サクセッションプランとは、経営トップや事業の要となる役職の後任候補をあらかじめ選抜し、就任に必要な経験を計画的に積ませておく仕組みです。日本語では「後継者計画」と訳されます。東証のプライム市場・スタンダード市場では、コーポレートガバナンス・コードの後継者計画に関する原則を実施するか、実施しない理由を説明することが求められます。その条文は2026年7月21日の改訂で、従来の補充原則4-1③から原則4-3(1)へ移りました。自社の開示文書を点検する際は、参照するコードの版と原則番号を確認します。
まとめ:サクセッションプランの要点
- 定義:経営トップとキーポジションの後継候補を事前に選抜し、要件定義・育成・レビューを回して就任に備える仕組み。英語の succession は承継・継承を意味します。
- 根拠条文(現行):東証コーポレートガバナンス・コード(2026年7月21日改訂)の原則4-3(1)。2021年版までの補充原則4-1③は、2026年改訂の「プリンシプル化・スリム化」で原則へ統合されました。
- 実態:旧補充原則4-1③の実施率はプライム市場85.8%、スタンダード市場55.0%(合計70.6%、2024年7月12日時点)。取締役会の実効性評価で後継者計画に言及する会社は2,603社中270社(10.4%)です。
- 事業承継とは別物:中小企業の後継者不在率51.2%に対し大企業は24.9%(帝国データバンク・2025年)。後継者候補の確保に加え、誰をどう選び、就任に向けてどう育成するかという統治の課題も扱います。
- 作り方の骨格:キーポジションの特定、人財要件の定義、候補者プールとレディネス区分、タフアサインメント中心の育成、指名委員会でのレビューの5工程。テンプレートはこれを1枚に載せたものです。
- 開示:後継者有効率・カバー率・準備率の算式は、人的資本可視化指針の2022年8月版付録①(ISO 30414ベース)にあります。2026年3月23日改訂版の付録②は制度開示基準を対象に再構成され、これらは含まれていません。
サクセッションプランの定義と事業承継との切り分け
succession planの語義と日本語呼称の対応
succession は承継・継承を指し、succession plan は承継の計画です。日本語では「後継者計画」「後継者育成計画」「サクセッションプラン」がほぼ同義で使われますが、力点は異なります。「後継者育成計画」と書くと育成施策に見えるものの、コードが求めるのは育成だけではありません。候補者の選抜、就任可能な状態かの評価、実際の選任までを取締役会が監督する全体が対象です。
対象も経営トップに限りません。コードが名指しするのはCEOですが、実務では事業部門長や研究開発の中核ポストなど、空席になると事業が止まる役職を「キーポジション」として同じ枠組みに載せます。
中小企業の事業承継との相違点
サクセッションプランの解説記事は、しばしば中小企業の事業承継統計を導入の根拠に使いますが、これは論点のすり替えになりかねません。帝国データバンクが約27万社を対象に実施した2025年の調査(2025年10月時点)では、全国の後継者不在率は50.1%で前年から2.0ポイント低下し、7年連続の改善でした。ただし企業規模で分けると様相が変わります。
| 区分 | 後継者不在率(2025年) | 2023年調査からの改善幅 |
|---|---|---|
| 大企業 | 24.9% | 5.5pt低下 |
| 中小企業 | 51.2% | 3.7pt低下 |
| 小規模企業 | 57.3% | 2.9pt低下 |
| 全国全業種平均 | 50.1% | – |
後継者が「いない」または「未定」の企業の割合は、小規模企業ほど高くなっています。中小企業庁の事業承継ガイドラインが扱う事業承継は「人(経営)」「資産」「知的資産」の3要素の承継で、経営権に加えて株式・事業用資産や、技術・ノウハウ・信用といった知的資産の引き継ぎまでを含みます。上場企業のサクセッションプランでは、経営を担う人材の選抜・育成と取締役会の関与が中心になります。候補者は社内に限らず、社外からの登用も検討対象です。同じ語でも解くべき課題が違います。
もっとも境界は動いています。同調査で2025年に代表者交代があった企業の就任経緯は、内部昇格36.1%、同族承継32.3%、M&Aほか20.6%、外部招聘7.6%。血縁によらない内部昇格が同族承継を速報値段階で上回りました。
コーポレートガバナンス・コードが求める後継者計画(2026年7月改訂)
2015年から2026年までの3段階の変遷
要請は制定以来2回強化されています。2015年6月1日施行の初版の補充原則4-1③は「最高経営責任者等の後継者の計画(プランニング)について適切に監督を行うべきである」とだけ定めており、求められていたのは監督だけでした。
2018年6月1日の改訂で「策定・運用に主体的に関与する」ことと「後継者候補の育成が十分な時間と資源をかけて計画的に行われていく」ことの監督が加わり、同時に客観性・適時性・透明性ある手続に従ったCEOの選任(補充原則4-3②)と、機能を十分発揮していない場合にCEOを解任するための手続(同4-3③)が新設されました。
2026年7月21日の改訂ではコード全体で「プリンシプル化」「スリム化」が行われ、従来の補充原則が再整理されます。後継者計画は原則4-3(1)に統合され、現行条文はこうなっています。
「特に、CEOの選解任については、取締役会は、会社の目指すところ(経営理念等)や具体的な経営戦略を踏まえ、CEOの後継者計画(サクセッションプラン)の策定・運用に主体的に関与するとともに、後継者候補の育成及び資質を備えたCEOの選任が十分な時間と資源をかけて計画的に行われていくよう、適切に監督を行うべきである。」
2021年版との差分は2点です。「十分な時間と資源」の対象が候補者の育成だけでなく「資質を備えたCEOの選任」まで広がったこと、そして旧4-3③の解任手続が同じ原則4-3(1)に取り込まれ、選任と解任が一体で扱われるようになったこと。計画を作って終わりではなく、現職CEOを交代させる判断まで含めて手続を持て、という要求です。
条文が減ったことを対応不要と読むのは誤りです。コード本文は、解釈指針へ移管された記載や削除された記載について「その重要性が失われたと考えることは適切ではな」いと明記しています。
言及箇所は原則4-3(1)だけではありません。原則4-7の解釈指針は「指名委員会・報酬委員会の設置は、経営陣・取締役の指名(サクセッションプランを含む)・報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化する観点から重要である」とし、原則4-8の解釈指針は独立社外取締役が指名委員会で主体的に機能発揮することを求めます。委員会の設計とセットで読む必要があります。
実施率70.6%と実効性評価10.4%が示す対応の実態
要請が強まった結果は東証の集計に出ています。2018年改訂の直後、補充原則4-1③のコンプライ率は市場第一部70.4%、市場第二部60.6%、全体68.6%へ落ち込みました(2018年12月末日時点、2017年7月比で全体18.0ポイント低下)。ただしこれは各時点のコンプライ率の差であり、同じ企業を追跡してエクスプレインへ移った割合ではありません。
その後の回復は緩やかです。対象企業群が異なる別の集計として、東証上場会社コーポレート・ガバナンス白書2025(2024年7月12日時点、上場内国会社3,831社が対象)では、同原則のコンプライ率はプライム市場85.8%、スタンダード市場55.0%、両市場合計70.6%。市場区分の再編で対象企業群が異なるため、2018年との単純比較は避けます。2024年の集計では、原則4-1群で最も実施率の低い項目です。
| 区分 | 補充原則4-1③コンプライ率 | コンプライ社数 | エクスプレイン社数 |
|---|---|---|---|
| プライム・スタンダード合計 | 70.6% | 2,290 | 954 |
| 監査役会設置会社 | 68.0% | 1,182 | 555 |
| 監査等委員会設置会社 | 72.3% | 1,023 | 392 |
| 指名委員会等設置会社 | 92.4% | 85 | 7 |
| 外国人株式所有比率10%未満 | 60.3% | 1,120 | 737 |
| 外国人株式所有比率30%以上 | 88.7% | 290 | 37 |
機関設計と外国人株式所有比率で30ポイント近い差が出ています。ただしこれは属性別の集計であり、差の原因まで示すものではありません。
開示の中身に踏み込んだ数字もあります。同白書が取締役会の実効性評価の記載をキーワード分析したところ、「後継者計画・サクセッションプラン」に言及していたのは補充原則4-11③にコンプライしている2,603社のうち270社、10.4%でした。この10.4%は実効性評価に関する開示での言及率であり、実際に後継者計画を評価・議論した会社の割合ではありません。2021年改訂後のTOPIX100構成銘柄でも、任意の指名委員会を設置する71社のうち後継者計画を検討事項として記載していたのは41社(57%)。これは検討事項としての記載状況であり、記載のない会社が実際に扱っていないとは断定できません。
キーポジション特定から任命までの策定手順
キーポジションの洗い出しと人財要件の定義
最初に決めるのは対象ポジションです。役職の重要度ではなく、空席になったときに事業計画のどこが止まるかで選びます。CEOに加えて、単独で技術判断を担う開発責任者のように代替の効かない役割が候補です。広げすぎると運用が破綻するので初回は数ポストに絞ります。
次に人財要件を明文化します。コード原則4-3(1)が経営理念や経営戦略を踏まえた後継者計画を求めることに沿い、現職者の経歴ではなく、次期経営を担うための要件を定めます。要件は経営戦略から引き、戦略改定のたびに見直す対象として扱います。
候補者プールとレディネス区分の設計
候補者は1ポジションにつき複数名を置きます。1人に絞ると、その1人が退職した時点で計画が消滅するためです。そのうえで各候補をいつ就任可能かで区分します。この区分には公的な参照先があり、内閣官房が2022年8月に公表した人的資本可視化指針の付録は、ISO 30414を基に後継者準備率(depth rate)を「準備済(ready now)」「1〜3年後に準備完了」「4〜5年後に準備完了」の3段階で示しています。独自の年数区分を作る前にこれへ揃えると、開示時の説明が楽になります。
サクセッションプランのテンプレートは、ここまでの情報を1枚に集約したものです。最低限必要な列は次のとおりです。
| 列 | 記入内容 | 更新頻度の目安 |
|---|---|---|
| 対象ポジション | 職位名と、空席時に停止する業務 | 年1回 |
| 人財要件 | 経営戦略から引いた要件(3〜5項目) | 戦略改定時 |
| 候補者 | 氏名・現職・選抜年 | 年1回 |
| レディネス | 準備済/1〜3年後/4〜5年後 | 年1回 |
| 育成施策 | 付与する職務・期限・評価者 | 半期 |
| レビュー記録 | 審議した会議体と決定事項 | 都度 |
候補者の氏名を扱う以上、閲覧範囲の設計は先に決めます。評価履歴や異動歴と紐づけて管理する場合は、タレントマネジメントシステム上に載せるのが一般的です。
タフアサインメント中心の育成設計
育成の中身は研修より職務付与が主になります。経済産業省の人材版伊藤レポート2.0(2022年5月)は24頁で「サクセッションプランの具体的プログラム化」を掲げ、「CEO・CHROは、経営者としての潜在能力が高い20・30代の社員を早期に選抜し、当該社員が経営者・リーダーとして厳しいミッションに挑戦する機会を準備できるよう、取締役会・指名委員会と連携する」としています。若手の段階から育成機会を設ける提案であり、40代以降の候補者選抜や育成を否定するものではありません。
実務では、赤字事業の立て直し、海外拠点の単独運営、新規事業の立ち上げなど失敗しうる職務を期限付きで任せます。ここで効いてくるのが失敗の扱いです。短期の成果だけで人事評価を決めると、候補者が難しい課題を避けるおそれがあります。職務の難易度、判断の過程、失敗から得た学びも評価対象に含め、評価と切り離した振り返りの場を用意するかどうかで実効性が変わります。
選抜型の育成を始めると、選ばれなかった層のキャリア設計が別途必要になります。全社的なキャリア開発(CDP)の枠組みを並行して持つと、不公平感の管理が現実的になります。
指名委員会へのレビュー接続
レビューをどの会議体で行い、取締役会の監督につなげるかを決めます。人事部門内の会議で完結させると、コードが求める取締役会の主体的関与には届きません。社内の育成レビューと、取締役会へ接続する指名側のレビューを二層に分ける構成が実務的です(後述のカゴメがこの形をとっています)。
年間運用の一例として、候補者プールとレディネスは年1回、育成施策の進捗は半期ごとに確認し、退職や戦略変更があれば随時見直します。この記録が、取締役会の実効性評価で後継者計画を論点に挙げられるかどうかを決めます。人事側で旗を振るのはCHROの役割です。
人的資本開示で問われる後継者関連指標
後継者計画には、名称と算式が公表された指標があります。内閣官房・金融庁・経済産業省の人的資本可視化指針は、2022年8月版の付録①でISO 30414:2018 Table 2を基にした指標を挙げ、用語の定義として算式まで示していました。
| 指標 | 算式(付録①の定義) | 英語名称 |
|---|---|---|
| 後継者有効率 | 重要なポジションを内部承継した数 ÷ 承継した重要ポジションの総数 × 100 | succession effectiveness rate |
| 後継者カバー率 | リーダー後継者の候補の数 ÷ リーダー後継者の数 × 100 | successor coverage rate |
| 後継者準備率(準備済) | 準備済の重要ポジションの承継候補の数 ÷ 重要ポジションの承継候補の数 × 100 | succession readiness rate |
準備率には準備済のほか、1〜3年後・4〜5年後に準備完了の区分があります。測定要素はISO/TS 30433:2021(Human resource management — Succession planning metrics cluster)に整理されています。
ただし参照先には注意が必要です。可視化指針は2026年3月23日に改訂され、指標を整理する付録②(令和8年5月)はISSB・SSBJ・SASB・SEC・CSRDといった制度開示基準を対象に再構成されました。ISO 30414由来の後継者関連指標はこの付録②には含まれていないため、算式を確認するなら2022年8月版の付録①かISO規格そのものに当たることになります。
これらは内部向けの指標で、外部開示の義務はありません。それでも算式が公表されている意味は大きく、「後継者候補充足率」のような独自指標を作ると投資家との対話が定義の説明から始まります。付録①は、戦略重要ポジションの管理指標に後継者準備率を掲げ、実効性評価と配置進捗を取締役会へ報告している三井化学の運用を、同社レポートを基にした事例として紹介しています。
開示の受け皿は、コーポレート・ガバナンス報告書の該当原則の欄、統合報告書の人的資本セクション、有価証券報告書のコーポレート・ガバナンスの概要です。有価証券報告書では2023年3月期から、指名委員会・報酬委員会の開催頻度・具体的な検討内容・出席状況の記載が求められています。
公式資料で確認できる4社の運用体制
各社の公式資料から、候補者の募集・育成・審議体制の違いを整理します。
ソフトバンクは、孫正義氏が校長を務める「ソフトバンクアカデミア」を2010年に開校しました。公式サイトは、グループの後継者およびAI群戦略を担う事業家を発掘・育成する目的で約300名が学ぶ場だと説明しています。社内選抜だけで閉じず、外部からの参加も含めて母集団を作った例です。
トヨタ自動車は、グローバル幹部育成の枠組み「GLOBAL21」(Global Leaders through Opportunities of Broader Assignment and Learning for 21st century)を1999年以降に段階的に立ち上げました。統合報告書2025は、あわせて「地域ごとのサクセッションコミッティも開催し、次世代リーダーの発掘・育成を加速」としています。なお一部の解説記事にある「グローバルサクセッション委員会」という名称は、統合報告書をはじめトヨタの公式資料では確認できません。
花王はコーポレート・ガバナンス報告書で、社長執行役員が資質要件・後任候補者リスト・育成計画を取締役・監査役選任審査委員会へ提案し、同委員会が進捗のモニタリングを含めて審議したうえで取締役会へ答申する、と説明しています。2025年度の同委員会は7回開催され、社長後継者計画について「人財要件に基づき、複数の後継者候補のリストや育成計画の進捗状況が提示され、将来戦略と人財要件の整合性」などが議論されました。参考になるのは、人財要件そのものを将来戦略と突き合わせて審議している点です。なお候補者を「今すぐ後任可能/1〜3年/3〜5年」に分類しているという記述が複数の解説記事にありますが、花王の公式資料では確認できません。
カゴメは統合報告書で、次世代幹部候補について「候補人材の選抜や育成計画、レビューを社内の意思決定機関である人材開発委員会が実施し、役員・経営者の選任にあたっては、報酬・指名諮問委員会の協議・レビューを経て、取締役会へ付議する体制」と記載しています。育成側の委員会と指名側の委員会を接続した運用例です。なお「40歳前後の従業員をプールし候補者を順位付けしている」という記述も流通していますが、カゴメの公式資料には見当たりません。
導入を急ぐべきでない場面と失敗の型
サクセッションプランは、すべての企業がいま本格着手すべき施策ではありません。経営戦略が固まっていない段階では、候補者や要件を固定せず、暫定的な要件と見直し時期を定めるにとどめます。戦略が流動的なまま要件を確定すると現職者の経歴をなぞった要件になり、戦略が定まった時点で候補が要件不適合になるためです。
取締役会や指名委員会にレビューを載せる見込みがない段階も同様です。人事部門内で候補者リストを作るだけでは、CEOの後継者計画についてコードが求める取締役会の主体的関与を満たしません。報告・審議につながらなければ、計画の監督は形骸化します。
運用が始まったら、次の3点を定期的に点検します。第一に、候補者を1ポジション1名で運用していないか。退職・健康上の事由・戦略変更のいずれかで計画が消えます。第二に、育成を職務付与ではなく研修で代替していないか。選抜研修の受講歴は就任可能性の証拠になりません。第三に、レディネス区分を更新しているか。「1〜3年後に準備完了」とした候補者が3年後も同じ区分なら、育成の進捗、要件変更の有無、据え置いた理由を確認します。区分の更新履歴が残っているかどうかが、計画が生きているかの実務的な判定基準です。
社内に候補が見当たらない場合は、エグゼクティブサーチで外部から迎える選択肢が残ります。前述の調査で外部招聘は7.6%でした。役割分担を曖昧にしないよう、どのポジションを内部育成で賄いどこを外部に開くかは先に決めておきます。
よくある質問
サクセッションとは何を指す言葉ですか?
英語の succession は承継・継承を意味し、succession plan で承継の計画を指します。人事の文脈では、経営トップや重要ポストの後任を事前に選び、就任に備えさせる仕組みを指します。日本語では「後継者計画」「後継者育成計画」が対応します。
サクセッションプランのデメリットは何ですか?
育成に数年単位の時間と職務付与の機会を要するため短期の成果が出にくいこと、選抜から外れた社員の納得感を別途管理する必要があること、内部登用を前提にしすぎると外部人材の登用判断が遅れることの3点です。いずれも設計段階で対処できます。
キーポジションはどのように決めますか?
職位の高さではなく、空席になったときに事業計画のどこが停止するかで選びます。単独で技術判断を担う開発責任者や特定顧客との関係を握る営業責任者など、代替の効かない役割が該当します。初回は数ポストに絞ります。
非上場企業や中小企業でも必要ですか?
コーポレートガバナンス・コードの適用対象は上場会社なので、条文上の要請は及びません。ただし前述のとおり血縁によらない内部昇格は中小企業にも広がっています。株式や個人保証の承継は事業承継の枠組みで扱い、誰をどう育てて任せるかをサクセッションプランの手順で設計する使い分けが実務的です。
有価証券報告書や統合報告書では後継者計画をどう書きますか?
コーポレート・ガバナンス報告書、統合報告書、有価証券報告書で、対象ポジション、選抜・育成の方針、審議体制を説明します。指標を併記するなら、人的資本可視化指針が挙げる後継者カバー率・後継者準備率のように定義が公表されているものを使うと、独自指標より説明の負担が軽くなります。