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労働者派遣事業報告書とは?様式第11号の9面構成と年度集計を出力する設計

労働者派遣事業報告書とは?様式第11号の9面構成と年度集計を出力する設計

労働者派遣事業報告書は、労働者派遣法第23条第1項に基づき、派遣元事業主が労働者派遣事業を行う事業所ごとに毎事業年度作成し、厚生労働大臣あてに提出する法定の報告書です。様式第11号の提出分は第1面から第9面まであり、派遣労働者の実人数、契約の期間別件数、業務別の派遣料金と賃金の平均額、教育訓練の実施状況を数値で埋めていきます。この記事では、各面の記載項目に自社のどのデータが対応するのか、提出期限がなぜ収支決算書とずれるのか、契約と勤怠と請求から年度集計を機械的に出力する設計までを扱います。記入例をなぞる話ではなく、毎年6月に手作業が発生しない状態をどう作るかという視点で整理しました。

まとめ|労働者派遣事業報告書で押さえる3書類の期限差と集計の起点

結論を先に置きます。押さえる軸は3つです。第一に、提出物は1つではありません。事業所ごとに出す労働者派遣事業報告書(様式第11号)、同じく事業所ごとの労働者派遣事業収支決算書(様式第12号)、事業主単位で出す関係派遣先派遣割合報告書(様式第12号-2)が並びます。施行規則第17条は、様式第11号の期限を「事業年度の終了の日の属する月の翌月以後の最初の6月30日」、様式第12号を「毎事業年度経過後3月が経過する日」と別々に定めました。3月決算なら両方が6月末に重なる一方、9月決算の会社では収支決算書が12月末、報告書は翌年6月末と半年開きます。

第二に、集計の起点は自社の決算期です。第1面の8欄に書く事業年度が報告対象期間を決め、そこに入るのは6月1日時点ですでに終了している直近の期になります。6月決算の会社が令和6年6月に提出するなら、対象は令和4年7月から令和5年6月までの期。1年以上前に締めた数字を引き当てるため、その時点のデータが残っているかが先に問われます。

第三に、報告書に載る数字はほぼすべて既存業務データの再集計です。実人数は雇用契約、契約の期間別件数は労働者派遣契約、料金と賃金の平均額は請求と勤怠と給与から出ます。年に一度この作業をExcelで手作業しているうちは、事業所と業務分類が増えるほど締めが伸びていきます。狙いどころは帳票の清書ではなく、契約時点で業務分類と雇用区分を確定させておくことです。

労働者派遣事業報告書の提出義務と3種類の報告書が分かれる法律上の根拠

何をどの根拠で出しているのかを条文で整理します。3種類が別々の項に置かれているため、期限も単位も揃いません。

法第23条第1項が事業所ごとに課す事業報告書と収支決算書の作成義務

労働者派遣法第23条第1項は、派遣元事業主に対し、労働者派遣事業を行う事業所ごとの事業報告書および収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならないと定めています。主語は事業主ですが、作成の単位は事業所。許可を取った本社が1枚にまとめて出す形ではありません。

第2項は記載事項を指定しており、事業所ごとの派遣労働者の数、労働者派遣の役務の提供を受けた者の数、労働者派遣に関する料金の額その他が挙がっています。ここが様式第11号の骨格です。第3項は関係派遣先への派遣割合の報告、第5項がマージン率などの情報提供にあたり、1つの条に4つの義務が同居する構造。実務では「事業報告」と一括りにされがちですが、提出物としては分かれて動きます。義務の全体像は労働者派遣法の条文構造を整理した記事にまとめてあります。

様式第11号と様式第12号および12号-2で異なる報告単位と基準日

施行規則第17条第2項は、事業報告書を様式第11号、収支決算書を様式第12号と定めています。関係派遣先派遣割合報告書は様式第12号-2で、グループ企業への派遣割合が8割以下に収まっているかを確認するためのもの。こちらは事業主単位の合算です。

書類 様式 作成単位 提出期限
労働者派遣事業報告書 様式第11号 事業所ごと 終了月の翌月以後の6月30日
労働者派遣事業収支決算書 様式第12号 事業所ごと 事業年度経過後3月が経過する日
関係派遣先派遣割合報告書 様式第12号-2 事業主単位で合算 事業年度経過後3か月以内

収支決算書には抜け道があります。施行規則第17条第1項のただし書きにより、当該事業年度に係る貸借対照表および損益計算書を提出したときは、収支決算書の提出は不要。決算書類をそのまま出す運用の会社が多いのはこのためです。

様式第11号の第1面から第9面までの記載項目とデータの出どころの対応

様式の中身を面ごとに見ます。令和6年度から様式が変わり、旧様式では受理されません。売上高の欄が第1面から第2面へ移った点が目印です。

第1面の事業年度欄が決める報告対象期間と6月1日という基準日の関係

第1面には提出者の名称と住所、代表者名、事業所の名称と住所、許可番号と事業所枝番号、日本標準産業分類の細分類4桁、民営職業紹介事業との兼業の有無、親会社の名称などを書きます。注意が要るのは8欄の事業年度です。

この欄に入れるのは、6月1日時点ですでに終了している直近の決算期間です。3月決算なら前年4月から当年3月まで、12月決算なら前年1月から前年12月まで。6月決算の場合は当年6月30日がまだ来ていないため、対象は2年前の7月から前年6月までの期にずれます。

第2面の雇用実績と契約期間別件数および売上高で問われる集計の粒度

第2面はⅠ年度報告の入口で、埋める量がもっとも多い面です。(1)派遣労働者数等雇用実績は報告対象期間末日現在の実人数で、全労働者、派遣労働者総計、無期雇用、有期雇用、日雇、登録者を、通算雇用期間が1年以上か1年未満かで分けます。(2)と(3)は労働者派遣事業と請負事業の売上高で、決算後の金額を入れます。

(5)の派遣先に関する事項では、派遣先事業所数の実数と、労働者派遣契約の期間別件数を延べ件数で書きます。区分は1日以下から3年超まで9つ。更新のたびに新レコードを立てているか既存レコードの期間を伸ばしているかで件数が変わるため、運用ルールを決めておかないと年ごとに数字の意味がぶれます。(6)には労働安全衛生規則第35条第1項の該当号数付きで安全衛生教育の実績、(8)には雇用安定措置の実績が入り、後者は対象者を6区分に分けて措置ごとの人数を示します。

第3面から第5面の派遣料金と賃金の平均額とマージン率の情報提供欄

第3面と第4面は(9)派遣料金および派遣労働者の賃金に関する事項です。単位は1日8時間当たりの額で、職業分類ごとに、料金と賃金それぞれについて派遣労働者平均、無期雇用、有期雇用、協定対象派遣労働者の別に記入します。第5面には日雇派遣労働者の業務別の料金と賃金が入ります。

算定式は、派遣先から得た派遣料金の総額を派遣労働者が従事した総労働時間数で割り、8時間を掛ける形。消費税を含む金額で、小数点以下は四捨五入します。全業務平均は加重平均ではなく、記載した業務の合計額を記載業務数で割った単純平均を使う点に注意が要ります。第5面には(10)マージン率等の情報提供の状況もあり、令和3年4月1日以降はインターネットでの提供が原則で、事業所への掲示だけでは足りません。

第6面のキャリアアップ措置と第7面以降の業務別実人数という内数構造

第6面は(11)キャリアアップ措置の実績です。キャリアコンサルティングの窓口担当者をキャリアコンサルタントとそれ以外に分け、社内か社外か、派遣元責任者との兼任状況まで人数で書きます。実施状況の欄は、全派遣労働者数、希望者数、実施者数を計と無期と有期に分けて記入する構成。教育訓練の中身と年間の運用は派遣の教育訓練の要件と記録を扱った記事で整理しています。

第7面から第9面はⅡ6月1日現在の状況報告に切り替わり、派遣労働者の業務別実人数、その内数の特定製造業務従事者、日雇派遣労働者の実人数と業務別内数が並びます。基準日が違うため、第2面と第7面の人数は一致しないのが正常です。なお第10面から第14面は記載要領で、提出は不要です。

決算月で最大半年ずれる様式第11号と収支決算書の提出期限の数え方

期限を「毎年6月30日」とだけ覚えていると、決算月が3月以外の会社で取りこぼしが出ます。条文の起算を追います。

施行規則第17条が定める翌月以後の最初の6月30日という起算の読み方

施行規則第17条第4項は、様式第11号の提出期限を「毎事業年度における事業年度の終了の日の属する月の翌月以後の最初の六月三十日」と定めています。決算日の翌月から数えて最初に来る6月30日、という読み方です。収支決算書は「毎事業年度経過後三月が経過する日」で、決算日から3か月後という別の起算になります。6月30日が休日に当たる年は受付期間が延び、令和6年の三重労働局の案内では6月3日から7月1日が提出期間でした。

3月決算と9月決算と12月決算で並べた提出期限のずれ方の比較

決算月別に並べると、2つが同時に来る会社と半年近く離れる会社に分かれます。

決算月 様式第11号の期限 様式第12号の期限 間隔
3月 同年6月30日 同年6月30日 同時
9月 翌年6月30日 同年12月31日 約6か月
12月 翌年6月30日 翌年3月31日 約3か月

9月決算の会社は、12月に収支決算書を出したあと半年空き、翌年6月に事業報告書を作ります。この空白期間に担当者が交代すると集計手順の引き継ぎが切れがちで、決算業務と報告書作成が同じ繁忙期に乗らないぶん期限管理の難度が上がります。

契約と勤怠と請求から派遣料金と賃金の平均額を機械的に出す集計の設計

報告書の欄ごとに自社のどのテーブルが供給元かを先に決めておくと、6月の作業が転記ではなく検算に変わります。

派遣料金の総額を総労働時間で割り8時間を掛ける算定式とデータの供給元

算定式の分子は派遣先から得た派遣料金の総額、分母は派遣労働者が従事した総労働時間数で、それぞれ請求データと勤怠データから来ます。この2つが別のシステムにあり、スタッフIDや契約IDで突合できない状態だと、業務分類ごとの分解ができません。派遣の勤怠管理と請求連携の設計を扱った記事で触れているとおり、締め処理の粒度が集計の粒度を規定します。

賃金側の分母も同じ総労働時間で、分子は給与支給額。給与が会計側、勤怠が派遣管理システム側にある場合、月次で両者を突き合わせる中間テーブルを持たせておけば、年度末に遡らずに済みます。月次の突合がない会社は、6月に12か月分の請求書と勤怠を並べ直す作業が発生します。

業務分類を契約時に確定させないと第3面が埋まらなくなる設計上の理由

第3面は職業分類ごとの行になっており、情報処理・通信技術者、製造技術者、製品検査従事者といった区分で料金と賃金を分けます。この分類は請求書にも給与明細にも載っていないのが普通で、持っているのは労働者派遣契約です。

契約登録の画面で業務分類をフリーテキストにしていると、年度末に人手で名寄せする羽目になります。契約時点でコード値として必須入力にしておけば、請求と勤怠の明細に分類コードが伝播し、第3面は集計クエリ1本で出ます。着手の順番としては、契約テーブルの項目設計を先に固めるほうが速いです。

無期と有期と協定対象という3つの区分を横断させる属性の持たせ方

様式の多くの欄が、無期雇用と有期雇用の別、そして協定対象派遣労働者かどうかで列を分けています。この3つは独立した属性です。有期雇用でも協定対象になり得ますし、無期雇用で派遣先均等・均衡方式を選んでいる人もいます。1つのフラグで兼ねようとすると、どこかの列で数が合わなくなります。

雇用契約マスタに雇用区分、待遇決定方式、通算雇用期間の起算日を別々に持たせ、報告対象期間末日時点の値をスナップショットとして残す形が扱いやすい設計です。期中に無期転換した人は末日時点の区分で数えるため、現在値だけを保持していると過去年度の再作成ができません。同じ履歴型の持ち方は支払単価にも要り、派遣の給与計算で単価と締め日を設計する考え方で扱っています。

表計算での年度集計が崩れる境目とスタッフ数や業務分類から見る条件

Excelでの集計がいつまで持つかは、人数ではなく軸の掛け算で決まります。

派遣スタッフ数と業務分類と雇用区分の積で決まる集計セル数の膨らみ方

第3面のセル数は、業務分類の数に対して料金と賃金の2系統、さらに派遣労働者平均・無期・有期・協定対象の4列が掛かります。10業務で80セル、30業務なら240セル。実務上の境目は事業所が2か所を超えたところに現れます。様式は事業所ごとの作成なので、3か所あれば同じ集計を3回回すことになるからです。スタッフ200名・事業所1か所・業務分類5区分なら表計算で十分ですが、事業所4か所・業務分類20区分では集計ミスの発見コストが作成コストを上回ります。

実施記録の出どころと内数関係の検算まで含めた集計処理の作り方

第2面(6)の安全衛生教育、第2面(8)の雇用安定措置、第6面(11)のキャリアアップ措置は、いずれも実施記録から年度で切り出す欄です。記録先は派遣元管理台帳と重なりますが、台帳は個人単位、報告書は事業所単位の集計という違いがあります。派遣元管理台帳の記載事項と保存期間を扱った記事のとおり台帳側に日時と内容が残っていれば、集計は積み上げるだけで済みます。もう1つ手を打つべきなのが内数の検算です。特定製造業務従事者の実人数は業務別実人数の内数、日雇派遣労働者の業務別実人数は日雇の実人数の内数という親子関係が様式内にあり、欄ごとに独立したクエリを書くと親より子が大きい数字が平然と出ます。基準日の違いと合わせて、検算ルールを集計処理の中に埋め込んでおきます。

提出の遅れで実際に効く制裁が罰金ではなく許可の取消しである理由

ここは他の解説と結論が分かれるため、条文に即して言い切ります。事業報告書の未提出に、直接の罰金は用意されていません。軽い義務という意味ではなく、効き方が違うだけです。

法第61条の各号に法第23条第1項が入っていないという条文上の事実

労働者派遣法第61条は30万円以下の罰金を定めた規定で、対象は6つの号に限定されています。許可申請書等への虚偽記載、法第11条第1項・第13条第1項・第23条第4項の届出義務違反、法第34条から第42条までの一部条文の違反、法第35条の通知義務違反、法第50条の報告義務違反、立入検査の拒否です。

この中に法第23条第1項はありません。第23条で挙がっているのは第4項、つまり海外派遣の事前届出だけ。一方、派遣元管理台帳を定めた第37条は第3号に明記されており、台帳の未作成や記載不備は直罰の対象になります。ただし法第50条に基づいて労働局から報告を求められたのに応じなければ第5号で罰金の対象になるため、提出しないまま放置すれば結局は罰則の射程に入ります。

法第14条の許可取消しと事業停止命令および法第49条の改善命令の射程

実効的な制裁はこちらです。法第14条第1項第2号は、派遣元事業主がこの法律の規定に違反したときに許可を取り消すことができると定めており、第23条第1項はこの「この法律の規定」に含まれます。除外されているのは第23条第3項、第23条の2、第30条第2項の読替適用と次章第4節だけ。同条第2項により、期間を定めた事業の全部または一部の停止命令も選べます。

法第49条第1項の改善命令も同じ構造で、除外リストに第23条第1項は入っていません。罰金30万円で済む話ではなく、許可そのものを失う可能性がある義務だと理解したほうが実態に合います。ここが台帳との違いです。台帳は罰金で処理される一方、事業報告書は事業継続の可否に触れる経路を持っています。提出した数字は許可の有効期間更新でも参照される点も見落とせません。

関係派遣先派遣割合の報告だけ指示を経る仕組みになっている構造

第23条第3項、つまり関係派遣先派遣割合報告書の扱いは独特です。法第14条第1項第2号のかっこ書きで明示的に除外され、法第49条第1項の改善命令からも外れています。受け皿は法第14条第1項第4号で、法第48条第3項の指示を受けてもなお違反したときに取消しの対象になる建て付け。いきなり取消しには進まず、指示という段階を1つ挟む設計です。3つをまとめて「6月末までに出す書類」と扱うと、リスクの重み付けを見誤ります。

既製の派遣管理システムで足りる条件と受託開発で集計基盤を作る分岐点

すべての会社に受託開発を勧めるつもりはありません。条件を切ります。

既製品の帳票出力で完結する事業所数と業務分類の少なさという条件

次の条件をすべて満たすなら、既製の派遣管理システムの帳票出力機能で足ります。事業所が1か所から2か所、業務分類が10区分以内、待遇決定方式が労使協定方式に統一、契約・勤怠・請求が同一製品で完結、の4つ。人手が入るのは検算だけになります。

製品を選ぶ段階では、様式第11号の出力に対応しているかを機能一覧で見るより、業務分類をコード値で保持しているか、雇用区分と待遇決定方式を別々の属性として持てるかを確認するほうが確実です。製品の種類ごとの機能範囲は派遣管理システムの基幹型と双方向型の違いを整理した記事で比較しています。

会計と勤怠が別のシステムに分かれている会社が受託開発を選ぶ判断

受託開発に踏み込む価値があるのは、請求が販売管理や会計の側にあり、勤怠が派遣管理システム側にあって、両者がスタッフIDで自動照合されていない場合です。この状態では第3面の平均額を出すたびに人手の名寄せが入り、桁の取り違えが起きます。待遇決定方式が事業所や職種で混在する会社、事業所が5か所以上の会社、業務分類が20区分超の会社も同じ側です。

作るのは報告書の清書機能ではなく、契約・勤怠・請求・給与から年度単位のスナップショットを生成する集計基盤です。基幹システム開発では、既存の会計や給与を残したまま、報告書の各面に対応するデータマートを追加する形での構築に対応しています。年に一度しか使わない機能に見えて、マージン率の情報提供と許可更新の資料作成にも同じデータが効きます。

報告書の出力機能を先に作らないほうがよい場面と着手すべき順番

順番を間違えている例も挙げます。契約時に業務分類がコード化されていない会社が先に報告書出力機能から作ると、出力のたびに名寄せ処理を挟む構造になり、精度が上がりません。この場合は出力機能の開発を見送り、契約登録の入力項目とマスタの整備を先にやるべきです。事業所が1か所でスタッフ50名以下なら、集計基盤への投資も見送って構いません。表計算で年1回作るコストのほうが安く、投資回収が立たないからです。分かれ目は規模ではなく集計の軸の本数で、2本なら表計算、4本を超えたら仕組みに寄せる、という線引きになります。無料の道具のままどこまで賄えるかという判断は、派遣管理システムを無料で使える範囲と切り替えの合図を扱った記事で機能単位に整理しています。

労働者派遣事業報告書の作成でよく寄せられる質問と実務判断への回答

提出直前に問い合わせが集中する論点を挙げます。

労働者派遣事業報告書はいつまでに提出すればよいですか?

施行規則第17条第4項により、様式第11号の提出期限は事業年度の終了の日の属する月の翌月以後の最初の6月30日です。3月決算なら当年6月30日、9月決算なら翌年6月30日になります。収支決算書(様式第12号)は毎事業年度経過後3月が経過する日で、決算月によっては報告書と半年ずれる点に注意してください。

派遣実績がなかった年度でも提出は必要ですか?

必要です。実績の有無にかかわらず、労働者派遣事業を行う事業所ごとに提出します。労働局の案内では、実績なしの場合は第1面をすべて記入し、第2面(1)①の全労働者の人数を入れたうえで、第2面の上部欄外に「派遣実績なし」と記載する形が示されています。第6面のキャリアコンサルティングの対象者数も、実施実績がなくても記入が必要です。

提出が遅れると罰金は科されますか?

労働者派遣法第61条が定める30万円以下の罰金の各号に、事業報告書の提出義務である第23条第1項は含まれていません。ただし法第14条第1項第2号の許可取消し事由と、法第49条第1項の改善命令の対象には入ります。法第50条に基づく報告を求められて応じない場合は第61条第5号で罰金の対象にもなり、後回しにしてよい義務ではありません。

労使協定の写しは毎年添付する必要がありますか?

施行規則第17条第3項により、法第30条の4第1項の労使協定を締結した派遣元事業主は、事業報告書に協定の写しを添付します。協定内で就業規則等を引用している場合は、その該当部分の写しも必要です。有効期間が2年以上の協定で期間中に一般賃金の額だけが改定されたときは、新旧を比較した確認書を添えます。改定の進め方は労使協定方式の年度改定を扱った記事で扱っています。

報告書の集計は既製の派遣管理システムだけで完結しますか?

事業所が2か所以内、業務分類が10区分以内、待遇決定方式が統一されていて、契約と勤怠と請求が同一製品で完結しているなら、標準の帳票出力で足ります。請求が会計側、勤怠が派遣管理システム側と供給元が分かれている場合は、業務分類ごとの平均額を出す段階で人手の名寄せが入るため、中間の集計基盤を持たせる判断になります。

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