは「経営陣の一員」と「対話の主導」の2つです。人事部門のトップという組織上の位置ではなく、経営会議で人材戦略を起案し、CEO・CFO等の経営陣や取締役と定期的に議論する機能で定義されています。英語表記は伊藤レポートが「Chief Human Resource Officer」を使い、英語圏では「Chief Human Resources Officer」と複数形で書かれることも多く、どちらも同じ役職を指します。
会社法上は「役員」に当たらない肩書き
会社法329条1項は「役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。…)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する」と定めています。CHROはこの3種に含まれない社内の呼称で、法律に設置義務も定義もありません。
実務では、CHROが取締役や指名委員会等設置会社の執行役を兼ねるか、社内呼称の執行役員にとどまるかで扱いが分かれます。前者なら株主総会や取締役会で選任され、会社法上の責任を負います。後者は雇用契約や委任契約に基づく社内の職位です。
同じCHROでも、各社の公式掲載を見ると法的な地位は揃っていません。富士通の平松浩樹氏は取締役執行役員専務 CHRO(2026年4月1日付の役員一覧)、日立製作所のロレーナ・デッラジョヴァンナ氏は執行役専務 CHRO兼人財統括本部長兼CSuO(2026年4月1日付)、メルカリの木村俊也氏は2026年6月1日付で就任した執行役員のCHRO兼CAIOです。求人や他社事例でCHROという肩書きを見たら、取締役・執行役・執行役員のどれを兼ねているかを役員一覧で確かめると、権限の大きさを比較できます。
CHOとの呼称の違い
人事の最高責任者をCHO(Chief Human Officer)と呼ぶ企業もありますが、同じCHOという略語は健康経営の文脈で別の役職を指します。日本の人事部のHRペディアは、CHOを「チーフ・ヘルス・オフィサー(Chief Health Officer)の略語で、組織が従業員の健康増進に向けて取り組むための最高責任者」と説明しています。
人事の最高責任者にCHOを使う例としては、サイバーエージェントが曽山哲人氏を常務執行役員CHOとして掲載しています。CHROは人事の最高責任者以外の意味で使われにくい略語ですが、CHOは企業によって人事にも健康管理にもなります。社外向けの資料や求人で使う場合は、初出で英語の正式名称を併記するのが確実です。
CHROの役割:伊藤レポート2.0が挙げる5つの責任
人材版伊藤レポート2.0は、役割の定義は「各企業の裁量によって決定されるべき」としたうえで、一般的には他の経営陣と責任を共有しつつ次の役割・責任を果たすと例示しています。
- 経営戦略の実現に向けた人材面の課題を常に把握し、経営陣に解決策を提案し、実行する。
- 全社の人材戦略やその実行上の課題、具体的施策について、経営陣・取締役会に定期的に提示し、議論を主導する。
- 全社の人材戦略に連動するKPIの達成について、CEOとともに最終責任を負う。
- 経営戦略や人材戦略を実現する上で不可欠な企業文化について、経営陣・取締役会との議論を主導し、その浸透について責任を負う。
- 社員や投資家を含むステークホルダーに対し、人材戦略、その実行上の課題、具体的施策について発信し、対話を行う。
5つのうち採用・育成・評価といった個別施策の運用は、直接は挙がっていません。これらはCHROの下で人事部門や事業部門に伴走するHRBP(HRビジネスパートナー)が担い、CHROは施策が経営戦略に効いているかをKPIで判定する側に立ちます。投資家との対話が役割に入っているのも人事部長との大きな違いで、2.0は中期経営計画で人材戦略の変革を打ち出す場合に「投資家との対話の場に参加する」例を挙げています。
人事部長・CEOとの違い
人事部長との役割の差と経営陣・取締役会との合意
人材版伊藤レポート(2020年9月)は「CHRO は、果たすべき役割が従来の人事部長とは異なるため、人事部門出身者であることを前提とせず、事業部門等での幅広い経験や経営戦略と人材戦略を結び付ける専門性をもった人材を選任する必要がある」と書いています。2.0はさらに、CHRO自身が従来の人事部長(人事担当役員も含む)との差異を「明確に言語化して定義し、経営陣・取締役会と合意する」ことを求めています。
| 観点 | CHRO | 人事部長 |
|---|---|---|
| 立場 | 経営陣の一員 | 人事部門の長 |
| 責任の対象 | 人材戦略と連動KPI | 人事制度・施策の運用 |
| 主な議論の相手 | CEO・CFO・取締役会 | 人事担当役員・現場管理職 |
| 社外との対話 | 投資家・社員へ発信 | 求職者・労働組合など |
| 出身の前提 | 人事出身を前提としない | 人事実務の経験が中心 |
表はCHROと従来の人事部長の違いを理解するための本記事の整理であり、実際の担当範囲は各社の職務分担によって異なります。人事部長を名乗る人が経営会議で人材戦略を主導している企業もあるため、肩書きより、人材KPIの最終責任を誰が負っているかで見分けます。
CEOとの違い:人材戦略の第一責任はCEO
人材版伊藤レポート2.0は「経営戦略と連動した人材戦略を策定し実行する責任は、本来CEOが第一に担うものである。しかし、CEOは経営全体の責任を負っているため、代わってCHROが主導する、ということであり、CHRO任せにすべきではない」と述べ、多くの項目を「CEO・CHRO」と併記しています。
つまりCHROは、人材戦略に対するCEOの第一の責任を前提として、その策定と実行を主導する存在です。代表取締役は会社法上の代表権を持ちますが、CHROは肩書きだけでは代表権を持ちません。CHROを置いた後もCEOが人材の議論から離れると、2.0が警告する「CHRO任せ」の状態になります。
CHROが求められる背景:人的資本経営と開示制度の流れ
CHROの役割を考える背景には、経営戦略と人材戦略の連動に加え、人的資本に関する投資家への情報開示の拡充があります。人的資本経営の意味と開示義務の流れのうち、CHROに関わる節目を並べます。
| 時期 | 出来事 | CHROとの関係 |
|---|---|---|
| 2020年9月 | 人材版伊藤レポート公表 | CEOとともに人材戦略を主導するCHROの設置・選任 |
| 2022年5月 | 人材版伊藤レポート2.0公表 | CHROの設置を最も重要なステップの一つに |
| 2022年8月30日 | 内閣官房 人的資本可視化指針 | 開示の考え方と項目例を整理 |
| 2023年1月31日 | 開示府令改正(公布・施行) | 有報に人材育成方針・社内環境整備方針など |
| 2026年2月20日 | 開示府令改正(公布・施行) | 企業戦略と関連付けた人材戦略など |
2023年1月31日の改正で、有価証券報告書に「人材の多様性の確保を含む人材育成の方針や社内環境整備の方針及び当該方針に関する指標の内容等」と、女性管理職比率・男性の育児休業取得率・男女間賃金格差について、提出会社や連結子会社が女性活躍推進法等に基づき公表する指標の記載が加わりました。令和5年3月31日以後に終了する事業年度から適用されています。
2026年2月20日の改正では、「連結ベースの企業戦略と関連付けた人材戦略」、従業員給与等の決定方針、提出会社の従業員の平均給与の対前年比増減率が開示対象になり、令和8年3月31日以後に終了する事業年度から適用されます。人材戦略を企業戦略と結び付けて説明する文章を誰が書き、投資家に説明するのか。上場企業では、この問いの答えがCHROの役割そのものになりつつあります。
日本企業のCHRO設置率と数字の読み方
人事白書の設置率:2023年21.1%、2025年は約2割
CHROの設置率を継続的に聞いている調査に、日本の人事部『人事白書』があります。2023年版の調査レポート(調査期間2023年3月6日~31日、回答6,504社)では、CHROが「いる」21.1%、「いないがこれから設ける予定」8.9%、「現在おらず、今後も設ける予定はない」62.9%でした。従業員5001人以上の企業では45.7%が「いる」と答え、それ以外の規模は10~20%台にとどまっています。
2025年版(調査期間2025年3月3日~31日、回答6,139社)の公表内容は「CHROが『いる』は約2割。5001人以上の企業では約5割に存在」です。同じ2025年版で、戦略人事と人的資本経営の連動を「行っている」企業は14.7%(5001人以上は40.5%)でした。従業員規模が大きい企業ほどCHROの設置率は高くなっています。ただし、連動率14.7%は別設問の全体集計であり、CHRO設置企業に限った連動状況は、この数字だけでは判断できません。
CHRO設置率35.1%と21.1%の設問定義の違い
人事白書2023の調査レポートは、2022年度調査では選択肢を「CHRO(もしくは人事担当役員)」としており「いる」が35.1%だったこと、2023年は「CHRO」に限定して21.1%になったことを説明し、「最高人事責任者という、より狭義なものにしたことで、割合が低くなっています」と注記しています。
両年の差は14ポイントですが、設問の定義が異なるため、CHROの実際の増減をこの差から判断することはできません。「CHROの設置率は3割超」と「約2割」は、どちらも同じ調査系列から引けてしまいます。社内で設置を提案する資料や他社比較で設置率を使うときは、調査年と選択肢の文言を必ず併記してください。人事担当役員を含めるかどうかで、比較対象となる役職の範囲と設置率の意味が変わるためです。
母集団を変えても数字は動きます。経済産業省が掲載する人的資本経営コンソーシアムの「人的資本経営に関する調査」(実施2024年2月16日~4月26日、会員579法人の経営層が対象、回答261件)では、「人的資本経営の実践に向けた人事部門の強化の取組として、どのような取組を実施していますか」(複数回答可)に「CHROの設置」を選んだ企業が31.4%でした。人的資本経営に自ら取り組む企業の集まりでも3割強で、「人材情報基盤の整備」の65.9%を大きく下回ります。
CxO体制の中のCHRO:経営トップ5Cと自治体の設置例
経営トップ5C(CEO・CSO・CHRO・CFO・CDO)
人材版伊藤レポート(2020年)は、人材や資金、技術・情報に関する戦略を連携させるため、CEOを中心にCSO(最高経営戦略責任者)、CHRO、CFO(最高財務責任者)、CDO(最高デジタル責任者)の「経営トップ5C」が日頃から密にコミュニケーションをとるべきだとしています。CxOの中でCHROは、人という経営資源を担当する位置にあります。
ほかのCxOも会社法上の役員ではない点は共通で、COO(最高執行責任者)の会社法上の扱いや、CDO(最高デジタル責任者)とCIO・CTOの違い、ジェネラルカウンセル(GC)とCLOの違い、CAIO(最高AI責任者)の役割も同じ枠組みで比較できます。
磐梯町の設置要綱に見る職務の書き方
CHROの職務を条文の粒度で定めた公開文書として、福島県磐梯町の「磐梯町最高デジタル責任者等設置要綱」(令和7年3月24日訓令第18号、令和8年4月1日施行版)があります。第2条で「磐梯町最高人事責任者(Chief Human Resource Officer)」を9つの責任者の一つとして置き、第3条でCHROの職務を「CDOの補佐として」次の事項を検討し助言すると定めています。
- 全体設計:人事等の戦略に関する全体構想と設計
- 人材開発:人事等に関する職員の育成
- 資源誘致:人事等の取組が促進されるためのヒト・モノ・カネ等の資源誘致
自治体の例では、CHROは組織の長ではなく、委嘱によって置かれ、CDOを補佐して助言する職として設計されています。企業でも「CHRO」の名前が同じでも権限は様々です。自社で置くなら、この要綱のように「誰の下で、何を決め、何に助言するか」を規程に書くと、肩書きだけが先行するのを防げます。
CHROに必要な経験と候補者の育て方
CHROになるための資格や試験はありません。人材版伊藤レポート2.0は、CHROが実効的な人材戦略を策定するうえで「本社での戦略スタッフの経験とともに、事業側で成果責任を担った経験が有効となる」とし、人事以外の「経営、ファイナンス、競合状況、製品特性などの理解も必要である」と書いています。人事の実務経験だけでは足りない、というのが公的文書の立場です。
育成の方法として2.0が挙げるのは、CHROの候補者を常に一定数確保し、ポテンシャルのある人材を「事業側で成果責任を担う経験を積めるポジションへ計画的に配置し、育成する」ことです。CHRO自身がこの後継者育成を主導し、経営陣・取締役会が進捗をモニタリングします。CHROの後継者を計画的に育てる考え方は、サクセッションプラン(後継者育成計画)の対象を人事の最高責任者に広げたものと言えます。社内に候補がいない場合は、エグゼクティブサーチで外部から招く方法もあります。
個人のキャリアとして目指すなら、人事部門の中で職位を上げるより、事業部門で損益や組織の成果に責任を持つ経験を一度は積むことが、2.0の人材像に沿った道筋です。
CHROの年収:有価証券報告書で確かめる方法
CHROの報酬は企業規模や兼務する法的地位で大きく変わるため、平均額を一つに決めることはできません。実額を一次資料で確かめられるのは上場企業の有価証券報告書です。「役員の報酬等」の欄に役員区分ごとの報酬総額が載り、連結報酬等の総額が1億円以上の役員は氏名と金額が個別に記載されます。
ただし、ここでいう役員は取締役・監査役・執行役などの法定の役員です。CHROが社内呼称の執行役員にとどまる場合、有価証券報告書の役員報酬欄には個別の金額が出ません。求人票の年収レンジと比べる前に、その企業のCHROが取締役や執行役などの個別開示対象となる地位を兼ねているかを役員一覧で確認してください。
伊藤レポートに載る企業の運用例:日立製作所とサイバーエージェント
人材版伊藤レポート(2020年9月)には、CHROや人材の議論を経営陣がどう回しているかの取組事例が載っています。いずれも2020年時点の記載です。
日立製作所は「CxO は CEO。CEO で HR 関係を担当するのが CHRO、CEO でファイナンスを担当するのが CFO」との考えの下、CHROにも人材戦略だけでなく事業に関する知見・経験を求め、CHROがCFO、CSO、CLO等のコーポレート部門幹部と定期的に1on1ミーティングを実施しているとされています。同社の中畑英信氏は執行役専務CHRO兼人財統括本部長として、2020年7月9日の研究会第5回でゲストプレゼンを行いました。なお同社のCHROは、2024年4月1日付でロレーナ・デッラジョヴァンナ氏が担っています。
サイバーエージェントは、毎週2時間の役員会議で人材に関するKPIの進捗状況や社員アンケート結果を議論していると紹介されています。アジェンダに応じて参加する役員は変わるものの、社長・副社長・経営本部役員・人事担当役員が加わる形です。人材の議論を毎週の経営の定例に組み込んでいる点が、5Cの連携を形にした例と言えます。
人材版伊藤レポート2.0の実践事例集では、「CHROの設置」の取組事例としてアステラス製薬とKDDIが挙げられています。自社の設計を検討するときは、成果の宣伝ではなく、会議体や報告ラインをどう組んだかという運用の部分を参照するのが有効です。
形だけのCHROになる条件と設置を急がない方がよい場面
CHROを置いても機能しない企業には共通点があります。伊藤レポートの記述から逆算すると、次の3つのどれかに当てはまれば、肩書きだけが増えた状態です。
- 人事部長をCHROに改称しただけで、人事部長との役割の差を言語化していない。
- CEOが人材の議論をCHROに預け、経営会議で人材戦略が議題に上がらない。
- 事業側で成果責任を担った経験のない人を充て、人材KPIと事業KPIを結び付けられない。
経営会議で人材の課題を話す場そのものが無い企業は、CHROの任命を急ぐより、経営戦略実現の障害になっている人材面の課題を経営陣で洗い出す作業を先に行うべきです。2.0も「CHROの設置」と「全社的経営課題の抽出」を並べて「最も重要なステップ」としており、課題が共有されていない状態で置いたCHROは、何に責任を負うのかが決まらないまま人事部長と同じ仕事を始めることになります。
よくある質問
CHROとは何ですか?
CHRO(Chief Human Resource Officer)は最高人事責任者のことで、人材版伊藤レポート2.0は「経営陣の一員として人材戦略の策定と実行を担う責任者であり、社員・投資家を含むステークホルダーとの対話を主導する人材」と定義しています。法律上の役職ではなく、社内の呼称です。
人事部長とCHROの違いは何ですか?
人事部長は人事部門の長として制度や施策の運用に責任を持ちます。CHROは経営陣の一員として、経営戦略と連動した人材戦略と、その人材KPIの達成にCEOとともに最終責任を負います。人材版伊藤レポートは、CHROを人事部門出身者であることを前提とせずに選任する必要があるとしています。
代表取締役とCHROの違いは何ですか?
代表取締役は会社法上の機関で、会社を代表する権限を持ちます。CHROは会社法上の役員に含まれない社内の呼称で、肩書きだけでは代表権も取締役としての議決権もありません。人材戦略の第一の責任はCEOにあり、CHROはそれを実務で主導する立場です。
CHROの年収はいくらですか?
企業規模や法的地位で大きく変わるため、一つの平均額では示せません。上場企業なら有価証券報告書の「役員の報酬等」で役員区分ごとの総額を確認でき、連結報酬等が1億円以上の役員は個別に記載されます。社内呼称の執行役員にとどまるCHROは、この欄に個別の金額が出ない点に注意が必要です。
CHROになるにはどんな経験が必要ですか?
資格や試験はありません。人材版伊藤レポート2.0は、本社での戦略スタッフの経験に加え、事業側で成果責任を担った経験が有効だとしています。人事の実務だけでなく、経営・ファイナンス・競合状況・製品特性の理解も求められます。