Wan2.2(ワン2.2)は、Alibabaの通義万相(Wan)チームが2025年7月28日に重みを公開した動画生成モデルです。Apache-2.0ライセンスで商用利用もでき、ComfyUIなら手元のGPUで動かせます。ただし「必要VRAMは8GB」「いや24GB」「80GB」と、調べるほど数字が食い違うモデルでもあります。この記事では公式リポジトリとComfyUIのソースコードを根拠に、VRAMの数字が割れる理由、ComfyUIでの導入手順、FLF2Vを使ったループ動画の作り方、5秒を超える長尺の作り方までを順に説明します。
まとめ:Wan2.2を動かす前に押さえる要点
- モデルは用途別に5種:テキストと画像の両方から作れるTI2V-5B、高品質なT2V-A14B(テキスト)とI2V-A14B(画像)、音声駆動のS2V-14B、人物アニメーション用のAnimate-14B。いずれもApache-2.0。
- VRAMの数字は前提で変わる:公式スクリプトでは5Bでも24GB以上、A14Bは80GB以上と明記。ComfyUIはモデルをメインメモリへ逃がすオフロードを使うので、5Bは8GBでも動く。A14BはGGUF量子化でファイルを小さくできますが、動くかどうかは解像度・フレーム数・メインメモリの量で変わります。
- 導入はComfyUIのテンプレートが最短:拡散モデル・テキストエンコーダ・VAEの3種を所定フォルダへ置き、テンプレートを開いて実行するだけです。
- ループ動画はFLF2Vで開始と終了に同じ画像を入れる。両端がその画像に近づくよう条件付けされますが、一致は保証されないので繰り返し再生して確かめます。継ぎ目で一瞬止まるなら末尾1コマを落とします。
- 既定の長さは約5秒(A14Bは81枚・16fps、5Bは121枚・24fps)。それより長い動画は最終フレームを次の区間の入力にしてつなぎます。
- 後継のWan2.5以降は重みが公開されていない。ローカルで動かせるWan系の本流は2026年10月時点でもWan2.2です。
Wan2.2のモデル構成とライセンス
Wan2.2は2025年7月28日にT2V-A14B・I2V-A14B・TI2V-5Bの3モデルで公開され、8月26日にS2V-14B、9月19日にAnimate-14Bが追加されました(Wan-Video/Wan2.2のREADME)。重みはHugging FaceとModelScopeで配布されています。
| モデル | 入力 | 対応解像度 | 既定の長さ | 公開日 |
|---|---|---|---|---|
| TI2V-5B | テキスト/画像 | 1280×704 | 121枚・24fps | 2025-07-28 |
| T2V-A14B | テキスト | 480P/720P | 81枚・16fps | 2025-07-28 |
| I2V-A14B | 画像 | 480P/720P | 81枚・16fps | 2025-07-28 |
| S2V-14B | 画像+音声 | 480P/720P | 音声の長さまで | 2025-08-26 |
| Animate-14B | 画像+参照動画 | 720P | 参照動画の長さ | 2025-09-19 |
解像度と既定の長さは、公式リポジトリの設定ファイル(wan/configs)の値です。TI2V-5Bの720Pだけは1280×720ではなく1280×704である点に注意してください。
T2V-A14BとI2V-A14Bは、高ノイズ用と低ノイズ用の2つのエキスパートを持つMoE(Mixture-of-Experts)です。合計は約27Bですが、生成の前半(ノイズが多い段階)は高ノイズ側、後半は低ノイズ側だけが動くので、1ステップで計算するのは14B分です。切り替え位置も設定ファイルに書かれており、T2Vはタイムステップ0.875、I2Vは0.900で低ノイズ側へ移ります。ComfyUIのA14Bワークフローで拡散モデルを2つ読み込むのはこのためです。
ライセンスはApache-2.0で、モデルカードには生成物の権利を主張しないと書かれています。一方で、違法な内容や個人を害する内容を共有しない責任は利用者にあると明記されています。
Wan2.2の必要VRAM:公式の24GB・80GBとComfyUIの8GBが食い違う理由
数字が割れるのは、測っている道具が違うからです。公式READMEの数字は公式の generate.py で動かした場合、ComfyUIの数字はComfyUIのメモリ管理を使った場合の値です。
公式スクリプトでの実測値
公式READMEは、T2V-A14BとI2V-A14Bのコマンドを「80GB以上のGPUで動く」、TI2V-5Bのコマンドを「24GB以上のGPU(例:RTX 4090)で動く」と明記しています。READMEに載っている実測表から、GPU1枚の値を抜き出すと次のとおりです。
| GPU | モデル | 解像度 | 生成時間 | ピークメモリ |
|---|---|---|---|---|
| RTX 4090 | TI2V-5B(T2V) | 720P | 534.7秒 | 22.9GB |
| H100/H800 | T2V-A14B | 480P | 326.9秒 | 41.3GB |
| H100/H800 | T2V-A14B | 720P | 1041.5秒 | 59.8GB |
| A100/A800 | I2V-A14B | 720P | 2810.9秒 | 59.7GB |
この表はすでに --offload_model True --convert_model_dtype(5Bは --t5_cpu も)を付けた条件です。オフロードを入れてもA14Bの720Pは60GB近く使うので、公式スクリプトのままでは家庭用GPUでA14Bは動きません。RTX 4090で5Bの5秒・720Pが約9分という数字も、この表の534.7秒が出どころです。
ComfyUIで8GBから動く条件
ComfyUIの公式チュートリアルは「5BはComfyUIネイティブのオフロード機能を使えば8GB VRAMで十分に動く」と書いています(ComfyUI公式のWan2.2チュートリアル)。ComfyUIは今の計算に使わない重みをメインメモリへ退避するので、VRAMの代わりにメインメモリとストレージを消費します。VRAMが小さい環境ほど、メインメモリの容量と生成時間が効いてきます。
手元に用意するファイルの大きさは、Hugging Face APIで取得した容量で比べられます。T2V-A14BとI2V-A14Bの拡散モデルは、高ノイズ用と低ノイズ用の2ファイルが必要なので、合計容量は表の1ファイル分の約2倍になります。
| ファイル | 1ファイルの容量 | 必要本数 |
|---|---|---|
| TI2V-5B fp16 | 10.00GB | 1 |
| TI2V-5B GGUF Q4_K_M | 3.43GB | 1 |
| T2V/I2V-A14B fp16 | 28.58GB | 2 |
| T2V/I2V-A14B fp8_scaled | 14.29GB | 2 |
| T2V-A14B GGUF Q4_K_M | 9.65GB | 2 |
| T2V-A14B GGUF Q3_K_S | 6.51GB | 2 |
| テキストエンコーダ umt5 fp8 | 6.74GB | 共通 |
容量はComfy-Org/Wan_2.2_ComfyUI_RepackagedとQuantStackのGGUFリポジトリの値です。これはファイルの大きさで、必要VRAMそのものではありません。生成中は潜在表現と注意計算の分が上乗せされ、解像度とフレーム数に比例して増えます。fp8の仕組みはFP8とFP16・BF16の違いを解説した記事で詳しく扱っています。
VRAM別のモデルの選び方
- 8GB:TI2V-5B。A14BのGGUF Q3も候補になりますが、オフロードの往復で1本に長時間かかります。まず5Bで操作を覚えるのが現実的です。
- 12〜16GB:A14BのGGUF Q4_K_Mなどが候補ですが、ファイル容量だけでは動作可否を判断できません。解像度・フレーム数・RAM容量・オフロード設定を含めて確認してください。
- 24GB:A14Bのfp8_scaled(1ファイル14.29GB)。ComfyUI公式テンプレートの既定構成です。
- 手元にGPUがない:時間課金のGPUクラウドで24GB以上を借ります(Runpodの料金と使い方)。
ループ動画を作りたい場合は、後述のとおりFLF2VがI2V-A14Bのファイルを使うため、5Bだけでは足りません。
ComfyUIでWan2.2を導入する手順
Wan2.2は2025年7月28日にComfyUI本体へ組み込まれており、追加のカスタムノードなしで動きます。テンプレートが見つからない場合はComfyUIが古いので、先に最新版へ更新します。
必要なファイルと置き場所
ComfyUI公式チュートリアルが指定するファイルは、Comfy-Org/Wan_2.2_ComfyUI_Repackagedに揃っています。以下の配置例は5BとI2V-A14B用です。T2V-A14Bを使う場合は、拡散モデルをT2V用の高ノイズ・低ノイズの2ファイルに替えます。5BとA14BではVAEも異なります。5Bは wan2.2_vae、A14Bは wan_2.1_vae(Wan2.2と互換)を使います。
ComfyUI/models/
├── diffusion_models/
│ ├── wan2.2_ti2v_5B_fp16.safetensors # 5B
│ ├── wan2.2_i2v_high_noise_14B_fp8_scaled.safetensors # I2V-A14B 高ノイズ
│ └── wan2.2_i2v_low_noise_14B_fp8_scaled.safetensors # I2V-A14B 低ノイズ
├── text_encoders/
│ └── umt5_xxl_fp8_e4m3fn_scaled.safetensors # 全モデル共通
└── vae/
├── wan2.2_vae.safetensors # 5B用
└── wan_2.1_vae.safetensors # A14B用
GGUF版を使う場合は、拡散モデルの代わりにQuantStackの .gguf を置き、カスタムノードのComfyUI-GGUF(city96)を入れて「Unet Loader (GGUF)」で読み込みます。
ComfyUIテンプレートの選択と生成設定
- メニューの「Workflow」→「Browse Templates」→「Video」を開き、「Wan2.2 5B」「Wan2.2 14B T2V」「Wan2.2 14B I2V」「Wan2.2 14B FLF2V」のいずれかを選ぶ。
- Load Diffusion Model・Load CLIP・Load VAEの各ノードが、置いたファイル名を指しているか確認する(A14Bは拡散モデルのノードが2つ)。
- I2Vなら「Load Image」に元画像を入れ、プロンプトを書き換える。
- 「Run」かCtrl(Mac は Cmd)+Enterで生成する。
解像度と長さは、5Bなら Wan22ImageToVideoLatent、A14Bなら EmptyHunyuanLatentVideo などのノードで変えます。5Bの公式テンプレートは1280×704・121枚・24fpsで、公式スクリプトと同じ約5秒です。ただし同じノードを空のキャンバスに新しく置くと、既定値は49枚(24fpsで約2秒)になります(Comfy-Orgの5Bテンプレート)。自作のワークフローで動画が短いときは length を確認してください。
Lightning LoRAの4ステップ生成とCFG設定
T2V-A14BとI2V-A14Bは既定で40ステップ(公式設定の sample_steps)回すため、1本に時間がかかります。lightx2vが2025年8月から配布しているWan2.2-Lightningは、ステップ数を4まで減らす蒸留LoRAです。高ノイズ用と低ノイズ用がペアになっており、ComfyUI向けの再配布版は1ファイル1.23GBです。
減るのは時間で、VRAMは減りません。モデルカードは4ステップ版を「CFGの工夫なしで動く」と説明しており、CFGを1にして使う前提です。ComfyUIはCFGが1のときネガティブ側の計算を省くので、ネガティブプロンプトは効かなくなります。Lightningで得た構図や動きを通常モデルが再現するとは限りません。Lightningの出力が要件を満たせばそのまま採用し、不足があれば通常モデルとも比較します(lightx2v/Wan2.2-Lightningのモデルカード)。
公式generate.pyの導入と実行コマンド
ComfyUIを使わずコマンドラインで動かす場合は、公式リポジトリをクローンします。READMEはPyTorch 2.4.0以上を前提にしています。以下はTI2V-5Bを24GBのGPUで動かすときのREADMEどおりのコマンドです。
git clone https://github.com/Wan-Video/Wan2.2.git
cd Wan2.2
pip install -r requirements.txt
huggingface-cli download Wan-AI/Wan2.2-TI2V-5B --local-dir ./Wan2.2-TI2V-5B
python generate.py --task ti2v-5B --size '1280*704' --ckpt_dir ./Wan2.2-TI2V-5B \
--offload_model True --convert_model_dtype --t5_cpu \
--prompt "Two anthropomorphic cats in comfy boxing gear fight on a spotlighted stage."
メモリ不足(OOM)になったら、READMEのとおり --offload_model True・--convert_model_dtype・--t5_cpu を付けます。80GB以上のGPUならこの3つを外すと速くなります。
Wan2.2でループ動画を作る手順
継ぎ目なく繰り返すループ動画は、開始フレームと終了フレームを指定して間を生成するFLF2V(First-Last-Frame to Video)で作ります。I2Vが「1枚目だけ指定」なのに対し、FLF2Vは「1枚目と最後の1枚を指定」する方式です。開始と終了に同じ画像を入れると、最後に元の絵へ戻るよう条件付けされます。
FLF2Vテンプレートの開始画像・終了画像の設定
- テンプレート「Wan2.2 14B FLF2V」を開く。モデルはI2V-A14Bと同じファイルを使う。
- 1つ目のLoad Imageと2つ目のLoad Imageの両方に、同じ画像を入れる。
- プロンプトには「何が動いて元に戻るか」を書く(例:髪が風で揺れて止まる、湯気が立ちのぼる)。カメラが一方向へ進む指示は、最後に元の位置へ戻れないので避ける。
WanFirstLastFrameToVideoノードで解像度と長さを決めて実行する。
FLF2Vの公式テンプレートは640×640・81枚に設定されています。ComfyUIのチュートリアルは、低VRAM環境で使いすぎないよう小さめにしてあり、VRAMに余裕があれば720P程度を試せると書いています。5BのノードWan22ImageToVideoLatentは開始画像しか受け取らないので、ComfyUI標準の構成で終了画像を指定できるのはI2V-A14Bを使うFLF2Vだけです。
Wan2.2のフレーム数と「4の倍数+1」の制約
Wan系のVAEは時間方向に4フレームを1つにまとめます。ComfyUIのノードも length を1から4刻み(1、5、9…81)でしか受け付けず、内部では「(長さ−1)÷4+1」個の潜在フレームを作ります。A14Bは16fpsなので、81枚で約5.1秒、49枚で約3.1秒です。ループ素材は短いほど破綻しにくく、3秒前後から試すと調整が早く進みます。
ループ動画の継ぎ目確認と末尾フレームの調整
ComfyUIの WanFirstLastFrameToVideo は、開始画像と終了画像を条件テンソルの両端に配置し、VAEで符号化して生成モデルへ渡します(ComfyUIのnodes_wan.py)。開始と終了に同じ画像を指定すると、両端をその画像に近づける条件になります。ただし出力の一致は保証されないため、繰り返し再生して両端の絵柄と動きのつながりを確認します。
両端の重複による停止感がある場合は、最後の1コマを落とします。下のコマンドは、ffmpeg 7.1で81枚のテスト動画(生成結果ではない)に当て、80枚になること、4回連結で320枚・20.00秒になることを確認しています。連結を -c copy で済ませるとタイムスタンプが重複する警告が出たため、16fpsで時刻を振り直して再エンコードしています。
# 81枚の出力から最後の1枚を落とす(0〜79枚目を残す)
ffmpeg -i wan_flf2v.mp4 -vf "trim=end_frame=80,setpts=PTS-STARTPTS" -c:v libx264 -pix_fmt yuv420p loop1.mp4
# 4回繰り返した動画を作る(-stream_loop 3 = 元+3回)
ffmpeg -stream_loop 3 -i loop1.mp4 -vf "setpts=N/(16*TB)" -r 16 -an -c:v libx264 -pix_fmt yuv420p loop4.mp4
end_frame には「生成した枚数−1」を入れます。49枚で作ったなら48です。Webページの背景に使うなら、連結せず1周分を置いてプレーヤーのループ再生に任せれば足ります。
5秒より長い動画を作る方法
Wan2.2の既定の長さが約5秒なのは、公式設定のフレーム数がA14Bで81枚(16fps)、5Bで121枚(24fps)だからです。length は大きくできますが、計算量とメモリはフレーム数に応じて増えます。長尺は5秒前後の区間に分けて生成し、つなぐ方法が基本です。
最終フレームを入力にしたI2Vの区間連結
1本目の最後のフレームを画像として書き出し、それをI2Vの入力にして2本目を作ります。最後のフレームはffmpegで取り出せます(81枚なら80番目、0始まり)。
# 81枚の動画から最後のフレーム(0始まりで80番目)をPNGで書き出す
ffmpeg -i part1.mp4 -vf "select=eq(n\,80)" -frames:v 1 last.png
I2Vが受け取るのはこの1枚だけで、1本目の動きの速さや向きは引き継がれません。歩く・走るのような連続した動作は、つなぎ目で速度が変わりやすくなります。2本目のプロンプトにも同じ動作を同じ言葉で書き、指示が途切れないようにします。連結前に1本目の末尾と2本目の先頭を比較し、重複による停止感があれば2本目の先頭1コマを削除します。ただし、色や形、動きの速度の不連続は1コマの削除だけでは解消できません。
長尺向けのコミュニティ手法
区間をつなぐ処理を自動化する手法もあります。検索結果に出てくるSVI(Stable Video Infinity)は、EPFLのVITAラボが公開した長尺生成の手法で、Wan本体は変えずにLoRAだけを追加学習し、区間を重ねるうちに色や形のずれが積み重なる問題を抑えます。2025年12月4日のSVI 2.0でWan2.2に対応し、12月26日にSVI 2.0 Proが出ました(Stable-Video-InfinityのREADME)。
Wan2.2ではsvi_wan22ブランチと、READMEの固定Issueで案内されるSVI 2.0/2.0 Pro対応ワークフローを確認します。READMEにはSVI 1.0向けの古い手順も併記されているため、混用しないでください。SVI 2.0 Proの案内では、クリップごとにseedを変え、スローモーション化への対策としてプロンプトの調整やLightX2Vの使用を減らすことなどを勧めています。
Wan2.2のプロンプトの書き方
テキストエンコーダは多言語対応のumT5です。被写体・動作・場所・カメラ・光を1文ずつ具体的に書くと、意図した動きになりやすくなります。
- 動作は時間順に書く:「振り向いて、手を上げ、笑う」のように順番を書くと、5秒の中での段取りが伝わります。
- カメラは1区間に1つ:まず「dolly in」や「pan left」のどちらか1つで試すと、意図したカメラ移動が出ているかを確認しやすくなります。
- 光と色調を指定する:公式は照明・構図・コントラスト・色調のラベルを付けた美的データで学習したと説明しており、「golden hour」「soft backlight」のように光を具体的に書いておく意味があります。
ネガティブプロンプトの既定値は、公式設定ファイルに中国語で書かれています(「色调艳丽,过曝,静态,细节模糊不清,字幕…」など)。意味が分からないまま消さず、足したい語だけを追加するのが無難です。公式の generate.py には、Qwenでプロンプトを書き足す --use_prompt_extend オプションもあります。
後継・派生モデルとの関係:Wan2.5以降は重みが非公開
Wanシリーズは2.2の後もWan2.5・2.6・2.7と番号を進めていますが、Hugging FaceのWan-AI公式アカウントに重みが公開されているのはWan2.2までです(2026年10月13日にHugging Face APIで確認)。2.5以降は、Alibaba CloudのModel Studioで動画生成APIとして公開されてきました(Model Studioの新規モデル一覧)。日付は同ページの国際版の公開日です。
| モデル | 公開 | 重み | 内容 |
|---|---|---|---|
| Wan2.2-S2V-14B | 2025-08-26 | 公開 | 音声に合わせて話す・歌う動画 |
| Wan2.2-Animate-14B | 2025-09-19 | 公開 | 人物アニメーション・置き換え |
| Wan-Dancer-14B | 2026-07-13 | 公開 | 音楽から分単位のダンス動画 |
| Wan-Animate-2 | 2026-08-07 | 公開 | Animateの後継・視点を文章で指定 |
| Wan2.5 Preview | 2025-09-19 | 非公開 | Model StudioのAPI |
| Wan2.6 | 2025-12-03 | 非公開 | Model StudioのAPI |
| Wan2.7 | 2026-04-03 | 非公開 | Model StudioのAPI・動画編集 |
Wan-Animate-2(リポジトリ名はWan2.2-Animate-2-14B)とWan-Dancerは、2026年にApache-2.0で公開されました(Wan2.2-Animate-2-14Bのモデルカード)。重みを手元に置いて動かしたい、社外に素材を出したくないという条件なら、選択肢はWan2.2とこれらの派生モデルになります。
Wan2.2と他のオープン動画生成モデルの選び分け
Wan2.2を選ぶ理由は、Apache-2.0で重みを自由に使えることと、ComfyUI公式のテンプレートに加えて量子化版・高速化LoRA・SVIのような拡張が揃っていることです。逆に、次の条件ではWan2.2以外を先に検討します。
- 映像と音声を同時に作りたい:Wan2.2の生成は映像だけです。音声付きで出力したいならLTX-2.3のスペックとVRAMを確認してください。使い方はLTX-2.3のプロンプトと使い方の記事にまとめています。
- アニメ調に特化したい:Wan2.2をベースに日本のアニメ向けに学習したAnimeGenのローカル実行手順があります。
- 2026年のオープンモデルと比べたい:MiniMax-H3の必要スペックと量子化版のように、2026年に公開された重み公開モデルも増えています。
なお、クローズドの動画生成サービスは提供条件が変わりやすく、OpenAIのSoraはアプリ・APIとも提供を終えています(経緯はSoraのサービス終了の記事)。業務の制作フローに組み込むなら、重みを手元に持てるモデルは提供終了の影響を受けない点が強みです。社内の制作業務に生成AIを組み込む設計から相談したい場合は、一創の生成AI導入支援で対応しています。
FAQ:Wan2.2のよくある質問
Wan2.2は無料で商用利用できますか?
できます。重みはApache-2.0で公開されており、利用料はかかりません。モデルカードは生成物の権利を主張しないとしつつ、違法な内容や他者を害する内容を共有しない責任は利用者にあると定めています。
Wan2.2はVRAM 8GBで動きますか?
ComfyUIでTI2V-5Bを使うなら動きます。オフロード機能でメインメモリを併用するためです。公式の generate.py は5Bでも24GB以上が前提です。
I2VとFLF2Vの違いは何ですか?
I2V(Image to Video)は1枚目の画像だけを指定して続きを生成します。FLF2V(First-Last-Frame to Video)は1枚目と最後の1枚を指定し、その間を生成します。Wan2.2ではどちらもI2V-A14Bのモデルファイルで動きます。
Wan2.2で5秒以上の長い動画は作れますか?
作れます。length を増やすとメモリと時間が増えるので、5秒前後の区間を作り、最終フレームを次の区間の入力にしてつなぎます。
Wan2.2とWan2.5の違いは何ですか?
最も大きな違いは重みの公開です。Wan2.2はApache-2.0で重みが公開されローカルで動かせますが、Wan2.5以降はAPI・サービスとして提供されており、2026年10月時点でHugging Faceに重みはありません。